ヒロアカに転生して炎の個性を得たけど、俺のせいで平行世界化したんだけど   作:孤狼 龍

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あらすじ

紅煉のもう1つの個性が判明。
そして、新たに来たヴィラン。その正体は紅煉の実の父親であった。
そしてそんな紅煉のもう1つの個性を求めようと紅煉の父は紅煉を連れて帰ろうとする


第7話 火群とUSJ襲撃・後編

 対峙するヒーローとヴィラン。

 ヒーロー側には未だに回復しない紅煉と相澤先生、そしてオールマイト。ヴィラン側には死柄木、黒霧、そして紅煉の父親、プルトン。

 

「そこをどきたまえオールマイト。俺は息子を連れて帰ろうとしてるだけだ」

 

「息子?誰のことを言っている?」

 

 オールマイトは途中から来た。なので紅煉の父親が目の前にいる凶悪敵、プルトンだとはまだ知らない。

 

「オールマイト。奴の言う息子とは火群の事です」

 

「なに?!火群少年の!?」

 

 流石のオールマイトでもこの事実は衝撃すぎたらしい。紅煉とプルトンを交互に見ている。

 

「事実です。俺も、今まで生きてるなんて、知らなかったですけど」

 

 傷を回復させた紅煉が立ち上がって言う。その目は冷たく、プルトンを見ている。

 

「やはり再教育が必要か?紅煉。あまり息子を傷つけたくはない父の愛情がわからぬのか?」

 

「愛情?ハッ、笑止。躊躇なく俺の右肺を黒い炎で焼き貫きやがって……どう見ても愛情もクソもあったもんじゃねぇ」

 

 プルトンがわざとらしく目頭を抑えるのを見て紅煉が冷たく言う。紅煉の中ではもう目の前の男は父親では無く凶悪なヴィランというのに変わっている。普通なら精神異常を引き起こすのだろうが……二度目の人生を送ってる紅煉だから受け入れられたのかもしれん。

 

 すると、そこに4つの影が現れ。そのうちの一人が黒霧と死柄木を“氷”で動きを止める。

 

「なっ!?」

 

「む?!」

 

「お前ら…なぜ来た!?」

 

「君達、何をしに」

 

 黒霧、死柄木、相澤先生、オールマイトが反応する。現れたのは切島、爆豪、轟ちゃん、緑谷の4人だ。

 

「ダチを救いに来たんスよ……火群1人戦わせねぇ!」

 

「クソヴィランをぶっ殺しに」

 

「友達を助けに……来ました!」

 

「私はクラスメイトを助けに……」

 

 どうやら爆豪以外は俺を助けに来たらしい。視界の端で梅雨ちゃんと峰田が入口に向かうのが見えたが緑谷は待機してらしい……

 

ーーーー

 

「デクくん達ヴィランの前に出たよ!?」

 

「火群を救うためだろう。爆豪は分からんが」

 

「けろォ……大丈夫かしら?」

 

「オールマイトもいるし大丈夫だと思うぜ!……多分」

 

「でも、あのプルトンっていうヴィラン。オールマイトから逃げ果せた敵なんだろ?どうなんだ?」

 

 クラスメイトは心配そうに広場を見ている。まだ意識のある雑魚敵も大勢居るが、その全てがプルトンたちを見ている。

 

ーーーー

 

 緑谷達を見たプルトンは、不意に口を開く。

 

「……若い。まだ恐怖を知らない子供たちばかりか……そこの緑髪の少年以外」

 

「あ?なんでデクが出てくんだ?」

 

「その少年は我が息子があっさりやられるのを見ていたのだよ。恐怖し目の前に立つことすら出来ない。それが普通だ。だがその少年は目の前に立った。敬意を表する……が、蛮勇だったな」

 

 心底疲れた顔をして爆豪の質問に答えると黒い炎を緑谷に向かって放つ。

 不意をついた一撃に緑谷達は見切れず、相澤先生は愚かオールマイトも反応が遅れた。1人を除いて……

 

「《陽炎(かげろう)》」

 

 緑谷の前に炎の壁が現れ黒炎を防ぐ。炎の出た方向を見ると紅煉がそこにいた。

 

「……紅煉。父は嬉しい。先まで見切れなかった炎を見切るとは」

 

「世辞はいらない。見切りやすいよう威力も速度も落としていたくせに……」

 

 プルトンが笑いながら言うと、紅煉は冷たく言い返す。

 

「おい、切島、轟、デク……今の、見えたか?」

 

「見えなかった……あれが、本物の(ヴィラン)

 

「マジか、さっきまで俺らが戦ってたのとは次元が違いすぎる……」

 

「プロの世界は、僕らの想像以上なのかもしれない……」

 

 四人は、目の前で起こった事を信じられ無かった。同じ土台に立ってると思っていた紅煉は既に、皆の少し上に立っていたのだ。

 

「……父に逆らうか?紅煉」

 

「初めての親子喧嘩といこうか?親父殿」

 

 プルトンと紅煉が対峙する。そこでやっとオールマイトと相澤先生が現状を理解する。

 

「火群!下がー」

 

「火群少年!!そいつから離れー」

 

 そして2人が動こうとすると、2人の前に2つの影が立ち塞がる。

 

「させませんよ」

 

「おい、起きろ脳無」

 

 氷から抜け出した黒霧が相澤先生の前に立ち塞がり、死柄木の呼び掛けに脳無が起き上がりオールマイトの前に立つ。

 

「クソッ!」

 

「君達、初犯でこれは、覚悟しとけよ!」

 

「クククッ、頼れるヒーローは俺の仲間が足止めしてくれてる。一騎打ちだな?紅煉」

 

「一騎打ち?違うな、これは決闘じゃない。親子喧嘩だ。そうだろ?親父殿」

 

 プルトンと紅煉はお互いに薄ら笑いを浮かべながら語り合う。その光景を一言で表すなら………『嵐の前の静けさ』だろう。

 

「《獄炎(ヘル・ブレイズ)》!」

 

「《鏡火炎(きょうかえん)》!」

 

 黒炎の塊と猛炎の塊がぶつかり合う。その威力は緑谷達が無意識に下がる程、さらにその熱量も半端ない。

 

「あっつ!!ぶつかっただけでこの熱量かよ!」

 

「ぐっ、近付けない……」

 

 切島は熱量に驚きを隠せない、緑谷も加勢に行きたいが近付けない。

 

「ほう?俺の黒炎に耐えるか」

 

「驚くのはまだ早いぜ……《十字火(じゅうじか)》!」

 

 腕を十字にして十字架型の炎を放つ。

 

「《波状の獄炎(ヘルブレイズ・ウェーブ)》」

 

 掌から大量の黒炎が出され十字火を相殺させる。

 

「チッ……相殺されたか」

 

「さぁ、次はどう来る?」

 

 お互い余裕なのか涼しい顔で立っている。だが、紅煉の方は少し余裕がなく、逆にプルトンの方は余裕がありそうな表情だ。

 

「舐めんな!!《炎戒(えんかい)》!」

 

 プルトンの周りに炎の円を展開させる。

 

「ほう?それで?どうする気だ?これで終わりか?」

 

「まさか、ここからだ!《火柱(ひばしら)》!」

 

「ぬっ!?」

 

 炎の柱がプルトンを包む。それを見てたクラスメイト達は皆勝ったと確信した……だが、現実はそう甘くない。

 

「《獄門刀(ごくもんとう)》……」

 

 そんな声が聞こえた瞬間、紅煉がいきなりしゃがむ。

 

「あの野郎……なんでしゃがんだんだ?」

 

「さ、さぁ?」

 

 爆豪と緑谷が疑問に思った次の瞬間。黒い炎の塊がUSJの天蓋の1部を突き破っていった。紅煉がしゃがんでなければ吹っ飛んでいたであろう。

 

「……《神千斬(かみちぎ)り》」

 

 炎の柱が消え、その位置からプルトンが黒い炎で作ったであろう巨大で歪な刀を持っていた。

 

「……下手したら俺がやばかったな」

 

「さぁ、終わりにしようか……紅煉。最初の親子喧嘩は……俺の勝ちだ」

 

「なに?」

 

「《付呪・獄炎(エンチャント・ヘルブレイズ)》」

 

 刀に黒炎を纏わせ振るう。その方向は……

 

「おい!?あれこっちに来てねぇか!?」

 

「ケロっ!不味いわ、ここに居たら皆焼けてしまう!!」

 

「正気かよあいつ!!」

 

 USJ入口、皆がいる方向だ。

 

「相澤くん!!個性を使って消せないか!?」

 

「放たれた後じゃ無理です!!くそ!!間に合わない!!」

 

 オールマイトと相澤先生が焦る。爆豪、轟ちゃん、切島も動けない中、一人……いや、二人動いた者がいた。

 

「俺を投げ飛ばせ!!出久!!」

 

「任せて!《スマッシュッ》!!」

 

 紅煉と緑谷は同時に動くと緑谷は紅煉を掴み、思いっきり投げ飛ばす。その速度は黒炎を抜き、入口まで一気に到達する。

 

「「「「「火群(くん)!?」」」」」

 

「皆を、巻き込むんじゃねぇよ、クソ親父!!」

 

 紅煉は皆の前に立つと両腕に炎を纏う。

 

「あの炎、左右で温度が違う……右手が高温で左手が低温……」

 

「ど、どういうことだ?なんで温度に差を」

 

「てかなんでわかんの?」

 

「個性の特性上、そういうの分かりやすいの」

 

 轟ちゃんが炎の温度が左右で違うことに気づき爆豪が考察、切島はなぜ分かったか疑問に思ったが理由を聞いてすぐに納得。

 

「何をする気ですか?あの少年、まさか、止める気?」

 

「……だとしたらチートだぞ」

 

「「火群(少年)……」」

 

 黒霧や死柄木も見てる中、オールマイトと相澤先生も不安そう見ている。助けに行きたいが目の前に立たれて動けないのだ。

 

「さぁ、どうする?その炎じゃ、合わせても意味ないだろうに」

 

「合わせる……?まさか!」

 

 プルトンが煽るように言う。それを聞いた緑谷はあることに気づく。

 

「意味はある……いくぞ!!喰らっとけ!」

 

「《火産霊神(ほむすびのかみ)》!」

 

 両手を合わせると巨大な炎の竜巻が発生し黒炎を打ち消した。それだけではなくプルトンに向かって炎の竜巻が向かっていく。

 

「なっ!?俺の、獄炎(ヘル・ブレイズ)を……おのれ、紅煉ンンンンンッ!!」

 

「さすがに不味い!すいません!横槍を入れます!」

 

 プルトンが黒炎を消されたことに怒り、黒霧はワープゲートで炎の竜巻を別の場所へ飛ばす。

 

「器がちいせぇな、親父殿……もう少し息子の成長を喜んでくれてもいいだろう?」

 

「なんだ……今の技は……」

 

 紅煉は少し疲れた顔をして煽るように言い放ち、プルトンは怒りながら聞く。

 

「自然現象の竜巻を再現した技だ。威力は見ての通りだ。それと、今回の親子喧嘩……俺の勝ちだ」

 

「なに?」

 

 すると、オールマイトに蹴破られた扉から複数の職員……もといヒーローが駆け込んできた。

 

「待たせたね、すぐ動けるものを、かき集めてきた」

 

「1年A組!クラス委員長!飯田天哉!ただいま戻りました!!」

 

「ぐ、紅煉!貴様、まさか!」

 

「俺はお前らをここにとどめておくための時間稼ぎだったんだよ、バカ親父。いくらあんたでもプロ複数はキツいだろう」

 

 舌を出して親指で首を掻っ切る動作をする。つまりこれまでの闘いは他のヒーローが来るまでの時間稼ぎだったというワケだ。

 

「おのれぇぇぇぇっ!愚息がァァっ!!」

 

「クソチートが……」

 

 プルトンと死柄木、それぞれが紅煉に向かって怒りを向ける。

 

「プルトンさん!死柄木弔!ここは撤退を!脳無の回収を……」

 

「逃がすか!」

 

 黒霧がワープゲートで死柄木とプルトンを包み、脳無も包もうとするとオールマイトが脳無を組み伏した。

 

「黒霧!脳無はいい!撤退だ!」

 

「ッ!?ボーッとしていた、待て!」

 

 死柄木がそう言うと黒霧は相澤先生の個性が発動する前に脳無とそこいらの個性持て余しヴィランを置いてプルトンと死柄木と共に消えた。

 助けに来た先生達は他の生徒の救出に向かった。

 

「凄いね!火群くん!!強かったよ!」

 

「……ふぅ…正直に言ってキツかった」

 

「え?」

 

「今の俺じゃ……勝てない。まだ本気じゃなかった」

 

 麗日が強かったと褒めに来たが、紅煉は気付いていた。プルトンが、まだ本気を出していなかったことに……

 

ーーーー

 

 その後、警察の方も来て取り残されたヴィランと脳無を逮捕した。今回の襲撃事件で出た負傷者はほぼゼロ。殆どが軽傷で済んだ。唯一大怪我をした紅煉も不死鳥の個性で傷を癒し、13号先生の怪我もある程度癒した。

 

 そしてオールマイトは自身の親友である警察の塚内という方に、ある言葉を伝えた。

 

(ヴィラン)も馬鹿なことをした!!1ーA(このクラス)は強いヒーローになるぞ!!」

 

ーーーー

 

「あのクソチート野郎が!!」

 

「まさか、あそこまで強い生徒がいるとは」

 

「まだだ……」

 

「「ッ!!」」

 

 死柄木は紅煉に対して悪態をつき、黒霧は驚きながら話してるとプルトンがそう言い放つ。

 

「あいつはまだ強くなる……盟友よ、俺たちの捜し求めるものもあったぞ」

 

『それは本当かい?プルトン』

 

 プルトンが向いた方向にはテレビがあり、それはどこかに繋がってるのか電話のようになっている。

 

「嘘はつかん……奴の個性を私が奪えば、俺とお前で新たなる世界を作れるぞ」

 

『それは嬉しい限りだ。だが、まずは精鋭集めだな……時間はある。最強の精鋭を、作ろうじゃないか』

 

ーーーー

 

 その後、一度教室に戻り起こった出来事一つ一つ説明した後、解散することになったが、紅煉はプルトンの事を含め後日、教員会議の席に呼ばれることとなった。

 紅煉は家に帰ってまず仏壇の前に立つ。

 

「……母さん…そして叔父さん。今までごめん……気付けなかった……今日、親父と会ったよ。昔と違った……俺の知る父さんじゃなかった……ヴィランとなった親父は、俺をも傷つけた……ごめん。10年も、勘違いしてて……ごめんなさい」

 

 そう言って仏壇の部屋を後にする……そのまま夕飯を軽く済ませ、風呂に入り、寝る……が、やはり寝れずに起きる。

 何もすることがないので、とりあえず不死鳥の炎で行われる技を考えることにしたのだが、こういう時に限っていい案というのは思いつかないものである…そうこうしてるうちに既に日付も変わり小腹がすいたからという理由でカップ麺を食べる。健康に悪い?上等!

 ちなみに1週間に3回はそんな生活もあるらしい。不健康な生活を送ってるが、まぁ一般的な学生としてみたら普通な方なのかもしれない。という願望を抱いていたいというのはおかしい事なのか?はたまた普通なのか分からないのである。




父親との1戦。
紅煉は本気で戦うも、父親にはやはり敵わず終始手加減されたまま終わる。そのまま教員、いやヒーローに助けられ、後日、父親について話すこととなった。
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