僕のヒーローアカデミア:Be ULTRA 作:マーベルチョコ
試験から数日が経つが、未だに合否結果が届かずヤキモキした気持ちで過ごしていた。
そんなある日、ポストに雄英からの手紙が入っていた。
それに気づいた新星は慌てて、家の中に入り、ラフケルを呼ぶ。
「おじさん!雄英から合格通知が来た!」
ラフケルが来るのを待たずに新星は封筒を開けて中身を取り出すと小さな円盤型のデバイスが入っていた。
「えっ、これだけ?」
「新星、テーブルの上に置いて真ん中を押し込んでみろ」
「う、うん」
戸惑う新星だがラフケルに言われた通りにテーブルに置いて、デバイスの真ん中を押すとデバイスから映像が投影された。
『HAHAHAHA!何故私が雄英の合否通知を伝えるかって?実は私は今度から雄英の教師として勤めることになってね! それで合否通知を知らせる役が私になったってわけさ!!』
「おー、オールマイトが教師に……」
(八木の奴、教師なんてのできるのか?)
No.1ヒーローが教師をすることに新星は純粋驚いたが、ラフケルはオールマイトが教師をできるのか一抹の不安がよぎった。
『それでは結果発表!!!明銀 新星、敵ポイント30P!!これだけでは不合格だった!!』
オールマイトの口から不合格と聞いて新星は愕然としてしまう。
あれだけ耳郎に息巻いて、頑張ると言っていたのに結果がこれだ。
そして自分の夢に遠退いたことに一番ショックだった。
落ち込む新星の肩にラフケルが手を置く。
「最後まで聞いてみろ」
『落ち込むのはまだ早いぞ!明銀少年!言っただろう?「これだけでは不合格だった」と!』
オールマイトの含みのある言葉に新星は顔を上げる。
『試験官が見ていたのはそれだけであらず!!どんな状況でも助けてこそのヒーローさ!! 偽善上等!我々が見ていたもう一つのポイントこそ救助活動ポイントだ!!君の救助ポイントは37P!!合計67Pで合格さ!!!』
「………へ?」
「おめでとう。雄英に合格したな」
合格の言葉に一瞬頭が真っ白になった新星だが徐々に理解してきて、嬉しさが顔から溢れる。
「や、やった……俺やったよ!おじさん!」
「ああ、よかった」
「ハハッ!やった!合格だ!」
椅子から立ち上がって喜ぶ新星を見てラフケルも嬉しそうにする。
「あっ、耳郎にも知らせないと。ちょっと電話掛けてくる!」
新星は喜びながら自室に戻るのを見届けてから、ラフケルは車椅子の腕掛け部分に備え付けてあるデバイスを操作してある所に電話をかける。
「ああ、私だ。開発室の準備をしろ。新星の『ULTRAMAN SUIT』を作成するぞ」
○
雄英高校からの合格通知が来た次の日。
新星とラフケルは車で東京へと向かっていた。
「おじさん。これからどこに行くんだ?」
「新星、雄英に合格してお前がまずすることはなんだと思う?」
「え?えーっと……入学に必要な物を揃える?」
「そうだ。そしてヒーロー科だけが用意しないといけない物は?」
更に質問され新星はラフケルが言いたいことを漸く理解する。
「ヒーロースーツ?」
「そうだ」
「でも、あれって学校側から申請しないといけないんじゃ」
「そんなものは後から私が学校に言えば問題ない。あの学校には多く出資しているからな」
「………」
S.S.Lは個性に関する多くの機材を開発しており、雄英もその技術にあやかっていた。
大人の黒い部分を見た気がした新星は開いた口が塞がらなかった。
やがて2人は大きな施設に着いた。
そこはS.S.Lの研究施設で個性の研究、様々な機械の開発などを行なっている。
まるで近未来のような内装に目があっちこっち向いてしまう新星の前をラフケルが進む。
そしてエレベーターに乗るとラフケルは懐からカードを取り出し、タッチパネルに押し当てると勝手に動き出した。
「私の会社がヒーロー事務所、サポートアイテムを開発しているのは知っているな?」
「うん、まぁ……父さんがいたところだからね」
新星は少し懐かしそうな表情になる。
「今から行く場所はヒーロースーツ、サポートアイテムを主に開発する場所だ」
そう言って着いたのは様々な機械、研究機器が並ぶ部屋だった。
「おー……すごい……」
新星は物珍しそうに何に使うかわからない機械を見る。
すると機械の物陰から突然灰色のショートヘアーの女の子が姿を現した。
「うわっ!?」
「やあやあ!君が新星君だね!私は
矢継ぎ早に話してくるリッカに新星はたじろぎ、ラフケルは呆れた様子で額に手を当てた。
するとリッカの後ろから背が高い男性が近づいてきて、手に持っていたバインダーでリッカの頭を叩いた。
「落ち着け」
「イタっ!?何するんですか!
背が高く、優しそうな男性は文句を言ってくるリッカに無視して新星に手を差し出し、握手を求めた。
「初めまして、生目 ジュンといいます。主に君の身体検査を受け持つことになったんだ。リッカは身体検査は必要ないと言ったけど、今の時代は身体を知らなきゃアイテムを作れないからね」
「身体検査?」
「うん。君の遺伝子、もとい個性因子を調べて最も適した物を作らないと」
「えー、私の好きな物を作っていいって言われたじゃないですかー」
ジュンの話にリッカは不満そうにするとジュンは呆れた様子でため息をついた。
「はぁ、前それで
「うっ……」
リッカは途端に顔を青くした。
突然紹介されて状況がわからない新星にラフケルが説明してくれる。
「この2人が専属でお前専用のヒーロースーツを作ってくれる。年は若いが2人とも優秀なスタッフだ」
「俺のヒーロースーツ……って専属で?」
専属という言葉に驚く新星。
巨大企業が身内とはいえ専属のスタッフを用意するなんて反則も良いところだ。
「そうだ。お前の個性は世界でも希少だ。それを調べるためにもこちらで専属に作らせてもらう。お前のULTRAMAN SUITをな」
『ULTRAMAN SUIT』という言葉に新星はラフケルの顔を見る。
ラフケルは優しい目で新星を見つめていた。
「お前がヒーローだった父親を目指していることは知っていた。私としてはお前が危険な世界に進んでいくのは反対だ。親友が残した大切な子供で、私の家族でもあるんだからな」
「おじさん……」
「だが、お前はこの前のように人を助けるためなら形振り構わないだろう。だから、せめてお前を守れるスーツを作らせてくれ」
ラフケルの思う気持ちに新星は嬉しくなった。
「ありがとう、おじさん」
「それじゃあ、早速検査から始めよう。生目、後は頼む」
「はい、じゃあこっちに」
新星はジュンに案内され、検査室に向かった。
新星がいなくなるとラフケルは神妙な顔になり、息を大きく吐き思い悩んだ表情になる。
するとリッカがラフケルに近づいてくる。
「今更検査する必要があるんですか?今まで新星さんのこと監視してましたよね?」
リッカはそう言いながらキーボードを操作すると画面に大量の新星が個性を使っているところを盗撮した録画が映し出された。
この前の逃走車から親子を助けた場面やそれ以外のものも映し出されている。
「スーツはこれを元に作っていいんじゃないんですか?」
「個性因子に関しては何も調べていない。どんな作用があるのか、どういった個性なのかを詳細に知らなくてはいけない。そして最も適したスーツを作くるんだ」
ラフケルはそう言って動画を消し、手元のデバイスを操作して空中にある設計図を投影する。
「これって……」
「ああ、新星の父親、明星が使っていたULTRAMAN SUITの設計図だ。これを元に作ってくれて構わない」
「やったー!私これを見たくてここに入ったのに中々見せてくれないんですもん!待ち焦がれましたよー!どんな機能付けようかなー?デザインはどうしよう?あっ!カラーリングも決めなきゃ!」
リッカは興奮した様子で設計図を食い込む程に読み込み、その様子を見て、少し可笑しそうにするラフケルだったが投影されULTRAMAN
SUITを見て懐かしく思った。