転生先は大好きな世界でした   作:Monburan

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特別試験開始

「今からDクラスの点呼を行う。名前を呼ばれたものは、しっかりと返事をするように」

 

無人島に足を踏み入れた私たちDクラスは、休む間もなく点呼をとり、バカンスの終了を告げられました。

 

「これより本年度最初の特別試験を行う!」

 

「え?特別試験ってどういうこと?」

 

多くの人が現状に理解ができず声をあげています。

 まぁ、旅行だと思って船に乗ってたら無人島に下ろされて、特別試験って言われたらそうなるよねっ……

 

「期間は今から一週間。8月7日の正午に終了となる。君たちはこれからの一週間、この無人島で集団生活を行い、過ごすことが試験となる」

 

「無人島生活って……船じゃなくて、この島で寝泊まりするってことですか?」

 

Bクラスから声があがります。

 

「そうだ。試験中の乗船は正当な理由なく認められていない。この島での生活は眠る場所から食事の用意まで、その全てを君たち自身で考える必要がある。スタート時点でクラス毎にテントを2つ。懐中電灯を2つ。マッチを一箱支給する。それから、日焼け止めは制限なく、歯ブラシに関しては各自1つずつ配布することとする。特例として女子の場合に限り生理用品は無制限で許可している。各自担任の先生に願い出るように。以上だ」

 

「はああ!?ガチの無人島サバイバルとか無理っすよ、テント2つじゃ全然寝れないし!そもそも飯とかどうするんですか、ありえないっす!」

 

池くんが叫んでいます。

 周りの生徒も「無理じゃない?」

 「どうやって生きてくの?」

 と声に出しています。

 

「だが、安心してほしい。この無人島における特別試験では大前提として、まず各クラスに試験専用のポイントを300支給することが決まっている。このポイントを上手く使うことで、一週間の特別試験を旅行のように楽しむことが可能だ。そのためのマニュアルも用意している」

 

先生は数十ページほどの厚みを持った冊子を取り出しました。

 

「このマニュアルには、ポイントで入手できるリストが全て載っている。生活必需品と言える飲料水や食料は言うに及ばず、バーベキューがしたければ機材や食材も揃えよう。海を満喫するための遊び道具も無数に取り揃えている」

 

「つまり、その300ポイントで欲しいものが何でも貰えるってことですか?」

 

先生は頷きます。

 

「じゃぁ、一週間遊ぶだけでもいいってことですか?」

 

「そうだ。全てお前たちの自由だ。もちろん集団生活を送る上での必要最低限のルールは存在するが、守るのが難しいものは1つとしてない。ただし、この特別試験終了時には、各クラスに残っているポイント、その全てをクラスポイントに加算した上で夏休み明けに反映する」

 

最後の言葉にみんなが衝撃をうけていました。

 

「つまり……一週間我慢すれば、来月から俺たちの小遣いも大幅に増えるってことだよな!?」

 

「マニュアルは一冊ずつクラスに配布する。紛失などの際は再発行も可能だが、ポイントを消費するので大切に保管するように。また、リタイアした者がいるクラスにはマイナス30ポイントのペナルティを与える決まりになっている」

 

「来月から3万、来月から3万」

 

池くんが呟いています。1ポイントも使わないとか絶対死んじゃうと思うんだけど……

 

「今日からお前たちに腕時計を配布する。これは一週間後の試験終了まで外すことなく身に付けておくように。許可なく腕時計を外した場合はペナルティが課せられる。この腕時計は時刻の確認だけでなく、体温や脈拍、人の動きを探知するセンサーGPSも備えている。また万が一に備え学校側に非常事態を伝えるための手段も搭載してあり、完全防水だ。緊急時には迷わずそのボタンを押せ」

 

また、マニュアルにはペナルティについても載っていました。

 

『著しく体調を崩したり、大ケガをし、続行が難しいと判断された場合。マイナス30ポイント及びその者はリタイアとなる』

 

『環境を汚染する行為を発見した場合。マイナス20ポイント』

 

『毎日午前8時、午後8時に行う点呼に不在の場合、一人につきマイナス5ポイント』

 

『他クラスへの暴力、略奪行為、器物破損などを行った場合、生徒の所属するクラスは即失格とし、対象者のプライベートポイントは全没収』

 

「つまりある程度ポイントは使わないと無理ってことなんじゃない?」

 

篠原さんがいいました。篠原さんは原作ヒロインの一人である軽井沢さんの派閥グループに入っている女の子です。

 

しかし池くんが篠原さんに反発します。

「いや、最初から妥協するのは反対だぜ。やれるとこまで我慢すべきだ」

 

「けど、体調崩したら大変だよ?」

 

どうやらポイントをある程度使うのは仕方ない派と、我慢して残したい派に別れているようですね。

 

「茶柱先生、仮に300ポイント全てを使用してリタイアした場合はどうなるんでしょうか?」

 

平田くんが質問します。

 

「その場合、リタイアする人間が増えるだけだ。ポイント0からは変動しない。つまりマイナスはないということだ。支給するテントは1つが8人用の大きさになる。重量も15㎏近いから気を付けるように」

 

そういって、茶柱先生は私たちの行動を見守ってくれています。どうやら担任は近くで行動だけは共にしてくれるようです。

 

「あぁ、あとトイレだがこれを使え」

 

茶柱先生は段ボールの箱を出しました。

 

「簡易トイレだ、クラスに1つずつ支給されるものだ。大切にするように」

 

さすがにこれにはみんな引いてるようです。

 私もこれはさすがに嫌です……

 

「もしかして、私たちもそれを使うんですか!?」

 

篠原さんの質問に先生が答えます。

 

「あぁ、男女兼用だ。だが安心しろ。着替えにも使えるワンタッチテントがついている。誰かに見られるようなことはない」

 

「そぉいう問題じゃないですよぉ!」

と女性×10くらいの批判が殺到しています。

 

「このシートは給水ポリマーシートと言って、汚物をカバーし固めるものだ。これで同時に臭いを抑制する。使い終わったあと、またシートを重ねる。これを繰り返すことで一枚のビニールで5回前後使用可能だ。このビニールシートだけは原則無制限に支給する」

 

それを聞いても納得できず、女性陣はみんなで

「むりむりむりむり」と繰り返しています。

 

「ではこれより追加ルールを説明する」

 

「追加ルール!?まだあるのかよぉ……」

 

「まず、島の各所にはスポットと呼ばれる箇所がいくつか設けられている。それらには占有権と呼ばれるものが存在し、占有したクラスのみ使用する権利が与えられる。ただし占有権は効力上8時間しか意味を持たず、自動的に権利が取り消されることとなる。その都度、別のクラスに取得する権利が発生すると言うことだ。そしてスポットを一度占有する毎に1ポイントのボーナスを得ることができる。ただしこの1ポイントは暫定的なものであり、試験中に使用することはできない。試験終了時にのみ加算される仕組みになっている。しかしこれにはリスクも存在する」

 

 

『スポットを占有するには専用のキーカードが必要である』

 

 

『1度の占有につき、1ポイントを得る。占有したスポットは自由に使用できる』

 

 

『他が占有しているスポットを許可なく使用した場合は50ポイントのペナルティを受ける』

 

 

『キーカードを使用することができるのはリーダーとなった人物に限定される』

 

 

『正当な理由なくリーダーを変更することはできない』

 

 

そして最後に。

 

『7日目の最終日、点呼のタイミングで他のクラスのリーダーを言い当てる権利が与えられる。その際、的中させることが出来れば的中させたクラス1つにつき50ポイントを得られる。そして逆に言い当てられたクラスは50ポイントを支払わなければならない。安易にスポットを占有すればリーダーを当てられる可能性もあがり、大量にポイントを失う可能性がある。また、リーダーを間違えて報告した場合もマイナス50ポイントとなる。これに加え、リーダーを見破られたクラスはそれまでに貯めたスポットのボーナスポイントも失う』

 

「ルールは以上だ。リーダーは必ず一人決めてもらう。リーダーが決まったら報告しろ。その際にリーダーの名前を刻印したカードを支給する」

 

私たちは全てのルールを聞いて、これから行うべきことを整理し始めました。

 

 

 

こうして私たちは特別試験を開始するのです

 

 

 




氏名 篠原さつき

クラス 1年D組

学籍番号 S01T004742

部活 料理部
 
誕生日 6月21日

評価

・学力D-

・知力D-

・判断力D

・身体能力D

・協調性C


担当官からのコメント

基本的に問題を起こす生徒ではなく、社交性も人並みに兼ね備えている。ただし学力、身体能力共に平均より下回っており、集団行動の中で成長していくことを望む。
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