クチバジム カイト
「ヴォオオオオオオ!!」
進化して見事勝利を果たしたギャラドスは雄叫びをあげている。トレーナー戦では初めての勝利、嬉しくてたまらないのだろう。
「ヴォオオ!」
オレのほうに振り返り浮きながらこちらにやってくる。ひこうタイプだから浮いているのか?迫って来てオレの胸に飛び込もうとしているのか【はねた】。
ギャラドスは高さ6.5m 重さ235.5kgのポケモンだ。体重については軽過ぎるとツッコミを入れたいところだがポケモンだから仕方がない。
そんなギャラドスが跳ねてオレの元にやって来るのだから、もちろん逃げる!
すまん、ギャラドス!
「ヴォオオ・・・」
オレに飛びつくのに避けられたのがショックだったのかちょっと寂しそうにしている。すまん、オレも命が惜しいんだ。お気に入りのタオルで拭く事は出来るから我慢してくれよ。
クチバジム ナミゴロウ
リョウヘイのガキのギャラドスは喜んだり悲しんだりとなかなかに顔の表情がコロコロと変わる面白いやつだな。ギャラドスというとかなり強力で扱いづらいと聞くが自分の大きさも忘れてパートナーに飛び付こうとしたんだ。よく懐いているじゃねぇか。自分のポケモンに殺されるなんて事になりそうになくて何よりだぜ。
「馬、馬鹿な・・・。あんな子供にオレが?ナミゴロウさん、あの子供一体何者なんですか!?」
試合が終わってオレの元にやって来たヒリハは負けたショックを引き立ったまま話しかけてきた。
「リョウヘイの自慢の子供だ。それでまだ5歳、なんだそうだぞ」
「ごっ!?5歳!?は、ははは。5歳の子供なんかにオレは・・・」
だから最初にコイキングを連れている事で舐めてかからなければ良いものを・・・。まあ、試合中に進化する事を予測して戦うってのも無茶ってなもんよ。全部が全部こいつが悪いってわけじゃねぇ。
だが、5歳か。いつあのガキと戦う事になるのか分からないがその時が楽しみだな。無論オレが勝つがな、ガッハッハ!!
クチバジムの南側の海 ドククラゲ
ワシも衰えたかの、まさかコイキングに敗れるとはな・・・。若い頃にはあらゆる海をさすらい、戦い続けたがあれほど速いコイキングは初めてみたわい。
あれは野生のものではない、トレーナーに育てられたものであろう。コイキングですらあのように強くなれるのだ、ワシもその御仁の仲間になれば強くなれるかの?
建物から人間の子供ら出てきおったわ。あのコイキングを育てた御仁は誰であろうか?
クチバジムの外 カイト
バトルを終えて夕方になりオレ達はジムを出た。すると海からドククラゲが上がって来た!ジムに来た時に浮いてきたのと同じドククラゲだろう。オレ達の事をジ〜っと見ている。何しに来たのだろうと思っていると腰につけたギャラドスの入ったモンスターボールが震える。出してほしいのかもしれないので出してあげた。
「ヴォオオ!」
「ゲ!?ゲゲゲ・・・」
いきなり現れた巨体のギャラドスにドククラゲは驚いたようだが納得のいくように頭を縦に振っていた。コイキングが進化するのも当然といったところか?
「ゲゲゲ」
ドククラゲはギャラドスを出したオレの方に視線を向け近寄って来る。数え切れないほどある触手が嫌悪感というか恐怖感を与えてくる。高さは1.6m、充分に怖い!
ドククラゲは触手を伸ばしてきてオレの腰のモンスターボールに触れた。
「え?もしかして仲間になりたいのか?」
「ゲゲゲ!」
ドククラゲはその通りだと言わんばかりに頷いた。ドククラゲか、うちのパーティは今のところ物理オンリーだし特攻と特防が高くそれなりに速く補助技も優秀なドククラゲは確かに必要だ。これはコイキングが運んできた縁、大事にしたいがまずは聞くことがある。
「なあドククラゲ、仲間にはオレもなってくれるのは嬉しい。オレ達は強くなる為に鍛え戦い続けるつもりだ、それでもついて来るか?」
「ゲゲゲ!!」
ドククラゲにもちゃんと伝わったのだろう、力強く頷きオレの目の前に触手を移動させる。その触手にオレは手を差し出して強く握手をした。
「よし、これからよろしく!ドククラゲ!!」
「ゲゲゲ!」
嬉しそうに鳴いた後に触手をオレの頭に置いて撫でてきた。ドククラゲになっているだけにそれなりに歳なのか?
今年はこれでおしまい!良いお年を!!