ストーリー オブ ザ 球磨   作:ヤングコーン

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販売戦略を考えるためという事で休みをもらいましたが、時間が欲しかった理由の一つにはしばらく会ってないアリスさんに菓子折りを持っていく事と前にお世話になった河童の…河童の…とにかく河童のいた村に行く事がありました。

それにしてもチルノさん、皆と遊びに行くって話でしたが一体どこで何してるんでしょう。


7話 398 短針より愛をこめて

魔法の森、アリスさんの家に向かっていた。こんな所に販売戦略のヒントなんてあるのかな、ってにとりさんが口を尖らせて不満そうにしていた。まぁ販売戦略のヒントを得る為に来た訳じゃないけども。

 

向かう途中、また射命丸さんの携帯にチルノから写真メールが届いた。今度は姫海棠さんと言う射命丸さんのライバル社の鴉天狗の笑顔ダブルピースの写真だった。

 

露骨に嫌な顔をして舌打ちし、素早くメールを打っている。

 

〝その二枚貝の写真を送るならスキャンダルとかにしてくださいよ。それから、そいつの家にミントを植えといてください〟

 

そう返信したようだ。チルノ、もしかして妖怪の山にいる??

 

「射命丸さんは姫海棠さんの事が嫌いなんですか?」

 

「嫌いじゃないですよ。ライバルがいないと張り合いがありませんし。ただ、二枚貝が不幸になったりすると胸のあたりがポカポカして幸せだなあって感じるんです」

 

「いい性格してるな、鴉天狗」

 

にとりさんがドン引きしている。

 

そうこうしているうちにアリスさんの家に着いた。ドアをノックしたりしてみるものの中には誰もいない様だった。仕方がないので人間の里で買ったお菓子を玄関に置いて帰る事にした。

 

その時、ちょうどアリスさんと魔理沙さんが家の前に降り立った。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「あら、珍しい顔ぶれね」

 

「おはようございます。用事で近くに寄るのでついでにと菓子折をばと思いまして」

 

「まだこの間の異変の事気にしてるの?もういいってば」

 

「気分を害してしまったなら、今後は控えさせていただきます」

 

「いや、そうじゃないけど…。魔理沙からも何とか言ってよ」

 

「いつまでも被害者と加害者じゃないんだ。堅苦しくならないで、今度は客人として来ればいいんだ。な?」

 

「ふうむ…わかりました。以後気を付けます」

 

幻想郷では住民の気風はまだよく分からない。そのうち慣れて行かなければ。射命丸さんがメモ帳を片手に前に出た。

 

「ところで魔理沙さん、結局のところ正妻は誰なんですか?」

 

「マスタースパーク!」

 

魔理沙さんのスペルカードが発動した。射命丸さんは既に空高く飛んでいて、魔理沙さんもそれを追って弾幕勝負を始めた。アリスさんに招かれて家に入り、ひと段落するまでお茶を飲む事になった。

 

 

 

「食って寝るばかりが生きる事じゃない。私達は生きる喜びに飢えている。だから時にそれを巡って争う事もある。それが娯楽だと私は思う」

 

にとりは熱弁していた。故郷でとある河童に「足るを知れば生きていくのに事欠く事はないだろうに」と言われたらしいが、これがいかに間違っているかをかれこれ20分ほど話している。

 

幻想郷で行き当たりばったりな生活を続けていた頃、私はとある河童に招待されて妖怪の山にいた。機械に強くなったのはあそこでの生活のおかげだったが価値観の違いには良くも悪くも驚いた。

 

あの時みたいに自分だけの理想郷に執着しなければあそこにとどまって…。いや分からない。思い出せばあそこにいた時は自分の常識が覆されていく様で早く出て行きたがってた気もする。

 

出て行くと恋しくなる河童の村…。いよいよ計画を実行に移す事を心に決めた時に、村の中でも狂ってると避けられてた老いた河童に「お前はいずれここに帰って来るし、いずれ河童になる」と言われたのを今でも覚えてる。あれどう言う意味だったんだろ。

 

えっと、何の話だっけ…ああそうだ。とにかく色んな河童がいたんだ。それで…ああもうダメだ。河童の事を思い出すのはやめよう。

 

「何だ球磨、尻子玉抜かれた様な顔をして。私の話をちゃんときいているのか」

 

「すみません、河童の事を考えると頭が痛くなるんです」

 

「ひゅい?!」

 

「あ、違いますそうじゃないんです!にとりさんは河童ですけどそうじゃないんです!」

 

微妙な空気になった所で魔理沙さんと射命丸さんが帰って来た。良い感じに話の腰も折れたのでそろそろ話を切り上げて次の目的地に向かう事にした。

 

射命丸さんは服がボロボロになったため一度家に帰った。

 

「そういえばお前は森の中を迷わず進めるんだな」

 

「ええ。自分でも何故かは良く分かりませんがこっちへ進めばいいって言うのが何となくわかるんです」

 

「…お前、玄武の沢に行った事があるのか?」

 

「玄武の沢?いえ…、ないと思います」

 

「お前の口ぶり、他の河童に会った事がある様だった」

 

「…ありますよ。でも、私がいた所は玄武の沢とは呼ばれてなかった気がします。村の看板、文字が掠れてて読めませんでした」

 

別に聞かれなかったから教えもしなかったが、隠す事でもないので素直に河童の村で機械工学について学んだ事を話してた。

 

「そうだったのか。どうりで話が合うと思った。玄武の沢じゃないなら多分…」

 

「すみません、もっと早く話したほうが良かったです?」

 

「いや、気にするな。ちょいと思う事があっただけだ」

 

「お世話になった事もあって、アリスさんの家の次に寄るつもりでした」

 

「んあー…やめておけ球磨。どうしてもというなら止めはしないがお勧めしない」

 

「え?なぜなんです?」

 

にとりさんはそれについてだけは言葉を濁して答えてくれなかった。事情は分からないがにとりさんが言うのだからやめておく事にした。やがて射命丸さんも戻って来る。日ごろからは見れないようなちょっと変わった服だった。

 

 

 

 

私達は紅魔館前にやって来ていた。

 

「なんてったってこんな所に来るんだ球磨」

 

「射命丸さんの新聞で紅魔館のバイト募集があったんです。給料も出るみたいで、その辺の金回りについて聞けないかと思って」

 

「お前、チルノに感化されてて分かりづらくなってるかもしれないが言うほどフレンドリーな連中のいる場所じゃないぞあそこ」

 

にとりさんがため息をついた。もし駄目そうならその時はその時だ。今は1つでも多くの情報が欲しい。そのためなら贅沢を言っていられない。今はにとりさんや射命丸さんもいる事だし、こんなチャンスはないのだ。

 

しばらく歩いていると塀が見えてきた。この先に門があるはずだ。

 

「あれ、誰かいませんかあそこ」

 

射命丸さんが指を差した。霧で分かりづらいが、確かに人がいる。うわさに聞く紅美鈴さんかと思えば、メイドの格好をしている…十六夜咲夜さんという人だろうか。何やら塀に座り込んで花を握っている。

 

「外界を闊歩する非運の火打石は、雨合羽に泥を打たれ秘境のサラダにトマトが織りなし、タコのリアス式海岸に住んでいます。定規の三角州にはテラコッタでできた蛇腹のトマトソースと食パンの聖。鼠径部に記録されたモニタリングは申請書に基づき暗澹たる模様をなしており…」

 

「咲夜さん!!!」

 

謎の呪文を唱えている咲夜さんの元に射命丸さんが駆け寄り揺さぶっている。

 

「うえっ!??何で鴉天狗がここに!??!」

 

「しっかりしてください、咲夜さん!何があったんですか!」

 

「何もないですよ?!ある訳ないじゃないですか!あはは、やだなあ」

 

何があったか分からない咲夜さんと、そんな咲夜さんを見て半ば混乱気味の射命丸さん。とりあえず紅魔館の一室に運ばれた。咲夜さんはベッドで横にされている。とりあえず取材どころじゃない事は確かだ。

 

妖精さんにもらったお茶を咲夜さんの元へ持っていく。

 

「あの、本当に何でもないですって」

 

「何もないわけないじゃないですか。どう考えてもヤベーですってアレ」

 

「咲夜さんが倒れたってマジですか!?」

 

紅美鈴さんが現れた。

 

「咲夜が倒れたって!?!?」

 

吸血鬼が現れた。えっと…チルノが話していた気がするけど殆ど話に上がらなかったし覚えてない。レミ…レミ…ああ、そうだ。確かレミ・ガイヤールさんだ。

 

「レミリア・スカーレットです」

 

「あっ、はい。どうも球磨です(?)」

 

ト書きを読まれた…。

 

「さっちゃんが倒れたと聞いて」

 

レ:最近、魔理沙の干しシイタケの干しと星をかけたジョークで笑い転げてしばらく体調を崩していたパチュリーが現れた。いつの間にさっちゃんと呼ぶ関係になったのだろうか。

 

ト書きに干渉された…。

 

「咲夜!!!」

 

レ:壁を壊して現れたのはレミリアという圧倒的なカリスマと実力を兼ね備えたパーフェクト吸血鬼オブ吸血鬼の愚妹ことフランだ。実は最近こいつの部屋で日記帳を見つけたのだが全ての日付に書いてある内容は「ハイセンス!」だけである。多分、今日の日記にも「ハイセンス!」とだけ書くんだろうな。

 

「ハイセンス!」

 

特別なト書きで書かれた情報によるとフランと呼ばれる吸血鬼がそう叫んだ。

 

当の咲夜さんは皆の集合に動揺している。

 

「あわわ、あわわわわわわ…」

 

そして気絶してしまった。

 

 

 

 

 

 

 




最近、資料とか漁ってみたりしてるんだけど中々追いつかない。球磨のいた河童の村は多分、これ以上掘り下げはないと思う。()

チルノの学校生活ほど長くはならないはずだけど、最終話まではまだ長くなりそうだなぁ…。
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