原作既読者がいく実力至上主義の教室   作:三色

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2話

 きっかけは進路指導の教師に見せられた学校の案内である。

 東京都高度育成高等学校。

 このどう考えても普通でない名前の学校の案内を見た瞬間に私はあるライトノベルの存在を思い出していた。

 『ようこそ実力至上主義の教室へ』

 国主導で設立されたSシステムという特殊なルールが支配する学園で不良品のDクラスに割り振られた主人公がAクラスを目指す・・・・・・というと語弊がある。とにかく主人公が色々とする学園物である。

 アニメが面白かったので、1年生編の全14巻、2年生編の2巻は全て読了済みである。

 何なら今この瞬間に『完全前世』でもう一度読んできた。思い出し方すら自由自在である『完全前世』はその気になれば、この一瞬でもう一度前世を追体験することすら可能である。

 なるほどこの世界は『ようこそ実力至上主義の教室へ』の世界だったのか。

 ただのよく似た並行世界ではなく、原作の存在する可能性を考えたことがないでもなかったが、簡単に調べても該当するものがなかったので、捨て置いていた。現代ものとなると該当するものが多すぎるし、特に関わらずに終わる可能性の方が高かったからだ。

 しかし、原作が分かればこっちのものである。運のいいことによう実はAクラスとして卒業することで、好きな進路や就職先を世話してくれるという明確なメリットが存在する。これがラブコメやギャグ漫画原作世界だったら、だから何? で終わりである。

 となるとまず、最初に確認するべきなのは私が入学は誰と同じ学年になるのかということである。主人公たちと同じということであればありがたい限りであるが、1学年または2学年上になると、歴代最高の生徒会長と名高い堀北学とそれに張り合う南雲雅と同学年になってしまう上にろくに使える原作知識がない。『完全前世』で多少かさ上げされても私自身の能力はせいぜい秀才レベルであるから彼らには勝てない。となるとAクラスで卒業するには彼らと同じクラスになる必要がある。

 案内を見せてきた教師には前向きに検討することを伝えて帰宅した私は、原作にて確認できる登場人物の名前を全員ネットで検索することにした。

 するとあっさりと検索に引っかかる人物が出てきた。

 高円寺六助。

 高円寺コンツェルンの社長の一人息子であり、次期社長として企業ホームページに名前と顔写真が乗っており、さらに言えばwikipediaに単独項目まで存在していた。こいつぁすげぇや。

 しかし、おかげで彼が私と同学年だということも分かった。つまり私が入学するのは原作と同じ年、最善の結果である。

 普通に検索エンジンで検索しても引っかかったのは彼だけだった。いや本名ではないが雫名義で佐倉愛里が引っかかった。すでにグラビアアイドルとして活動しているようだ。

 その他SNSで調べると何人かの情報が引っかかった。

 さて、入学までの1年半。どう過ごしたものか・・・・・・。

 




仲保義明

学力:A-
知性:B
判断力:B
身体能力:B+
協調性:E+

面接官からのコメント
成績、運動能力共に非常に高く、理数系の科目においては高校で学習する範囲まですでに理解している。
面接時においても特に受け答えに問題はないが、中学校からの資料によると協調性の低さが指摘されていることから、他人との関わり合いを求めていない傾向が認められる。
能力があっても本人にそれを使用する意思がないと意味がないため、本学においてそれが改善することを期待する。
なお配属クラスは別紙1の理由によりDクラスとする。

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