なんか色々忙しくて……。ギンガは誰にも渡さんあは、あははははははは(錯乱)
「うわっ!ひど!」
家に帰ってからアキラは、アクセルドライバーを見てもらっていた。今日の戦闘で変身ができず、ドライバーにどのような異常があるかジュリに見てもらっていたのだ。実際、中を見てみるとコードが焼け切れ、ひどい有様。
恐らく、前回の戦闘での二連続マキシマムドライブが原因かと思われる。
「うーん…ロストドライバーじゃアクセルに変身できないし…治すのにも時間がかかるし…」
「どれくらいだ?」
「ざっと二ヶ月…急いでも一ヶ月以上はかかるかな?」
二人はため息をついた。敵も本格的にガイアメモリを投入してきている。正直、エース・オブ・エースでも、魔法を使っているのであれば、エターナルやドーパントとの戦闘は難しいだろう。六課の中でまともに戦えるメンバーといえば…スバル、エリオ、シグナム、ヴィータ、辛うじてフェイト…と言ったところか。
さて、そんな状況の中でトガワが、ダンボールを抱えて地下の研究室に降りてきた。
「アキラ、ジュリ、何か差出人不明の届け物が来たんだけど」
「差出人不明?」
アキラはそれを受け取る。
「爆弾とか入ってねぇよな」
「大丈夫、僕の「目」で見たけど問題ないね、変な形の物が…五個入ってた。大きいのが一つ、小さいのが四つ。爆弾には見えないし……」
トガワの目は、狙撃用に透視、ズーム等々、様々な能力を持っていた。それでトガワはダンボールの中のものを確認している。とりあえず危険なものではないと確認したアキラは、ダンボールのガムテープを切って中を見た。中には、赤いグラスのような物がついた「何か」と、果物のような形の物をつけた、錠前のような「何か」。
「何だこれ……全然わからん…」
「これって…ドライバー?……あ、手紙入ってる」
ジュリが手紙を見つけ、それを開いた。
「えっと…やっほー!元気にしてる?最近アキラが管理局で人を守ってるって聞いてびっくりしちゃった。だから今度お手伝いにいくね。箱の中身は、最新のドライバーです。まだ未完成だけど充分使えるよ。使い方は、ドライバーの下にあるよ。じゃあ今度お邪魔するから〜。Cより。ってC!?AtoZでは肉体年齢で言うと一番上の……」
「ああ。あいつから…」
アキラはドライバーの下から取り扱い説明書を引っ張り出して使い方を確認し始める。アキラは四つの錠前のうち、メロンのような形がついた錠前を取り出した。
「まず、この…ゲネ……シス?ドライバーを装着する」
アキラは腰にドライバーを着ける。ベルトが自動でアキラのウエストにあわせて巻かれた。
「そんで錠前を解除する。解除の方法は横のスイッチ…これか」
『メロンエナジー』
スイッチを押すと、錠前から音声と軽快な音楽が流れたと同時に、アキラの頭上にクラックが生成される。クラックが開くと、そこからメカメカしいメロンが出現した。アキラは若干驚きながら錠前をドライバーにセットする。それと同時に待機音がなった。
「最後に右側の取手を逆側に押す」
取説どうりの操作を行うと、アキラの頭に先ほど出現したメロンがアキラの頭に回転しながらはまる。
「うおっ!?」
『メロンエナジーアームズ!』
メロンが展開し、アキラの身体に纏って鎧となった。アームズの下には白いアンダースーツが着せられ、アキラの髪と瞳の色がオレンジ色に変化している。
「すげー!」
トガワが拍手する。
「なんか…合わねぇな…武器とか…」
アキラが変身した際に、アキラの右手には弓が持たされていた。創生弓ソニックアローという名前の弓だ。弓の胴の部分には、青色の刃が付いており、剣としても使える便利アイテムだがちょっとアキラには合わなかった様子。
悩んでるアキラの肩をジュリが叩く。
「そうは言っても、しばらくそれしか使えないよ?アクセスドライバーの修理にはまだ時間がかかりそうだし……。あるだけマシだと思わないと」
「むぅ…」
ー翌日 訓練場ー
訓練用の森の近くで、アキラはゲネシスドライバーを片手に立っていた。その周りにはベルカ式の訓練用ロッドを持ったアキラより階級の下な魔導師が十数人。全員ロッドを構えながらアキラの様子を伺ってる。森から少し離れた場所には、ミッド系の魔導師とギンガがその様子を見学していた。この日にとり行われたのは、突然の模擬戦。
それもアキラVSベルカ組全員という。少し周りを見たあとに、アキラはゲネシスドライバーを腰に巻き、メロンエナジーロックシードを取り出した。
「変身」
『メロンエナジー』
『ロック、オン』
「メロンエナジーアームズ』
慣れた手つきで、アキラはメロンエナジーアームズに変身する。その姿には、少し変化が見られた。アンダースーツが、長袖だったのが半袖になり、オレンジ色の手袋をしている。
アキラが変身したのと同時に、ロッドを持った魔導師がアキラに襲い掛かった。アキラはそれをかわし、ソニックアローで切り飛ばす。非殺傷設定なので訓練服が破れるのと、衝撃があるだけだが。一人がやられると、数人が同時に襲い掛かった。
ソニックアローをうまく使って相手の攻撃をいなし、刃の部分で斬り捨てる。襲いかかった数人は何も出来ず撃墜。
相手が離れた場所にいれば、ソニックアローの本質の弓の力を使う。既についてる取手を引くと、弦が連動して弓の構えてる状態と同じになり、エネルギーが溜まる。弓の胴体にポインターが付属されてるのでそれで相手を狙った。
「そこだぁ!」
矢の形をしたエネルギーの塊が魔導師を襲う。
「わぁぁぁ!」
アキラの後ろにいた一人の魔導師が後ろから攻撃を仕掛けたが、アキラは振り向かずに攻撃を受け止める。
「なるほど、ゲネシスドライバー。使用者の能力をかなり引き出すみたいだな、アクセルドライバー程ではないが修理が終わるまでの間繋ぎには十分だ!」
素早い動きで振り返り、魔導師のロッドをソニックアローで振り払い、ソニックアローの先端を向けた。そしてゼロ距離で矢を射られ、魔導師は吹っ飛んで行く。残るは数人。アキラはゲネシスドライバーからメロンエナジーロックシードを外し、ソニックアローにもあるロックシードを装着出来る窪みに、ロックした。
「これで終わりだ」
残りの魔導師がアキラの戦闘能力に怯え、一箇所に溜まっている。アキラはその魔導師の上空をソニックアローで狙った。ソニックアローの先端にエネルギーがたまり、アキラが矢を放つ。
『メロンエナジー!』
エネルギーを纏った矢は魔導師の上空でメロンの形をしたエネルギー体になり、そこからエネルギーの矢が魔導師達に容赦なく降り注いだ。当然その下にいた魔導師は一人残らず撃墜される。
「こんなもんか………まだ100%は発揮出来てないな。とは言えあいつらは動けなさそうだし…」
アキラはゲネシスドライバーの性能実験をしていたのだ。だが、もう実験相手になりそうな者はいない。ミッド系の部下に相手をしてもらってもいいのだが、ゲネシスドライバーにはガイアメモリと同じで魔力対策が施されてる。主に魔力を使った攻撃をするミッドに正直な話勝ち目はなかった。
ギンガならもしかしたら互角に戦えるかもしれないが、アキラがギンガに攻撃できる訳もないのでこの案も没。そして、しばらくアキラが悩んでいると、訓練場の入り口の方から声がした。
「なるほど、昔に比べりゃまともな戦い方になったもんだ」
「あ?」
声のした方を見るとそこには緑色のロングヘアーを風になびかせ、中々良い身体つきの女性が訓練場に無断で入ってきてる。その女に気づいたギンガが女性を止めた。
「あの、ここ関係者以外立ち入り禁止なんですけど……」
「はい関係者」
女性は何かをギンガに突きつける。
「時空管理局本部所属、カヴィル・セレナ一等陸佐………陸佐!?」
陸佐、つまり佐の階級。佐の階級は、管理局内でいうとゲンヤや八神はやてと同じ、一等陸佐になると先に上げた二人よりも上だ。そんな人間がなぜ、大して大きいわけでもない一小隊の訓練場に?
ギンガは疑問に思ってる時に、特に意識したわけではなくセレナの手首を見た。そこには、AtoZの一員であることを表す焼印が押されている。アルファベットはC。
「………」
「管理局って認めてくれた?」
「はい……」
「分かればよろしい」
ギンガはあえて何も言わずにセレナを訓練場に通した。その方が混乱を招かずに済むからだ。訓練場に入ったセレナはアキラに声をかける。
「でもまだまだ、そんなんじゃエターナルに勝てないよ」
「なんの用だ」
「んふふ、おねーさんがまだまだ未熟な僕ちゃんに色々教えてあげようかなって」
「ちっ、肉体年齢が上だからって偉そうに………」
一応、生まれたのが先なので一番年上という訳ではない。作る時の肉体年齢などいくらでも変えられる。アキラは正直な話、実験台みたいなものだからあまり長男と呼べる立場ではない。どちらかと言うと、本当の長男はB、長女はCとも言えた。
ちなみにセレナは、身体能力及び格闘や肉弾戦に特化させて作られた。肉体年齢が高いのは肉弾戦を強くするためでもある。
「今の俺は昔に比べて強くなった。今さらお前に教わることなんぞねぇ」
「あら、舐められたものね」
そう言いながらセレナはロストドライバーを取り出した。
「………なんでそれを」
「まぁこれくらいは私の権力でね?」
セレナがそう笑った刹那、アキラの元にジュリからの通信が来る。
「どうした」
「ああ、多分そっちにCが……セレナが向かってると思うけど、ロストドライバーは早めに返してって言っといてくれない?」
「おう分かったじゃあまたな。で、権力が何だって?」
セレナは少し顔を赤くする。だがすぐに気持ちを切り替え、ロストドライバーを腰に巻き、緑色のガイアメモリ「サイクロン」のメモリを取り出した。
「気にしないの!いいから、さっさと行くわよ!」
「フン、自分が与えた力を後悔するがいい」
アキラはソニックアローを構えてセレナに向かう。セレナはサイクロンメモリをロストドライバーにセットし、「仮面ライダーサイクロン」変身した。サイクロンは大して武器を持っていない。
サイクロンは戦闘体制を取った。アキラはソニックアローを振りかざす。
「はぁ!」
「甘い」
アキラのソニックアローをサイクロンは風の力で跳ね飛ばした。
「!!」
「むやみに襲いかかるのは素人、まずは様子見って橘家で学んでないの!?」
さらに腹に隙ができたアキラに重い蹴りを決め込んだ。アキラはギリギリでソニックアローで防いだが、メモリの力が加わった蹴りをその程度では防ぎ切れなかった。
アキラは吹っ飛ばされながらもソニックアローで弓を射る。しかしたかだか一本のエネルギー矢ではサイクロンが起こす風で簡単に飛ばされた。
「くっ!」
「さぁ、どう虐めてあげようかな」
アキラはソニックアローを構え直す。
「なめんなよ……喰らえ!」
アキラはゲネシスドライバーを一回絞った。
『メロンエナジースカッシュ!」
ソニックアローの刃にエネルギーが溜まり、アキラはサイクロンに向かって振る。刃に溜まっていたエネルギーが放出され、サイクロンを襲った。しかしサイクロンはそれを華麗に避けて反撃に移った。サイクロン特有のスピードを活かし、アキラに一気に接近する。
そしてアキラの後ろに周り、その場に押さえつけた。
「ぐあぁぁ!」
「まだまだ……青いよ?おにーちゃん?」
「んのやろぉぉ!」
アキラはあの箱の中に入っていたもう一つのロックシードを取り出す。形取られてるのはサクランボの形。
「試してやる!」
『チェリーエナジー!』
身体を捻り、うまくサイクロンの拘束から抜け出したアキラはメロンエナジーロックシードを外し、チェリーエナジーロックシードを装着した。
『チェリーエナジーアームズ』
何やらゲームのような音楽と共にアキラのメロンエナジーアームズが消滅し、その刹那にアキラの頭にチェリーエナジーアームズがはまった。アームズが展開されると、アキラの髪と瞳の色が赤く染まっており、アンダースーツの色も薄い緑に変わっている。
「行くぞ………」
「そう、それは状況に応じて使い分けなさい!」
「はぁぁ!」
アキラがソニックアローを構えながらサイクロンに向かって走りだすと、視界の隅に何かが映った。
「おにーちゃーん!」
「!?」
こちらに駆けて来るのは、先日助けた例の少女。確か今日機動六課から送られてきたデータには…
「ヴィヴィオ!?」
続く