起きたら次元将になってたんだが 作:次元獣だもん☆
「じゃあアレか?
「無論それは違うが……ふむ、確かにそちらからするとそう言われてるようなものか。いやしかし……」
偉そうに腕組みしている俺の前で対照的に姿勢を正して難しい顔をしているのはダイ・ガードのヒロイン、城田さん。
そう、とうとう自軍スーパー組が暗黒大陸の調査に到着したのである。どうやら俺たちがインベーダーをぶっ飛ばす一部始終を遠くから目撃したらしく、どう見ても次元獣(実際そうだが)のフライング・カーラと、それと共闘するグレンラガンを警戒して半分くらい臨戦態勢で声をかけてきたのである。遠くからロケットパンチ飛ばされなくて本当によかった。
で、話を聞いてくれる余地があるならばと、どうにかして世界の敵認定されるのを回避するべくこうしてストロング・カーラ&フライダモンの、その辺の次元獣との違いを説いているわけである。獣人が乗っていれば危険なガンメンもカミナが乗っていれば頼もしいのと同じ理屈で俺は無害ダヨーという方向に何とか持って行こうとゴリ押しし続けた甲斐あって、あちらも臨戦態勢は解除して完全に話を聞くモードに入ってくれている。
「俺は信じるぜ。力は使い方次第だ!」
そう言って立ち上がったのは我らがヒーロー兜甲児。乗り手次第で神にも悪魔にもなれるマジンガーを託された故か、こういう話には真っ先に理解を示してくれるようで助かった。
「そうだよ、城田のおっちゃん! あの次元獣っぽい奴がそこの人たちを守ってたの、見ただろ?」
さらに我らがPPボーナs……社長、竹尾ワッ太が甲児に続くように立ち上がる。そこの人たちとはダヤッカを始めとするリットナー村の人々の事だ。
「む……」
この段階の厳格な城田さんと言えど、こうまで言われては流石に揺らぐ。
その後もタケルや赤木など
「もしこいつが悪人だったらその時は、俺が責任をもって光子力ビームを叩き込んでやる!」
俺はかばってくれたことに感謝すると同時に絶対裏切らないと誓った。絶対にだ。
翌日、無事に大塚長官からの帰還指令が届いたらしく、今日の調査が終了次第暗黒大陸を離れることになると告げられた。グレン団は希望が無ければ置いて行かれることになる訳だが、俺だけは絶対ついて来るようにと念を押される。そりゃ一応信じるとは言ったものの、半次元獣従えてるやつを昨日の今日ではい放流となる訳がない。
ちなみに俺がゲットーでバトリング始めたところからアフリカで消息を絶ったところまではこの一晩で調べられていた。
そしてAEU基地でフライダモン作ったのを把握されてたので、ミスリルの連中がバッチリ然るべきところにリークしてくれちゃってたらしい。いや、もしかしたらヴェーダかWILL辺りが勝手に情報抜いただけかもしれんが。
俺の処遇はともかく、残りのグレン団の面々は、最終的にはついて来ることになるだろうが、一応は考えてから決めるという事に。
そして先ほど最後の共同偵察に出ていたところにガンメンが出てきて、カミナたちが地下の村に落ちてロシウたちを拾って来て、地上では確か次元獣も出てきたはずだと思ったがそれは無かった。記憶は曖昧だがこの時の次元獣はクロウを狙ってアイムが放ったとかそんなんだったっけ? じゃあ出てこないのはうなずける。
ともあれ、今更一般ガンメンなんぞ相手にはならず、待機組だった俺たちが増援に行くまでもなく驚くほどあっさりとイベント消化して帰ってきた。
今後グレン団はどうするのか、返事を聞きに行った城田さんに我らがリーダーはあふれる冒険心を語って見せ、俺と一緒について行くことを表明した。
「それにだ! 大事な新入りがどっかに連れて行かれようってのに、黙って見送るリーダーがどこにいやがる!」
という締めの台詞には結構グッと来た。
で、そのままアクシオン製の輸送機で一緒に運ばれてドラゴンズハイヴで宇宙組と顔合わせをすることになった。
竜馬がカミナの事気に入ったり、甲児が熱血正義発言でティエリアを黙らせたり、ジョニーが意味の分からん読書量(何故か全部月刊誌)からくるやけにディープな知識を披露したり、クラッシャー隊とタケルの絆を見た宇宙組がギシン星人であるタケルをあっさり受け入れたり……と、順調に暗黒大陸調査組の紹介が進んでいく中、グレン団の紹介時に新入りだと軽く流した俺についての補足説明が甲児から入り、場が騒然となった。まあ、そりゃそうだよな。
さて、ここでどこまで話すべきか。あんまりネタバレしすぎると原作ルートが砕け散って破界篇が速攻で終了、経験値が足りず続編で全滅なんてことになりかねない。原作に居ない俺がここに居る時点でそこは手遅れかもしれんが。
◆
「ちょっと待て! 今、なんつった!?」
サロン内に思わず、といった様子の叫び声が木霊する。声の主、デュオ・マックスウェルのみならずその場の約半数――暗黒大陸の調査に向かった人間以外――の視線を一身に受けながら、仏頂面の大男、ガヌマは堂々とした様子で口を開いた。ちなみに内心では緊張しまくっている。
「甲児が言った通りだ。俺は次元獣を、戦力として連れている」
その言葉によって”聞き間違いではない”ことを再確認した一同は詰め寄るようにして質問を浴びせかけた。
「アレを手なずける方法があると言うのか!?」
「ていうかあいつら、命令を聞く知能があったの!?」
「おいおい……今、格納庫にいるって事かよ!? 暴れたりしないのか!?」
「従えられるってことはだ。あいつらの正体について何か知ってるのか?」
「テメェ、何モンだ!」
タケルの件の直後であったため”敵対の意思がない故にここにいる”という事は皆分かっていたが、話が通じないという点では侵略者以上の存在であるはずの次元獣が、誰かに従っているという事実の持つ意味の大きさもよく分かっていた。
つまり世界各地で問題となっている次元獣の出現は災害などではなく、何者かの手による”攻撃”である可能性が、ぐんと上昇するという事だ。
「城田さんを通して上には伝えてあるが、次元獣は別世界の戦力だ。手綱を握ってなきゃ勝手に暴れる可能性もあるが、そういう”はぐれ”にしちゃ、狙ったような位置に出てき過ぎだ。十中八九、誰かが
嘘は言わず、しかしこの段階で伝えるとどんな影響があるか分からない情報――例えば、本来の次元獣は機体とパイロットを強制的に融合して生み出すこと――は伏せるようにして語っていく。隠していたことは後で確実に追及されるだろうが、ストロング・カーラとフライダモンは人を取り込んでいないので、苦しいがとぼける言い訳は一応立つ。
「なるほど、MDが俺を狙ってるように感じたのはそういう訳か」
「そのMDとかいう奴を見たわけじゃないが、飼い主が居るなら誰かを狙えってのはもちろん命令できる」
クロウの言うMD、白い体色のライノダモン級次元獣は出現時、他の機体も数多くいる中でそれらを無視して一直線にクロウが乗るブラスタに突進してきた。何らかの意思を感じさせるには十分な行動だ。
「誰かがけしかけていると言ったな……お前の故郷はギシン星人のように他の惑星、ないし世界を侵略する気質という事か?」
これまで黙っていたゲッターチームの隼人が鋭い眼光をガヌマに向けて問いかける。つまり次元獣との戦闘が災害への対処ではなく新たな勢力との戦争となるのかどうか。
「ハッキリ言えば、そうだったよ。そうやって戦力を増強して、宇宙の脅威に立ち向かおうとしていた。例えば、インベーダーみたいなやつとかな。結局負けちまって、もう滅んだが」
再び場がざわついた。最後の部分で部隊内の何割かが同情的な目になるが、隼人の表情は変わらず、問いを続ける。
「つまり今この世界に来ているのは残党のような物という事か。再起を図っていると?」
「それは分からん。なんせ連絡が取れんからな。俺自身も戦死したと思ったが、気づけばこの世界で路地裏に転がってたんだ」
「……では一番重要な質問だ。同郷の者と再会したとき、お前はどうする? より具体的には、次元獣の出現が侵略目的だった場合、どちらにつく?」
隼人の目は答えの保留は許さないとハッキリ語っており、周囲の視線が再びガヌマに集中する。
「失敗した方法を、しかも減った力で繰り返すなんざ馬鹿みてえだ。合流はしない。一応そう伝えてみるが……誇りを失って見苦しく暴走してるようなら、俺がこの手で始末する」
答えながら、ガヌマ自身も驚いていた。時折、言おうとしていないことまで口をついて出てくるためだ。例えば最後の一文。ガヌマ自身としては他の次元将との一騎討ちなど、この時点では正直御免なのだが……やはり、これまでも何度か感じていたように、こと戦いに関してはドゥリタラーの残存意識の影響が無視できなくなる。
「……そうか。なら俺から言うことは無い」
ガヌマの答えに数秒目を閉じて沈黙した後、そう言い残して隼人は踵を返し歩き出した。顔合わせも済んだという事で他の者も何人かそれに倣う。
ガヌマはそれにほっとすればいいのか、えらい口約束をしてしまったと嘆けばいいのかわからず、神妙な顔で彼らを見送った。
「さて、甲児。さっきのは暗黒大陸では言わなかったな。俺は多分、お前から見て悪人だろうが……やっぱ光子力ビームか?」
ほとんどの者が去った後、残っていた甲児に向けてガヌマが向き直り問いかける。
「それはまだ分からない。だから、今は信じるぜ? あの時、次元獣で人を守って戦ってたお前をな」
「……すまんね」
「安心しな甲児! 真の男は吐いた言葉は飲み込まねえ! コイツだってそうだ。俺たちグレン団の一員なんだからな!」
「俺たちって……もしかしてガヌマだけじゃなくて俺も入ってるのか?」
「あたぼうよ!」
「えぇ……」
「ハハハ! 一気に緊張が抜けた。やっぱり頼りになるな、リーダーは!」
「ん? ……おうよ! 俺を誰だと思ってやがる!」
強引なカミナに何とも言えない表情を浮かべる甲児の様子を見てガヌマは思わず吹き出す。
「いい顔で笑うんだな。やっぱり、根っからの悪人とは思えない……おっと、いけねえ。大事なことを忘れてたぜ」
甲児の方もそれで緊張が解けた様子で、こちらもフッと笑って、右手をガヌマに差し出した。
「これからよろしくな、ガヌマ!」
「おう!」
握手を求められたのだと気づいたガヌマはすぐにがっしりとその手を掴み返す。
カミナといい、甲児といい、他のメンバーといい……こうして直に接すると真っすぐで、眩しくていたたまれない気分になる。だが彼らの陣営に加われたことは、勝ち馬になる可能性が高いという打算抜きで、喜ばしいことだとガヌマには思えた。
登場メカ
アクシオン製輸送機
プトレマイオス居ないしそもそも居たところでガンダム4機以外運べないはずだしで多分移動にこういうの使ってたよねって感じで名前だけ出したやつ。見落としてるだけでなんか輸送手段に言及してたかもしれませんが今作ではコイツが活躍したという事で。