『トキワシティ』
トキワは緑、永遠の色。
永遠なる緑の街。
カントー地方の西部にある小さな町。
ポケモンセンターやフレンドリィショップ等があるが、トキワジムが存在する事を除けば特に目立ったものがない街でもある。
北はニビシティへやトキワの森へと通じている2番道路、南はマサラタウンへと続く1番道路、西にはポケモンリーグ本部へ繋がっている22番道路がある。
その為、セキエイリーグが行われる年には観光客がそこそこ訪れている。
北にあるトキワの森で虫ポケモンを捕った少年が多く、ポケモントレーナーを引退した町の住人は虫ポケモンを持っていた者が多い。
トキワシティで生まれた人の中には、ポケモンの声を聴き、また癒す力を持つ者が生まれる事があるとの不思議な言い伝えがある。
「いや、マジありえねーわ」
トキワシティのポケモンセンター。
そこのポケモントレーナーが無料で寝泊まりできる宿泊所の一室で、俺はベッドの上でうつ伏せになりながらレポートという名の日記を書いていた。
オーキド博士との電話を終えて、俺はポケモンをセンターに預けてフラッと町を散歩していたのだ。
まぁ、といっても別段何か面白いものがある訳もなく、珍しいものも特になかったが。
ただこの町には『トキワジム』が存在し、明日にでも初めてのジム戦を申し込もうと思ったのだが、俺と同じく散歩に出ていた通りすがりに聞いたところ、どうやら此処のジムリーダーは現在留守中で、いつ帰ってくるのかも分からないそうだ。
ジムリーダーは副業をしている者が多いらしいから、多分何かしらの仕事が立て込んでるんだろう。
いつ帰ってくるのかも分からないなら待っていても仕方ないから、次に近い場所にあるジムを目指すしかない。
それも明日の話だが。
晩飯をポケモンセンターの食堂で食べる事も考えたが、俺はふと思い立ち少し足を延ばした。
場所は、トキワシティを少し西に行ったところにある『22番道路』。
草むらに近づくとポケモンが出てきて危ないため、あまり町から離れずの道を歩いた。
観たいものがあったのだ。
「アレが・・・・・・」
少し坂を上った先から見える向こう側。
北西側の山の山頂辺りに見える建物。
セキエイ高原――――――そして、ポケモンリーグ本部。
あそこが、来年に行われるとされるポケモンリーグ『第14回セキエイリーグ』。
そして大会が行われる『セキエイスタジアム』ある場所。
世界各地にポケモンリーグは存在し、何かしらの大会が何処かで行われていたりするが、セキエイ高原はポケモンリーグの本部が存在し、世界で初めて行われたポケモンリーグの聖地でもある為か、他の大会と比較しても参加者のレベルが高いとされている。
セキエイリーグは3年に1回行われており、40年以上も昔からやってるらしい。
歴史のある最高難度級の大会とあって、参加条件を満たすトレーナーが難しいとされる『マスターボールランク』だ。
こういった大会には参加条件として、トレーナーのランクが関わってくる。
ジム戦を勝ち抜いたものが獲得出来るジムバッジ。
駆け出しでバッジを持たない『ビギナーランク』。
その獲得数が1個から2個の『モンスターボールランク』
ジムバッジ数3個から5個の『スーパーボールランク』。
ジムバッジ数6個から7個の『ハイパーボールランク』。
そしてジムバッジ数8個以上の『マスターボールランク』だ。
『マスターボールランク』は世界中に存在するポケモントレーナーの中でも上澄みの実力者であることの証であり、各地方の四天王やジムリーダーなんかもこの階級である。
セキエイリーグは参加条件なしの予選リーグがまず行われ、予選リーグ優勝者とマスターボールランクを満たした者が本選リーグに参加するといった形だ。
優勝するのがどれほど大変かがわかるというモノだ。
そして俺やグリーンが来年行われるこの大会に参加すべく、今目的としているのがジム戦によるジムバッジの入手だ。
最初のトキワジムで勢いを付けたかったが、なんか初っ端から躓いた感じで不安だ。
「うん?」
ボケーっとここから見えるポケモンリーグ本部を眺めてたら、目の前から人が歩いてきた。
こんな時間に向こう側から?
そんな不審な目を向けてみると、何やら見覚えのある人影で。
「げ」
グリーンだった。
「何してんだよ? こんなところにこんな時間に」
「そりゃこっちのセリフだっての!」
「俺はこっからリーグ本部を眺めてただけだよ」
「ハッ、参加出来ないからせめて遠くからってか?」
「何だ、お前参加出来ないから出来るだけ近づいて見に行ってたのかよ」
「・・・・・・あ?」
「・・・・・・お?」
イラっときてガンつけて、思わず腰のベルトに手を伸ばしたところで、俺はポケモンをポケモンセンターに預けていることを思い出した。
・・・・・・やっべ、どうしよ。
なんて事を考えてたら、俺と同じく腰に手を伸ばしていたグリーンは「バカバカしい」と肩を竦めて俺を横切った。
「レッド相手にマジになる事なんてねーな、精々思い出作りに勤しんでろよ」
言って「バイビー」とキザったらしく去っていった。
「チッ」
好きかって言いやがって。
のんびり景色を眺めている気分でもなくなってきたな。
・・・・・・ポケモンセンターに戻るか。そろそろ飯にしたい。
「あ」
そういやグリーンは何処に向かったんだ?
もう時間は夜だし、流石にこの時間からニビシティ向かう為にトキワの森へ行ったってことはないだろう。
そしてポケモンセンターに戻ってきたら、
「「あ」」
受付でポケモンを預けてるグリーンが。
「・・・・・・ま、そりゃいるよな」
グリーンが何か言いかけたが、それを呑み込んで嘆息した。
たぶん何でいるんだよ的な事を言おうとしたんだろうけど、場所と時間考えたらそりゃポケモンセンターにいるだろな。
そしてポケモンセンターにある食堂(有料)に向かったらグリーンもやってきたが、お互いもう何も言わなかった。
・・・・・・流石に部屋は別だった。
◆◆◆
レッドがレポートを書き終え、時間も深夜になり、トキワシティの明かりがほぼ消えた頃。
人気のないトキワシティのポケモンセンター前に、怪しげな二つの影。
「ポケモンセンターに預けられているポケモンの窃盗・・・・・・随分イージーな仕事ね」
「これをイージーか。クク・・・頼りになる新人だねぇ」
金髪に両サイドの髪がロールになっている少女と、飄々とした物腰と紫の髪でタレ目と泣きぼくろが特徴の中年男性。
そして二人とも全身が黒く、胸に赤文字で「R」と書かれた服を身にまとっていた。
「新人研修もこれで最後だ。仕事ぶりによっちゃ、エリート団員への昇格も早いだろう。お前の此処までの成績なら、充分可能性あるぜぇ」
「当然ですね。何なら、A級ランクのシングルナンバーに直ぐに昇進してみせますよ」
「頼りになるねぇ、ドミノちゃんは」
言って、中年男性はクルリと身を翻すと、一瞬にしてその姿が変わり作業着を着た姿となる。
その姿は怪しげな先程までの姿とは異なり、ぱっと見ただの電気工事作業員だ。
「流石の早業変装術ですね・・・ラムダ先輩」
「まぁ、潜入とかするとなんでか直ぐにバレちゃうんだけどねぇ・・・・・・」
「・・・・・・演技は下手ですもんね」
「何か言ったかぃ?」
「いえ、何も」
怪訝な顔をするラムダに、ドミノは目を晒して咳払いで胡麻化した。
不遜な新人に肩を竦めるラムダは、一息吐いて調子を整えて、
「そんじゃ、手筈通りに」
「了解」
怪しげな二人は、闇夜に溶けて消えた。
NAME:レッド
CLASS:ポケモントレーナー
生息地:マサラタウン
年齢:10歳
ポケモン図鑑:2匹
戦暦:0戦0勝0敗
所持金:3000円
バッジ:-
所属/役職:―
【経歴】
―
【手持ち】
1:ヒトカゲ 性別:♂ LV.10
性格:頑張り屋 タイプ:炎
特性:猛火
技:引っ掻く・鳴き声・火の粉・煙幕
備考
マサラタウンでオーキド博士から貰った最初のポケモン。
2:ピカチュウ 性別:♂ LV.10
性格:素直 タイプ:電気
特性:避雷針
技:スパーク・尻尾を振る・雷パンチ・電光石火
備考
数年前に母が働いている店の食糧庫に傷だらけで忍び込んでいた所を捕まえて保護した。卵から産まれて直ぐに捨てられて、彷徨っている所を人間に酷い目に遭わされていたこともあり、出会った当初は人間嫌いだった。
3:-
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【ボックス】
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【大事な物】
ポケモン図鑑
虹色の羽