葵side
起きたら、駅じゃなくて和風な家の並ぶ風情のある街並みだった。多分、カルマが起こさずにおぶってくれてたのかな?カルマに起きたことを伝えて自分で歩くって言ってもカルマからは良いよ良いよ。そのままおぶられてな?って言われてその言葉に従う。けど、ただでは終わりたくないから自分の胸をカルマに押し付けてみる。明らかに動揺してて見てて面白い。
「葵、押し付けないで」
「何...?」
「言わなくてもわかるでしょ。」
「役得......着く....?」
「そーだねー、バスも使ったし5分もないと思うよ」
そんなたわいの無い話をしてると目の前にボク達が泊まる予定の旅館。さびれや旅館が見えてきた。旅館でもE組は差別されるらしく本校組は個室のそれなりに綺麗なホテルらしいけどボク達はどちらかと言うと古臭く箇所箇所がボロボロな男女別の大部屋しかない。まぁ、多分こっちの方が楽しいからいいけどさ。挨拶を済まして中に入って一息ついたんだけど殺せんせーが萎み始めた風船みたいになってる。
「・・・一日目で既に瀕死なんだけど」
「新幹線とバスで酔ってグロッキーとは・・・」
「大丈夫?寝室で休んだら?」
顔も真っ青で顔も萎んで明らかに体調の悪い殺せんせーがソファーでぐったりとしていた。何人かが体調を気遣い質問しながらナイフを振るうけど殺せんせーには何一つとして当たらずに避けられる。
「いえ・・・ご心配なく。先生これから1度東京に戻りますし。枕を忘れてしまいまして」
(((((あんだけ荷物あって忘れ物かよ!!!)))))
「どう神崎さん?日程表見つかった?」
「ううん・・・」
ん?神崎ちゃんに何かあったのかな?話聞く限りでは日程表が無くなったようだけど。けど、日程表なんて作ってないよね。
「神崎さんは真面目ですからねぇ。独自に日程をまとめてたとは関心です。でもご安心を。先生手作りのしおりを持てば全て安心」
「「それ持って歩きたくないからまとめてんだよ!!」」
「確かにバックに入れてたのに・・・どこかで落としたのかなぁ」
1番めんどいのがスられたとか?ただ、スったところで要らないでしょって感じがするんだよねぇ。でもなんでだろう・・・何か嫌な感じがするような・・・・・わからない。少し前の理事長の時みたいに明らかにヤバいって感じじゃない。とりあえず、この嫌な感じが杞憂である事を祈りながら今日は寝ようかな。
次の日になってボク達は、旅館から出て京都探索を始める。少し歩けば直ぐにも想像する京都の街並み。瓦屋根で木の壁を使った昔ながらの建物が立ち並ぶ。
「でもさぁ、京都に来た時ぐらい暗殺の事忘れたかったよなー。いい景色じゃん。暗殺なんて縁のない場所でさぁ」
杉野クンが街を見ながらそう言う。でも、暗殺の縁がないってのは違うと思う。むしろ京都は暗殺の舞台。坂本龍馬や織田信長はここで死んだし、新撰組も池田屋で攘夷志士を暗殺してる。
「そうでもないよ杉野。ちょっと寄りたいコースあったんだ。すぐそこのコンビニだよ」
そう言うと渚ちゃんがボク達を連れてコンビニの近くに行く。そこには1つの墓石があった。墓石に彫られていた名前は坂本龍馬、中岡慎太郎。そう、この墓石は近江屋で殺された2人の墓。多分、渚ちゃんの事だしせっかくだし暗殺の名所とも言えるところに行こうと思ってたんだと思う。
「坂本龍馬・・・ってあの?」
「あ〜、1867年龍馬暗殺。「近江屋」の跡地ね」
「さらに歩いてすぐの所に本能寺もあるよ。当時と場所は少しズレてるけど」
「....池田屋事件跡地...」
「・・・そっか、1582年の織田信長も池田屋事件も暗殺の一種かぁ」
「このわずか1kmぐらいの範囲の中でもものすごいビッグネームが暗殺されてる。知名度が低い暗殺も含めればまさに数知れず。ずっと日本の中心だったこの街は・・・暗殺の聖地でもあるんだ」
「なるほどな〜、言われてみればこりゃ立派な暗殺旅行だ」
坂本龍馬しかり、織田信長しかり、この後の時代に出てくる伊藤博文しかり、何時の時代も暗殺の対象というのは良くも悪くも大きな影響を与えてきた人たち。そして、ボク達の標的である殺せんせーは典型的な対象と言える。
「次八坂神社ねー」
「えー、もーいいから休もうぜ。京都の甘ったるいコーヒー飲みたいよ」
「...気に、なる....」
八坂神社でお参りをして、乗り物を乗り継いで来たのは祇園。神崎ちゃんの希望したコース。奥の方に行けば人気がなくなるから暗殺にはしやすい場所とも言える。
「さすが神崎さん下調べ完璧!」
「じゃここで決行に決めよっか」
「ホントうってつけだ。なんでこんな拉致りやすい場所歩くかねぇ」
前からボク達よりも一回りも大きくガタイのいい学ランを着た人達が出てきた。リーダー格と思われる人は明らかな鈍器を持ってる。やっぱり嫌な予感は当たってた。学ランを着てることもあって少なくとも椚ヶ丘ではないし、あの発言からして神崎ちゃんの予定表が無くなった原因はコイツらにあると見てもいいと思う。それにしても、人気のない見通しが悪いし逃げる場所もないか...拉致するなら正解の場所とも言える。だけどボク達にとっても正解の場所と言える。ボクは深呼吸して戦闘のスイッチを入れる。
「・・・何お兄さん達?観光が目的っぽくないんだけど」
「男に用はねー。女置いておうち帰んな」
一番ガタイの良い男がそう言った瞬間カルマが掌底で顎下をアッパーのように殴る。そのまま、相手の顔を持って電信柱に頭を勢いよくぶつける。
「・・・!!!」
「ホラね渚君。目撃者がいないとこならケンカしても問題ないっしょ」
「...やら、せな...い......」
「ちっ!」
リーダー格の男がカルマの後ろに達鉄パイプで後頭部を殴ろうとしてたのを見つけたからボクは鉄パイプを持ってる腕と鉄パイプを順番に蹴りあげて鉄パイプを飛ばす。
「.....油断大敵...」
「ごめんごめん、助かったよ」
「もっと女は丁寧にやってやろうと思ったのによぉ、もーいいわ、ボコせ」
他の取り巻きも本格的に喧嘩するようにアップを始めた。これは・・・選択ミスったかも。それに神崎ちゃんと茅野ちゃんを守りながらってなるとヤバい・・・ボクとカルマだけならば良かったのに。
「...」
「わかった」
ボクとカルマは同時に駆け出して相手の顔をぶん殴る。今のボク達の目的は少しでも相手の戦力を削ること。その為には卑怯汚いも何も関係ない。最速で最短で効率よくやるだけ。
「ちょ!何・・・むぐぐ!」
「いや!」
神崎ちゃんと茅野ちゃんか後ろから拘束されていた。やらかした。あの二人を取られたら動きにくくなる。それに一瞬だけ動きを止めたのが1番の失敗だった。多分それを狙ってたんだろう。ボクの後頭部に衝撃がきたと共にその場で崩れ落ちた。最後に見えたのはカルマもボクのように殴られて気絶する瞬間・・・ごめんねカルマ・・・・・。
「み、皆さん!大丈夫ですか・・・!?」
「良かった。奥田さんは無事だったんだ。」
「茅野さんや神崎さんから隠れるように言われたので」
「いや、それが正しいよ・・・っ、犯罪慣れしてやがるよアイツら。通報したかってすぐに解決はしなさそうだろうね。と言うか俺が直接アイツら処刑してやりたいんだけど」
「でも、どうやって探すの?」