と嘆くどれみ。
「ヤッホー、宝くじ当たっちゃった〜」
と嬉しがる春美。
あいことももこは、向かい側に立つ少女たちと火花を散らす。
前書き=アニメでいうオープニング前のアバンタイトルのような流れを出したいとこれから思っています。さて、第3話の始まりです。
シーズンMAHO堂の屋上で、春のシーズン魔女見習いと名乗る北風 春美が立っていた。
「初めまして、世界一不幸な春風どれみさん?」
それにムッときたどれみは、箒を降りて春美の前に立つ。
「何だと〜!おのれ〜、何様だ〜」
拳を握って目を棒線斜め下中央にした明らかに怒っている表情を見せるどれみ。
そんなどれみを上から笑うように、春美は笑みを浮かべる。
「お初にお目にかかります。魔女ガエルのマジョリカさん?」
何じゃと〜、これまた怒るマジョリカを必死に止めるララ。
「今はオーナーも他の魔女見習いもいませんので、働いているのは私と普通の従業員だけですから、下に降りて見学なされてはいかがでしょう?今日から、フラワーガーデン・シーズンMAHO堂が再開されましたから、どうぞお立ち寄りくださいませ。それでは下でお待ちしております」
ぺこりと一礼して、中に入っていく春美。
「お前ら〜、こうなったら何が何でも見学してやろうではないか!」
怒りマークの怒っているマジョリカに続き、おーっと威勢を上げるどれみたち。マジョリカとララは客にバレないように中に入り、どれみ、はづき、おんぷはシーズンMAHO堂に入る客と一緒に店の中に入る。1階は閉鎖しており、2階がフラワーガーデンの売店になっていた。
「いらっしゃいませ。フラワーガーデンMAHO堂の方々ですね?春美さんが奥でお待ちです」
どうぞ、と店員に招かれながら、どれみたちはフラワーガーデンを観察しながら、レジの隣の扉を開けてもらって、中に入った。入ると、長いテーブルの横一列にたくさんの花が植えられている鉢植が並んでいた。そして、テーブルの上には、変な形の花が鉢植とともに植えられている。マジョリカとララはテーブルに降り、その花を眺める。
「気になりますか?この花?」
春美は魔女見習い専用のタップを取り出す。さらに、春美はタップを振り、くるりと一回りして見習い服に着替える。星形のタップからポロンを取り出す。そこから一つの玉を取る。
「あなたたちが前に育てた魔法玉のなる木と同じようなもの。これは季節玉といって、ロイヤルシードより強力な魔力を持つシーズン魔女見習いにしか使えない魔法玉。一つを使い切るにはかなりの強い願いを込めないといけないんだよ」
まるで、パオちゃんのビーズ玉と同じような魔力のようだ。
「私は春のシーズン見習い。北風 春美。改めて、よろしくお願いします」
「こちらこそ」
先ほどまで火花を散らしていたどれみと春美は、なぜか挨拶程度の礼をしている。
「今日は閉店までここにいますから、聞きたいことがあれば、店員に話してもらえればここに入れるようにしますので、お気軽にご質問くださいね」
そうして、どれみたちは再び店内に戻る。
「何か、ライバル意識して損しちゃった」
どれみは嬉しそうに笑う。
「そうね。何だか優しいし、色々と教えてくれるから」
はづきもニコニコ笑顔でいる。
「早く他の魔女見習いにも会ってみたいな〜。あ、もうこんな時間だ。私そろそろ、お仕事いかないと」
おんぷは先に急いでお店から出て行った。
外に出て、誰もいないところまで来るとマジョリカとララも集合する。
「さて、敵情視察も終わったし、まだ時間あるから開店準備せんとのう」
マジョリカは先にララと一緒にMAHO堂に戻って行った。どれみとはづきも走って、MAHO堂に直行した。
ーフラワーガーデン・シーズンMAHO堂の地下ー
北風 春美は、見習い服に着替えていて、他の魔女見習いたちのところに集合する。
「どうであった、あの人間たちとマジョリカの様子は?」
マジョスプリングが春美に尋ねる。
「まだ何も分かっていないようです。手を出すには早いかと」
春美はニヤリと笑う。
「今は春美。お前に任せる。他の者も、今は春美に従うように。いずれ、お前たちにも順番が来よう」
他の魔女見習い数人は頷く。春美筆頭に、どれみたちに少しずつ魔の手が忍び寄ってきていた。
そして、フラワーガーデン・MAHO堂が再び軌道に乗ってきた頃、はるかママから美空中学の手続きがあると話があった。
「もうそんな時期ですか〜。早いもんですな〜」
あいことももこから未だに連絡がないものの、はづきはカレン女学院、おんぷは遠近学園に通う手続きを近いうちに済ませると以前どれみに話していた。
「ぽっぷはもうすぐ3年生に進級だし、色々大変になるけど、とりあえず手続きしにいきましょうか」
「だね。市役所にレッツゴー!」
どれみとはるかママは仕度をして出掛ける。市役所内は、入学手続きやら転入手続きやらでたくさんの大人子供で大騒ぎになっていた。
「じゃあ、ママは行って来るから、どれみはここで待っててね」
「うん、分かった」
どれみは近くの椅子に座って、待つことにした。すると、
「どれみちゃ〜ん」
「ドレミちゃん〜」
と聞き覚えのある声が聞こえてくる。あいことももこが手を振って近づいてきた。
「あいちゃん、ももちゃん〜。連絡なかったから心配してたんだよ〜」
「済まんな、どれみちゃん。おじいちゃんとお母ちゃんを説得するのに時間かかってしもうてな」
「あたしも転校手続きは良かったけど、パパは仕事でこっち来れないから、悩んだけどママと一緒に来れたから、やっとこっちに来れたんだ」
どれみはそれを聞いて目をウルウルさせて2人に抱きつく。
「2人も大変だろうけど、頑張ってMAHO堂やっていこうね」
しかし、そこに、あの少女が登場。
「なるほど、あなたたちが大阪とアメリカから来た魔女見習いですか。大阪弁はいいとして、ももこさんは随分と日本語が達者なご様子」
北風 春美はまるであの玉木 麗香のような言葉で上からものを言う。
「まあ、せいぜい再会を今のうちに楽しんでおくことをお勧めします。では、また近いうちに」
どれみはまたも怒りマーク。
「何や、あの子。何様のつもりや」
「あの子は、別のMAHO堂の魔女見習いだよ。あたしと違って、幸運な美少女って言ってるし」
どれみは溜め息をつく。まるで、昔のおんぷとぶつかっているかのような感じだった。
あいことももこが美空市に戻ってきたことにより、MAHO堂も活気づいてきた。けれど、日が経つにつれ、美空中学への入学や登校までの日がだいぶ近づいてきていた。美空中学は美空小より少し遠く、MAHO堂に着くまでに時間がかかるので、やはり休みの日以外は開店は難しくなるかもしれない。
さて、美空中学への入学式まであと二週間となったある日、はるかママは中学で着る制服買うため、どれみを服屋に連れて行くことになった。当然、この制服はドッカーン最終回で着ていた制服のそれより前の1年生用の制服である。
「うんうん、似合ってる。あとは裾上げと、スカートの長さね。どれみ、後ろ向いて〜」
はるかママは、念人にチェックを入れ、担当の人に制服の値段や注文をする。
「今まで、ずっと私服だったけど、この制服も可愛いなぁ」
どれみは先ほどの制服を思い出しながら、目を輝かせていた。
「あとは、入学式まで待つだけね。じゃあ、帰るわよ、どれみ」
「はーい!」
昼が過ぎ、どれみはMAHO堂に出向く。ももこは奥のクッキングオーブンのある場所で仕事をしており、あいこ、はづき、おんぷは花や鉢を並べていた。
「最近、芸能界に新しい売れっ子が現れて、その子がシーズンMAHO堂の宣伝してるの。そのせいか、私のファンも減っているのよ」
おんぷは鉢植えを置き、悲しい表情を見せる。
「そういえば最近、おんぷの売り上げも減っているのう。まるで、昔のMAHO堂バスのようじゃ」
マジョリカも目を棒線にして、溜め息をつく。その時、遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「マジョリカ〜、おんぷいるかーい?」
マジョルカとへへとともに、慌てて入ってきた。マジョリカやどれみたちはびっくりして、目を丸くする。
「どうしたの、マジョルカ?」
おんぷは走って、マジョルカに近寄る。
「電話しようと思ったけど、大変なのよ。おんぷのこの主役、別の子に取られちゃったの〜」
おんぷの出演するドラマが、別の子のポスターに変わっていた。おんぷはその子を見ると、はっと気付く。
「夏野テンポ。この子よ、最近、芸能界で売れっ子になっている新しいチャイドルは」
MAHO堂だけでなく、おんぷの評判も落ちている。
「マジョリカ、あんたにおんぷをまた預けるから、私はサポートに回るわ。嫌な予感がするのよ。この姿になったのも、きっとそのせいだわ」
「泣くな、マジョルカ。お前のおかげで、MAHO堂の売り上げも上がったのじゃ。儂もおんぷを手助けする。一緒に頑張ろうではないか」
マジョリカはマジョルカの肩をポンポンと叩き慰める。
「いよいよ、今週は入学式。気を引き締めていかないとね!」
どれみは拳を握って勢いをつけた。
「よっしゃ、やったるで!」
「当たって砕けろ〜」
ももこの言葉で、それは駄目ってつっこむどれみたち。
美空市内では、複数の中学校が同時に土曜日の午後から、入学式を迎えることになった。どれみは、あいことももこに美空中で合流して、家族とともに学校の中に入る。クラス分けと自分の席番号を確かめ、どれみ、あいこ、ももこは同じクラスになっていた。
「私は、このクラスを受け持つことになった、担任の朋北 明子といいます。それぞれの学校の担任の先生とはもう会って話していますので、皆さんがどういう子なのか、話しで聞いています。仲良く、張り切って、正しい姿勢ではっきりとした声で入学式を迎えてください」
朋北先生は、廊下で二列に生徒を並ばせる。そして、悲劇が起きた。
どれみの横には、北風 春美が並んでいた。さらに、あいこの横とももこの横にも、春美と仲の良さそうな人物が堂々と並んでいる。
「初めまして、妹尾あいこさん。あたしは、鬼頭レイラ。関西の名古屋出身です」
ももこの横に並んでいる、もう一人の子もももこに体を向ける。
「Hi アスカ モモコさん。初めマシテ。Iam 奈良時 リンゴ。ハワイ出身ネ」
ももこは驚く。6人の会話に気付いた、朋北先生は、静かに、と言う。
「似たようなMAHO堂の両方の三人さん。これから、入場ですので、私語は禁止です!」
そうして、この入学式が終わり、学校が始まる日から波乱に満ちた日々が始まろうとしていたのだった。
【ー第4話に続くー】