期待とかしないで下さい。
作者の妄想の吹き溜まりみたいな作品なので合わない人は遠慮なくブラウザバックすることをオススメします。
それでも良いという方は、『第一歩』どうぞ。
少年の話をしよう
数多の
様々な
多くの者達と共に
少年の新たな
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ヒュオォォォォ…………
「う〜ん、ど〜しよ」
その旅の主人公は、現在進行形で落下中の様だがな
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
主人公が落下する少し前
月曜日、大抵の人が昨日の日曜に思いを馳せ、これからの1週間を憂鬱に思う1日。そんな日の学校の廊下にて二人の男子高校生が歩いていた
「折角の休日なのにゴメンね手伝ってもらっちゃって、“立香”」
「それは言わない約束だよ“ハジメ”。それに手伝ったって言っても、今回はご飯作った位だし」
「それがウチにとっては死活問題なんだけどね。集中すると空腹の事なんて全く考えないからさ」
「だからだよ、隣人の家族が空腹で死ぬなんて笑えないでしょ」
「何時も美味しいご飯をありがとうございます」
「はい、どういたしまして……」
(にしても、最初はマーリン辺りがまた何かしたのかと思ったけど、まさか転生するなんてな〜。)
そう、今作の主人公こと"
だが、彼はどういう訳か転生し前世の記憶を持ったまま第二の人生を過ごしていた。
「(もしかして、それがわかってたから皆は
そう考えながら立香は
「……か、りつか…立香!」
「ん? どうしたの?」
「『どうしたの?』じゃないよ、もうすぐ教室に着くよ」
「あっ、ホントだ」
「珍しいね、立香が考え事だけに集中するなんて。何時もなら考え事してても周囲が見えるという何気にチートなことしてる癖に」
「いや〜、ここ最近寝不足気味でさ」
「(チートな部分は否定しないんだ……)そうなの?」
「今週は南雲家の手伝い以外でも色々あったからさ。中々寝れなくて」
「僕が言うのも何だけど、身体には気をつけなよ」
「ホントにハジメが言えたことじゃないよね」
「立香が倒れたら誰が美味しいご飯を作ってくれるのさ!」
「ハジメ、本音が漏れてるぞ」
「あっ」
「はぁ〜全く」
「ぼっ、僕は悪くない! 美味しくて、身体に良いなんていうご飯を僕達に作り続けた立香が悪いんだ!」
「ほぉ〜俺が悪いんだったら今度からは作らない方が良いのかなぁ。なにせ俺が悪いんだもんね〜ハ・ジ・メ・?」
「ごめんなさい、許して下さい、もう二度と言わないので。そんな事になったら僕が母さんと父さんに殺される」
その言葉を聞いた瞬間ハジメの行動は早かった、流石に土下座はしなかったが、しかし見事なまでの直角90度の謝罪を見せた。
立香の料理によって南雲家の胃袋は完全に掴まれていた。
「全く、そうなるくらいなら初めから何も言わなきゃいいのに」
「でも、立香のご飯が美味しいのは事実でしょ」
「教えてくれた人が良かったからね………」
(
「どうしたの? 立香」
「何でもないよ、オカンは強いんだな〜って再認識しただけ」
「何故?」
何処からか「私はオカンではない!!」という声が聞こえた気がしたがきっと気のせいであろう。
そうして二人は何気無い会話をしながら自分達の教室にたどり着き扉を開けると、クラスに居るほとんどがこちらに目を向ける。その目を向けたクラスメイト達の中で好意的な視線もあるにはあるが、その殆どが大なり小なり悪意の籠もった目線だった。しかも、一瞬目を向けてすぐに逸らした者たちは兎も角、一部は未だに悪意を宿した目を、特にハジメに向けていた。
ハジメは極力意識しないように、立香は少し呆れながら自席へ向かう。しかし、毎度の如くちょっかいを出してくる者がいた。
「よぉ、キモオタ共! また、徹夜でゲームか? どうせエロゲでもしてたんだろ?」
「うわっ、キモ~。エロゲで徹夜とかマジキモイじゃん~」
一体何が面白いのかゲラゲラと笑い出す男子生徒達。
声を掛けてきたのは
檜山の言う通り、立香とハジメはオタクだ。と言ってもキモオタと罵られるほど身だしなみや言動が見苦しいという訳ではない。
ハジメは髪は短めに切り揃えているし寝癖もない。コミュ障という訳でもないから積極性こそないものの受け答えは明瞭で大人しくはあるが陰気さは感じさせない。単純に創作物、漫画や小説、ゲームや映画というものが好きなだけである。
立香も髪型は所々ハネてたりするが不潔さを感じさせる訳ではなく身だしなみも整っている。更にコミュ力に至っては前世でも第二の人生でも「彼となら3日は余裕で喋り続けられる」と一部で言われる程の天然チートぶりを発揮している。
世間一般ではオタクに対する風当たりは確かに強くはあるが、本来なら嘲笑程度はあれど、ここまで敵愾心を持たれることはない。では、なぜ男子生徒全員が敵意や侮蔑をあらわにするのか。
その答えが彼女だ。
「藤丸君、南雲くん、おはよう! 今日もギリギリだね。もっと早く来ようよ」
ニコニコと微笑みながら一人の女子生徒が立香とハジメのもとに歩み寄った。立香は例外として、このクラス、いや学校でも、ハジメにフレンドリーに接してくれる数少ない例外であり、この事態の原因でもある。
名を
いつも微笑の絶えない彼女は、非常に面倒見がよく責任感も強いため学年を問わずよく頼られる。それを嫌な顔一つせず真摯に受け止めるのだから高校生とは思えない懐の深さだ。
そんな香織はなぜかよく立香とハジメを構うのだ。徹夜のせいで居眠りの多いハジメは不真面目な生徒と思われており(成績は平均を取っている)、生来の面倒見のよさから香織が気に掛けていると思われている。
これで、ハジメの授業態度が改善したり、あるいはイケメンなら香織が構うのも許容できるのかもしれないが、生憎、ハジメの容姿は極々平凡であり、〝趣味の合間に人生〟を座右の銘としていることから態度改善も見られない。
そんなハジメが香織と親しくできることが、同じく平凡な男子生徒達には我慢ならないのだ。
「なぜ、あいつだけ!」と。
逆に立香は先も上げたコミュ力チートで周囲と良好な関係を築いており、顔もそこそこに良く、他人に勉強を教えられる程成績が良いのは周知の事実なのだが、それを理解していても男子生徒達にとっては香織と関わりを持てている故に嫉妬の対象になってしまうのだ。
*余談だが、立香に教えて貰った者は、必ず成績が良くなったり、苦手を克服できたり、中には不良を辞めて、今では積極的にボランティア活動に参加するようになった者までいるという噂があるらしい。
女子生徒の方は単純に、香織に面倒を掛けていることと、なお改善しようとしないことに不快さを感じているようだ。
立香の場合は女子生徒からの人気がある為ハジメの様に軽蔑している者は少ない。
「あ、ああ、おはよう白崎さん」
「おはよう、白崎さん」
すわっ、これが殺気か!? と言いたくなるような眼光に晒さらされながら、ハジメは頬を引き攣つらせながら、立香は華麗にスルーしながら人当たりの良い笑顔で挨拶を返す。
それに嬉しそうな表情をする香織。「なぜそんな表情をする!」と、ハジメは、更に突き刺さる視線に冷や汗を流した。
立香は変わらず華麗にスルーしていた。
ハジメはいつもの事だと理解しながら立香に少しだけ批難の目を向けた。なぜなら、学校一の美少女である香織が自分達にこうまで構うのか。その理由をハジメは察していたからである。
だからこそ、ハジメの目には周りと違い、香織が “立香とハジメ” に構っているのではなく “立香” に構っているようにしか見えなかった。
しかし、それを指摘する勇気はハジメにはなかった。以前から香織が時折立香に向ける“ヤバイ”目を見てしまっており、もし下手なことを言おうものなら自分の身の安全が保証できないと考えて、ハジメは
(立香も大変だなぁ〜)
と心の中で同情する事しかできなかった。
そして、いい加減現実から目を逸らすのが出来なくなってきたので「この殺気を孕んだ眼光の嵐に気がついて下さい!」と内心懇願することにハジメは思考を割くことにした。だが、香織は立香との会話に夢中で気づいておらず、立香は気づいていただろうが自分かハジメに直接関与しない限りスルーするスタンスなので気にしていなかった。だからハジメもは口には出さないことにした。余計な火種をから生み出すのは流石に嫌だったから。
故にハジメが会話を切り上げるタイミングを図っている時に、三人の男女が近寄って来て一瞬良かったと思ったが来たのはその1秒前の自分を殴りたくなるメンツだった。
「立香、南雲くん。おはよう。毎日大変ね」
「香織、また彼らの世話を焼いているのか? 全く、本当に香織は優しいな」
「藤丸おはよう。全くだぜ、そんなやる気ないヤツにゃあ何を言っても無駄と思うけどなぁ」
三人の中で唯一二人に朝の挨拶をした女子生徒の名前は
百七十二センチメートルという女子にしては高い身長と引き締まった体、凛とした雰囲気は侍を彷彿とさせる。
事実、彼女の実家は八重樫流という剣術道場を営んでおり、雫自身、小学生の頃から剣道の大会で負けなしという猛者である。現代に現れた美少女剣士として雑誌の取材を受けることもしばしばあり、熱狂的なファンがいるらしい。後輩の女子生徒から熱を孕んだ瞳で〝お姉さま〟と慕われて頬を引き攣らせている光景はよく目撃されている。
次に、些いささか臭いセリフで香織に声を掛けたのが
イケメンで誰にでも優しく、正義感も強い(思い込みが激しい)男であり、立香には珍しいと言える立香が“嫌い”と断言する人物だ。
まぁ、その理由は追々。
え?その他の説明?ハハハ、アンチ対象に説明は必要無いでしょ…………
ナイデショ?(●⌓●)
最後に立香には挨拶したが、その後は投げやり気味な言動の男子生徒、
脳筋である!!
後はまぁ、龍太郎は努力とか熱血とか根性とかそういうのが大好きな人間なので、ハジメのように学校に来ても寝てばかりのやる気がなさそうな人間は嫌いなタイプらしい。今も現在進行形で、ハジメを一瞥した後フンッと鼻で笑い興味ないとばかりに無視している。
「おはよう、八重樫さん、天之河くん、坂上くん。はは、まぁ、自業自得とも言えるから仕方ないよ」
「おはよ雫、坂上。まぁ、何もして来ないだけ楽だと思うよ?」
雫達に挨拶を返し、苦笑いするハジメと挨拶をした雫と龍太郎のみに挨拶を返した立香に「テメェラ、なに勝手に八重樫さんと話してんだ? アァ!?」という言葉より明瞭な視線がグサグサ刺さる。雫も香織に負けないくらい人気が高い。
「それが分かっているなら直すべきじゃないか? いつまでも香織の優しさに甘えるのはどうかと思うよ。香織だって君達に構ってばかりはいられないんだから」
光輝がハジメ(と何故か立香)に忠告する。光輝の目には、ハジメ(と立香)は香織の厚意を無下にする不真面目な生徒として映っているようだ。(因みに立香の成績は光輝より上である)
ハジメとしては「甘えたことなんてないよ! むしろ僕をお世話してくれているのは立香の方だよ!」と正しいようで割とズレている反論を声を大にして言おうとしたが、そんなことをすれば強制連れションが実行されるだろう。光輝自身、思い込みが激しいところがあるので反論しても無駄であろうことも口を閉じさせる原因だ。
そして〝直せ〟と言われても、ハジメは趣味を人生の中心に置くことに躊躇いがない。なにせ、父親はゲームクリエイターで母親は少女漫画家であり、将来に備えて父親の会社や母親の作業現場でバイトしているくらいなのだ。
既にその技量は即戦力扱いを受けており、趣味中心の将来設計はばっちりである。ハジメとしては真面目に人生しているので誰になんと言われようと今の生活スタイルを変える必要性を感じなかった。香織がハジメに構わうことがなければ、そもそも物静かな目立たない一生徒で終わるハズだったのである。
だが、それを理解していない光輝はまだ何か言おうとしていたが、自分の親友が言われっぱなしで黙っている程、我等が主人公は薄情ではない。
いつもの口調から少し温度を下げて立香は言葉を紡ぐ。
「天之河はさぁ、まず自分の行動を見直すべきじゃないの?」
「何だと、藤丸」
「だってそうでしょ? 人に挨拶もしない癖に横からグチグチ言うのはおかしいと思わない?」
「くっ…」
立香の正論で光輝は何も言えず、黙り込んでしまう。
光輝が黙り込んでいる間に立香は龍太郎にも言葉を掛ける
「坂上も。毎度言ってるだろ? 自分が見てるものだけで物事を決めつけるなって」
「あぁそうだったな藤丸。南雲、すまん。そして、おはよう。」
そう言われ、龍太郎は素直に反省し、ハジメに頭を下げる。
「改めておはよう坂上くん。ううん、僕は気にしてないから大丈夫だよ」
龍太郎の件が終わったので改めて立香は光輝に声を掛ける
「それで? 光輝も言うことあるんじゃないの?」
「……だがそれでも、香織の優しさに甘えているのは確かだろ!」
先程言い負かされたにも関わらず光輝は立香に噛み付く。
すると、空気を一切気にせず、その言葉に反応して我らが女神は無自覚に爆弾を落とす。
「? 光輝くん、なに言ってるの? 私は、私が藤丸くんと南雲くんの2人と話したいから話してるだけだよ?」
ざわっと教室が騒がしくなる。男子達はギリッと歯を鳴らし呪い殺さんばかりに立香とハジメを睨み、檜山達四人組に至っては昼休みに立香とハジメを連れて行く場所の検討を始めている。
「え? ……ああ、ホント、香織は優しいよな」
どうやら光輝の中で香織の発言は立香とハジメに気を遣ったと解釈されたようだ。完璧超人(笑)なのだが、そのせいか自分の正しさを疑わなさ過ぎるという欠点があり、そこが厄介なんだよなぁ~とハジメは現実逃避気味に教室の窓から青空を眺めた。
「…ごめんなさいね? 二人共悪気はないのだけど……」
この場で最も人間関係や各人の心情を把握している雫が、こっそり立香とハジメに謝罪する。ハジメはやはり「仕方ない」と肩を竦めて苦笑いし、立香は………
「いや、今回は白崎さんに感謝かな。ちょっとだけイラついてたから。ハジメもゴメン。変に空気悪くして」
と、香織に感謝しながらいつものテンションに戻してハジメと雫と会話を続ける。
「ううん、立香は本当に僕のこと思って言ってくれた訳だし、逆に嬉しかったかな」
「そっか、なら良かった」
「相変わらず仲良いわね。あなた達は」
「まぁ、親友だからね」
そうこうしている内に始業のチャイムが鳴り教師が教室に入ってきた。教室の空気のおかしさには慣れてしまったのか何事もないように朝の連絡事項を伝える。そして、いつものようにハジメが夢の世界に旅立ち、立香はそれを横目に見ながら教科書とノートを開き当然のように授業が開始された。
そんな立香とハジメを見て香織が微笑み、雫はある意味大物ねと苦笑いし、男子達は舌打ちを、女子達は立香には好意の、ハジメには軽蔑の視線を向けるのだった。
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教室のざわめきと嗅ぎ慣れた食欲を誘ういい匂いに、ハジメは意識が覚醒していくのを感じた。居眠り常習犯なので起きるべきタイミングは体が覚えている。その感覚から言えば、どうやら昼休憩に入ったようだ。
ハジメは、突っ伏していた体を起こし、十秒でチャージできる定番のお昼と今朝立香から貰ったオニギリを2つゴソゴソと取り出す。
なんとなしに教室を見渡すと購買組は既に飛び出していったのか人数が減っている。それでもハジメの所属するクラスは弁当組が多いので三分の二くらいの生徒が残っており、それに加えて四時間目の社会科教師である畑山愛子先生(二十五歳)が教壇で数人の生徒と談笑していた。
隣である立香の席を見れば、このクラスにとってはもう見慣れた、とある女子生徒との“お弁当評論会”なるものが始まっており、それを遠目からチラチラと他の生徒が見ていた。
――じゅるるる、きゅぽん!
早速、午後のエネルギーを十秒でチャージしたハジメは立香お手製のオニギリを食べようとしていた。だが、その瞬間我等の女神が、ハジメにとってはある意味悪魔が、ニコニコとハジメの席に寄ってくる。
ハジメは内心「しまった」と呻うめいた。月曜日ということもあり少し寝ぼけ過ぎていたようだ。いつもなら香織達と関わる前に教室を出て目立たない場所で昼寝というのが定番なのだが、流石に二日の徹夜は地味に効いていたらしい。
「南雲くん。珍しいね、教室にいるの。お弁当? よかったら一緒にどうかな?」
再び不穏な空気が教室を満たし始める中、ハジメは心の
ハジメは抵抗を試みる。
「あ~、誘ってくれてありがとう、白崎さん。でも、もう食べ終わるから立香達と食べたらどうかな?」
そう言って、ミイラのように中身を吸い取られたお昼のパッケージをヒラヒラとまだ食べていないオニギリを見せる。断るのも「何様だ!」と思われそうだが、お昼休憩の間ずっと針のむしろよりは幾分マシだ。
しかし、その程度の抵抗など意味をなさないとばかり女神は追撃をかける。
「うん! 南雲くんを誘った後に藤丸くんも誘うつもりだったよ? それに南雲くんお昼それだけなの? ダメだよ、ちゃんと食べないと! 私のお弁当、分けてあげるね!」
(もう勘弁して下さい! 気づいて! 周りの空気に気づいて! それと、立香! 笑ってないで助けて!)
刻一刻と増していく圧力に、ハジメが冷や汗を流しながら立香に助けを求めるが立香は腹を抱えながら声を出して笑わないようにするので精一杯な状況だった。するとそんなハジメに救世主が現れた。
光輝達だ。
「香織。こっちで一緒に食べよう。南雲はまだ寝足りないみたいだし藤丸はよく分からないが何かを食べられる状況じゃないみたいだしさ。せっかくの香織の美味しい手料理をそんな状態のまま食べるなんて俺が許さないよ?」
爽やかに笑いながら気障なセリフを吐く光輝にキョトンとする香織。少々鈍感というか天然が入っている彼女には、光輝のイケメンスマイルやセリフも効果がないようだ。
「え? なんで光輝くんの許しがいるの?」
素で聞き返す香織に思わず雫と立香が「「ブフッ!」」と吹き出した。光輝は困ったように笑いながらあれこれ話しているが、結局、ハジメの席に学校一有名な四人組が集まっている事実に変わりはなく視線の圧力は弱まらない。
立香の爆笑も収まらない。
こんなカオスな状況で深い溜息を吐きながらハジメは内心で愚痴った。
(もういっそ、立香を除いて、こいつら異世界召喚とかされないかな? どう見てもこの四人組、そういう何かに巻き込まれそうな雰囲気ありありだろうに。……どこかの世界の神か姫か巫女か誰でもいいので召喚してくれませんか~~)
現実逃避のため異世界に電波を飛ばすハジメ。いつも通り苦笑いでお茶を濁して退散するかと腰を上げかけたところで……
凍りついた。
ハジメの目の前、光輝の足元に純白に光り輝く円環と幾何学きかがく模様が現れたからだ。その異常事態には直ぐに周りの生徒達も気がついた。全員が金縛りにでもあったかのように輝く紋様――俗に言う魔法陣らしきものを注視する。
その魔法陣は徐々に輝きを増していき、一気に教室全体を満たすほどの大きさに拡大した。
自分の足元まで異常が迫って来たことで、ようやく硬直が解け悲鳴を上げる生徒達。未だ教室にいた愛子先生が咄嗟に「皆! 教室から出て!」と叫んだのと、魔法陣の輝きが爆発したようにカッと光ったのは同時だった。
数秒か、数分か、光によって真っ白に塗りつぶされた教室が再び色を取り戻す頃、そこには既に誰もいなかった。蹴倒された椅子に、食べかけのまま開かれた弁当、散乱する箸やペットボトル、教室の備品はそのままにそこにいた人間だけが姿を消していた。
この事件は、白昼の高校で起きた集団神隠しとして、大いに世間を騒がせるのだが、それはまた別の話。
『第一歩』の細かい解説
・立香とハジメの関係
幼い頃からの親友でいわゆる幼馴染。家が隣ということもあって、お互いが2つの家を行き来している姿がよく目撃される。
・立香と南雲家
先も上げたとおり、家が隣なので親同士も交流があり、仲も良好。その為、割と早い段階で南雲父・母の職業を知ることになった。そこで立香は前世のサバフェスでの活動やその他のイベントでの経験、知識を使いハジメと共に南雲家の手伝いをすることにした。
・立香と南雲家ご飯事情
立香が南雲家にご飯を作るようになったきっかけは南雲家の『集中すると作業以外は全く考えなくなる』という事実を知った時からである。しかし、そこは立香クオリティ、前世でカルデアキッチン組を中心に様々なサーヴァントに教わった料理で南雲家の胃袋を完璧に掴んだみせた。
*因みに、立香の料理で胃袋を掴まれたのは他にも複数いるが、それはまた別の機会に