転生先は大好きな世界でした   作:Monburan

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私の高校生活

登校日の初日、本日だけはバスでの通学となります。

 私たちが入学する高度育成高等学校は、日本政府が作り上げた未来を支える人材を育成する名門校で、希望する進学、就職先にほぼ100%応える学校と宣伝されています。

 その機密性ゆえに3年間、外部との連絡は断たれ学校の敷地内から出る事も禁止。

 私たちも寮生活にはなりますが、60万平米を超える敷地内は小さな街となっていて不自由なく過ごせる学校となっております。

 

そういえば、私の自己紹介がまだでした!

 

『月野栞(つきのしおり)』

 

今現在の成長した姿は前世の15才の時と同じ。

 髪は黒髪のショートボブ、身長は152㎝で胸もそこそこあり、見た目はそんなに悪くないと自負しております。

 

簡単な自己紹介を終えてバス停へと歩きながら、私はこれからの目標について再度確認をします。

 

・まずはAクラスで卒業すること

・そして楽しい学校生活を送ること

・あと彼氏がほしいです

 

今までずっと寝たきりの生活だったので恋愛はとてもしてみたいですし、何より学校生活がとても楽しみですっ。

 

Aクラスで卒業するためにはクラスポイントを貯めてDクラスをAクラスに昇格させるか、2000万プライベートポイントというものを貯めて、好きなクラスに移動する権利を買うかどちらかになります。

 このプライベートポイントというのは敷地内にある全ての施設を利用したり商品を購入できる、お金の代用的な物です。

 ただ、3年間で2000万貯めるというのはかなり厳しそうです……

 

当面はDクラスを影ながら支えつつ、ポイントの多くもらえる試験で頑張るしかなさそうです。

 

「目立ちすぎて他のクラスの怖い人たちに攻撃されても困りますし……」

 

色々と今後のことについて考えながら徒歩で数分、そろそろバス停です。

 バス停にはきっと原作の登場人物がいるはず。

 楽しみです、そして緊張してきました……

 

バス停に到着して一番後ろに立ちながら前に並んでる人をこっそり見ると、さっそく知っている顔を発見しました。

 

あれは……間違いなく綾小路くんですね。あのやる気のない感じの目……間違いないです。

 

綾小路清隆くん、ようこそ実力至上主義の教室への主人公です。事なかれ主義な性格で、平凡で穏やかな高校生活を送ることを目指しています。

 ……あまり見ていると視線に気付かれそうなので、おとなしく下を向きながらバスを待つことにしましょう。

 

数分の後にバスが到着して扉が開きます。

 綾小路くんは中央より少し後ろの空いている席に座りました、私も空いている席を探して座ります。

 それからも次々に生徒が乗って来ます。

 

そんな中、一人の少女が私の座っている横を通りすぎました。

 黒髪のロング……少しきつめの目をした美少女。

 ……原作ヒロインの一人、堀北鈴音さん。

 

本物だぁ。私は余りの嬉しさにその姿を目で追います。

 そんな私の視線に気がついた堀北さんが睨むように視線を返してきました。

 ひぃ……ごめんなさい、下向いときます。

 

 

しかし下を向いたのも束の間、懲りずに私はまた周りを見渡します。

 ……あれは高円寺くんですね、優先席に思いっきり座っています。

 高円寺くんは、高円寺コンツェルンの一人息子で、頭脳と身体能力ともにポテンシャルは凄いのですが、それゆえに自由人なのです。

 あれほど躊躇なく座れるのは逆にすごいですね、見習いたいです。

 

最後に……あれは、櫛田さん!!

 つり革に掴まって立っています。

 

原作ではDクラスのアイドル的存在となる櫛田さん。

 実は承認欲求の塊で裏の顔をもってる櫛田さんですが、個人的には嫌いじゃないんですよねぇ、裏の顔とかみんなあると思いますし……

 

 

原作の登場人物を眺めながらにやにやしていると、いつの間にかバスの席は全て埋まっていました。

 

「そろそろでしょうか?」

 

バスが停車して前のドアが開きます、そしてゆっくりと歩きながら杖をついたお婆さんが乗って来ました。

 

「席を譲ってあげようって思わないの?」

 

急に聞こえた大きな声にバスの乗客が同じ方向を向きます。

 どうやら、OLのお姉さんが優先席に座ってる高円寺くんに対して言っているようです。

 

これが有名な登校初日のバスイベントですね!?

 

「実にクレイジーな質問だね、レディ。なぜ私が老婆に席を譲らなければならないんだい?どこにも理由がないが」

 

さすが高円寺くんです。足を組みながらなんの罪悪感もなくいい放つその姿勢、まさにクレイジーです。

 

「君が座っている席は優先席よ。お年寄りに譲るのは当然でしょう?」

 

「理解できないねぇ。優先席は優先席であって、法的な義務はどこにも存在しない。この場を動くかどうかそれは今現在この席を有している私が判断することなのだよ」

 

「それが目上の人に対する態度!?」

 

やはり本で見るのと違って実際に間近で見るとかなりの修羅場ですね、優先席に座るのは絶対にやめておきましょう。

 

「あの……私もお姉さんの言う通りだと思うな」

 

OLのお姉さんを援護する声が響きました、櫛田さんです。この空気の中で発言できるのホントにすごいですっ。

 もう一刻も早く学校についてほしいもん……

 

「今度はプリティガールか。どうやら今日の私は思いのほか女性運があるようだ」

 

「お婆さんさっきからずっと辛そうにしてるみたいなの。席を譲ってあげてもらえないかな?その、余計なお世話かもしれないけど、社会貢献にもなると思うの」

 

「社会貢献かなるほど中々面白い意見だ。お年寄りを大切に思う気持ちがあるのならそこには優先席、優先席でないなど些細な問題でしかないと思うのだがね」

 

まったく席を譲る気のない高円寺くん。

 OLのお姉さんとお婆さんもどうやら諦めてしまったようで、口を閉じてしまいました。

 そんな中、バスの乗客全員に向けて一人の少女が懸命に訴えかけます。

 

「皆さん。少しだけ私の話を聞いてください。どなたかお婆さんに席を譲ってあげてもらえないでしょうか?誰でもいいんです。お願いします」

 

櫛田さんがみんなにお願いしています。やっぱりすごいですねぇ、私なら絶対に同じことできないです。

 裏の顔を知っていたとしても櫛田さんのこの行動力は素直に尊敬です。

 

そんな櫛田さんの声を受けて私もようやく声を出しました。

 

「あの、よかったら席どうぞ」

 

わたしはお婆さんに席を譲ってあげます。その行動にお婆さんは感謝してくれますが、それ以上に櫛田さんが喜んでくれていました。

 

「ありがとう!」

 

櫛田さんが感謝してくれました、ちょっと嬉しいです。

 私は照れながらも話を続けます。

 

「うぅん、すぐに譲ってあげられなくてごめんね」

 

「全然だよ! 同じ学校だよね? わたしは櫛田桔梗、これからよろしくね!」

 

「こちらこそ、月野栞といいます。櫛田さんよろしくおねがいします」

 

やったぁ、櫛田さんとお話しできたぁ。緊張したけど席を譲ってよかったぁ。

 心の中で大喜びのガッツポーズをして、私はバスを降りて櫛田さんと一緒に学校まで歩きます。

 

「月野さんはどうしてこの学校を受験したの?」

 

「えっと、実は私、小中とずっと病気で学校とかいけてなくてここしか受験できなかったんだぁ」

 

「そーなんだぁ、じゃぁこれからは小中の分もいっぱい高校で思い出作らなきゃだね!」

 

「うん、クラス同じだといいねっ!」

 

「うんっ。あ、提示板に張り出してるよ、見に行こっか!」

 

櫛田さんが一足先に屋外の提示板へと走っていきます。

 私は人混みに消えて行く櫛田さんをゆっくり追いかけながら提示板の前に立ちます。

 

「おっ、俺はDクラスか」

 

「やぁ、君もDクラスかい?僕も同じクラスなんだ。これからよろしくね」

 

すぐ近くでは同じクラスになった二人の男子が早くも言葉を交わしています。

 

「……Dクラスですか」

 

私も知ってはいましたが、念のためにクラスを確認して改めて現実を受け止めます。

 

「……彼らと同じクラス」

 

「月野さん、私もDクラスだよ。同じクラスなんてラッキーだね、これから仲良くしてねっ」

 

少しの間はぐれていた櫛田さんが戻ってきて、同じクラスであることを伝えてくれます。その笑顔につられて、私にも自然と笑みがこぼれていました。

 

「うんっ、これからよろしくね。櫛田さん」

 

私たちは同じクラスであった事を喜び合いながら、肩が触れそうな距離でゆっくりと教室へ向かい歩み出しました。

 

 

 

こうして私の高校生活が始まりだしたのです

 

 




月野栞

身長:152㎝

スリーサイズ:B77(C)/W56/H78
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