クラスの話し合いが終わったあと、私はすぐにある人にメールをしました。
「急にすみません、先輩にお願いしたいことがあって……今日これからお会いできませんか?」
返事はすぐに帰ってきました。
「大丈夫ですよ、では30分後にこの前行った近くのカフェでどうですか?」
「ありがとうございます、向かいます」
そして30分後……
「あっ、茜先輩っ!」
私は茜先輩のところに手を振って走りました。
「栞ちゃん!」
茜先輩は走ってきた私を抱きしめて撫でてくれましたっ。
えへへ~
実は先週の土曜日にこのカフェのことやオススメのお店を教えてもらって、その流れで名前呼びまで許してもらえちゃいました。
茜先輩、優しいんですっ。
「茜先輩、今日は急なメールでごめんなさい。ちょっとお願いしたいことがあるんです」
茜先輩は迷惑どころかむしろにこにこしながら話してくれます。
「全然大丈夫ですよっ、私のかわいい後輩のためですっ。先輩にまかせてください!」
「えへへ~ありがとうございますっ。えっとですね、中間試験の過去問と小テストの過去問が欲しいんです」
「えぇぇぇぇぇ!? 中間試験って今日発表されたばかりですよね?もう過去問のこと思いついちゃったんですか!?」
そぉですよねぇ、原作知識ないと私も初日からは無理だと思います。
「あははっ、思いついちゃいましたぁ。頼めるの茜先輩しかいなくって、ダメですかぁ?」
「ダメじゃないですっ、私の後輩が優秀で先輩は嬉しいです。今日の夜に送っておきますね」
「ありがとうございます。ポイントはおいくら必要ですか?」
「ポイントは必要ないですよ、あ、ここの支払いも私がしておきますね」
えっ……いいんですか?茜先輩がそういうならお言葉に甘えちゃいますっ。
「茜先輩ありがとうございます!」
その日の夜、茜先輩から中間テストの過去問と小テストの過去問をいただきました。
このお礼は合宿で茜先輩がピンチのときに必ず返させてもらいます。
だって私は茜先輩のかわいい後輩ですからっ!
過去問を手に入れた次の日の朝……
私は珍しく目覚ましが鳴る前に目を覚ましました。
そして……隣には銀髪の女の子が寝ています。
「椎名さんっ、朝ですよぉ。起きてお部屋に戻りましょう?」
そうなんですっ。ここ最近、椎名さんが一緒に読書がしたいって私の部屋に来るのですが……
そのまま寝て朝を迎える、お泊まり常習犯になりつつあります。
お帰り願おうとしても謎の圧力で強く言えず、結局気づいたら隣で寝てるんですよねぇ……
「椎名さん~朝ですよぉ~」
「月野さん、おはようございます……もう朝ですか」
「うんっ、学校いく準備しないとだし、お部屋に戻ってね?」
「わかりましたっ、それではまた夜に……」
そう言って椎名さんは朝帰りしていきました。
んっ?また夜に?
とりあえず私も登校準備をしましょう。
昨日の話し合いからDクラスでは授業を真面目に受けることになりました。
最初は断っていた須藤くんも中間テストでポイントが増える可能性を聞いて渋々わかってくれたようです。
中間テストまで残り約3週間、Dクラスは少しずつ変わろうとしていました。
そして、その日の放課後。
私がいつも通り帰宅しようとしていた時、私の携帯に椎名さんからメールが届きました。
「月野さん、ごめんなさい。今からカフェでお会いできませんか?」
椎名さんからカフェに誘われるって珍しいです。大体いつも、図書館かお部屋なのに。
「うん、いいよっ。今から行くね」
私は椎名さんから呼ばれたカフェに向かいました。
お店に入るとそこには椎名さんの他に男の人がいました。
あぁ……そぉいうことですねぇ……
一緒にいた人は龍園くん、Cクラスの王様です。そういえば原作でもこのくらいの時期にCクラスをまとめてましたねぇ。
「椎名さん、お待たせっ。それと、初めまして、龍園くん。月野栞です。よろしくね?」
「月野さん急に呼び出してしまってすみません。彼がどうしても会いたいと聞かなくて……」
「ククク お互いに名前くらいは知ってるようだな、だがよろしくするかどうかはお前次第だ。栞」
キャァァァ!?なんか威圧感がすごいよ!!
しかもいきなり名前呼び!?
そういえば堀北さんのことも原作で鈴音って呼んでたもんね。
「私、次第っていうのはどういう意味かな?」
「まあ、そう警戒するな。話は簡単だ。お前がひよりと仲良くしてるのは調べがついてる、今までのことはいい。だが、これからはダメだ」
「龍園くん、先ほども言いましたがわたしは月野さんとのお付き合いをやめるつもりはありませんよ?」
「ひよりお前は黙ってろ。オレは今、栞と話てんだ」
椎名さんは不満そうな顔をして龍園くんを睨んでます。
「私も椎名さんと同意見だよ?
椎名さんは友達だもん。けど、それだと龍園くんはきっと納得してくれないよね。Cクラスは今まで誰がリーダーになるか争ってた中で龍園くんが勝った。だけど、これからCクラスを本当の意味でまとめていくためには龍園くんについていけば勝てるっていう結果を見せないといけないもんね、その手伝いをしろってことかな?」
「ククク やるなあ、栞。100点だ。Dクラスは雑魚の集まりかと思ってたが、お前は別ってことか。
そこまでわかってんならオレが納得する交渉材料を用意してこい、期限は1週間だ」
「交渉材料は中間テストでCクラス全員が赤点を回避できる方法。見返りは私と椎名さんの交友の自由。約束を破ったら2000万プライベートポイントでいいかな?」
「ああ、それでいいぜ」
「そう……それなら交渉成立ね」
私は椎名さんにメールで中間テストの過去問を送ってそれを龍園くんに送るようにお願いしました。
「フッ、ずいぶんと手際がいいじゃねえか」
「お気に召したようで良かったです。今日の会話は録音してるから、約束は破らないでね?」
「ああ、話は終わりだ。またな栞」
龍園くんが帰ると椎名さんは私に抱きついて胸に顔をうづめてきました。
「ごめんなさい、月野さん。私のせいでご迷惑をおかけしてしまいました」
私は椎名さんの頭を優しく撫でてあげながら言います。
「迷惑なんかじゃないよ、椎名さんは私の大切なお友達なんだから」
椎名さんは嬉しそうに微笑みながら抱きしめる手を強くしてきます。
「あと、龍園くんが名前で呼んでるのにわたしが名前で呼んでないのはずるいと思うのでこれからは栞ちゃんて呼びます」
あっ、うんっ……龍園くんは勝手に呼んでるだけなんだけど。
まぁ、どうせ拒否権ないしいいやっ。
「うん、椎名さんの好きにしていいよっ」
椎名さんは嬉しそうに私の耳元に顔を近づけて囁きました
「ひよりちゃんですよ?」
次の日の朝……私の隣にはひよりちゃんが寝ていました。
氏名 龍園翔
クラス 1年C組
学籍番号 S01T004711
部活 無所属
誕生日 10月20日
評価
・学力D
・知力B
・判断力A
・身体能力B
・協調性E-
担当官からのコメント
中学時代より数多くの問題行動を起こしたとされながらも、確実な証拠はなく疑いの余地がある程度である。学力に関しては並以下だが、真剣に取り組んでいる様子はなく実力を発揮していないと思われる。判断力に優れCクラスをまとめあげる特異なカリスマ性に長けた生徒で、長所、短所の両面から改善を望む。