ある日の朝。アキラはいつも通りにギンガを迎えに行くために家を出る。トガワやヒヨリが増えたため、朝ご飯に時間がかかってしまったが、問題はない。そして、ちょうど玄関を出た瞬間、上空が光輝いて何かがアキラの前に降ってきた。
「うおお!?」
アキラの前に降ってきたのは青い小さな物。アキラは恐る恐る拾って見る。
「…………スイッチ?」
丸いスイッチ。そのスイッチにには流星のような模様が書いてあった。
ー陸士108部隊 食堂ー
「はぁ…」
「おやおや〜。珍しいですね〜ギンガ陸曹が食堂で一人なんて〜」
「あ…メグ…」
ギンガが食堂で一人でいると、ギンガの同僚が話しかけて来た。
「ちなみに私は第三話で新人歓迎会でギンガと話してた面食いで、ギンガの同期、ヴァルチ・メグで〜す!!!」
「誰に言ってるのよ。誰に」
◆◆◆◆◆◆◆
「あっはっはっは!!じゃあ何!結局好きになっちゃったわけ!あっはっはっは!」
「ちょっ!メグ!声が大きい!」
ギンガが悩み事を話すと、メグは腹を抱えて笑った。悩み事とはアキラに恋をしてしまったこと。アキラが全く持って振り向いてくれないこと。
「でも、振り向いてくれないったって、あんたなりに頑張ってるわけ?」
「もちろんよ。でも………」
ー回想ー
朝、アキラ君が迎えに来た時なんだけど…。
「アキラ君〜おはよ〜」
走っていくふりをして、わざとこけて…その…下着を見せてアキラをドキドキさせるという作戦だったんだけど…。
「キャッ」
「おっと!大丈夫か?」
「…うん」
ー回想終了ー
「見事に助けられてしまいまして…」
「ダメだね〜。あんた、こういうことについての知識ゼロだからねぇ〜。美人で、性格もいいし、まぁ胸は多少あれだけどスタイルだっていいのに………もったいないねぇ〜」
メグは食堂で買った定食を食べながらいう。
「本当よね…」
「ところでその橘陸曹は?」
「お弁当作ったんだけど…今忙しいから後でいい、食堂で待っててくれだって」
ギンガはまた、ため息をついた。メグは食事を一気に終わらせると急に立ち上がる。
「?」
「しょうがないな、あんたは全く。このメグさんが一肌脱いであげよう!」
「え?」
ギンガが頭に「?」を浮かべていると、メグはギンガの後ろに回り、肩をガシッと掴んだ。そして、そのまま肩をゆっくりゆっくり揉み、肩のこりをとって行く。
「あ…ん…気持ちいい………」
ギンガが完全に油断したのを狙って、急にメグは揉む場所を肩から胸に変えた。
「キャア!?」
「相手を色目で惹きつけるんならスタイルを良くするのが第一!特に胸でしょ?」
「それはそうかもしれないけどぉ!ん…」
ギンガは必死に手を引き剥がそうとするがメグは手をあちこち動かし、捕まらないようにしている。
「ああっ」
「それそれ〜!大きくなぁれぇぇ!」
メグは調子に乗ってると、ギンガはかなりギリギリな感じで反論した。ギンガはあまり使いたくなかったが、馬鹿力でメグの素早い手首を掴んで無理矢理自分の胸から引き剥がす。
「痛たたたた!ごめんごめん!」
「まったく…」
ギンガは仕方なしにメグの手首を離した。メグは手首をさすりながらギンガに言う。
「しょうがない、こうなったらこのメグさんが橘陸曹に聞いてきてあげよう」
「何を?」
メグは笑顔でギンガに敬礼した。
「橘陸曹の好きな人♪」
「えっ!ちょっ!メグ!!待って!!」
メグは一気に走り去り、アキラの元に行く。
―陸士108部隊 オフィス―
アキラはオフィスで仕事をこなしていた。そこにメグがやって来る。
アキラは一瞬メグを見たが、すぐにデスクワークに戻った。
「ねぇねぇ、橘陸曹~」
「誰だ?」
アキラは何故かとても不機嫌そう。
「橘陸曹って…好きな女性とかいる~?」
初対面なのにいきなりそんなことを聞いてくるなんて、なに考えてんだと思いながらアキラはふてぶてしく答える。
「……いねぇよ」
「あら、いが~い!本当にいないの?」
「いねぇよ…俺は…もう好きって感情を抱かないことにしたからな…」
アキラはメグを全く見ずにデスクワークをしながら答えた。メグがさらに追求しようと顔を近づける。
「それって……なんで?」
「好きなんて感情抱いたら…きっと俺は弱くなるし、俺が好きだと思った物はみんななくなった。だから………もう好きなんて考えない」
アキラが言うと、メグも少し思うところがあったのか黙る。それと同時にアキラに通信が来た。
「はい」
[アキラか。事件が起こった。捜査協力の依頼が来てるから昼食ってすぐにギンガと部隊長室まで来てくれ]
「了解。残念だが、お話はここまでだ。それと俺に二度と近づくな」
アキラはメグを軽くあしらう様にし、上着をとって部隊長室に向かおうとした。
「あんた…正義の味方気どりしてれば昔の罪が消えるとでも思った?兄弟を殺しておいて…」
アキラはそれを聞くと、いきなり振り向いてメグの胸ぐらを掴む。
「どういうことだ」
「あんまり騒がない方がいいよ。あたしの言ってる事の真意……知りたかったら表に出な」
メグは冷たい視線でアキラを見つめながら言った。アキラは流石に周りの視線を気にし、メグを離す。メグはアキラの手を掴み、引っ張って行った。
ちょうどアキラ達が去った後、ギンガがオフィスに到着した。
「あれ…アキラ君?」
ー陸士108部隊 訓練所ー
「もう一度聞く。どういうことだ」
「あら〜!覚えてないんだぁ!自分の殺そうとした相手を!」
明らかな挑発口調でアキラに言う。
「…………残念だが覚えてない。だから教えろ」
「あんた本当に最低だね。ギンガがどうしてこんなやつと一緒にいられるか理解に苦しむよ。あたしはね?あんたを恨んでる。昔にあんなことしといて、その罪も償わずに生きてるあんたを!」
『メタル!』
メグは白いガイアメモリを出し、自分の腕の生体コネクタに挿した。
しかしメグの身体は完全な化け物にはならず、両手のみ変身し、トゲトゲしいロッドを出す。
「お前…まさか…AtoZの生き残り!?」
(全身の変身をしてない?力を使いこなしてないのか?)
「そ、私はあの計画のM。生き残りの中であの日、研究所で起きた事の事実を知ってる者。そして………」
メグはロッドを構え、アキラに向かって走り出した。
「あんたに制裁を下す者!はぁぁぁぁ!!!」
「待て!うおあ!」
メグのロッドをギリギリでかわし、バックステップで距離をとる。
「俺は……仲間と戦いたくない!」
「あの時みんなもそう言ったんだろうね…あ、殺さないで、か」
メグはさらに追い打ちをかける。アキラはさらにかわすが、三発目の攻撃に当たってしまった。メグの攻撃の威力はアキラの予想を大きく上回っていた。アキラは吹っ飛ばされ、隊舎の壁に激突する。本気で殺されると思ってなかったアキラは流石に命の危険を感じ、アクセルドライバーを腰に装着した。
そして、若干のためらいを持ちながらアクセルメモリを押す。
『アクセル!!』
「へぇ、ようやくやる気が出てきた?」
「俺は……お前を倒さない。お前はメモリの力に支配されているだけだ!俺が救ってやる!」
「…………………」
メグはさっきよりも冷ややかな目でアキラを見た。
「変身!」
『アクセル!!』
アクセルに変身したアキラはエンジンブレードを持って走りだす。しかしメグは動かない。
「うおおおお!」
微動だにしないメグに向かってアクセルはエンジンブレードを振り下ろしたが、刃が当たる直前で止めた。
「…なぜ動かない………っ!」
「あんたは人を殺す事ができない。あたしが両手だけ変身したのは……力が使えないんじゃなくて技とだよ!」
「うごぁ!」
メグは怪しく笑い、アクセルの鳩尾にロッドの一撃を叩き込んだ。メタルの力でアクセルは吹っ飛ぶ。
「剣じゃダメだ…だったら…文字通り腕づくで!」
エンジンブレードを投げ捨て、突っ込むアクセル。メグはロッドを構えた。
「うあらぁ!!」
「はぁ!」
メグがロッドを振った瞬間にアクセルはそれを受け止め、脇に抱え込む。アクセルはそのまま反撃に出ようとしたが、メグの姿は一瞬で消えた。ロッドが掴まれたと悟ったメグが上に飛んだのだ。
「なに!?」
「たぁ!」
メグは上空から拳を振り上げたが、アクセルはロッドを利用してメグの腹に一発入れた。メグが吹っ飛んだのを確認したアクセルはロッドを後ろに投げ捨てる。
「ぐう!」
「もうやめてくれ……仲間だろ!?」
「仲間?ふざけるな!」
メグの目つきは急に変わり、スライディングでアクセルの横を通り抜け、ロッドを掴んでそのままロッドを水平に振った。ロッドはアクセルの足首に命中した。
「ぐああ!」
足をやられたアクセルはバランスを崩し、膝をつく。しかし膝をついたと同時にロッドでのアッパーをくらった。アクセルは再び壁に叩きつけられる。
「くっ………………どうして…」
「どうして……?自分の罪まで理解してないなら、教えてあげる!あんたは……私のお兄ちゃんを殺して、あたしを殺しかけたから…いや、あたしの事はどうでもいい!あんたはお兄ちゃんを殺した!理由はそれだけでいい!死ねぇ!」
メグはロッドにエネルギーを込め、ロッドを投げた。
(まずい!)
アクセルロッドが当たることはなかった。直前で誰かがロッドを止めたからだ。アキラの前には黒い怪物、ドーパントが立っている。
「お前………」
「ジュリ!」
ジョーカーメモリを使い、ジョーカードーパントに変身したジュリがアクセルを助けたのだ。
「あなたがM……『メタル』のメモリを持っているAtoZの一人ね?」
「それがどうかした?どうでもいいけど、そこをどいて。どかないとあんたも潰すわよ!?」
ジュリは動かない。
「どくのはあなた………アキラはやらせない。これ以上アキラは傷つけるなら…っ!」
ジュリが戦闘態勢を取ると、メグもロッドの先端をジュリに向け、走り出そうとしたが、急に止まった。それと同時に誰かの声が響いてくる。
「アキラくーん!どこー!アキラくーん!!」
「ギンガ……」
メグはメモリを体内から抜き、変身を解く。アクセルも同様に変身を解いた。アキラはメグとギンガが親友と知っていたのだ。
「さすがに……ギンガは巻き込めないか」
「………命拾いしたね……次は容赦しなからね」
メグはアキラを睨んでどこかへ行った。アキラは悲しそうなメグの背中を見つめ、今度はジュリを見る。
「ジュリ、お前はここにいるとまずい。早く帰れ」
「…うん、気をつけてね」
ジュリは変身を解いて裏口へ向かう。それと同時にギンガがアキラの元に到着した。
「あ、アキラ君いた!アキラ君、父さ……じゃなかった。部隊長からの命令聞いてない?」
「いや、聞いた。すぐに行く」
そう言ってアキラはギンガの方に振り向く。ギンガはアキラの顔に傷があるのに気づいた。さっきの戦闘でのものだ。
「アキラ君!?どうしたのその怪我!」
アキラもそこで自分の傷に気づく。
「あ、いや……さっき階段から落ちちまって」
「ええ!?大丈夫!?医務室に」
「大丈夫だ。それより、早くゲンヤさん所行こうぜ」
アキラはギンガの肩を叩いてそこを去ろうとした。
「あ、お昼ご飯は?」
ギンガに言われ、アキラは自分の空腹感を思い出す。
「そういや……まだだったな」
「じゃあ、中庭のベンチにいて?お弁当持っていくから」
「ああ…」
ー中庭ー
アキラが中庭で待っているとギンガが五段重ねのお弁当と救急箱を持って現れた。
「はい、お弁当」
「前回に増してデカイなオイ」
「あはは……つい張り切っちゃって…」
「ところでそれは?」
アキラはギンガが膝に乗せてる救急箱を指差す。ギンガは少し照れながら少し目を反らした。
「だって…怪我はちゃんと治療しなきゃでしょ?」
アキラは拍子抜けした顔をした。ずっとギンガを守ることばかり考えてたアキラには逆に自分が心配されるのはあまり慣れてなかったから。
「ほら、あんまり時間ないんだからアキラ君は食べて?応急処置だけど…そのままにしてるよりかずっといいって」
「……ありがとな」
ギンガに言われた通りアキラは箸を取り、お弁当を食べ始める。ギンガはその隣で少し微笑みながらアキラの治療を始めた。ギンガはこんな風にアキラの隣に居られるのが幸せだった。最近はあまりいい状況で隣にいられなかったから。
少しアキラのお母さんになった気分で治療をして行く。消毒液を付けた綿で傷口に触れるとアキラは少し痛がったが、ギンガは「我慢する」と言って治療を続けた。
「はい、終わり。今度からは気をつけてね?」
「ああ。ごちそうさま」
「お粗末さまでした。行こうか」
「おう。あ、ギンガさん」
「ん?」
アキラはメグのことを聞こうとしたが、途中で言葉が止まった。AtoZの事を知ってメグがAtoZだと気づかない筈がない、知っていたら多分教えた筈だと思ったのだ。何も言わないということはギンガ自身彼女がAtoZの一人と知らないということだと思い、言葉を止めたのだ。
「………あんたの同僚の…メグとかいうやつのことなんだけどよ…」
アキラが遠回しに聞こうとすると、ギンガは突然両手を合わせ、頭を下げる。
「ごめん!アキラ君!さっきメグが変なこと聞いたでしょ!?あれなんでもないから!気にしないでね!」
「いや、そうじゃなくて…」
「ほ、ほらいこ!遅れちゃう!」
ギンガはアキラの話を聞かず、アキラの手を引いて部隊長室に向かった。アキラはギンガの方に何か理由があると思い、それ以上は追求せずにギンガに手を引かれていった。
◆◆◆◆◆◆◆
ー事件現場ー
ゲンヤから仕事を受け取った二人は事件現場に来ている。事件の内容は、なんでも物資を輸送していた輸送機が襲われたとのこと。事件か事故かの判断が難しいため、ギンガ達が応援に呼ばれたのだ。
「陸士108部隊のギンガ・ナカジマ陸曹です」
「同じく、橘アキラだ。手伝いに来た」
まずは現場の確認から始まった。ヒントは、運転手によるとトラックの下が爆発したという証言があると言うことだけだ。
「運んでいたのは缶詰めやペットボトル…爆発しそうな物はありませんが…」
アキラは荷物を少し漁る。ちょっと前は現場維持などお構いなしに荷物を蹴り飛ばしたアキラだったが、少しは仕事のやり方を覚えたようだ。
「無理矢理爆発を起こさせたわけでもなさそうだ…第一荷物の大半は無事だしな。」
「それから変な物も見つかったんですよ」
調査員が指差す先には…ガジェットのⅠ型の残骸。それとへんな形のポッド。アキラは残骸に近寄り色んな角度からみる。そして待機状況もデンデンセンサーで残骸を見た。
「ガジェットだな、間違いない。それにこれは……残留魔力?」
待機状態のバットショットでガジェットの残骸とデンデンセンサー越しの残骸魔力を撮ってそれをジュリに調査するように送った瞬間に、ギンガに呼ばれた。
「アキラ君、ちょっと来て」
ギンガが見ているのはへんな形のポッド。アキラにはこれに見覚えがあった。幼い頃、何度も見て、何度も入れられた…生体ポッド。アキラにとってはあまり見たくない代物だった。しかし、今の自分はただの生体兵器ではない。市民の平和を守る管理局員だ、と自分に言い聞かせるが、そのせいでメグの言葉が脳裏に蘇った。
(あんた…正義の味方気どりしてれば昔の罪が消えるとでも思った?)
そんな事を考えていると、ギンガに腕を引っ張られる。
「なにボーッとしてるの?呼んだらすぐに来て!アキラ君に勝てることは多分ほとんどないけど、現場じゃ一応私が先輩なんだからね?」
「あ、ああ。すまねぇ」
アキラはギンガを見てさっきまでの余計な考えをすべて振り切った。
(昔の事にいちいち囚われるな!今の俺は…今を生きればいいんだ!)
「これ…何だか分かる?」
ギンガはアキラを連れて来ると、生体ポッドを見せて質問してくる。アキラは正直見るのも嫌だったが、しょうがなく答えた。
「生体ポッドだ。それと…ギンガさん。これ…何か引きずった跡じゃないか?」
生体ポッドから出ている一本の何かを引きずった跡。デンデンセンサーで覗くと微かだが、残留魔力が確認できる。アキラはさらに写真を撮り、ジュリに送った。すると、その画像を送ったコンマ0.5秒で電話がかかって来る。アキラは慌てて電話に出た。
「びっくりした…なんだよ」
[なんだよ、じゃないわよ!ちょっとは調べる方の身にもなってよね!?今だって今朝のスイッチの事調べてるんで手一杯なんだから!!とにかく、今から最低10時間は何も送って来ないで、ね!!」
電話は来れた。アキラはため息をつく。そんなアキラをよそにギンガは引きずった後を調べてる。
「この跡に添って先に行ってみよう。この先に何があるか知らないと手のうち用がないし」
「………………そうだな」
◆◆◆◆◆◆◆
「結構歩いたが…」
謎の跡を追ってかれこれ一時間は歩いたが、アキラ達は未だにその正体を掴めていない。さらに奥へ進もうとした時、ギンガが先日機動六課から渡された「ブリッツギャリバー」に通信が入った。
「あ、ゴメンアキラ君。通信が入ったから……一回外に出るね。アキラ君は引き続きここの調査お願い」
「分かった」
ギンガは表に向かった。
「陸士108部隊のギンガ・ナカジマ陸曹です。…はい…今こちらで追ってる事件と関係あるかも知れません。ご同行してよろしいでしょうか?あ、アキラ陸曹も一緒です」
ギンガは一度外にでて機動六課のはやてと通信をとる。そして、機動六課との合同調査を依頼した。その申し出をはやては快く受け入れた。
[分かった。じゃあギンガは地下でスバル達と合流。あとでそっちの案件も教えてな]
「はい」
通信を切り、ギンガはアキラのもとに戻る。
「アキラ君お待たせ。あの跡の正体と思われる物が見つかったって。正体は恐らくあのポッドに入っていた少女、それからその子が引きずっていた……レリックの入った箱」
「レリック?」
アキラはまだレリックという存在を知らなかった。ギンガはそれを見兼ねてレリックの画像を幾つか表示する。アキラはその画像をバットショットで撮影し、またジュリに送ろうとしたが、先ほどしばらく送るなと釘を刺されたばかりなのでやめた。
「私も詳しく知ってる訳じゃないんだけど、これは機動六課が追ってるロストロギア。これを今から探すから機動六課と合同任務になったの。大丈夫?」
「了解した。ギンガさん、気をつけろよ」
「ありがとう」
そしてギンガとアキラはFW部隊に合流するために地下水路を走った。その間、ギンガがティアナと通信をとる。
「あなたが現場指揮官よね?指示をお願い」
[はい、じゃあまず南西のF94区画に向かって下さい。そこで合流しましょう]
「南西F94…はい!」
ギンガはアキラに今の通信を聞いていたかアイコンタクトを取ると、アキラは頷く。
[ギンガさん、デバイスの装着で全体位置把握と独立通信ができます。準備いいですか?]
「うん、ブリッツギャリバー、お願いね」
『Yes、Sir』
ブリッツギャリバーは威勢良く返事をしたが、次の瞬間にアキラはブリッツギャリバーに思いっきり顔を近づけ、睨んだ。
「てめぇにギンガの命預けるんだからな?ギンガに傷一つつけんじゃねぇぞ」
『O、OK』
ブリッツギャリバーは心なしか怯えているようだ。相変わらずのアキラの態度に、ギンガは軽くため息をついたがギンガ自身そろそろ慣れてきたらしい。ギンガとアキラは一回通信を切ると、BJを装備する。BJを着けるとまたはやてと通信をとった。
そして、今回の108で発見した事件の説明を始める。六課の方で発見したものと擦り合わせると、確かに二つの事件は重なっているようだ。
◆◆◆◆◆◆◆
「こっちであってんのか?」
「うん!その筈…」
「!!」
合流地点に向かって走っていると突然、魔力弾がギンガに向かって飛んできた。それをアキラの刀が防ぐ。アキラが魔力弾が飛んできた方を睨むと、そこにはガジェットドローンの部隊。それも30体はいるであろう数。
「くっ……こんな時に…大丈夫かな…」
「安心しろ…俺が守り抜いてやる」
「そうだったね」
そう言ってギンガはクスリと笑う
「さぁ…いくぞ!」
二人はガジェット部隊に突っ込んでいく。ガジェットの数が多いせいで戦場は少し混乱状態であるが二人は立ち止まらずに進んでいく。実態攻撃がメインの二人にはAMFは無力。ギンガに飛んで来る魔力弾をアキラが弾き、撃った機体をギンガが潰すという戦法で突き進んだ。
それを繰り返していると、いつのまにか残るは二機だけになる。
「あいつらで最後だ」
「このまま突っきる!アキラ君、行こう!」
「おお!!」
ギンガは左手に、アキラは刀に魔力を込め、ガジェットに向かう。
「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」
二人の一撃でガジェットは先の通路の壁に叩きつけられる。二人の勢いは止まらず、すでに動かなくなったガジェットをさらに叩き潰し、壁を貫いた。
「よし…この先はいなさそうだな。」
「ギン姉!!」
「ギンガさん!」
壁を抜けた瞬間、いきなり聞こえる聞いた覚えのある声。その声の主は…
「スバル!」
スバルと言うか、無事にFW部隊と合流できたようだった。ギンガは妹と妹の親友との再開に喜ぶ。そんなギンガの笑顔を眺めていたアキラにも、誰かが声をかけた。
「アキラさん!」
エリオとキャロだ。アキラは一瞬誰だこいつと思ったが、少しすると思い出す。
「よう。元気か?」
「はい!」
エリオは前より自信を持った顔をし、キャロは前のような不安な表情は消えている。あれから訓練も重ね、少し大人になったようだ。そして、一通り挨拶が終わると、皆冷静な顔になる。
「いい感じに集まったし…いくか…」
気がつくとアキラ達はガジェット部隊に囲まれていた。
「俺が先陣を切る。着いてこい」
「はいっ!」
アキラはガジェット部隊を駆逐するため、刀を振り上げ立ち向かっていった。
ー地下水路 奥部ー
FW部隊と合流し、ガジェットを殲滅したアキラ達はレリックの捜索を開始した。そのなかでキャロとギンガがレリックを発見し、拾った時だった。
「ありましたー!」
キャロとギンガが見つけると同時に変な音がする。まるで壁を鉄で叩いているような。
「何の音?」
アキラとエリオはいち早く察して、キャロとギンガの元へいく。二人でキャロとギンガに迫る刃を止めたが無傷とはいかないようだった。
「ぐっ…」
エリオは肩から出血。目の前に現れたのは召喚獣らしき戦士。アキラは三人を庇うようにして数歩下がった。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
スバルが蹴りを入れるが交わされる。しかしギンガの追い打ちで召喚獣は軽く押された。召喚獣の反撃がくる前にアキラはギンガの前に出て召喚獣を威嚇する。
全員が召喚獣に気を取られてると、エリオ達と同い年くらいの子がレリックを拾い、去って行こうとした。
「ね、ねぇ君…」
キャロが去っていく少女を止めようとしたが
「邪魔」
少女は突然何の躊躇もなしに、キャロに攻撃を仕掛ける。
「きゃあ!」
エリオとキャロは少女の出した攻撃を防ぐものの、耐えきれず吹っ飛ばされた。アキラは召喚獣に攻撃をする。
「くそっ…邪魔だぁぁ!!」
アキラが出す剣撃をすべて防ぐ…と言うよりいなしている。刀だけでは無理だと悟ったアキラは一瞬ECディバイダーを構えかける。
(駄目だ…)
「ゴメンね乱暴で。でもね、それほんっとうに危険なんだ。」
その頃、ティアナは少女を止めていた。ティアナはあえて戦闘に参加せず、確実にレリックを確保しようと動いていたのだ。だが少女が目をつぶった瞬間に、突如、目眩ましと思われる火炎弾が飛んできた。目眩ましで隙ができたところを狙われ、アキラはティアナのほうに飛ばされる。
「がっ!」
「うわ」
ティアナを巻き添えにして奥まで飛ばされた。
「大丈夫か!?」
「大丈夫です…それより…!」
ティアナはデバイスを構え、少女を狙い撃つ。しかしそれすらも召喚獣に防がれた。相当優秀な召喚獣のようだ。
「くぅ…」
するとそこに少女達の元に小さな小悪魔のような者が飛んでくる。なにか話している様子だった。その小さい奴が花火を数回ちらした後、こちらをむいて手を出す。アキラも刀を構えた。
「ルールーの邪魔はさせないよ!あたしが相手になってやる…………さぁ!かかってきな!!」
「ふんっ……上等だぁぁぁぁ!」
続く