無人島試験2日目。
私はAクラスの一員となりました。
契約書は代表して平田くんがサインをしていました。
点呼について心配していた人もいましたが、契約によりこの試験中の私はAクラスの一員となるので、これからはAクラスとして点呼に出れば良いそうです。
今回は完全に私のミスです……
有栖がDクラスに来たことに不信感はありましたが、有栖がずっと寝ていたことや、原作の知識があることで少し警戒心が薄れていたのかもしれません。
しかし、過ぎたことはもう仕方がないです!
Dクラスとの接触を禁止された今、Dクラスに対して私に出来ることはもうありません。
後は綾小路くんや平田くん、堀北さん、桔梗ちゃん、そしてDクラスのクラスメイトを信じましょう!
さて、それよりも問題は……
私は今、おおよそ20名近くのAクラスの皆様にドナドナされています。
どうやらスポットの占有はしていなかったものの、洞くつの中で生活していたようです。
そしてこれから、有栖がAクラスに戻ることによって占有が開始される予定です。
「栞さん、やっと一緒のクラスになれましたね」
横にはすっごく嬉しそうな有栖が歩いています。
「……うん、そうだねっ。それで有栖は今回の試験どうするつもりなの?」
「はい、今回は基本的に全て栞さんにお願いしようと思っています」
えっ、私……? 借り物のDクラスな私が……?
「あと、ここにいるのは全て私の派閥の人間ですので、お好きにお使いください。特に真澄さんとか」
私は神室さんをちらっと見ます。
「あんたは坂柳よりは人使い良さそうだからよろしくね」
どうやら神室さんはやる気満々のようです。
「有栖もしかして……私に全部放り投げて船に戻ろうとしてない?」
「ふふっ、栞さん。人聞きが悪いですよ、体調不良と言ってください」
「けど葛城くんの派閥の人はどうしたらいいの?」
「そこはご安心ください。今回の試験に関しては、全て私に一任されています。その代わり、次の試験は葛城くんが全権限をもつという契約をしました」
あ~なるほどねぇ、だからこんな自由にAクラスメンバー使えてるんだねっ。
周りを見渡すと原作で見たことのある人が数人います。
まず橋本正義くん。
神室さんと同様、有栖とよく行動している金髪のチャラい感じの人です。
次に鬼頭隼くん
鬼頭くんは橋本くんと仲が良くて身体能力の非常に高い生徒です。
かなり無口です。
そして最後にイケメンの里中 聡くん!!
ん?杖でつつかれたような……
そんなこんなでAクラスの洞くつスポットにたどり着きました。
さっそくスポットを占有して中に入ります。
原作では見ることが叶わなかったのですが、中はしっかりとしていて、人工的に住めるように作られています。
何ヵ所か道が別れていて、お部屋のようなところもいくつかありました。
「みなさん、ただいま戻りました。これより、Aクラスとしての行動を開始します」
有栖がAクラスメンバーに向かって話します。
「すでに私がDクラスで契約した内容は把握していると思いますので、月野栞さんの紹介を行います」
「みなさん、初めまして。Dクラスの月野栞です。
一週間という短い期間ですがAクラスの一員としてがんばりますので、よろしくお願いします」
『パチパチパチパチ』
久しぶりの自己紹介、上手くできた気がします。
今後のことを考えると、もしポイントでAクラスに上がるとなった時に私の印象が悪い状態で上がるのと、いい状態であがるのでは全然違いますし。
今回は有栖の顔を潰してしまうことにもなります。
ここは出来るだけ実力を発揮しておきましょう!
「今回の特別試験は栞さんを中心に活動を行いますので、栞さんの言うことには従ってください。ではさっそく栞さんから何か指示があればどうぞ」
えっ、いきなり!?
特にないんだけど、ん~……
「では手の空いている方は近くのスポットを探してください。スポットの位置はできる限り詳細に地図に記録してください。あと、この島には食べられる作物が多く備わっているはずですので、合わせて探索もお願いします。橋本くんと鬼頭くんを中心にメンバーを決めて行ってください。私はBクラスとCクラスの様子を見に行きます」
「わかったぜ、月野。こっちはまかせとけ」
橋本くんが言います。
「……」
鬼頭くんも、声には出しませんがうなずいています。
「うんっ、よろしくね!あっ、有栖はお留守番ね。神室さんで遊んでて?」
「えぇ、真澄さんで遊んでます」
「……ねぇ、あんたらわざとでしょ?」
こうして私たちAクラスは動き始めたのです
数時間後、Aクラスの洞くつを出発した私は原作知識と船から見た景色を頼りに、Bクラスの拠点へと向かっていました。
実は原作と同じであれば、Bクラスのリーダーって千尋ちゃんなんですよね……
今日はそれを確かめにいこうと思います。
「たしかこの辺りのはずなのですが……」
森の中を5分ほどうろうろした辺りで、Bクラスの拠点を発見しました。
私がBクラスへ顔を見せると、優しそうなピンク色のロングヘアーの女の子と、イケメンの男性が近づいてきました。
Bクラスの一之瀬帆波さんと神崎隆二くんです。
一之瀬さんは原作ヒロインの一人でBクラスの中心人物。
とっても優しい人でみんなに好かれています。
神崎くんはクール系イケメンでBクラスのサポート役です!
「こんにちは、月野栞です。ちょっと遊びに来ました!」
「こんにちは、一之瀬帆波だよ。なんか初めてな気がしなくて不思議だね、ずっと前から知り合いだった感じだよ!中間テストの時はありがとう。あの過去問のおかげで退学者も出さずに切り抜けられたよ」
「神崎隆二だ。挨拶が遅れてしまってすまない。一之瀬のいう通り、月野には感謝している」
えへへ~なんか照れちゃうなぁ……
過去問渡してよかったよぉ。
『どういたしまして、Bクラスは試験どんな感「栞ちゃん!!」』
私が話している途中で千尋ちゃんが抱きついてきました。
「千尋ちゃん、元気そうだねっ!」
「うん!会いたかったよぉ、栞ちゃん!」
「そうだ、千尋ちゃん。月野さんを案内してあげてよ。見せられる範囲でBクラスの様子を教えてあげて」
「あ、はい、一之瀬さん。栞ちゃんを案内してきます」
私は一之瀬さんと神崎くんに軽く頭をさげて、千尋ちゃんに連れていかれました。
「あ、あのね……栞ちゃん、大切な話があるから少しだけ誰もいないところにいっていい?」
「うんっ、いいよ」
きっとリーダーであることを教えてくれるのかな?
ちょっと悪いことをしてる気もするけど……
勝負は勝負!私も有栖みたいに割り切らないと!
「うんっ、ここじゃちょっと。人目のないところで、二人きりじゃないと……」
私と千尋ちゃんは森の中に入り、誰もいないことを確認しました。
「あのね……栞ちゃん私ね」
千尋ちゃんは私の手を両手で握ってから千尋ちゃんの胸に押し付けました。
「私ね、胸大きくなったの!」
ちがぁぁぁあう!!
今はそんなこと求めてないよ!?
リーダーの話どこいったの!?
「あっ、あと私ね、Bクラスのリーダーです!」
そー!それ大事っ!!なんでついでみたいになってるの!?
「あっ、そぉなんだ。千尋ちゃん教えてくれてありがとう!」
「う、うん……また教えるから!」
んっ?また教えるって……?
そういって千尋ちゃんは走ってBクラスへと戻って行きました。
こうして私たちは大きくなっていくのです
氏名 一之瀬帆波
クラス 1年B組
学籍番号 S01T004620
部活 無所属
誕生日 7月20日
評価
・学力B+
・知力A
・判断力B
・身体能力C
・協調性A-
担当官からのコメント
高校一年生の生徒としては非常に高い能力を持つ。同学年の葛城、坂柳などAクラスの生徒と変わらぬポテンシャルを持っていると推察するが、中学時代における長期間の欠席など不安視されるところもあるため、Bクラスへの配属とする。