転生先は大好きな世界でした   作:Monburan

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グループディスカッション

Dクラスの作戦会議を終えた私は1人で部屋に籠りこれからの準備を行ったあと、午後1時前に平田くんと桔梗ちゃんの3人で2階の竜の部屋へと足を踏み入れました。

 

 

部屋には椅子が人数分並べてあり、既にそれぞれクラス毎に固って座っていました。

 誰も一言も話さない沈黙の部屋で、私たちも椅子に座りグループディスカッションの開始の合図を待ちました。

 そして……

 

 

 

『これより1回目のグループディスカッションを開始します』

 

 

 

船内のスピーカーから簡潔で短いアナウンスが鳴り響きました。

 

 

『………』

 

 

誰も言葉を発しません。

 

有栖はにやにやとしています。

 葛城くんは腕を組んで目を瞑っています。

 西川さんは私を見ています……

 龍園くんは足を組ながら寝そべるように椅子に腰かけています。

 

 

そして私たちもずっと無言……

 

 

そんな均衡はBクラスにより破られました。

 

 

「……ふぅ、誰も話さないようなので俺から話をさせてもらおう」

 

Bクラスの神崎君が軽く息を吐き話し始めました。

 

「まずは自己紹介をするべきだと考えている。Bクラスから始めるので続いてもらいたい」

 

「ククク、なんだてめぇ。まさかこのグループで一番ザコなクラスが口を開くとはなあ」

 

「それはどういう意味だ龍園」

 

「はっ、そのままだ、一之瀬ならまだしも、金魚のフンに用はねえ」

 

「ならば勝手にしろ」

 

「神崎隆二だ」

「安藤紗代です」

「津辺仁美です」

 

最初の説明の時に必ず自己紹介を行うようにって言われてましたからね。

 

「坂柳有栖です」

「葛城康平だ」

「西川亮子です」

「的場信二だ」

 

「月野栞です」

「櫛田桔梗です」

「平田洋介です」

 

「龍園翔だ」

「小田拓海です」

「鈴木秀俊です」

「園田正志です」

 

何だかんだ言ってCクラスも自己紹介するんですよねぇ……

 さっきの威勢はなんだったのでしょう。

 龍園翔だ、ってよくこの空気で普通に言えましたね。

 ちょっと、有栖にやにやしないで……

 ププッ……あっ、話始まりそうです。

 

 

「自己紹介が終わったところで、神崎には悪いが

1つだけ言わせてもらおう」

 

葛城くんが話し始めます。

 

原作では、Aクラスは『話し合わない』という戦略をとってきます。

 あえて話し合わないことで裏切り者を出さずに、結果3や結果4によるクラスポイントの変動を防ぎ、結果2の各クラスが同じ量のプライベートポイントだけを手に入れて終了するというハッピーエンドを目指してきます。

 ただそれには問題があって、クラスポイントの変動がないので、Aクラスはいいのですが私たちB~Dクラスにとっては試験を一つ無駄に捨てるのと同意義なのです……

 

もちろん原作でもB~DクラスはAクラスの作戦を断り、なんとか優待者を見つけようとします。

 

結果、龍園くんがAクラスの優待者を狙い打ちしたり、高円寺くんが優待者を当てたり、綾小路くんの奇策でAクラスの人が優待者を間違ってメールすることにより、作戦は失敗してAクラスが大負けしちゃうんですけど……

 

 

「俺たちAクラスは今回の試験、話し合いをする気は一切ない」

 

 

やっぱり原作どおりですね……

 

「どういうことだ、葛城?」

 

神崎くんが尋ねます。

 

「そのままの意味だ。無駄な口論をして、裏切り者を作り結果3や結果4で終わるのはどのクラスにとってもリスクが大きい。話し合いをせずに結果2で試験を終え、全てのクラスにプライベートポイントが入ることが最良の結果だ」

 

神崎くんは考えています。

 

「葛城の話は理解した。だがそれは、優待者の数が多いクラスが圧倒的に特をするということだ。その辺りのことはどう説明する」

 

「クハハ、だからザコは黙ってろっつってんだ」

 

「龍園くん、そういう言い方はよくないですよ?」

 

私は会話に混ざります。

 

「神崎くん。今回の試験、優待者を決める説明やメールにはこう書かれていました。『厳正なる調整の結果』と、つまり葛城くんも龍園くんも、優待者はランダムではなく各クラスに同人数いると考えています」

 

「ふっ、わかったか神崎?もうだまれ」

 

神崎くんは口を閉じました。

 

「で、栞、お前は葛城の話をどう思ってんだ?」

 

 

 

「私は、いいえ……私たちDクラスは葛城くんの意見に賛成いたします。これから試験終了時までDクラスは話し合いに一切参加しません」

 

 

 

こうして私たちは一回目のグループディスカッションを始めたのです

 

 

 

 

「私は、いいえ……私たちDクラスは葛城くんの意見に賛成いたします。これから試験終了時までDクラスは話し合いに一切参加しません」

 

 

「あ?」

 

「てめえ、わかっていってんのか?」

 

昨日の作戦会議で平田くんがDクラスのみんなにやってもらいたいと言ったこと。

 それは、Aクラスが話し合いをしないという姿勢を見せたら、それに賛成すること。

 万が一、Aクラスからその話がない場合はこちらから無言を貫く提案をすること。

 また、不用意に他クラスとの接触をしないこと。

 

そして今、原作どおりAクラスが話し合いをしない姿勢を見せたことで、私たちはAクラスに賛同しました。

 

 

「私、争い事は嫌いなんです。みんなが仲良く平和な世界になってほしいんです」

 

「ちっ、おい、平田 てめえもなんとか言え」

 

「うん、龍園くん。僕たちDクラスはクラスポイントがなくなるリスクをとるより、間違いなくプライベートポイントをもらえる結果2を目指すよ」

 

龍園くんはなにか考えだし口を閉じてしまいました。

 その後は、どのクラスも沈黙のまま規定の一時間を終え、一回目のグループディスカッションは終了しました。

 

そしてグループディスカッションが終わったあと、私は葛城くんへと電話をかけました。

 

「葛城くん先程はお疲れ様でした。少しお話ししたいことがありますので、今からお伝えする、カラオケの個室まで来ていただけませんか?」

 

少しの間の後に葛城くんは答えました。

 

「わかった。今から向かう」

 

葛城くんはすぐに来てくれました。

 

「急に呼び出してしまってごめんなさい。今後の試験のことについて大切なお話があったんです」

 

葛城くんは腕を組みながらいいます。

 

「先程の話し合いでも伝えたがAクラスはこの試験において話し合いをする気はない」

 

「……それは残念です、ですがその気持ちは私がAクラスの優待者3人を全て知っていたとしても変わらないですか?」

 

葛城くんは疑わしい目で見てきます。

 

「試験が始まったばかりのこの状況でそんな言葉が通用すると思っているのか?」

 

「ふふっ、Aクラスの優待者は………の3人ですよね?」

 

私は葛城くんの近くまで歩みより、小声で3人の名前を言ってあげました。

 葛城くんは何も答えません。

 

「ふふっ、答えなくても結構です。まだ私はAクラスの優待者を当てるつもりはありません。そのための話し合いなのですから」

 

私はそのまま会話を続けます。

 

「それでは、こちらを見てください」

 

私はテーブルの上に2枚綴りの契約書を提示しました。

 

 

_________________________________

 

 

特別試験における契約条項

 

第1条

DクラスはAクラスの優待者を学校に告げない。

 

第2条

DクラスはAクラスの優待者名を誰にも告げない。

またこれには筆記も含む。

 

第3条

AクラスはDクラスが指定する2名を契約終了後にその場で学校に告げ、そのグループの試験を終了させる。

 

 

禁止事項

この契約内容は特別試験中に限り話すことを禁止する。

またこの契約に関与したものについても同様とする。

 

上記項目に違反した際は自主退学する。

 

_________________________________

 

 

葛城くんは数分間、目を瞑り腕を組んで考え出しました。

 私はそれを静かに待ちました。

 

 

 

「第3条の2名はDクラスの生徒か?」

 

 

 

「それは契約終了後にお伝えいたします」

 

少しの沈黙が流れます。

 

「Aクラスの3名……私はすぐにでも裏切り、当てることが出来ます。もしそうなればAクラスはおしまいですね」

 

また少しの沈黙が続き、葛城くんは諦めたようにゆっくりと目を開けました。

 

 

 

「わかった。契約しよう」

 

 

 

こうして私たちは話し合いを始めたのです

 

 

 




氏名 葛城康平

クラス 1年A組

学籍番号 S01T004706

部活 無所属
 
誕生日 8月29日

評価

・学力A

・知力A

・判断力B

・身体能力C

・協調性B-


担当官からのコメント

小、中学校と常にトップの成績を維持し、長年生徒会の一員として生徒をまとめ上げてきた実績を高く評価すると共に、将来的には当校の生徒会役員になることを期待したい。よってAクラスへの配属を決める。
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