僕のヒーローアカデミア:Be ULTRA   作:マーベルチョコ

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3. 雄英高校入学試験

広い敷地に聳え立つのはオールマイトやエンデヴァーなどの有名ヒーローを輩出した超有名ヒーロー科高校、雄英高校。

ヒーローを目指す者なら誰もが憧れる学校だ。

その雄英の入学試験に新星と耳郎は挑もうとしていた。

 

「あー……緊張してきた」

「今更緊張しても仕方ない。全力を出して頑張ろう」

 

緊張で少し顔色が悪い耳郎の肩を優しく叩いて、励ます新星に耳郎は少しだけ安心するがやはり不安は残ったままだ。

 

「シンセーはいいじゃん。頭もいいし、強いしさ。頑張れば合格だって間違いないでしょ?」

 

少しいじけた耳郎はそう憎まれ口を叩いてしまうが、新星は気にした様子はなく、耳郎の真正面に立つ。

 

「そんなことはないよ。俺だって不安だし、自信もない。だけど俺は夢を諦めたくないから頑張れる」

 

真剣な目で言う新星に耳郎はこんな所で弱気になっては駄目だと自分を叱咤する。

 

「それに俺はキョーカがヒーローを目指すって言ってくれたから更に頑張れたんだ。目指すものが一緒な奴がいるだけで俺はできる気がする」

「シンセー……ありがとう。ウチも負けてられないね」

 

耳郎の不安も晴れ、お互い笑顔を浮かべて見つめ合う。

いい雰囲気だが、忘れてるのか場所は雄英高校の校門前。

しかも、入試日であるため他校の生徒が多く来ている。

そんな中、甘い雰囲気を醸し出していることに2人は気付いておらず、周りの生徒達は2人の様子に顔を赤くしたり、受験のストレスでイライラした様子を見せている。

 

「………イチャついてんじゃねぇぞこの野郎。俺への当てつけかぁ?

「「!!」」

 

小柄で髪型がブドウのようになっている男子生徒に睨まれながら言われて初めて自分たちの状態に気づき、慌てて離れる。

 

「きょ、教室に行こう!早く席見つけないといけないし!」

「そ、そうだね!早く行こう!」

 

2人は顔を真っ赤にさせて俯いて教室へと向かった。

 

 

筆記試験を終え、残すは実技試験だけとなり受験生は全員大きな講堂に集められ説明を聞くことになった。

実技試験の説明を行うのはプロヒーローであり、雄英高校の教師でもあるプレゼント・マイクが行なってくれる。

 

『今日は俺のライブにようこそー!!エヴィバディセイヘイ!!』

 

陽気な彼の性格で説明を行うが試験に真剣になっている受験生達は答える余裕なんてなく、静まり返る。

それでもキャラを変えずに説明を行なうマイクは正しくプロなのだろう。

試験の説明では仮想敵ロボを倒しての点数奪取制で1P、2P、3Pのロボットとギミックで用意された0Pロボットが用意されている。

 

「実技試験って戦うのか」

「だね。見てよ、ウチとシンセーの試験会場が違う」

「協力させないためだろうな」

 

1人の受験生がマイクに質問し、何やら別の受験生に注意し終わるとマイクが最後を締めくくる。

 

『最後にリスナーへ我が校『校訓』をプレゼントしよう。かの英雄ナポレオン・ボナパルトは言った!「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と!Plus Ultra(更に向こうへ)

それでは皆、良い受難を!』

 

マイクの言葉で受験生は実技試験のする為に講堂を出て行くなか、新星はマイクの言葉を繰り返し思い出していた。

 

「Plus Ultra(更に向こうへ)か……ウルトラ……ね。いい言葉だ」

「シンセー、何してんの?行くよ」

「わかった、すぐ行く」

 

新星はその言葉を胸に刻んで実技試験に臨む。

 

 

受験生は各々動きやすい服装になり、それぞれの試験会場の入り口で待機していた。

 

「試験会場……というより街だな。これ」

 

受験生の1人がそう呟くように新星達の前にあるのは街を模した試験会場で、受験生達は圧倒される。

 

『ハイ!スタートォォッ!!』

 

すると突然マイクのアナウンスが聞こえ、固まる受験生達。

 

 

『どうしたぁ!?実戦じゃカウントなんざねえんだよ!走れ走れぇ!賽は投げられているぞ!』

 

一斉に慌てて駆け出す受験生の中で新星は1人集団を出し抜いて、標的のロボットに向かった。

 

『標的発見!ブッ殺ース!!』

 

何故か物騒な事を言うロボット目掛けて拳を振るう。

拳をぶつけられたロボットはひしゃげて派手に破壊された。

 

「脆いな。これなら楽に倒せる!」

 

ロボットは受験生用に調整されており、新星には楽な相手だった。

 

「あともう少しは倒しておきたいけど……」

 

点数用のロボットを倒していくが中々ロボットを見つけることができずあまり点数を稼げていないと思った時だった。

突然街の奥から爆発音が聞こえ、いくつものビルが倒壊し、ビルより巨大なロボットが現れた。

 

「アレが0Pロボット!?」

「あんなのと戦うなんて無茶だろう!」

 

到底太刀打ち出来ないとわかった受験生達は我先にと逃げていく。

新星も無駄な戦闘は避けようと逃げようとした時にふと誰かが苦しむ声が聞こえた。

振り向いて後ろを確認するが逃げる者たちばかりで苦しんでいる人はいないが確かに新星の耳は声を聞き取った。

新星は迷いを一切見せず、迫り来る巨大ロボットの足下を目指して走った。

 

 

迫り来る巨大ロボットの近くで倒壊したビルの中で蹲る1人のカエル似の女子がいた。

 

「イタタ……深入りしすぎたわね」

 

カエル似の女子、蛙水 梅雨はビル内にいたロボットを追っている最中に巨大ロボットが現れ、その余波で倒壊しそうなり、同じくビル内にいた人を優先して助け出して自分が逃げるのが遅れてしまった。

天井が崩れて足が下敷きになってしまった。

引っ張り出そうにも痛みと引っかかって身動きが取れない。

するとそこに声が聞こえた方に向かっていた新星が現れた。

 

「あっ、やっぱりいた。大丈夫か?」

「助けに来てくれたの?ありがとう。だけど貴方も巻き込まれちゃうわ。危険よ」

「試験で死んじゃうなんて嫌だろ。それにヒーローなら人を助ける為に危険な所に飛び込むもんだろ」

 

心配してくれる蛙水に新星は笑顔で答える。

新星は足を下敷きにしている瓦礫を容易にどかした。

 

「立てるか?」

「えぇ……っ!無理そうね」

「そうか……」

 

蛙水に手を貸すが怪我で立ち上がるのも難しいそうで、新星が少し悩むと意を決して蛙水に話しかける。

 

「もしかしたら嫌かもしれないけど我慢してくれよ?」

「え?……きゃっ!」

 

戸惑う蛙水に新星は膝裏に腕をかけ、肩を持ち、持ち上げた。

所詮お姫様抱っこと言われるものだ。

 

「やっぱり嫌だった?」

「い、いえ。突然のことで驚いただけよ」

「そうか、なら逃げよ……」

 

新星が出口に向かおう振り向いた瞬間、0点ロボットの攻撃で建物が揺れて出口が塞がってしまう。

 

「ケロ、出られなくなったわね」

「なら……上から」

 

新星は崩れた天井を見て、呟く。

 

「しっかり捕まってろよ!」

 

新星はしゃがんで勢いをつけると天井に空いた穴目掛けて飛び上がる。

建物は半壊しておりもう少し上まで上がれば出られる。

しかし、あと一歩のところで再び強い揺れが2人を襲った。

それに伴い建物が再び崩れ始め、瓦礫が落ちてくる。

 

「危ない!」

「っ!!」

 

蛙水が叫んだ瞬間、新星の目に光が走った。

その瞬間、新星の目には周りの物が全て遅くなったように映る。

新星は迫り来る瓦礫に慌てず、深呼吸をし、瓦礫を足場にして出口を目指す。

最後の足場を思いっきり踏み抜いて建物を脱出した。

 

「ふぅ…間一髪だった」

「ケロ、助かったわ。ありが……後ろ!」

 

蛙水がお礼を言おうとしたが目の前に0点ロボットが聳え立って、腕を向けていた。

ギョッとして驚いた新星は迫り来る腕から避ける為に蛙水を胸に抱き締める。

向かってきた腕に新星は体を横に晒して、僅かにぶつかったが転がって避けるとすぐ様立ち上がってロボットの体を走り降りた。

 

「はぁ…はぁ……今のは本当にヤバかった。雄英の試験、半端じゃない」

 

冷汗を流して新星は呼吸を整えていると、抱き締められていた蛙水が新星の肩を軽く叩いて、話しかける。

 

「あの、そろそろ離してもらえないかしら」

「え?」

 

少し顔を赤くして恥ずかしそうする蛙水の顔を見て、次に胸に当たる柔らかい感触に気づいて目を向けると蛙水の胸が新星の胸板に押し潰されていた。

 

「あっ、いや!ご、ごめん!」

 

新星は顔を真っ赤にして蛙水を下ろすと慌てて謝った。

 

「いいのよ。助けて貰ったもの」

「そ、そうか?ははは……(柔らかかった……)」

 

苦笑いで誤魔化しているがちゃっかり胸の感触を思い出している新星だった。

再び轟音が鳴り、振り向くと0点ロボットが暴れている。

それを見て、慌てていた新星は真剣な表情になる。

 

「あのロボットを止めないと」

「無茶はよした方がいいわ。あんなの私達じゃ止められない」

「だけど止めないと他の人たちが危険な目に合うなら行かないと。俺はヒーローを目指してるんだから」

 

新星はそう言ってロボットに向かって走った。

ロボットに近づくにつれてその巨大さを再確認する。

しかし、新星は怯えるどころか更に加速して近づいていく。

0点ロボットも近づいてくる新星に気づき、腕を向けてくる。

 

「デヤッ!!」

 

掛け声と共にロボットに向かって拳を突き出して跳んだ。

新星の跳躍力は凄まじく、ロボットの体にぶつかっても勢いは止まらず貫いた。

新星はロボットの向こう側に着地し、ロボットの体に穴が空き、火花を散らせて小さな爆発が起こると動かなくなった。

それと同時に試験終了のサイレンが鳴り、試験は終了した。

 

 

試験が終わり、新星は蛙水の元へと戻り、肩を貸して救護室に向かっていると蛙水が話しかけてきた。

 

「それにしてもあのロボを止めるなんて凄いわね。貴方なら合格できそう」

「どうかな。あまり点数を稼げてないんだ」

「それなのに私を助けてくれたの?」

「ああ。君が苦しむ声が聞こえたから」

 

助けたことに何も後悔していない新星の顔を見て、こういう人がヒーローになるべきなんだろうな、と蛙水は思った。

 

「そう……改めてお礼を言うわ。本当にありがとう」

 

やがて救護室に着き、蛙水を送り届け帰ろうとするとまた蛙水が声をかけてきた。

 

「待って、貴方のお名前を聞いてもいいかしら?助けてくれた恩人の名前を覚えておきたいの。それにもしかしたらまた雄英で会うかもしれないし。私の名前は蛙水 梅雨よ」

「俺の名前は明銀 新星。よろしく、蛙水さん」

「梅雨ちゃんと呼んでちょうだい。ケロケロ♪」

 

2人はお別れを言って、新星は救護室から出た。

するとそこに蛙水を治療しにきた雄英の保健医のリカバリーガールが現れた。

 

「あの子が明銀の倅かい。大きくなったね」

「ケロ?知っているの?」

「まぁね。さっ、足を見せてみな」

 

リカバリーガールは少し懐かしそうな顔をしながら蛙水の治療を始めた。

 




ULTRAMANっぽさがあまりない……
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