「ここにも……!?」
巨像のようなオークの遺体を見てしばらく。
アレカはその場を後に進み続けるとまたもオークの遺体を見つける。
今度の遺体も先刻のものと同じように首が地面に転がり落ちており、残った身体はまるでひざまずくように姿勢を低くしている格好であった。
やりくちから見ても先ほどのオークをやった者と同一人物なのは分かる。
その間も森のざわめきは強くなる。
「一体…あたしが気を失っている間に何が……?」
次々と起こる異変に訝しむアレカはそのまま先へ進もうとすると。
「っ!?な……に…アレ!?」
アレカは目撃する。
◎◉◎◉◎◉
「まちがいない……コイツ……周りの魔力を吸って……動いてるんだ…!」
巨大な手のような生物の活動源はどこから得ているのかを知った少年。
そしてこれまでのことを振り返る。
魔眼で捉えることが出来ない魔力。
やたらと自分に襲い掛かる執念。
驚異的な速さの再生力。
すぐにこちらの位置を捕捉する探知能力。
そしていつもより感じやすい疲労感。
なおも大きくなる巨大な手。
……すべて辻褄が合う!!
つまりコイツは…周辺の魔力を全て吸い尽くすまでは活動し続けるし死ぬこともない!
それが少年が導き出した答え。
そしてそれが意味することは。
しかもこっちの魔力を欲してどこまでも追いかけてくる……!!接触だけでもそこからこっちの魔力は吸われる訳だ……!!くそっ!素手の打撃に切り替えたのは失策だったか!!
己の選択が間違いであったと知るも。
時すでに遅く。
『えiげびばびbぶるぼびpあばはhふばはがぁああaああrあああlあああっっっっ!!!!』
巨大な手のような生物は触腕の如きその指を伸ばし、少年の残る魔力も一滴も余すことなく吸い取るつもりである。
迫る指を躱しつつも、少年は状況の打破に思考を巡らせる。
周囲の魔力を常に吸い続けて動き続ける生き物……斬ってもすぐに再生し、叩いても効果はない……魔眼で視る限りは取り込んだ魔力をすぐに消費してまたすぐ取り込むを繰り返しているのだろう……おそらく取り込んだ魔力を溜めておくことが出来ないのだろう……ならば。
許容量を超える魔力を与え続ければパンクして細胞が死滅するはず!
少年はようやく見えた突破口に活路を見出し始める。
しかし。
でも……僕の今の魔力量じゃあ……!
ここまでの連戦に次ぐ連戦に加えて今の今まで魔力を吸い取られていた少年にはその魔力がほとんど残っていなかった。
たとえ今ある魔力を全てぶつけたとしても許容量には到底届かない。
いや、そもそも元々の魔力総量でも届くのかすら怪しいくらいなのだ。
くっ……!一体……どうすれば…!?
一筋の光明がまたも暗黒の沼へと沈み込もうとされつつあるなかで。
少年は目撃する。
「……………えっ!?」