『マサラタウン』
カントー地方南西部の半島の南端に位置する小さな町。
北に向かうと1ばんどうろを経てトキワシティへ、南に向かうと21ばんすいどうを経てグレンタウンへと向かうことができる。
「全国秘境、何もない町、うまい店」というテレビ番組で、2階が宿屋になっている食堂「マサラハウス」が取り上げられたこともあるが、ポケモン研究の権威であるオーキド・ユキナリが構えるオーキド研究所を除き、上記のマサラハウス以外に目立つ観光名所は存在しない。
「マサラハウス」の経営者であるハナコ氏は、17歳の頃に雑誌「ポケモンの友」の表紙を飾った事がある事がラジオ番組にて放送されている。
元々「マッシロタウン」であったが、ポケモン研究の権威であるオーキド博士の先祖のポケモントレーナー、オーキド・マサラに因んで改名したという経緯が語られている。
近年過疎化が激しく、学校終了後の就職先がなく、ポケモントレーナーを志望する成年の比率が著しく大きいらしいが、一方でポケモントレーナーを挫折した層への受け皿の確保が町の問題になっている。
4月1日。
今日この日から
何でもオーキド博士が定期的にポケモンのデータも含めて送ってほしいとの事。
正直めんどくさくてこの上ないが、グリーンもやってるとの事で仕方なしに引き受けることにする。
◆◆◆
旅立ちの日である今日、俺はオーキド博士からポケモンを貰った。
ゼニガメはグリーンが持って行ったので、残っているのはヒトカゲとフシギダネだ。
俺が選んだのはヒトカゲだ。
正直どっちにしようかギリギリまで悩んだが、やっぱりヒトカゲにした。
『赤く燃える炎のように、熱い心を持つ男になれ』という意味が込められている俺の名に相応しい最初のポケモンと言える。
・・・・・・いや、ある意味では最初のポケモンではなく、2体目のポケモンとも言えるが。
ヒトカゲをオーキド博士から貰った後、俺は母さんが経営している食堂『マサラハウス』へと赴く。
そこで母さんの手伝いをしているポケモン・・・ピカチュウを連れていく為である。
このピカチュウは何年か前に食堂の倉庫に忍び込んでいたポケモンで、傷だらけで店の食糧を食っていたのだ。
当初は気性が荒く暴れまわったが如何にか捕らえてオーキド博士に見せに行ったのだが、博士によると卵から産まれて直ぐに捨てられて、更には野生で暮らしていた時に人間に酷い目に遭わされていたのではないかと推測して、あの気象の粗さや傷だらけの身体に納得し、オレと母さんはそのピカチュウを飼う事に決めた。
最初は噛み付かれたりと大変だったが、世話しているうちに懐いてきて、今では母さんの食堂の手伝いをしている程。
俺は旅立つときにはこのピカチュウを連れていくと決めていて、遂にその日が来たのだ。
このピカチュウと、今日仲間になったヒトカゲと共に、俺はポケモンマスターを目指すのだ‼
ヒトカゲは普通にモンスターボールに入ってくれるのだが、どうにもこのピカチュウはモンスターボールに入るのを嫌がる為、仕方なしに連れ歩くことにした。
そしてそのまま旅立つ前の挨拶回り・・・・・・といっても、会う人なんぞ1人しかいないのだが。
その人とは、グリーンの姉であるナナミだ。
俺やグリーン、ブルーよりも4歳年上のお姉さんで、俺達ぐらいの年の頃にはポケモンコーディネーターとして活動していた。
ナナミが旅に出てた頃は、よくグリーンが剝れていたもんだ。
去年辺りに帰省し、今ではオーキド博士の助手をしており、オーキド研究所にいるポケモン達の面倒を見ている。
このマサラタウンでは数少ない歳が近い人ということもあり、昔からよく接していた親しい人物である為、挨拶に行くのは当然と言える。
色々旅に出た先達としての助言を貰い、更には
これは土産話を色々用意しないとな・・・・・・。
◆◆◆
「とりあえずこんなもんか」
マサラタウンにさよならバイバイして旅に出た俺は、
「ピカピー、ピッピカチュウ?」
「んー? 『日記ってその日の終わり位に書くもんなのに何で今書いてるのか?』って? いや、こういうの書くの初めてだからさ、ちょっとやってみようと思ってな。試し書きってやつだな」
ピカチュウとはそれなりに付き合ってきたから、何となく言っていることが分かる。
そしてマサラタウンが見渡せる此処『1番道路』の高台で腰を下ろし、俺は試しにレポートという名の日記を書いていたのだ。
多分こんな感じで良いのだろう。
いや、日記もレポートもロクに書いたことないから分からんけど。
取り敢えず書いてみて、まぁこんな感じかと勝手に納得して、本格的に旅立とうと俺はノートをリュックにしまって立ち上がる。
生まれ育った田舎町『マサラタウン』。
何色にも染まっていない汚れなき色。
まっさらで白い、始まりの町。
ポケモンセンターやフレンドリィショップなどの設備は存在しない、オーキド研究所と、知る人ぞ知る名店マサラハウスくらいしか見所の無い小さな町。
新社会人の働き口はあまり無く、その為過疎化が激しく、10歳で義務教育が終了するため、学校終了後の就職先がなく、ポケモントレーナーを志望する成年(10歳)の比率が著しく大きいらしい。
一方、ポケモントレーナーを挫折した層への受け皿の確保が社会問題になっているとか。
だから旅立つ必要もあるという何とも夢もへったくれもない社会的事情もあるのだが、俺の夢は変わらない。
「ポケモンマスターに・・・・・・俺はなる!」
大冒険の始まりだ‼
「・・・・・・そういや、結局ブルーは残るんだな」
1番道路を歩きながら、少しばかりマサラタウンを振り返る。
小さい頃は俺やグリーンと一緒にポケモントレーナーになると言い、ナナミの様なポケモントレーナーになるのだと語っていたのだが、やはりポケモンが苦手になってしまったのがダメだったようだ。
「ま、ポケモントレーナー以外にも、生きる道はあるだろ」
それこそ誰かに嫁入りとか。
義務教育は10歳で終わるが、結婚自体は15歳以降で出来るんだったか。
昔は歳が近い子供が俺とグリーンしかいない事もあり、どっちがブルーをお嫁さんにするかという喧嘩をしていたが、結局2人揃ってブルーに振られるという結末を迎えるエピソードがあったりするのだが、まぁどうでもいいことだ。
「べ、別に気にしてなんかねーし」
「ピ?」
「いや、何でもねーよ」
今度こそ、俺は旅立った。
NAME:レッド
CLASS:ポケモントレーナー
生息地:マサラタウン
年齢:10歳
ポケモン図鑑:2匹
戦暦:0戦0勝0敗
所持金:3000円
バッジ:-
所属/役職:―
【経歴】
―
【手持ち】
1:ヒトカゲ 性別:♂ LV.5
性格:頑張り屋 タイプ:炎
特性:猛火
技:引っ掻く・鳴き声・火の粉
持ち物:―
備考
マサラタウンでオーキド博士から貰った最初のポケモン。
2:ピカチュウ 性別:♂ LV.5
性格:意地っ張り タイプ:電気
特性:避雷針
技:スパーク・尻尾を振る・雷パンチ・電光石火
持ち物:電気玉
備考
数年前に母が働いている店の食糧庫に傷だらけで忍び込んでいた所を捕まえて保護した。卵から産まれて直ぐに捨てられて、彷徨っている所を人間に酷い目に遭わされていたこともあり、出会った当初は人間嫌いだった。
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【ボックス】
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【大事な物】
ポケモン図鑑