【 第二説「それはなんのための存在か」〜Importance of existence〜】
町からの依頼により廃村の調査に訪れたオービットとリリアの二人。
廃村に着くや突如亜人の小ゴブリンの襲撃に遭うも撃退。逃げる小ゴブリンを追って追跡した先に百年前に滅びたとされる伝説のエルフの生き残り、アレカに出会う。
アレカは過去に亜人のオークの襲撃を受けていた小ゴブリンたちを助けたことにより自分に狙いをつけられたことで小ゴブリンたちと共に逃亡をする日々を過ごす。
自分が狙われることで小ゴブリンたちを巻き込むことに心を痛めていたアレカは決着をつけるために一人でオークに立ち向かうもオークの仲間に捕まってしまう。
そこに現れたオービットにより救出され、オークも全滅。
だがそこに現れた異形な生物の襲撃に予想外の苦戦を強いられるオービット。
そこに目覚めたアレカが合流。アレカの相手の魔力量に比例して威力が増す光の矢により異形な生物は消滅。二人の奮闘により無事事無きを得るに至る。
しかし、アレカを狙う亜人のオークの群れはその間も二人の元へと刻一刻と近づいているのだった──。
◎◉◎◉◎◉
時は少し遡る。
「ここか?」
まるで森の影から実体化するように姿を現わす人影がひとつ。
黒いパンツに胸元を開けた裾がズタボロなドレスシャツを着こなし、腰からジャラジャラと覗かせるチェーンは腰布かのように何本も身につけている、この世界ではあまり見ない類のファッションをした精悍な顔つきの男性。
パンクな男が現在いるのはポッカ村。
その湖の畔。森の中。
かつては緑溢れる生命に満ち満ちた自然が広がっていたと思われるその場所は先日、とある爆発により今や草木一本どころか大地まで抉られ、巨大なクレーターが形成されるに至っていた。
そのクレーターを見た際、不自然に断崖が二つ向かい合うようにして出来ていることにパンクな男は訝しげに思いながらそのクレーターの窪地の中心部へ降り立つ。
そこが深く、日が傾けば中が薄暗くなる程に深い中心地に立つとおもむろにそこで地に手をつく。
しばらく何かを探すように集中するように目を瞑り、やがて。
「ふっ、やっぱり跡形もないか」
何かに納得したように不敵な笑みを浮かべるともうそこに用は無いとばかりに中心地から地上まで驚異の跳躍力で飛び立つ。
「さぁて、どうしたものか…」
困ったように呟くもその精悍な顔には笑みを浮かべつつも何事かを考え込んでいるところで。
「!」
突然パンクな男はある方向を向く。
まるでその視線の先に何かがあるように凝視を続け。
「ん?なにやら面白い気配があるな…」
その方向を見据えたまま、新しい玩具を見つけたかのように口角を吊り上げるのだった。
その視線の先にいるのは──。