荒廃したこの世界で白鳥は踊る   作:通りすがりの錬金術師

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ゴッドイーターシリーズのストーリー見直そうと思ったら、2のソフトだけが行方不明になってた錬金術師です( ;´・ω・`)ツライム
漫画と攻略本は持ってるからある程度ならなんとかなるのがまだ救い

今回はメルトリリスというよりも本来の人格(?)要素が強いです。基本はメルト:一般人(?)=7:3くらいをイメージしてますが、今回は反転して3:7くらいです。次回からはメルトリリス強めに……なるといいなぁ。

拙い文章ですが、どうぞ!

あ、非ログインの人も感想を書けるように設定変更しました。


4

 電子の海の中、沈んでいく人影。その肉体は徐々に光へと返っていく。彼女はそれを『死』と直感した。既に記憶は完全に無くし(吸われ)、後はその精神(こころ)が溶かされ尽くすのを待つだけしかない。ただ、それだけの存在だった。

 

 しかし、ある人物(ワカメ)の貢献があり、とあるサーヴァントとそのマスターがとある存在を打ち倒した。それにより、彼女はそれ以上溶かされる事はなかった。だが、もう彼女には存在意義(記憶)も無く、存在手段(肉体)も無い。機能を取り戻した●●●●●により復元され、元の時へと戻った彼女もいるのだろう。だからといって、この彼女がいなくなるわけでもない。故に、廃棄データの一部となった彼女は●●●●●の中を彷徨い、そして、ある世界の●●●●●へと流れ着いた。

 その世界では●●●●●は知られていなかった。地上にも関連する存在は無く、ただそこにあるだけだった。そんな中、月で終末捕食が起こった。それによりこの世界から●●●●●は消滅。同様にに彼女も完全に消え去る、と思われた。しかし、終末捕食による生命の再分配により彼女は生まれ変わった。精神は彼女のまま、既に無かった肉体は変異する予定だったメルトリリスの物で。

 そして、偶然にも彼女が生まれ落ちるはずだった場所は月から剥がれ落ち、人知れず地上へと落ちていた。剥がれ落ちた部分は大気圏で燃え尽き流れ星となったが、彼女を産み出そうとしていたオラクルは大気圏を突破して、地上へと着いた。そこで目覚めた彼女は二週間の時を経て、ついに人と邂逅する事となった。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「―――ぁ」

 

 

 眩しい……。それに音が聞こえる。これは、人の声?私は助かった?そう思うも、私の感情を支配したのは安堵や歓喜ではなく恐怖だった。何故?そう思ったのは一瞬。手や足から何も感じないのを理解した。

 

 

「ッ!起き、た?」

 

「ぅ……ぁ」

 

「大丈夫。落ち着いて」

 

「あぁ……い、いや!」

 

 

 近くにいる誰かが近づいて声をかけてくる。でも私はそれが耳に入っていても気にする余裕がない。まだ視界が安定しないので、自分の状態も分からない。怖い。誰か、私に温もりを、生きてる安心感をちょうだい!

 視界がハッキリとしてくると、長袖長ズボンの病人服に、手や足に包帯が巻いてあるのが見える。感触が分からないけど、視界だけを頼りに包帯とかを外しにかかる。

 

 

「ちょ、ちょっと!」

 

 

 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い………

 

 

「落ち着いて!」

 

 

 パシンっという音と一緒に私の頬に誰かの手が触れる。それを感じると共に、私の心は落ち着きを取り戻した。

 

 

「大丈夫、私がここにいるから。ね?」

 

 

 それを聞いて、何故か涙が溢れだしてくる。そして、そのまま私は声をあげて泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は、恥ずかしい……」

 

 

 恐怖で混乱していたとはいえ、あんな醜態を晒すだなんて。

 

 

「あはは。うん、可愛かった……よ?」

 

「煩いわよ!」

 

 

 照れ隠しに反論にもならない言葉を返すも、笑顔で流される。……そういえば、目の前にいる彼女って何気にこの世界で会う初めての人、よね。

 

 

「?」

 

 

 えっと……こういう時って、どう話せばいいのかしら。『(メルトリリス)』の記録はこういう時に全く役にたちそうにない。あの言動だと、確実に引かれると『私』の人間の部分が必死に叫んでいる。どうする、どうすればいい。考えろ、私!

 

 

「……えっと、その、貴女のお名前は?」

 

 

 このポンコツ頭!(自虐)

 この程度の言葉しか出せないなんて……。コミニュケーション能力を鍛えないとダメかしら。

 

 

「あ、そう言えば自己紹介とかしてなかったね。私は神薙ユウ、ユウって呼んでね。あなたは?」

 

「メルトリリスよ。よ、よろしくしてあげるわ、ユウ」

 

 

 あ、あぁ!な、何が『してあげる』よ、私!失敗した、絶対引かれる……。

 

 

「うん!よろしくね、メルトちゃん」

 

 

 って、あら?引かれなかったわね。まあ、それなら良し……でいいのかしら?

 

 

「ええ……ってメルト()()()?」

 

「ダメ?言いやすいし、可愛いと思うんだけど」

 

「……別にダメじゃないわよ」

 

 

 この後、色々と理由を付けて、巻いている包帯は取ってもらった。幸い、戦闘の怪我もすでに瘡蓋になっていて、外しても問題なかった。

 

 

「……さて、メルトちゃんも無事に起きた事だし、ちょっと話をしようか」

 

「……そうね。私も聞きたい事があるわ」

 

「うん。それじゃ、ちょっと待っててね。皆を呼ぶから」

 

 

 そう言うと、ユウは端末を取り出して誰かに連絡を取る。

 

 

「あ、メルトちゃん。立ち上がって歩く事は出来る?」

 

「へ?……ああ、よっ……とと。ええ、少しふらついたりするけど歩くくらいなら問題ないわ」

 

「オッケー。――はい、そういうわけで………分かりました、博士―――じゃあ移動しようか」

 

 

 ユウに先導されて医務室から出て、部屋の近くにあったエレベーターに乗って、役員区画と書かれた階層へと移動した。そこから少しあるいて着いた先は……

 

 

「……支部長室?え、ユウ。ここであってるの?」

 

「うん、そうだよ。失礼しまーす」

 

 

 さっきユウは『博士』なる人と連絡を取っていたから、てっきり研究室みたいな所に案内されると思っていたのだけれど。もしかして、ユウって意外と偉い人だったりするのかしら?

 まあ、それはともかく私もユウに続いて部屋に入っていく。そこには手袋をしてメガネをかけた、いかにも『博士』って感じの人と、赤い帽子に赤いスカート、そして黒の服を着た女性、ニット帽とマフラーを着けた男性、フードを被った男性の四人が待っていた。

 

 

「ようこそ、フェンリル極東支部へ」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「初めまして、私はここの支部長代理をしているペイラー・榊だ。気軽に博士とでも呼んでくれ」

 

 

 支部長室で、メルトちゃんと博士、そして私たち第一部隊が集まっての話が行われた。ここまで移動する途中、メルトちゃんに軽く質問とかしてみたけど、メルトちゃんがフェンリルやアラガミの事を知らなかった事とか、何故かアラガミを倒せる事とかしかわからなかった。

 

 

「メルトリリスよ……です。よろしくね……お願いします、博士」

 

 

 ん?メルトちゃん、緊張……じゃないね。なんか話すの少し無理してる?

 

 

「メルトリリスくんだね。ああ、別に無理に敬語で話そうとしなくていいよ。君の話したいように話してくれ」

 

「……わかったわ。貴方がそれでいいなら、そうさせてもらうわ」

 

「ほう。それが君の素かい?」

 

「そう……ね。素になるのかしら?ごめんなさい、わからないわ」

 

「わからない?」

 

 

 つい話に割り込んでしまった。だって自然と口から出てくるのが素なんじゃ……?

 

 

「私、今日を除くと凡そ10日分の事くらいしか記憶がないもの」

 

「えっ!?」

 

 

 それを聞いて部屋の全員が驚いた。博士もいつもの糸目を開いている。

 

 

「過去の記憶が一切ない、つまりは記憶喪失みたいなものかな」

 

「そうなるわね。だから自分自身の事は私も知りたいのよ」

 

 

 そう、なんだ。メルトちゃんの記憶が……あれ?

 

 

「待って。記憶がないって言ったけど、じゃあその名前は?」

 

「これが本名なのかどうかはわからないわ。ただ、それしか名前となるのが頭に無かったの」

 

「なるほど……。それじゃあ、他の事について話してもらえるかい?過去の記憶は無くとも、10日分ならばあるのだろう?特に、君がどうやってアラガミの闊歩する外の世界で生きてきたのか、どうやって戦っていたのかをね」

 

「ええ。そうね……最初は――」

 

 

 メルトちゃんが言うには、メルトちゃんの主観で10日前(実際の時間では2週間前)に森で目覚めて、困惑していた所をオウガテイルの群れに襲われた。戦い方は何故か身体に染み付いていたから、それで戦った。でも攻撃が通らなかった。

 

 

「そこで一つ、私は切り札を切ったわ」

 

「切り札?」

 

「ええ。その名も『メルトウイルス』。無機物、有機物問わずなんでも溶かす私の毒。それでそのアラガミ――オウガテイルだったかしら?――の一体を溶かして吸収したわ」

 

「なにそれ、こっわ……」

 

「コウタ!」

 

「あ、ごめん」

 

「気にしなくていいわ。怖いのは本当だし、こんなのを使える私は人間じゃないのかもしれないもの……」

 

 

 メルトちゃん……。

 

 

「話を戻すわ。それで吸収したときに、オラクル細胞をほんの少しだけ操れるようになったの。それで攻撃が通るようになって他のアラガミも倒したわ」

 

 

 その後は、私たちがメルトちゃんを保護した港に移って人を探していたらしい。そして、数日経ってハンニバルと戦って、今に至る。

 

 

「こんなところね」

 

「なるほど。いやいや、実に興味深い事だらけだね。ところで、アラガミを倒したと言ったが、武器とかはあるのかい?」

 

「ええ、これよ」

 

 

 それを言うと、メルトちゃんは軽く跳んだ。次の瞬間、メルトちゃんの足に何かはわからないけど金属で出来た刺々しい……ブーツ?みたいなのが現れた。

 

 

「これは、なんとも……」

 

「ちなみにメルトウイルスもこの棘から撃ち込めるわ」

 

「ふーむ。と、ありがとうメルトリリス君。それはもう消してくれて構わない……というか、基本的に屋内では消しておいてほしい。理由は、言わなくてもわかるね?」

 

「ええ、それくらいわかるわ。……これなら大丈夫かしら?」

 

 

 メルトちゃんはブーツからあの棘や足裏の部分だけを消した。これだと見た目はただの義足に見えなくもない。

 

 

 

 

 

「さて、それじゃあ今後の話をするとしようか。まず君はゴッドイーターでもなければアラガミでもない。かといって、普通の人間かと言われると……まあ非常に怪しいが」

 

「ええ、自分では人間だと自覚しているのだけれど……今日、こうして話していたらなんか薄れてきたわ」

 

「まあ、それは一旦置いといて。君は、これからどうしたいんだい?」

 

「……私は、その、出来ればここに居たいわ。

自分が何者かもわからないし、頼れる知り合いもいない。ユウたちが助けてくれなかったら死んでいたかもしれない。でも、戦う事しか私は出来ないし、それでしか私は生を実感出来ない。他にも、記憶がなかったり、色々と問題を抱えてはいるけれど。

それでも……やっぱり一人は寂しいから。

 

 

 

こんな自分勝手な理由だけれど、お願いします!」

 

 

 メルトちゃんはそう言うと頭を下げた。博士は私たちに視線を向けてくる。言わんとする事はわかってるから、頷く事で返事をする。

 

 

「メルトリリス君、頭をあげて聞いてほしい。君は人間じゃないのかもしれない、と言った。でも、実際がどうであれ、君はこうして私たちと言葉を交わした。話も通じるし、無闇矢鱈に暴れたりした訳でもない。それに、君は私たちを気遣ってか、話していない事があるだろう?」

 

 

 え、あるの!?メルトちゃんを見ると明らかに驚いていたので、あるんだろう。

 

 

「……別に気遣ったわけではないわ。ただ、あまり迷惑をかけるものじゃないと思っただけよ」

 

「まあ、それについては君の気が向いたらで構わないよ。とにかく、そう言うことが出来る君は十分人間だよ。

私たちはそんな君をこのアナグラに歓迎しよう。例え、君が人間でないとしてもね」

 

「……ありがとう」

 

 

 顔を赤くしてメルトちゃんは小さくそう言った。こうして、メルトちゃんというゴッドイーターじゃないけど、新しい仲間がアナグラに加わった。

 そして、私たちは改めて自己紹介をする。私がアナグラのエリート部隊である第一部隊の隊長だって言ったら驚いてた。コウタはちゃっかりとバガラリーを宣伝してたし、アリサとも仲良くやれそうだった。ソーマは、まあ、意外と面倒見はいいからたぶん仲良くやれるだろう。で、最後にメルトちゃんの番。

 

 

「それじゃあ……ごほん。

私の名前はメルトリリス。今日からアナグラで世話になるわ。蹂躙するのは得意だから、アラガミの相手するときは呼びなさい。ええ、アラガミならいくら嬲っても心が痛まないし、私の気分も良くなる。ついでに人類の脅威も減る。ほら、まさに一石三鳥ね……ってあら?ねぇ、なんで引いてるの?ねぇ!?」

 

 

……メルトちゃんってドSだったんだね(トオイメ)




ここくらいしか主人公が生まれた経緯を入れるような所がなかったので、突っ込みました。
というわけで、主人公の正体は、メルトリリス(本物)にドレインされたマスターの一人、という設定です。
無かった事になった裏側の出来事って、つまり剪定事象になった……ってことでいいんです、よね?最後に解決したCCC主人公がなんとなくの既視感(?)を持ったのは彼(彼女)がそういう存在だから……って思ってるんですが。(言いたい事が伝わってるといいな)
まあ、地上で目覚めた理由には少し無理があるのですが、見逃してくれると嬉しいです(汗)(2RBのラスト的なのと思っていただければ)

(この設定は前回投稿してすぐ浮かんできたものだというのは秘密)


最後に性癖というか加虐体質なのを少しぶっちゃけてるのは、自分が人間だと言われ、仲間と認められた事で、言っても大丈夫だろうと認識が変わったからです。当然、引かれます。……でもゴッドイーターって変わった人が多いですから、皆すぐに慣れます。



なお、最初の方に出てきたマスターとサーヴァントの名前やクラスは皆さんの想像にお任せします。
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