ふ~…実体剣を作るのに師匠に協力してもらえたら…
「師匠、第六の型の習得にはもう1本武器を用意した方がよいのでしょうか?」
「必要無いと思うけれども…集中しろ、チカラが薄くなっている」
そうか?うーん…
「すみません、師匠」
師匠が構えを解き、武器のスイッチから指を離して刃を消した。
「【合成】の派生に特殊な武器の使い方があるが、そこまで習いたいのか?」
私も武器の刃を消し、紫色の刃が消えた柄から片手を放した。
機関の高位メンバーには幅広い記録の閲覧が許されるから、師匠に頼めれば古代の武器製作方法が分かる確率が高い。ただし…神聖武器をもう1本、となろうと今は廃れた実体剣である必要性は無い。
「…第六の型の派生型のみにあるのですか?この型自体には含まれていないと?」
神聖武器の刃を出して振っていい訓練場は無数にあり区切られてもいるが同じ場に私と師匠以外にも機関メンバーが鍛錬をしていた。離れてはいたが。
「意識が散漫になっているな、弟子よ」
「集中します、師匠」
相対する師匠に目線を戻した。
「疲れは感じるが動作に影響はないようだ。続けるか?修得を急いでも意味はないんだが」
第六の型【合成】は師匠の薦めとは言い切れないけれど、私が2つ目に修めようとしている型だ。
機関の下位メンバーの多くが第一の型【始め】の次に修得する型だ。修得の負担が他の型より軽いから、交渉術などを学び易くなるらしい。修得に要する期間は長いそうだが、まあ、共通語以外の言語習得や、星や種族ごとの特異な礼儀作法の方が、紛争の仲裁といった機関の業務に役立つ。
実際、機関は軍じゃない。そもそも戦いの技を急いで磨いてもな…。まあ、神聖武器を扱うのはチカラの理解を深めるらしいけど、実感は微妙だ。
チカラの感知、操作は感覚的なものだ。神聖武器を振って闘うのもチカラに身を委ねながら感覚的に出来る。ただし、型に沿う事でより良い動きになっている…筈だ。【合成】に含まれる動き方は【始め】より圧倒的に多く、幅広い。この型を修めれば常に理想的な動きをし続けられるのではないだろうか。
第六の型は一~五までを組み合わせて発展させたと記録にあったので、私の所感は正しいのだろう。第一の型より第六の型の方が強力そうだという感覚も。
強さを求め過ぎるのはチカラの悪の側に繋がると機関では戒めているし、必要が無くとも第二~五の型も齧ってみる方が良いかな。
数が大きい型ほど強力になると機関では話されているけど、優劣は無いとも言うし【合成】を通して強さに執着するかもとは気にしなくても平気だろうか。
でも、もし【合成】の次に修めるとしたらどれだろう。いや、【合成】は学ぶのに負担が軽いが時間が掛かるのだった。型の中身が一杯だと急いで詰め込んでも大差ないだろう。次の型を今考えてもしょうがないけど…チカラの感知に没入して未来を垣間見てみようかな。
…あれ、もし未来の私の修得した型が分かったら、それに合わせて型を修めたり修めなかったりするのか、知った未来を変えようとせず受け容れろと機関で教えているし。それって私の判断がなくなるような…別にいいか。