転生先は大好きな世界でした   作:Monburan

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無人島編
無人島へ


「綺麗な景色だねぇ」

 

「ええ、栞さん」

 

私と有栖は豪華客船のデッキの上から、果てしなく続く海を眺めていました。

 今日から2週間、私たち1年生は高度育成高等学校が用意してくれた、豪華客船によるクルージングの旅を満喫する予定となっています。

 

 

 

それはいいとして……有栖さん?どうしてあなたはここにいるの?

 

 

 

豪華客船によるクルージングの旅。

 実は遊びではなくて試験なのです。

原作ではこのクルージング旅行中に2つの試験を行う運びとなっていて、1つ目は無人島サバイバル。2つ目は優待者当てゲーム。

 そしてこの旅行に坂柳有栖は、杖がないと自由に行動できないことを考慮し不参加で、今頃は学校でお留守番をしている予定のはずが……

 それがなぜ目の前に……

 

有栖は日傘をくるくる回しながら

にこにこしてこっちを見ています。

 

「有栖は学校で待機とかじゃなかったの?」

 

「栞さんよくご存知ですね。最初はその予定でしたが、お父様を説得してなんとか参加が認められました」

 

ちなみに有栖のお父さんはこの学校の理事長をしている偉い人なのです。

 

「そぉなんだぁ。けどあんまり無理しちゃダメだからね?」

 

「はいっ、栞さん」

 

私と有栖はデッキの上でそんなのんびりとした時を過ごしていました。

 

「ねぇ、いつまで二人でいちゃついてんの?」

 

「あれっ、神室さんいたんですか?」

 

「真澄さん来てたんですね」

 

「……もう、帰っていいかな?」

 

どうやら神室さんは不自由な有栖のお付きとして、ずっとついていてくれるようです。

 

「うおおおおおおお、最高だああああああ!!」

 

急に隣から叫び声が聞こえてきました。どうやら池くんが叫んでいるようです。

 それを機に、Dクラスのメンバーも数人やってきました。

 

「月野さんっ、ここにいたんだぁ!」

 

「櫛田さん、うん。ここ気持ちいいんだぁ」

 

「坂柳さんもこんにちは!」

 

「ええ、櫛田さんご機嫌よう」

 

ふたりが満面の笑みで挨拶をすませると、デッキに意味深なアナウンスが鳴り響きました

 

「生徒の皆様にお知らせします。お時間がありましたら、是非デッキにお集まりください。間もなく島が見えて参ります。暫くの間、非常に意義ある景色をご覧いただけるでしょう」

 

アナウンスを聞いてデッキにどんどん人が増えていきます。

 

「おい、邪魔だ、どけよ不良品ども」

 

一人の男子が肩をぶつけながらデッキに上がってきます。

 

「何すんだよっ!」

 

Dクラスの山内くんが言います。

 

「お前らもこの学校の仕組みは知ってるんだろ?ここは実力主義の学校だ。Dクラスに人権なんかない、こっちはAクラス様なんだよ!」

 

Aクラスにもあんな人がいるんですねぇ……

 有栖を見ると、苦虫を噛み潰したような顔をしています。

 

実はAクラス、一枚岩ではないんです。

 原作でも過激派の坂柳有栖がリーダーのグループと堅実派の葛城康平をリーダーとした2つのグループが存在し、この試験では坂柳有栖が学校に待機になるため、葛城派が試験を引っ張る予定だったのですが……

 とりあえず、あのAクラスの人は有栖と無関係のようなので、声をかけておきましょう。

 

「ねぇ、そこのAクラスの人」

 

彼は私と有栖を見て固まります。

 

「あんまりそぉいうのは良くないと思うよ?」

 

それだけ言うと彼はそそくさと退散していきました。

 

私がAクラスの男子との会話を終えると、櫛田さんのところに池くんが来ていました。

 

「ねぇ、ねぇ、櫛田ちゃん。ちょっといいかな?」

 

「ん?なにかな?」

 

「そのさっ、なんつーか俺たち出会って4ヶ月くらいたつじゃん。だからそろそろ下の名前で呼んでもいいんじゃないかなって。ダ、ダメかな?桔梗ちゃんて呼んだら」

 

「もちろんオッケーだよ!私は寛治くんって呼べばいいかな?」

 

「うおおおおおおお、桔梗ちゃああぁぁぁん」

 

良かったね池くん、やっぱり櫛田さんはモテるなぁ。

 あれ、櫛田さんがこっちに来た

 

「ね、ねぇ、月野さんちょっといいかな?」

 

「ん?なにかな?」

 

「そのさっ、私たち出会って4ヶ月くらいたつよね?だからそろそろ下の名前で呼んでもいいんじゃないかなって。ダ、ダメかな?栞ちゃんって呼んだら」

 

「もちろんオッケーだよ!私は桔梗ちゃんて呼べばいいかな?」

 

「栞ちゃああぁぁぁぁん」

 

『あ、あのよ、月野。俺も「そろそろ中に入りましょうか栞さん」』

 

「あ、うん。そぉだね」

 

なにか聞こえたような……気のせいかな?

 

「これより、当学校が所有する孤島に上陸します。生徒たちは30分後、全員ジャージに着替え、所定のカバンと荷物をしっかり確認した後、携帯を忘れずに持ちデッキに集合してください。それ以外の私物は全て部屋に置いてくるようお願いします。またしばらくお手洗いにいけない可能性がありますので、きちんとすませておいてください」

 

そんなアナウンスが流れ、みんなが準備をして船がつくのを待ちました。

 

「ではこれよりAクラスから順番に下船するように。それから島への携帯の持ち込みは禁止だ。担任の先生に各自提出するように」

 

 

 

こうして私たちは無人島へと足を踏み入れるのです

 

 

 




氏名 池寛治

クラス 1年D組

学籍番号 S01T004654

部活 無所属
 
誕生日 6月16日

評価

・学力E+

・知力D-

・判断力D+

・身体能力C-

・協調性C


担当官からのコメント

秀でた部分を持たず、学力や身体能力面においても平均以下であるが、面接時における評価は意外に高く、採点では上位15%に入っている。友人も多く社会における人間の価値としては一定以上のものを見込める。教養と知性を身につけることで、社会に送り出すにたる人間としての成長を期待できるため、Dクラス配属とする。
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