転生先は大好きな世界でした   作:Monburan

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制服の行方

5月初日から早くも一週間が経ちました。Dクラスのメンバーは引き続きしっかりと勉強しています。

 たぶん……

 原作では確か今日あたりに平田くんから勉強会のお誘いがあったはずです。

 放課後の時間がなくなってしまうのは残念ですが、クラスのみんなと仲良くなれるのは嬉しいです。

 よく思い出してみたら、私Dクラスでまともに話せる人って平田くんと櫛田さんだけなので、どうにか友好の輪を広げたいです!

 今回は勉強を教えるのも目的のひとつですがそれ以上にお近づきになることを第一に下心をもって挑みましょう。

 

 

そしてお昼休み……

 

みんなが食事に立とうとしたその時、平田くんが声をあげました。

 

「みんなちょっといいかな?茶柱先生が言ってたテストが近づいてる。赤点をとれば即退学だという話は、全員理解してると思う。そこで参加者を募って勉強会を開こうと思うんだ」

 

参加しようかしないか迷ってる人が多そうです、須藤くんは舌打ちをしてますが。

 

「今日の5時からこの教室でテストまでの間、毎日2時間やるつもりだ。参加したいと思ったら、いつでも来てほしい。もちろん途中で抜けても構わない、僕からは以上だ」

 

どうやら須藤くん、池くん、山内くん以外の赤点候補の人たちはみんな参加するようで平田くんのもとへ集まってます。

 まぁ、あの3人は原作でも綾小路くんと堀北さんが勉強会をしてくれていたので、大丈夫でしょう。

 須藤くんは赤点とってたけど……

 

「月野さん、ちょっといいかな?」

 

平田くんに呼ばれたようです。

 

「うん、なにかなっ?」

 

「実は勉強会なんだけど、思ったより参加人数が多くて僕だけでは全員を見ることが出来なそうなんだ。もし良かったら教える側として参加してくれないかな?」

 

平田くんもしかして一人でやろうとしてたのかな?

 私はむしろやる気満々だったんだけど……

 

「うん、もちろんだよ!けど……私、まだクラスのみんなとあんまりお話とかしたことないし、出来れば3人くらいの少人数にしてほしいな?」

 

ふふっ、まずは少しずつ仲良くなっていくよ。

 一人ずつの方が話しやすいですしね。

 

「ありがとう、わかったよ。じゃぁ、3人お願いするね。今日からで大丈夫かな?」

 

「うん、じゃぁ放課後にね」

 

勉強会参加のメンバーでなら佐倉さん、井の頭さん、王さんあたりがいいなぁ。

 誰になるか今から楽しみだよっ!

 

 

そして放課後……

 

 

私の席がある教室の左後ろに席をくっつけて、月野勉強会が始まろうとしていました。そして平田くんが私の前に3人を連れてきてくれました。

 

「月野さん改めて協力してくれてありがとう。いろいろ考えたんだけど、Dクラスで一番勉強ができるのが月野さんなのと、本人たちの希望でメンバーを決めさせてもらったんだ。僕も勉強会で残ってるから何かあったら言ってね」

 

そう言って平田くんは自分の勉強会グループに戻っていきました。

 私の前に3人のクラスメイトをおいて……

 

「月野ちゃんよろしく!」

 

「月野よろしくな」

 

「よろしくでござる」

 

池くん、山内くん、外村くん

 

なんでぇ!? どういうこと!?

 平田くんさっきいろいろ考えたって言ってたよね!

 いろいろ考えた結果がこれなの?

 私のこと裏切ったの!?

 

 

そもそも100歩譲って外村くんはいいよ!

 いや、よくないけど。

 それでも池くんと山内くんはなんでなの?

 勉強会参加希望してなかったよね?確か原作でも須藤くんと一緒に堀北さんの勉強会だったし……

 クラスポイントは原作通り0だったのにこんなところで原作無視しないでよ!

 

「えっと……よろしくね?さっき平田くんが本人たちの希望でって言ってたけど……どうして私のところに来てくれたのかな?」

 

「いやっ、どうしてって言われても……なぁ、池?」

 

「お、おぉ、山内」

 

「ぐふっ」

 

どぉしてえぇ!? 

 誰も答えてくれないんですけど、3人いてひとつも答え返ってこないよ!?

 けど今さらチェンジでとか言えないし……

 やるしかないんですね?そうですか……

 とりあえず質問されたら答える形式にしましょう。

 

「それじゃぁ、はじめよっか。中間テストの範囲をまず個人学習してもらって、わからないところがあれば答えるから言ってね」

 

「月野ちゃん、中間テストの範囲ってどこ?」

 

「あっ、はい……」

 

 

 

こうして私の勉強会は始まる前に終わりました。

 

 

 

 

初日の勉強会が終わり、私は寮に戻りました。

 なぜか4人で一緒に帰ることになってしまい、ようやくのことで部屋に辿り着いた私は、そのままシャワーをあびてベッドにうつ伏せで倒れこんでいます。

 

「うぅ……どぉしてこうなったのぉ」

 

そもそも池くんと山内くんが私のところに来たってことは、堀北さんと綾小路くんと櫛田さんの方はどうなってるんだろう……

 須藤くん一人に教えてるってこと?

 ……櫛田さんに聞いてみよ。

 

私はベッドから起き上がり携帯を手にとると櫛田さんへ電話をかけました。

 

「もしもし~月野さん?」

 

「もしもし~櫛田さん夜遅くにごめんねぇ」

 

「うぅん、月野さんからの電話ならいつでもオッケーだよぉ。どぉしたのぉ?」

 

「あのね、今日の勉強会に櫛田さんいなくて残念だったから参加しないのかなぁって、気になって」

 

「そぉなんだ……ごめんねぇ、今日は綾小路くんから須藤くんを勉強会に誘えないかの相談されてたんだ」

 

あっ、それなら原作通りかな?

ならいいやぁ……

 

「そうなんだ、須藤くんの勉強会は出来そうなのぉ?」

 

「うん。明日、私と綾小路くんと堀北さんと須藤くんで勉強会する予定だよ」

 

「そぉなんだ、頑張ってね。私も頑張るよ!」

 

そっかぁ……じゃぁ明日は予定通り、櫛田さんの裏の顔が綾小路くんにばれる屋上イベントがあるんですね。

 

 

 

そして私は、裏の櫛田さんと知り合うことになるのです

 

 

 

勉強会2日目。お疲れ様です、月野栞です。

 今、私は池くんと、山内くん、外村くんに勉強を教えています。当初はこの3人に絶望を感じていた私ですが、意外と勉強には集中して取り組んでおり、原作だけで知っている性格が全てではないのだなと少し反省しつつ、原作で苦手だった人にも声をかけてみようかなと非常に考えさせられる時を過ごしています。

 

「ふぅ……すみません。少し席を外しますね?」

 

まだ開始して30分ほどですが今日は櫛田さんの裏顔イベントを見るという大切な用事があるので、残念ながら席を外さねばなりません。

 えぇ、それはとても残念ですが……

 

「えっ、月野ちゃん、さっき勉強会はじめたばかりだぜ。お腹でも痛いの?」

 

「バカ、池。女にはいろいろあんだよ」

 

さっきの考えるってのは嘘です、やはり原作の知識で充分でした。

 

「あはは、ちょっと用事があるんだぁ。終わったら戻ってくるから頑張ってね」

 

私は屋上へ続く階段が見える場所に身を隠し、櫛田さんと綾小路くんがやってくるのを息をひそめて待ちました。

 

数分後、カツン、カツン、と階段を上がってくる音が聞こえました。

 音がどんどん上に上がっていきます。綾小路くんもついてきてるはずなのですが、足音が聞こえません。

 どうなっているのでしょう……

 私はちらっと前の階段を見て、誰もいないことを確認すると静かに上へとあがっていきました。

 

上にあがると綾小路くんが屋上へ続く階段の中程の手すりから屋上の扉前に立っているであろう、櫛田さんを覗いている姿を発見しました。

 

うぅ……私の位置からでは櫛田さんを見ることができません、しかしこれ以上近づくと綾小路くんにバレてしまいます。今、私は綾小路くんのいる階段手すりの更にひとつ下の手すりから綾小路くんを眺めています。

 ストーカーのストーカーみたいな立ち位置になってます。

 

「あーーーーーーーウザイ」

 

「マジでウザイ、ムカつく……」

 

櫛田さんが屋上の扉を蹴りながら暴言をはいています、これが裏の櫛田さん……

 怖さよりも本当の櫛田さんに会えて感動です。

 暴言が続き、ふと後ろを振り返った櫛田さんの視界に綾小路くんが入ったようです。

 

「……ここでなにしてるの?」

 

櫛田さんが暗い声で綾小路くんに話しかけます。

 綾小路くんは隠れることを諦めて櫛田さんの前にいく……前に私のほうを見てきました。

 あっ、目が合いました……

 

「聞いたの?」

 

綾小路くんは櫛田さんに向き直して質問を返します。

 

「聞いてないって言ったら信じるのか?」

 

綾小路くんがそう言うと、櫛田さんは綾小路くんの目の前まで下りてきて、綾小路くんの手を掴み胸元に持っていきました。

 

「今聞いたこと、誰かに話したらあんたにレイプされたっていいふらしてやる。指紋も証拠もある、私は本気 わかった?」

 

……これが冤罪シーンですね。

 改めて現実で見ると大変なものを目撃してしまったと少しどきどきします。

 

「だが櫛田、もう一人見てるやつがいるがそいつはいいのか?」

 

「っつ、まだ誰かいるの!?」

 

キャァァァァ 綾小路くん普通にばらしてきやがりました。まぁ、いいでしょう。

 しっかりと作戦は考案済みですっ。

 ここは綾小路くんが胸を触っているところだけ見たことにしましょう!

 

「櫛田さん……」

 

私は申し訳なさそうに二人の前に姿を現しました。

 

「……月野さん。そっかぁ、月野さんには見られたくなかったなぁ」

 

私はゆっくりと二人に近づいていい放ちます。

 

「綾小路くんひどいよ、そんな人じゃないと思ってたのに!!」

 

「いや、待て。見てたろ、冤罪だ」

 

綾小路くんが何か言ってますが無視しましょう。

 すると櫛田さんがもう片方の手で私の手を掴んで……

 むにゅ……んっ?どうして?

 

「月野さんも誰かに話したらレイプされたっていいふらすから」

 

えぇぇぇぇ! 私もなの!?冤罪だよ!!

 てかこの状況、櫛田さんが両手を伸ばして右胸に綾小路くん。左胸に私って、むしろこっちが訴えて勝てそうなくらいの絵面だよ! 

 女の子としてこれはどうなの櫛田さん!?

 そして綾小路くんはいつまで胸触ってるんですか……

 

「わ、わかったから。そろそろ手を離そう?誰にでも胸揉ませるような人になっちゃダメだよ!?」

 

櫛田さんは慌てて綾小路くんの手を離しました。

「そ、そんなことしないから、これは指紋と証拠を作るために仕方なくだから」

 

櫛田さんは綾小路くんの手を離すと今度は両手で私の手を掴んできました。

 え?私は解放されないの?

 

「わかった、今日ここで見たことは誰にも話さない」

 

綾小路くんが言います。

 

「あの、私もそろそろ勉強会に戻りたいのですが……もちろん誰にも話さないよ?」

 

「約束だよ?」

 

うんっ、約束。だから私の手を動かすのやめよう?

 ……もう指紋べっとりついたよね?

 ようやく解放された私は、勉強会を終え帰路につきました。

 

 

 

こうして櫛田さんの制服は大切に保管されることとなるのです

 

 

 




氏名 櫛田桔梗

クラス 1年D組

学籍番号 S01T004721

部活 無所属
 
誕生日 1月23日

評価

・学力B

・知力B-

・判断力C+

・身体能力B

・協調性A


担当官からのコメント

学力、身体能力共にBクラス相当の実力を持ち合わせており、卒業校からの報告における心証評価も極めて高い。本年度における面接試験で満点を記録するなど、一見した限りでは問題ない優秀な生徒である。小学校から提出された資料によれば非常に交友関係も広く、上級生下級生に関わらず人気者だったとのことから、優れたコミュニケーション能力を持ち合わせていると言える。しかしながら、別途資料における事実を憂慮しDクラスへの配属とする。
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