転生先は大好きな世界でした   作:Monburan

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有栖のいる試験

無人島サバイバルでのルールを聞いた私たちDクラスは、今後どうするかについての話し合いを行うことにしました。

 

ちなみにこの無人島サバイバル。原作でDクラスは川のスポットを占有して水問題を解決します。

 そして初日の探索で綾小路くんがたまたまAクラスの葛城くんと弥彦くんがスポットを占有して洞窟を出るところに遭遇し、Aクラスは弥彦くんがリーダーであることを判断。

 ちなみに弥彦くんは葛城くんの舎弟のような感じの人です。更に後日Bクラスと同盟を結び、お互いのリーダーを当てないようにします。

 そんな中、AクラスとCクラスも同盟を結び、CクラスはAクラスに200ポイント分の無人島での物資を譲渡する代わりに、Aクラスの生徒は毎月全員が20000プライベートポイントを龍園くんに渡す、と言う内容のものでした。

 

葛城くんは有栖がいないこのチャンスに結果を残し、派閥争いで勝つべく契約を結んだのです。

 そして有栖のいない、Aクラスは堅実派の葛城くんが洞窟に籠城しての生活。Cクラスは残り全てのポイントを使って、バカンス生活を送りました。

 更にCクラスはDクラスとBクラスに一人ずつスパイを送り込みリーダーを探らせ、バカンスを数日楽しんだ後に、龍園くんとスパイを残して全員がリタイア。

 最後は龍園くんが一人島に残り、リーダーを当てたことによるポイントを稼ぐ作戦でした。

 本来であればこの作戦でDクラスは負けるはずでしたが、綾小路くんの機転により龍園くんの作戦を防ぎ、結果Dクラスが1位で特別試験を終了する。という展開でした。

 

ただ今回は……原作とは違い、有栖が島に来ています。

 有栖がいる以上、AクラスとCクラスの契約はないと思いますし、過激派の有栖が洞窟で一週間をただ過ごすというのも考えにくいのです。

 きっと原作とは大きく異なる部分が出てくると考えておくべきでしょう。

 

私が原作について思い出しているうちにDクラスの話し合いは始まっていました。

 

「なぁ、平田。リーダーはどうするんだ?」

 

「リーダーよりもトイレだよ、あんな段ボールじゃむり!」

 

どうやらみんな気持ちがバラバラで、話し合いは全然進んでいなかったようです。

 

「みんな少し落ち着こう。まずリーダーを決めようと思うんだ」

 

桔梗ちゃんが手を上げて発言します。

 

「私も色々考えてみたんだけど、平田くんや栞ちゃんは嫌でも目立っちゃう。だけどリーダーをまかせるなら、責任感のある人じゃなきゃダメだと思うの。その両方を満たしているのは堀北さんだと思うんだけど、どうかな?」

 

「うん、そうだね。僕は賛成だよ、みんなもどうかな?」

 

「平田くんが良いっていうならいいと思う!」

 

軽井沢さんが賛成します。平田くん、桔梗ちゃん、女子で一番の派閥である軽井沢さんが発言したことで、リーダーは堀北さんに決まりそうです

 

「やるからには責任を持って引き受けるわ」

 

堀北さんもやる気のようですね。

 

「じゃぁ、次は……トイレだね」

 

女子はみんなうんうんと頷きながら、どうするの?という顔で平田くんを見ています

 

「ねぇ、みんな。トイレについては私から話してもいいかな?」

 

私はここに来て初めて発言しました。

 みんなが私の方に振り向きます。平田くんも私の言葉を待っているようなので、このまま続けて話します。

 

「やっぱりね、トイレとか衛生面は大切だと思うの。それでね、さっき茶柱先生からマニュアルを貰って観てみたんだけど、20ポイントで仮設トイレが購入できるの!これなら1度設置すれば使えるし、家庭のトイレと変わらない水洗のものだからいいかなって思うんだけど、どうかな?」

 

「それっ、それいる!絶対いる!!」

 

篠原さんから熱烈なリスペクトをいただきました。

 他の女子からも嬉しい悲鳴が響いています。

 

「で、でもなぁー20ポイントだぞ!?それは高くないかなあ月野ちゃん……」

 

池くんが細々と反対してきます。

 

「んぅーそぉかなぁ……ねぇ、桔梗ちゃん、どう思う?」

 

桔梗ちゃんは私の目を見て理解してくれたようです。

 

「寛治くん!私、これ欲しいっ。お願いっ!!」

 

「よっしゃぁぁあ、20ポイントくらい大したことないよな!やっぱトイレは大切だぜ!!」

 

どうやら池くんはトイレの大切さを理解してくれたようです。

 

「いや、待てよ、池。俺は納得してないぞ!20ポイントは高い!」

 

ここにきて幸村くんが発言します。

 幸村くんはDクラスには数少ない勉強の得意な生徒で、テストでも常にDクラスで二番目か三番目には位置しています。ただそのぶん、運動が苦手なようです。

 ここは私の出番ですね。

 

「ねぇ、幸村くん?今は20ポイントを高く感じるかもしれないけど、この無人島の中でクラス全員が生活していくなら、最低限のポイントは使わないと厳しいと思うの。もし、この20ポイントを切り詰めて仮設トイレを購入しなかったとして、それが原因で女子が体調を崩してリタイアしたら、一人につき30ポイント……二人なら60ポイントのマイナスになるんだよ?一週間という長い戦いを見越して、20ポイントはそんなに高くないと思うんだけど、どうかな?」

 

幸村くんはゆっくりと冷静に考えてくれました。

 

「たしかに……そう言われると月野の言うとおりか」

 

「じゃぁみんな、仮設トイレは買うってことで決まりでいいかなっ!」

 

『はぁぁぁぁい!』

女子全員から賛同をいただけました。

 

「じゃぁ、あとは仮設トイレを置くためにも私たちが一週間暮らすためのスポットを見つけないとだけど、平田くんどうしよっか?」

 

「うん、それについては今から探索チームを編成して探そうと思うんだ。島の探索に協力してくれる人は挙手してくれるかな?」

 

私を含め12人の手が上がりました。

 4人の3チームが組まれて、私は高円寺くんと、綾小路くん、佐倉さんの4人で探索することに決まりました。

 

 

 

こうして私たちは森の中へと進んでいくのです

 

 

 

「ああ、美しい、大自然の中に悠然と佇む私は美しすぎる!そうは思わないかい?ムーンガール!」

 

高円寺くんは一人で森の木の上を縦横無尽に駆け回り、木の上から私に話しかけて来ました。

 

「高円寺くん、あんまり早く行くとみんながついてこれないから先に行かないでください」

 

厳密には私と綾小路くんは問題ないんだけど、佐倉さんが……無理させちゃってごめんね。

 

「ふむ、それは申し訳ないことをしたね、ムーンガール。しかし、君は不思議な少女だね、ムーンガール。本来、私は年上の女性にしか興味を持たないのだが、なぜか君は美しく見えるのだよ!」

 

あれっ、私いま告白されてます?

 確かに精神年齢は年上ですね……

 しかし高円寺くんですか……お金持ちですしね、前向きに検討いたしましょう。そうしましょう。

 

「ありがとう、じゃぁスピード落としてゆっくり進んでくれるかな?」

 

「それとこれとは話が別さ、ムーンガール!私は常に美しい!!」

 

そう言って高円寺くんは森の彼方へ消えていきました。

 やっぱり高円寺くんはやめておきましょう。

 

「なぁ、月野。高円寺はどうした?」

 

後ろから綾小路くんと佐倉さんが追い付いてきました。

 

「ごめんね、綾小路くん。高円寺くんは一人で先に行っちゃったよ」

 

「そうか、まぁあいつは仕方ないな。俺たちは3人で探索を続けるか」

 

「うん、そうだね。佐倉さんも大丈夫かなっ?」

 

佐倉さんは膝に手を当てながら顔を上げて言います。

 

「う、うん、わたしは月野さんについていくから!」

 

「じゃぁここからはゆっくり行くね」

 

私たちはゆっくりと歩き、原作で綾小路くんがAクラスのリーダーを発見した洞窟にたどり着きました。

 島の地形の大体の位置は、私の頭の中に記憶されています。無事たどり着けてよかったです……

 

しかしそこには、原作とは違う光景が広がっていました。

 本来ならば葛城くんと弥彦くんの二人がいてここでAクラスのリーダーがわかるはずなのですが……

 洞窟の近くにはAクラスの人が10人以上います。

 やはり有栖が参加したことにより、Aクラスの行動が大きく変わってしまったようですね……

 ここは大人しく引き返しましょう。

 

「綾小路くん、佐倉さん、戻ろっか」

 

二人は頷き、私たちはAクラスのリーダーを見つけることができないまま引き返すのでした。

 

 

 

そしてDクラスは最悪の選択を迫られることになるのです

 

 

 




氏名 高円寺六助

クラス 1年D組

学籍番号 S01T004668

部活 無所属
 
誕生日 4月3日

評価

・学力A

・知力C

・判断力C

・身体能力A

・協調性E-


担当官からのコメント

これまで当校では、成績、運動神経を兼ね備えた生徒を輩出してきたが卒業生と比較しても数年に一人の逸材と言える高いポテンシャルを持っている。しかしながら集めた情報だけでは計りきれない知性、判断力に関しては評価保留とする。非常に稀である身勝手な性格な点においては大問題であり強く改善を期待する。
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