記憶の箱庭 虚空の交差路   作:TAKAYA

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自分にとっては初コラボ作品になります!自分の作品とコラボを申し入れてくださった八百万悪鬼様には本当に感謝です!


一冊目 【少年キ】 半妖の少年

 

 何時も通り帰り道を歩いていた貴方は突然、突拍子も無く、何の前触れを感じることも無く全く知らない場所に立っていました。

 目の前の光景を一言で表せば図書館、見渡す限りに広がる本棚、奥もそして上も何処まで続いているか分からないほど巨大な本棚の森。東方Projectを知っていた貴方の頭には『紅魔館の図書館』という単語が現れ遂に自分が幻想入りしたのかと歓喜と不安が心を満たしました。

 

「おや?おやおやおやおやおやっとさん?お客さんかな?かな?」

 

 突然の声に貴方は驚き自分の周囲を見渡しましたが誰もいない。すると上から一人の少女が降ってきました。足元まであるウェーブかかった深い桃色の髪、髪と同じ色の瞳、まるで牡丹の花の様なふんわりとした桃色のロングスカートドレスに身を包んだ十五、六歳位に見える女の子。まるで桃色の塊の様。

 

「おーおーおーめっずらしー♪現実世界の人だ!どれ位ぶりだろー!まさに珍獣発見!私はイ〇トか!」

 

 目の前で一人ではしゃぐ女の子に貴方は「君は誰だ?」と問いかけると女の子は君を指差しながらこう言いました。

 

「駄目駄目駄目駄目断面図だよー!人に名前を聞く時は自分から名乗るもの!まぁいいや私の名前は夢野 都筑(ゆめの つづき)またの名を『真相の目撃者』、またの名を『物語の読み手』、またの名を『自称メモリーガーデンの管理人』、またの名を『ピンク姫(噓)』またの名を『只の暇人(笑)!』

 

 またの名多いな!と貴方はツッコみますが少女は聞く耳を持っていないのか一人で話し続けます。

 

「不思議に思ってるだろうけど此処は東方Projectに関する様々な物語が流れてきて蓄積される記憶の箱庭『メモリーガーデン』!って名前は私が勝手につけたんだよ!名前なんか知らなかったから!え?此処の管理人じゃないのかって?違うよ私は好きで此処に住んで…じゃない引きこもっているんだよ!えっへん!」

 

 どうやら彼女は不法滞在者のようだ。

 

「あっ!いっけない私読書の途中だったんだ!貴方も此処でやれる事なんて読書しかないから適当に本でも読めば、あぁ後帰りたくなったらその後ろの扉から出ればいいから♪」

 

 そう言われて後ろに振り返ると三メートルはある巨大な扉がありました。

 

「でもでもでもでもデモクラシー出る時は覚悟してね?何処に繋がってるかは分からないから♡もしかしたら帰れる、もしかしたら東方のどれかの世界に行っちゃうみたいな感じだよ♪じゃぁそういう事でーバイ〇イキーン!」

 

 そんな風に不安になる事実だけを言い残し彼女は図書館の奥へと消えていきました。あんな事を言われてすぐに覚悟できる訳も無く、貴方は仕方なく本棚に近付き一冊の本を手に取ります。そして近くにあった椅子に腰掛け本を開きました。

 

 

 

 ✣ ✣ ✣ ✣ ✣ ✣ ✣ ✣ ✣ ✣

 

 

 

 

 桶の中の水を両手で掬い勢いよく顔へとぶつけると朝の鍛錬で火照った身体が心地よく冷やされていく。

 俺『飛ノ田 祭』が此処、幻想郷にやって来てからそれなりの月日が過ぎ結構やばい目にもあったりしたな、そんな風に濡れた顔をタオルで拭きながらぼんやりと今まであった事を思い返してみる。

 スキマ妖怪の紫さんにこっちに連れて…いや違う落とされてその後魔理沙に轢かれたり、自分が半妖だと知らされたり、森の中で女の子を助けたら『明詠音芽』に勘違いで襲われたり、それから少ししてから起こった紅い霧の異変に強制的に巻き込まれ死にかけたり、あれ?俺ってなんかこっち来てから不幸じゃね?なんて思ってしまう。

 自分の不運に多少へこみはしたがこの後八百屋の仕事もあるので準備する為家へと向かおうとした所で声をかけられた。

 

「朝が早いな飛ノ田、おはよう」

 

 声の方を見ればそこには先代さんが立っていた。腰まである黒髪ストレートに山吹色の瞳をしており黒のアンダーウェアの上に袖の無い赤い服、赤い袴を身に付け腕に振袖の様な白い腕カバーをしている。

 元博麗の巫女らしいのだが何故か名前を呼ばれるのを嫌っているらしく俺を始め里の全員が『先代さん』と呼んでいる。

 

「おはようございます、先代さん。自分は鍛錬の帰りです、先代さんこそこんな朝早くからどうしたんですか?」

 

「大した理由は無い、ただの散歩の様なものだ」

 

 そんな会話をしながら里の通りの方へと一緒に進んでいると何やら通りにある広場の方からが騒がしい声が聞こえてきた為先代さんと共にそこに向かった。

 そこに居たのは明詠や八百屋の旦那を始め里の自警団の面々。そして連中は何かを取り囲むようにして話をしているようだ。

 

「おーい明詠何かあったのか?」

 

 俺の声に明詠が振り返り大きく手を振りながら大声で叫んだ。

 

「あっ!祭君に師匠丁度いい所に!こっち来て!」

 

 呼ばれるままに明詠達に近付くとその足元に簀巻きにされている人物がおり、その顔を見た瞬間俺は思考が固まってしまう。

 

「里の入り口で怪しい奴をとっ捕まえたんだよ!何かよく分からない奴でね此処まで引きずってきて皆に相談してたんだ!」

 

「なるほど、確かにおかしな気配があるな。おい貴様何者だ?」

 

 明詠の説明を聞いた後先代さんが縛られている人物にそう問いかけるとその人物は、

 

「う~ん何者って聞かれても…しいて言うなら人生の迷子?」

 

 などとヘラヘラ笑いながら答えていた。他人の空似かとも思ったがこの暢気さ加減どうやら本人で間違いないな。

 

「……色々聞きたい事がありますが…何やってんすか虚空さん?」

 

 縛られている男の名は七枷虚空、俺がある事故で飛ばされた世界の人物だった。

 

 

 

 

 ✣ ✣ ✣ ✣ ✣ ✣ ✣ ✣ ✣ ✣

 

 

 

 

「いやー助かったよ祭君、あのまま火あぶりにされるかと思ってワクワクしてたんだ」

 

「すんなよ!…とりあえずどうして此処にいるんですか?あぁ後『歩いてきた!』みたいな事をほざいたら殴りますよ?」

 

 里の皆に俺の知り合いだ、と説明して何とか信用してもらいとりあえず家まで連れて来た虚空さんに事情を説明してもらう。一々忠告しないとボケるからなこの人。

 

「うん実はね聞くも涙、語るも涙な事情があるんだよ。それはね―――

 ・

 ・

 ・

 そういえばお腹空いたね」

「回想しねーのかよ!」

 

 そんな風に叫びながら虚空さんに拳骨を落とすと、殴られた本人が「何で殴るの!暴力反対!」等とほざいたのでとりあえずもう一発雷を落とした。

 

「まぁ冗談は置いといて、実を言うとちょっと厄介な事に巻き込まれてね彼方此方に跳ばされてるんだよ。また何時跳ばされるかは分からないけど、暫く居候させてもらってもいいかな?駄目なら家造るけど?」

 

「えっ?家造れんの?ってそうじゃない…構わないですよ居てもらっても。俺もあっちに行った時は世話になりましたし」

 

 正直この人なら森の中でも普通に生活できそうだけど世話になっておいて追い出すような真似なんか出来る訳が無い。

 

「ありがとう、助かるよ。あぁ居候なんだから手伝える事があったら遠慮無く言ってね」

 

「それはそうと何で明詠に縛られていたんですか?」

 

「明詠?あぁあの髪を左結びにしてた子だね、複雑な理由があるんだよ」

 

1・気付いたら森の中とりあえず状況確認。

  ↓

2・空を飛んで周囲を見渡す、おっ!人里発見!

  ↓

3・行き成り町の中に降りたら警戒されるかも?入り口に降りよう。

  ↓

4・入り口で女の子と遭遇「あんた何者よ!」と問いかけられる。

  ↓

5・普通ならここで「自分は怪しい者ではござらん!」って言うだろうけど良く考えたらそんな事を言う奴の方がよっぽど怪しいよね。

  ↓

6・ならば逆の発想!「僕は凄く怪しい奴だよ!」こう言った。そうすれば「そんな事を言う奴が怪しいわけないわよね♪」という展開になる!と思っていましたあの時までは。

  ↓

7・「怪しい奴め!」そう叫んで女の子が鉄拳を放ってきて……。

 

「で、結果あの状況になった訳!あはははは!」

 

「馬鹿なの!そんな事言ったら逆に警戒されるにきまってんだろーが!ってなんかおれツッコんでばかりだな!ツッコミキャラだったっけ俺は?」

 

 この人と二人っきりだと凄く疲れるな、あの世界の諏訪子様や神奈子様スゲーって今なら素直に尊敬できる。もちろんこっちの世界のお二人も尊敬してるけど。

 こうして俺と虚空さんの珍妙な生活が始まったのだった。

 




ちゃんと祭君の良さが出せていたか不安ですね。とりあえず少年キのオリキャラ達をしっかり表現出来るように頑張りたいと思います!
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