おジャ魔女どれみ パニックマジック   作:レイガース

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白い子象のパオが魔女ガエルの村付近で見つかった日、もう一つの魔女界でも、黒い子ライオンが保護された。黒い子ライオンは、天の魔女界に向かい、6本の茨に守られた、先先代の女王マジョトゥルビヨンの心に、深い悲しみの種を植え付けた。

このことにより、マジョトゥルビヨンの魔力から深い悲しみが強くなり、茨に大きな変化が起きたのだった。


どれみ編
第4話 : 波乱の中学生活開始!5人のシーズン魔女見習い


どれみたち3人は、春美たち3人に目を向けないで、ぎこちない動きで親や家族のいるホールへ入場する。

 

今日は妹のぽっぷも新学期の準備で来ていなかった。ホールでは、開会式の答辞などが始まり、すぐに新入生の名前が名簿が呼ばれることになった。

 

「妹尾 あいこ!」

 

クラス担任の朋北先生が名前を呼ぶ。

 

「はい!」

 

あいこは緊張しながらも、立ち上がって叫ぶ。ももこは早く呼ばれていたので、あいこより先に立ちながらも緊張して半分気絶していた。

 

北風 春美はももこの次くらいの順番なのだが、平然と大きな声で立ち上がる。その幾つか過ぎた辺り、鬼頭 レイラも同じように平然と立ち上がり、大きな声で叫ぶ。

 

また幾つか色々と名前が上がり、いよいよどれみの番になる。

 

「春風どれみ!」

 

どれみは極度に緊張し、ガチガチになりながら、勢いよく立つ。

 

「は、は、はい!」

 

はるかママや渓介パパもどうにか安堵。不安ながらも、クラス名簿が全て読み終わり、全ての新入クラス生徒が椅子に座る。

 

入学式が終わり、どれみのクラスで新学期に向けての紙が配布された。入学式に参加した生徒の中には、美空小のクラスメイトが数人いた。他のクラスにも美空小のクラスメイトが数人ずついるので、カレン女学院と半分近くに分かれていたようだった。女学院は文字通り女子生徒しか入れないが、はづきがカレン女学院に行ったことで、矢田まさるはどれみたちのクラスにいる。

残念ながら、小竹哲也は別のクラスになっているが、どれみはまだあまり知らないでいる。

 

入学式と新入生への配布が終わり、どれみたち3人は家族と分かれ、MAHO堂に向かった。しかし、途中ではづきとおんぷと合流。一緒にMAHO堂に向かって行った。ところが、気付いてみると、辺り一面が野原の何もない場所にいた。

 

「MAHO堂の皆さん。お待ちしておりました」

 

どれみ、はづき、あいこ、おんぷ、ももこの前に、5人の少女たちが少し離れて立っていた。

 

北風 春美、鬼頭 レイラ、奈良時 リンゴもその中にいる。

 

はづきとおんぷは、残りの2人に見覚えがあるようで、真剣な顔で2人を見ていた。

 

「やっぱり、天皇寺 龍子さんなのね」

 

「この人が、私の言っていた夏野 テンポ。新しい売れっ子チャイドルよ!」

 

どうして、この2人も春美たちと一緒にいるのか。どれみたちはよく分からなかった。

 

「あなたたちと同じ理由なの。私たちも、魔女見習い。違いは一つ。天の魔女見習いと違って、私たちは地の魔女見習い」

 

龍子がそう話す。

 

魔女界ー女王の間。

 

現・魔女界の女王(ゆき先生)は、ハナとは違う別の場所にいた。女王は、ある特別議会が開かれる、別の空間の扉へ入っていく。

 

それこそ、神の世界と呼ばれる全ての世界が集まる超越した場所だった。

 

「ようこそ、魔女界の女王殿」

 

「お久しぶりです。地獄魔女界のマジョハーデンさん」

 

マジョハーデン以外にも、サンタの国の長老や星界、音楽界など、主な主要の代表クラスで、天界の魔女界の女王を含めた、12人の神官が募ったことになった。

 

「ゴッドマスターは今は留守。しかし、我々神官が呼び出されたのは、今あらゆる界で起こっている、見習いたちが解決した事態が再び起きてしまったことだ」

 

星界の織姫の父に当たる星界の王は、それぞれの界で起きている事態をそれぞれの映し鏡に見せる。

 

「我々サンタも皆、人間界の神官であるヒューマ殿と魔女界の女王様の、選ばれし魔女見習いの方々に助けていただいた。それは感謝し切れないが、今は半数のサンタ、そして各界のサンタへの存在感がまた薄くなり始めている」

 

サンタの長老は怒るように皆に叫ぶ。

 

「我が星界も、織姫と彦星の関係に修復してくれた礼は感謝し切れない。だが、この頃、我が星界は雨ばかり。遠くの街では洪水が起こりかけた」

 

星界の王も同じようにそう叫んだ。

 

「我々、人間界とて同じこと。マジョトゥルビヨンの魔力で、都市機能が麻痺しかけたこともあったが、魔女見習いとして経験を積んだ者たちが助けてくれた。しかし、近々、何やら不吉な未来が見えてきている」

 

人間界の神官ヒューマも、水晶で未来を見てそう言った。各界の神官たちはもはや、それぞれの界のバランスが崩れかけているのが原因だと、互いに叫びながら、議会はめちゃくちゃになっていた。

 

「皆さん、お静ま・・・」

 

『静まれ〜い!』

 

魔女界の女王が他の神官たちに静まるよう、声を上げようとした時であった。甲高い声が、最上層から聞こえてくる。神官12人は膝を折り、自分の席で伏せる。

 

『見苦しいである。それでも、お主たち神官は、各界を仕切る代表か?地獄界と天界の女王は冷静であるゾ』

 

黄金の形のない球体が、誰にも触れることができない力に護られながら降りてくる。

 

「ゴッドマスター。今日は来れないはずでは?」

 

『お前たち程度の声。すぐに聞こえる。だから、出向いたのだ』

 

全ての各界を見張り、全ての各界を護り、見定める神。それが、この球体姿のゴッドマスターであったのだ。

 

ー人間界ー謎の野原。

 

どれみたちと春美たちは、それぞれの見習い服になり、魔法での決戦に挑もうとしていた。

 

「ピーリカ ピリララ のびやかに〜!」

 

「パイパイ ポンポイ しなやかに〜!」

 

「パメルクラルク たからかに〜!」

 

「プルルンプルン すずやかに〜!」

 

「ペルタン ペットン さわやかに〜!」

 

5人の魔女見習いの力が集結し、マジカルステージに変化する。

 

「みんな、こちらも力を一つに! 春の桜はヒラヒラ舞い散り 春のシーズン!」

 

春美が唱える。

 

「夏の夜は虫が鳴き 夏のシーズン!」

 

テンポが唱える。

 

「秋の夜空は星三角の光が見え 秋のシーズン!」

 

レイラが唱える。

 

「冬の日はコタツでぬくぬく 冬のシーズン!」

 

リンゴが唱える。

 

「最後は私。四季が一つとなりて、星の年が終わる」

 

龍子が唱え、彼女ら5人は声を一つに上げて、

 

『マジカルシーズン!』

 

あとは魔力同士の戦いだった。

 

天の魔女見習いと地の魔女見習い。力は互角だった。お互いの魔力が飛び散り、あちこちに爆発した。シーズン魔女見習いたちの魔法が解け、どれみたちはMAHO堂の側にいた。

 

「どうなってるの?」

 

どれみは辺りを見回すが、先ほどまでいた野原ではなかった。

 

「とりあえず、MAHO堂に行きましょう」

 

とはづきは言う。どれみたち5人はMAHO堂に向かい、時間があまり経っていないことに気付く。

 

「どうした、お前たち。何かあったのか?」

 

マジョリカは不思議そうにどれみたちに尋ねる。どれみたちは先ほどの出来事をマジョリカとララに話す。

 

「聞いたことがある。魔女界は本来、一つだったが、悪や道を外れた魔女たちが作り出した、もう一つの魔女界である、地獄界という世界があると聞いた。いや、魔女だけではない。魔法使いや巨人、多くの者が地の世界に別の世界を作り、暮らしていると聞く」

 

さらに、その魔女や巨人たちが起こした戦争で、大昔に深い哀しみが人間界や魔女界に多く降り注いだとララは話す。

 

「奴らが動いたということは、再び人間界と魔女界、多くの世界に戦争を起こそうと腹かも知れん」

 

マジョリカは、少し前のハナちゃん誘拐事件や先先代の女王マジョトゥルビヨンの深い哀しみの魔力のことを思い出していた。

 

「今は、その娘たちはお前たちに任せるしか方法はない。その娘たちを一刻も早く、地獄魔女たちから引き離すのじゃ。時間はかかるかも知れんがの」

 

「でもなぁ。まだ会ったばかりやし、少しずつ探っていかんとあかんかもなぁ」

 

あいこは腕を組んで悩む。

 

「焦らんでいい。まだ学校も始まっておらんじゃろう。始まってから考えても、遅くはない。さあ、今はMAHO堂の売り上げだけ考えるのじゃ!」

 

はぁ〜、と溜め息をつくどれみたち。とりあえず、仕事にかかることにした。

 

シーズン・MAHO堂ー魔女見習いの部屋。

 

マジョスプリングは、5人のシーズン魔女見習いたちのところにいた。

 

「お前たちの中で、あの魔女見習いたちを倒したい奴はいるか?」

 

春美は手を挙げる。

 

「私に一計があります。お任せいただけないでしょうか?」

 

少し前、マジカルシーズンで野原に捕らえ、魔法同士で激突した最中、別の次元から邪魔が入り、どれみたち魔女見習いを逃したのは、春美にとって痛手であった。

 

「あのことは犬猿の仲になりそうなので、やってみたいことがあるのです。その前に・・・」

 

春美は後ろを振り向く。後ろには、ある二つの影があった。

 

中学生活が始まる日、どれみとあいことももこは、美空中の通学路でを歩いていた。

 

「ヤット、中学始まったネ」

 

「美空小より科目も多いし、体育祭や文化祭もあるしな」

 

「新しい恋の予感も、ね」

 

どれみの口からよだれ出てきた。

 

どれみたちは自分らのクラスに向かうと、同じクラスの長門かよこがちょうど教室に入ろうとしていたところだった。

 

「あ、みんな!」

 

小学校当時、3年生の頃に転校してきた彼女、長門かよこは、おんぷと同じ頃に転校してきたが、4年生になって急に不登校になってしまった。どれみはひょんなことから知り合いになり、打ち解けていった。その後、3度にわたり、彼女から不登校の原因を聞き、6年生ではハナちゃん含めた卒業式まで、休むことはなかった。そんな彼女、長門かよこは、どれみと同じ美空中に通うことになった。

 

「ねぇ、教室が騒がしいよ?」

 

どれみが教室を指す。何やら、嫌な予感がしてきた。

 

と思いきや、

 

「凄ーい。これ、テンポさんが作ったの〜?」

 

「美味しい」

 

「美味いな。さすがスイーツハウスが店舗に入っているだけあるな」

 

美空小以外のクラスメイトの半分が、奈良時リンゴの作ったお菓子を食べていた。テンポの両端には、北風春美と鬼頭レイラがいる。

 

「春風、妹尾、飛鳥、長門」

 

矢田まさるは、4人に気付く。

 

「俺は、あのMAHO堂のスイーツハウスのほうが美味いと思うな。藤原もいるしな」

 

ピクンと、それを聞いた春美、レイラ、リンゴは。矢田のところに来る。

 

「そちらのMAHO堂と一緒にしないでね。こちらは、5階まである最高のMAHO堂なの」

 

矢田はこれにカチンときて、

 

「階層重ねても、やることは変わらないだろ!」

 

ちょっとヒートアップしてきた教室に、どれみたちはオドオドしている。

 

そこに、ドアを開けて朋北先生が教室に入ってくる。

 

「そこの皆さん。もう、小学生じゃないのですから、休み時間にしなさい。出ないと、教室の後ろに立たせますからね!」

 

リンゴはお菓子をすぐに片付けに行き、他の生徒も自分の席に戻っていった。

 

授業には、小学校と違い、ももこやリンゴが得意そうな英語の科目が入っていた。あいこの得意な体育や家庭科の授業もあり、音楽など一波乱ありそうな科目もある。国語や算数はグレードアップし、算数は特に数学という科目に変わって難しくなっていた。

 

今日は初日ということで、科目担任の顔合わせなどが多く、1日では全てやり切れないので、午前中だけの授業となった。

どれみはというと、春美と科目が変わる度にぶつかっていて、そこにあいことももこが加わり、春美と連携してレイラとリンゴが入り、この日はパニック状態の午前中となった。

 

「あ〜、あの女〜!玉木から離れられたと思ったら、北風の奴〜!」

 

「リンゴさん、腹立つ〜!ユルセナイ〜」

 

「鬼頭っちゅう奴も腹立つわ〜」

 

MAHO堂では、3人がかなり苛立っていた。しかも、残りの2人、はづきとおんぷは逆に落ち込んでいる。

 

「はぁ〜」

 

「ふぅ〜」

 

マジョリカとララは、5人の様子を見て、何やら嫌な予感がしていた。

 

「どれみやあいこ、ももこは分かるが、おんぷやはづきはどうした?」

 

はづきとおんぷはマジョリカを見る。どちらも落ち込み顔だった。

 

「どうしたもこうしたもないわよ。あのチァイドルのせいで、芸能界はパニック状態。ファン層も色々と崩れて、仕事どころじゃないの」

 

数時間前ー遠近学園ー始業式。

 

学園始まって以来の、大事件だった。おんぷのファン層の半分くらいが夏野テンポに傾き、そればかりでなく、女性ファン層や芸能人までテンポを意識していき、始業式の終わりで、クラスではスケジュール調整で、夏野テンポの存在で時間がガタガタ。

 

おんぷはテンポとぶつかり、森野かれんが間に入り、ケンカは収まったが、かなり午前中は不安定だった。

 

同時刻ーカレン女学院。

 

はづきは女学院の始業式で、天皇寺 龍子の立ち振る舞いが綺麗なまるで宝月劇団のような姿に、美空小の玉木含め入学した皆は唖然としていた。

 

しかし、このことがあり、龍子のファン、しかも女生徒限定のクラブまで出来て、玉木はぶっ倒れるわ、クラスでも大騒ぎになるわで、はづきは楽しく始業式を終えられなかった。

 

「どうしよう〜!あたしたちって、とっても不幸な美少女ズだ〜」

 

その頃、シーズンMAHO堂では、5人のシーズン見習いが勝ち誇った顔で笑っていた。

 

【ー次回は標的はどれみ?第5話に続くー】

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