猫と風   作:にゃんこぱん

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猫熊と晴れ-2

では、状況を整理しましょう。

 

──分りやすいように説明しますが、ロドスは感染者のために動く組織です。主に鉱石病の治療の研究、感染者の起こす問題の解決をしています。一応製薬会社ではあるんですが……まあこれは放っておきます。今は関係がありません。

 

そして、あなたが感染したとの情報から、救出の必要性が出てきました。こうしてさっき襲われていたところを見ると、その判断は間違いではなかったようですね、残念なことに。一応聞いておきますが、襲われる心当たりは? ──まあそうですよね。ある訳ない。

 

僕たちロドスが、あなたを助け出そうとする理由について、少し掘り下げてお話しします。

 

「──実は、エフイーターさんのような有名人が感染するのはこれが初めてではありません」

「え? そうなの?」

「実は。ですが大抵の場合は隠蔽され、多くは緩やかに引退していきます。ですが……今回はどこからか情報が漏れ出してしまった。僕たちロドスが危惧していたのは、あなたがもしも迫害されるような事態です。そうなってしまえば、感染者に対する風当たりはさらに強まります。世界全体に、感染者への扱いの酷さをさらに伝えることになりますからね。まさかここまで直接的に命を狙われる事態になるとは、想定していませんでしたが」

「……うーん、よく分からないなー。なんでそうなるの?」

「ではこう説明しましょう──もしもあなたが、あなたが応援している俳優やタレントが感染した、という事実を知ったら、どんな気分になりますか」

「そりゃ、いい気分はしないかな。ショックを受けるかも。まあ、あたしはもう感染者なんだけどね」

「ええ、その通り。特にメディアが出張ってくると最悪です。炎国では比較的マシですが……国の手が入ってないメディアなど稀ですから、大抵の場合は感染者へのマイナスイメージをどんどん国民に押し付けていきます。有名人を出汁にしてね」

「そりゃあ、メディアはそういうところあるけど……」

「そして最悪のシナリオに行き着く可能性があります。すなわち、国による感染者の排除が明確になってしまう。そうなれば、感染者の扱いはより酷い方向へ向かって行く可能性が高い。国家運営の観点から見て、感染者は排除したい存在です。特に、国民に多く知られているような有名人が排斥される事態になれば──最悪です。感染者対国民という構図が出来上がってしまう。それだけは避けなければなりません」

「え〜っと……? つまり、どういうこと?」

「すみません、分かりにくかったですね。まあつまり、全員倒せば勝ちです」

「なるほどね! 分かったよ!」

 

エフイーターさんは噂通り、少々豪胆な──というか、考えることが苦手らしい。実際こんな感じだしな。

 

今後の方針を巡らせながら話を続ける。

 

「あの襲ってきた連中についての話ですが──少々面倒な事態になってきています」

「まあそういうものだよね。えーっと、ブラストさん?」

「ブラストで構いません」

「じゃあブラスト、面倒なこと全部省いて、どうすればあたしたちの勝ちなのか説明してくれ!」

「面倒なことを省いて。難しいですね……」

 

面倒なこと。

 

つまりあれは、感染者を非感染者が殺害することで、より両者の溝を深めようとする行為だった。テロと言い換えてもいい。公衆の面前……最悪なことにあんなメディアだらけの会場でそれを行おうとした。

 

つまり、炎国での感染者差別意識を高めようとする動きだ。それは炎国が直接動かそうとするとは考えづらい……ウルサス、いやヴィクトリアのエージェントか? その辺りも怪しいが……。ここで考えても結論は出ない。どっちにしろ、ここからロドスへの連絡手段はない。これは一旦ロドスに持ち帰ってケルシー先生に判断してもらないといけない。

 

とにかく、エフイーターさんがやられてしまえばおしまいだ。感染者の末路を世界に知らしめてしまう。感染者は死ぬしかないのだ、という……それは感染者の希望を一つ潰す行為に他ならない。

 

正直こんな状況は想定してなかった。せいぜいがメディアによるエフイーターさんの迫害程度だろうとタカを括っていた。まさか裏で妙な連中が動いてるなんて……。もっとメンバー連れてくればよかったな……。

 

「連中の狙いは、あなたを殺すことでさらに感染者への締め付けを強くすることでしょう。あるいは、感染者関係なくあなた個人への恨みかもしれませんが……どちらにしてもあまり結果に変わりはありません。こちらの勝利条件は……そうですね。あなたが生き残って、テレビカメラに向かって笑顔でピースでもすれば十分勝ちと呼べるでしょうね」

「およ? 戦わないの?」

「そうは言いません。正直状況は厳しいです。僕たちはあなたの護衛をすることも任務の一つですが……連れてくる人員が少なすぎました。守るべき人を戦わせるなど本末転倒もいいところですが、場合によっては自衛してもらう必要があります」

「まどろっこしいなあ。あたしはやる気満々なんだけど」

「……そうですね。僕もあまり周りくどいのは苦手だ──共に戦いましょう。こそこそ動き回る連中を全員叩きのめせば僕たちの勝ちです。あなたがどれくらい僕たちを信じてくれるかどうかは問いません。ですが、僕はあなたを信じることにします。よろしく、エフイーターさん」

「さん、なんて他人行儀なのはやめろよ。ブラスト、じゃああたしたちは仲間だ! よろしくなー!」

「よろしく、エフイーター。じゃあ敬語もやめるか……。アイビス、そこの服飾店に停めて」

 

大手のチェーン店、ユニシロに停めて車を降りる。

 

「どうしたの?」

「とりあえず変装しよう。あなたも、そのままじゃ目立って仕方ない」

 

そういうことにした。

 

 

 

適当にそれっぽい服を見繕っていると、ジフが隣に寄ってきて耳打ちした。

 

「いいんすかブラストさん。あとでブレイズさんに何言われるか分かんねえっすよ」

「なんでそこでブレイズが出てくんだよ。今何も関係ないよ」

「……知りませんよ。マジで知らないっすからね、オレ」

「お前もとっとと選べ。いつものダサいTシャツはやめろよ」

「ダサくないっすからね!? 隊長よりはマシっすから!」

「なんだとお前この野郎!」

 

不毛な争いがあった。別にダサくねえし……ダサくないよな? ロドスに加入してからは制服か訓練服ぐらいしか着てなかったから……。ブレイズにもダサいって言われたんだよな。すごいショックだった。あいつの私服が普通におしゃれだったのすっごいショックだった。

 

「エフイーター、選び終わったか?」

「……うん、やっぱり敬語はいらないなー。ブラスト、君敬語似合わないね」

「余計なお世話だね。部下の手前、慣れなくても慣れていかなきゃいけない」

「それもそうか。まあ大丈夫だよ、それでこれからどうすんだよー?」

「車に戻ってから話そう。ちゃんと着替えてから来いよ」

「はいよ〜」

 

ロドスの車両に戻る。ゴツい軍用車だが、それなりに目立たないデザインを選んだ。そこそこ広い。

 

「それで、これからの方針を決めるよ。レイ、外に出て見張りを。何かあったらすぐに知らせて」

「了解」

「頼んだ。さて──エフイーター。あなたにはある程度の選択肢がある。まず大別して──炎国に残るか、別の国へ行くか、それともロドスへ来るか」

「え? とりあえずあいつらぶっ飛ばしてからじゃないの?」

「正直君さえ生きていればどうにでもなる。いますぐロドスへ向かう手も、あるにはあるんだ。もちろん、君の了承は不可欠だけどね」

「隊長、でも脅威の排除が優先なんじゃ」

「状況による。戦わないで済むなら、戦わないほうがいい。でも、確かにレイの言う通り、背後が不透明なまま逃げ出すのも危険かもしれない」

「んー、そうだね……。正直ロドスっていう場所がどんな場所かもよく分からないし……こういうのはどう? あいつらをぶっ飛ばす過程で、あたしが君たちのことをちゃんと見極めるよ! 君たちが本当に信じられそうだったら……あたしもロドスに行こうじゃないか!」

「感謝する。じゃあ決まりだ──戦うよ。でもレイとアイビス、ジフはなるべく戦うな。可能な限り僕に任せて、後方支援をしろ。正直ここまでの状況は想定していなかった……厳しい状況だ。お前らにはまだ三ヶ月くらい早い。分かったね」

「……了解です。でも、オレらの力が必要になったらすぐ言ってください。オレたちだって、わざわざお荷物になるためにここに来たわけじゃねえっす」

 

ジフの言葉に笑みを作った。言うようになったな、成長が早い。部下たちはまだそこそこが二十歳だ。だが──頼りになる。

 

「じゃあ決まりだ。まずあいつらの正体、目的をはっきりさせていこう。ジフ、マップ広げて」

「ダウンタウンエリアっすか?」

「うん。あとセントラル」

 

マップを広げる──。

 

「僕たちが今いるのが……ここだね。セントラルの端。で、事務所がここ。万が一にも市街地でやりあうわけにはいかないからね……この辺りへ誘導しよう」

「誘導? でもどうやって」

「僕らはまさか、ここに協力組織がいるわけじゃない。ましてや警察当局なんて論外だ。どこに敵が潜んでるかわからない以上、僕らは僕らだけで行える作戦を行う必要がある」

「うーん……。やっぱりブラストって周りくどいぞ〜? はっきり言えよー」

「囮作戦を行おう。向こうの居場所が分からないなら、向こうから来て貰えば良い」

「……マジっすか」

「そうこなくっちゃ! よーっし、暴れるよぉ──!」

「すぐに出よう。レイ! 見張りは終わりだ、出るよ!」

「……鉄火場の気配がする。はぁ──、この人はいっつも、頭良さそうなフリしてヤバいこと思いつく……。上官間違えたかな──」

「何言ってんすかレイ。今更すぎるっすよ」

「……それもそうか」

「何駄弁ってる! アイビス、出せ! セントラル、中央公園へ向かうよ!」

 

作戦開始。

 

 

 

 

「みんなー! ご存知ムービースターのエフイーターさ! ご注目〜!」

 

作戦というほど大層なものではなかった……。

 

でも他に手段がないのは確かだ。時間との勝負になる。何せ報道下にあるのだ──時間は僕たちの敵だ。

 

「こんにちは、テレビの向こう側の諸君! さっきドンパチあったけど、私は元気さ、安心しろよ!」

 

エフイーターの伝でテレビの撮影班を手配してもらうことが出来た。正直奇跡だが──スタッフがエフイーターの熱心なファンだったらしく、直接の連絡が可能だった。おかげで生中継をお茶の間に届けられる。

 

「そんで、あたしは今セントラルの国立公園前にいるぞ! あ、でもサイン欲しくても来るなよ、危ないからな! 今回テレビの人に協力してもらったのは、みんなにメッセージがあるからなんだ! いいか、一回しか言わないよ──」

 

──急速に接近してくる車があった。僕はすぐにアクセルを踏み込む。

 

よし、第一段階クリア。魚が一匹釣れた。

 

「乗れエフイーター! 悪いが時間切れだ!」

「え、もう? 仕方ない、続きはまた今度にするよ。じゃ、またなみんな!」

 

テレビカメラに映るのは、帽子をしてヴァルポの特徴を隠した僕とロドスの車両だ。エフイーターが走り出す車に飛び乗ってテレビカメラに手を振った。無茶苦茶だ……。

 

それを追うように一台の車が僕たち目掛けて突っ込んできたのでアクセルをベタ踏み──さあカーチェイスだ。チキンレースと行こう。

 

「エフイーター、君……度胸はある方?」

「あたしを誰だと思ってるのさ。思いっきり頼むよ!」

「僕に任せろ」

 

信号なんかもう遥か彼方、市街地での逃走劇が幕を開けた。

 

「で、テレビの向こうに何話そうとしてたんだよ」

「んー、秘密。まあいずれ知ることになるんだしさ」

「余計なお世話だろうけど、もうメディアに出演する機会はないと思うよ?」

「余計なお世話さ。何、心配しなくても──あたしに良いアイデアがあるんだ」

「その話は終わってからゆっくり聞くよ。……飛ばすよ、振り落とされるなよッ!」

 

ドリフトの振動が視界を揺らす。ゴムの焼ける匂いがする。

 

指定狙撃ポイントまでもう少し──。

 

後ろから追ってきているのは一台だけ。さっきからちょっとずつ肉薄してきている。接触は時間の問題だろう。

 

「……やべ、撃って来た! 伏せろ!」

「それっぽくなってきたね。大丈夫?」

「なんとかする! エリートオペレーターの名前はただの称号でも、伊達でもないんだからね!」

 

直線、建物が立ち並ぶ中、一つだけ飛び抜けたビルがあった。

 

情報通り、人通りが少ない。日中はこの辺りに人がいないのは分かっていた。

 

接近──目算距離十五メートル、十メートル……。

 

「今だ──レイ。頼むよ」

『了解』

 

ビルの上で構えていたレイの対物ライフルが突き刺さった。爆発する。曇り空へ煙が上って行った。

 

すぐさま車を止めて走る。投げ出された男が地面に転がっていた。あのフードをかぶった男で間違いなさそうだ。頭部から血を流している。

 

「生きてる?」

「──ふん、殺せ……」

「残念だけど、お前には聞きたいことが山ほどある。エフイーター、こいつを縛り上げるよ」

「がってん承知」

 

縛り上げて通信機へ指示を送る。

 

「ナイスだレイ。他二人もご苦労だった。引き上げるよ、すぐに降りてこい」

『了解です。でもギリギリでしたね、あんな引きつけるとは思いませんでしたよ』

「僕も同感だ。──で、お前。色々吐いてもらおうかな」

「話すことなど何もない」

「なるほどねぇ。そう来ると思ったよ。まあ場所を変えよう。とりあえずトランクに突っ込んどくか──」

 

すぐに車を動かす。野次馬の目にも慣れてきた頃──。

 

どっちにしろすぐに警察が駆けつけるだろう。今更横槍を入れられても面白くない。

 

「時間がない。アイビス、すぐに車を出して。どこか倉庫街にでも行って、話はそこからだね」

 

パトカーのサイレンをミュージック代わりに聞きながらすぐに倉庫街へ。いっつも人気がない。

 

トランクから男を取り出して放り投げた。

 

「うぐッ──」

「さて。命は奪わないけど、まあ話したくないんなら仕方ない。話したくなるようになってもらうしかないけど、お前そういうの得意?」

「無駄だ、私とて拷問に耐える訓練を積んでいる……。何をしようとも──」

「そう。まあ味わうといいよ。まともな思考が維持できるんならね。エフイーター、車の中に戻っていることをお勧めするよ」

「……いや、見てるよ」

 

この後めちゃくちゃ拷問した。大体全部喋った。

 

「──なるほどね」

 

倒れ伏した男を放って僕は立ち上がった。

 

「……何したのさ?」

「いや、気圧をちょっといじっただけさ。自白剤に近いかな? 嫌なもの見せちゃったね、悪い」

「そりゃ、必要はあったのかもしれないけどさ。あんなに苦しませる必要があったのかよ」

「最低限に留めたさ。好き好んで人を苦しめたいとは僕だって思わないよ」

「……」

 

ちょっと不信感を抱かれたかな。

 

風を操る僕のアーツだが、応用が効く。気圧を弄れば、人の体を内側から破裂させることだって不可能じゃない。絶対やらないけど──。

 

要は正常な判断ができない気圧に調節し、意識を朦朧とさせた訳だ。かなりえげつないが、発案者はケルシー先生なので……。

 

最初は嫌だったし、気持ち悪かったけど……。

 

もう慣れたな。

 

「それよりこれからの話だ。おいお前ら、終わったよ!」

「あ、終わりました? いや、毎度毎度……よく正気でいられますね。隊長のそういうとこ、あんまり嫌いじゃないっす」

「うるさい。で、情報をまとめるよ。まず連中は雇われ。上に誰がいるかはそもそも知らないし、知ることがないようにしていた。明らかにプロの連中だ。目的はエフイーターの殺害だね。特に、メディアに露出するような殺し方をするつもりだったみたいだ。敵の数はそこまで多くないらしい。せいぜい三十かそこらだってね。僕たちの六倍だ、なんとか──」

「なる訳ねえっすよ。六倍差の、しかもプロ相手っすよ。無理っす、諦めましょう」

「だね、諦めよう」

「いや諦めんなよ! そこを覆してこそだろ!?」

「エフイーター。六倍差は無理。流石に無理。だから別の策を練ろう」

「策?」

 

連中の目的──いや、男たちを雇った連中の目的と言い換えるべきか。

 

つまりは、より感染者への迫害を強めたい……というよりは逆か。

 

感染者からの、非感染者への憎しみを強めたいんだ。一方的な正義をかざして、エフイーターのような象徴的な人物を殺すことで、感染者の憎しみや恨みを募らせたい連中がいる。

 

それにより感染者と非感染者の壁を分厚くして──。

 

……誰だ?

 

誰が、どこの誰がこんなことを──。

 

「隊長、顔。顔怖いっすよ」

「……悪いね。話を続けるよ。正直こうまで話が大きくなるとは思わなかった。はっきり僕の意見を話すと、今すぐにでもロドスへ帰るべきだと思っている。……僕たちの手に負える相手じゃないかもしれない」

「えー、じゃあ具体的には誰なんだよ?」

「どこぞの政府機関か、またはそれに連なる組織。そのぐらいしか思いつかない。……理由を説明しよう。連中の目的は、エフイーターがテロ組織……あるいは過激派の非感染者によって殺されたことが、世間に公表されることにある。どういう背景があるにせよ、感染者の感情を煽りたいんだ」

「つまり……あたしが利用されてるってことじゃん!」

「その通りだよ。……だから問題なんだ」

「マジでそんなデカい組織が裏にいるんすか?」

「そうじゃなきゃ、あんなプロを雇うほどエフイーターを恨んでいる誰かがいるか、だ。……そっちの方が分かりやすくていいんだけど、でもそれによって引き起こされることは一緒だ」

 

状況は厳しい。ジフが口を開いた。

 

「じゃあアレじゃないっすか。むしろオレたちは、エフイーターさんが無事であることを積極的に世間にアピールしなきゃいけないんじゃないっすか?」

「……どういうこと?」

「敵の狙いがそうだとしたら、オレ達はその正反対をやればいいんすよ」

「なるほどね。エフイーター、ロドスは鉱石病患者の治療を行なっているんだ。君がロドスに来れば鉱石病の治療が出来る」

「でも、鉱石病って治せないんじゃないの?」

「……痛いところを突くね。その通りだ。僕たちに出来るのは症状を改善させて、進行を緩やかにする程度だ。完治はできない。でも、治そうとし続ける。エフイーター、君がロドスに来て、鉱石病の治療を行なっているという事実が、きっと多くの人々を勇気付ける。感染者も、非感染者もね」

「えーっと……。んー、だから──あたしは周りくどいのが嫌いだって何回言えば済むんだよ!」

「……僕の悪い癖だ。君がロドスで治療を行う事実を公表する。その上で、連中を倒す。そうすれば連中の狙いは挫ける。それで勝ちだ」

「よーっし決まり! じゃあ早速──」

 

──さっき絞り上げた男が、かすかに笑った。

 

その意味はすぐに知るところとなる。

 

「──隊長、上!」

「え──」

 

煙幕と弾幕、反射的にアーツで煙を切り払うが、見えたのは湧き出てくる戦闘服の男たちと応戦するジフ、レイと、血を撒き散らして倒れ伏すアイビスの姿──。

 

エフイーターの姿がない。どこかで車が急発進する音を聞いた──やられた。

 

「隊長、こいつら……!」

「やってくれたね……、全員片付けてやるッ! ただで済むと思うなよッ!」




・ブラスト
主人公。オリキャラ。
基本的には敬語で接するが、だいたいすぐに剥がれる。短気さはブレイズさんとどっこいどっこい

・ブレイズさん
実はこの章では出番がないことが判明した。

・エフイーター
パンダ耳のついたおっぱい。いや、おっぱいのついたパンダ。いや……どっちだ?
状況に対して迷いが無さすぎる……。
さらわれた。

・行動隊B2の隊員
細かいキャラ付けは不明、多分みんな男だと思います。
行動予備隊がちょっと成長した感じのイメージで描いてます。

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