おジャ魔女どれみ パニックマジック   作:レイガース

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ここはMAHO堂のような場所だったが、どれみたちや春美のいるMAHO堂とは何か違う様子だった。

「やはり、異変が起きているようです」

魔女見習いの少女が、一人の老女に話しかける。

「過去に何か大きな問題が起きているのかもしれんな」

少女は魔力の強いポロンを出す。

「また行くのかい、ふぁみ?」

「はい、マジョリカ様」

未来のマジョリカは頷く。

「まずは調査だけして来い。ただし、祖母のどれみ以外見つかってはならんぞ」

「分かっていますって!」

そう言って、ふぁみは過去と繋がる別の道具を持って、どれみたちの時代に向かうのだった。


第9話 : はづきとまさると龍子!藤原家と天王寺家の因縁

はづきと龍子は魔女見習いの服に着替えて、カレン女学院の屋上で睨み対峙していた。

 

「どうしても、決着を付けたいのかしら、藤原はづきさん?」

 

「ええ。あなたの行いは、人の心を弄び過ぎているわ」

 

はづきは魔法を唱える。それを見て、龍子もポロンを構え、

 

「四季の中でも、秋は紅葉が見頃の季節!パルパルプンプン パプルーテ!」

 

お互いの攻撃魔法がぶつかる。本来、どれみたちは魔法を戦うために使うことをしなかった。けれど、今回の相手は違う。

 

手段のためなら、犠牲すらいとわない。マジョトゥルビヨンの幻影とは違う。彼女らは人の心を弄んでいる。

 

「本当なら、感謝してもらいものね、藤原はづきさん」

 

「どういうことかしら、天王寺さん?」

 

龍子はポロンから、自身の水晶玉を取り出す。

 

「わたしはこの女学院に来たことで、あなたの不幸になる未来は変えられたのよ。見なさい、あなたの本当の未来を」

 

はづきは水晶玉の魔法で、龍子と出会わない、別の道を歩んだ自身を見る。

 

中学生活はまあまあの人生を送るが、高校生になり、ネットでのいじめ、藤原家の資産問題。優等生ではあるが、普通科に転入。バイオリンの練習もできなくなり、藤原家ではばあやの引退と解雇。

 

魔法が解け、はづきは腰をつく。

 

「こんなの、どうかしてるわ」

 

はづきは今にも泣きそうだった。

 

「そうね。世の中どうかしてる。だから、わたしはあなたが許せない。未来の不幸を取り除く代わりに、わたしはあなたの心の闇を思う存分、大きくして奪ってやるわ」

 

龍子は再びポロンに水晶玉をはめる。

 

「でも、どうしてわたしが憎いの?」

 

はづきの問いに、龍子はにやりと笑った。

 

「あなたが憎い理由?そうね。始まりは、あなたの両親との因縁が原因。けど、そんなことどうでもいいの。わたしが許せないのは、矢田まさるをあなたが一人占めしていること!」

 

龍子は呪文を唱えず、はづきに魔法で攻撃する。はづきは上手く避けるが、魔法には殺意がこもっていた。

 

「でも、あなたに春風どれみがいたように、わたしも春美ちゃんがいたから良かったのよ。じゃなきゃ、今頃こうして、あなたに復讐すらできなかった」

 

また龍子ははづきに魔法で攻撃する。はづきに魔法が命中し、はづきは少し遠くに飛ぶ。

 

「ギルティカードを取られたのは、別に構わないわ。おかげでこの通り、ケースに悲しみのエネルギーが満タンだからね」

 

どんどん口調に、怒りと殺気がみなぎっていく。

 

「わたしはねぇ、春美ちゃんのように優しくないの。頭のいい子はね、こういう風に頭を使わないと」

 

「そんなの横暴よ。ただの暴力なだけ!」

 

はづきの目の前で、殺気のこもった魔法を龍子は唱える。

 

そして、話は一週間前と戻っていく。

 

ー一週間前ー

 

美空市各地で起こる様々な不幸の事件や事故。さらに最近、また矢田まさるの様子がおかしかった。再び龍子がまさるに接近し、今度は執拗にはづきの邪魔をするようになっていた。

 

「龍子ちゃん、おはよう。計画は上手く進んでるかな?」

 

と、女学院に向かう龍子にレイラが話しかける。

 

「まだまだね。藤原はづきも粘ってくるから、遊び甲斐はあるけどね」

 

自信たっぷりにいう龍子に対して、レイラは腕を組んで考える。

 

「わっちもそろそろ瀬尾あいこに手を出そうかなぁ。春美ちゃんもシャープちゃんも上手くやってるし」

 

その時、急な風が吹き、一人の老魔女が現れる。

 

「お良し、レイラ。まだ貴女の出番じゃないわ。動くのだったら、どこかにギルティカードを使いなさい」

 

「マジョオータム様。分かったんやんや。春美ちゃんやリンゴちゃんと相談するんや」

 

マジョオータムと呼ばれた魔女は、レイラの頭を撫でる。

 

「お前は私が認めるほどの天才だよ。さあ、学校にお行き」

 

はづきは、女学院始まって以来の、新たな試練が待ち受けていた。龍子の使ったギルティカードが、多くのマイナスエネルギーを溜め込むために、これまで不幸を撒き散らしてきた結果が現れた。

 

龍子は、授業中以外の休み時間を利用し、シーズンMAHO堂に支給された携帯で、春美に連絡を取った。

 

『どうしたの、龍子ちゃん?』

 

「こちらは始まったわ。ええ、差別をするスクールカーストがね」

 

しかし、それに対抗してきているのが、美空小のはづきたちである。彼女らは女学院内で起ころうとしているスクールカーストを止めさせるために、美空小時代では不仲だったクラスメイトと集結し、行動を起こそうと密かに動いているようだった。

 

『こっちはギルティカードを抜かれているからまだだね。でも、対立はどんどん進んでる。おそらく、あとひと月で学校側は対処できなくなる』

 

「上手くいきそうね。マジョサマー様も、今の日本の中枢である東京を舞台に大混乱を起こそうとしているわ。テンポちゃんのほうも、日本の芸能界全体に不幸をもたらしているし、次の段階に入れるわ」

 

龍子は、どれみたちや魔女界では対処できなくさせるために、あらゆる手段を練り起こしていた。

 

『美空中は任せておいて。春風どれみ、瀬尾あいこ、飛鳥ももこは、絶対に足止めするから』

 

「やっぱり、春美ちゃんは頼りになるわ。お互い、計画のために頑張りましょう」

 

授業が始まるので、龍子は連絡を切る。

 

はづきは、この女学院にもギルティカードが存在しているのではないかと、これまでの龍子の言動や行動を思い返しながら考えていた。

 

しかし、バッドカードと違い、どれみたちでさえ探すのに苦労するほど見つけにくい場所に取り憑いているのだ。

 

「でも、天王寺さんの行動がおかし過ぎる。この女学院にギルティカードがあることは分かるけど、まるで別にもギルティカードがあるように動いてる」

 

思い返せば返すほど、もう一つのギルティカードがどこに存在して、どこに取り憑いているのか、分かってしまう。誘っているのだ。

 

はづきは立ち上がり、教室から出ていく。その姿を見ていた関先生の恩師である老シスターは、はづきが何かをしようとしているのを感じ取る。

 

「あなたはまた、この女学院を助けようとしているのですね。けれど、あなたは迷い、もう一つのことを助けようとしている。はづきちゃん、行きなさい。あなたの成すべきことのために」

 

美空中学では、ギルティカードが無くなり、落ち着きを取り戻している頃であったが、それはただの思い違いであった。龍子の放ったギルティカードは、この美空中にある。

 

春美はそのギルティカードを使うために、一人のクラスメイトをレイラとリンゴの三人で囲む。

 

「矢田まさるくん。最近、龍子ちゃんと仲良くしているみたいね。そんなに龍子ちゃんに気があるのなら、あたしたちの傘下に入らない?」

 

「・・・・・・」

 

それでも、まさるは答えない。

 

春美たちの会話を聞き、どれみたちはまさるのところに駆けつける。

 

「ちょっと、北風さん。はづきちゃんと矢田くんはね・・・」

 

その時、まさるがどれみの言葉を遮り、

 

「春風、済まない。俺、早退するわ」

 

まさるはそう言って、走って教室のある階から消えていく。

 

まさるの走っていく姿を見て、どれみは春美を睨む。

 

「あんたらの狙いは何や!人を不幸にして、何がしたいっちゅうねん!」

 

あいこは春美、レイラ、リンゴを怒鳴る。

 

「分かりたければ、どんどんギルティカードを集めることね。取り除いて、回収することしかできないピュアレーヌさんたち」

 

高笑いして教室に入っていく春美たち。リンゴはベーっと舌を出して、挑発する。ももこもリンゴに向かって同じことをするが、どれみに止められる。

 

どれみにとっては、第ニの玉木といってもいい北風春美。同じようなタイプばかりで構成されたメンバーだけに、どれみたちは気を抜けず、さらに魔女見習いやMAHO堂の改装も手順を同じくしてくるので、疲れが溜まる一方だった。

 

遠近学園では、様々なジャンルのアイドルグループをクラス分けしている。チャイドルのクラスでは、おんぷは男女に混じって授業と仕事の時間を計って、勉強していた。

 

このクラスで、おんぷにとって森野カレンが一緒なのが救いだったが、夏野テンポの登場で芸能界はまさに大混乱状態。時々、邪魔しに来るあの魔法使いの子はともかく、おんぷがチァイドルをやることに対しては、テンポはライバル以上の存在になっていた。

 

テンポもやはり、あちこちにギルティカードを使っているのか、おんぷがテンポと仕事が被る時間帯を狙って、事件や事故が起きる。

 

 

そして、話は元に戻る。はづきはカレン女学院を飛び出し、美空中学に向かって行く。

 

そのはづきの様子を見ていた箒に乗るサキは、自分の小さな水晶玉をかざし、ある者と連絡を取る。

 

「龍子ママに、手助けはしなくてもいいのですか?ハーデン様」

 

『今は泳がせなさい。あなたは、天のウィッチクイーンローズを監視していればいいのです。彼女だけは、今後最大の壁として動くでしょうから』

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