船上試験を終わらせて私はようやく部屋で自由な時間を過ごしていました。
「長い1日でした……」
けど、早めに終わらせることができたので、この後は豪華客船を満喫できるんですっ。頑張った甲斐がありましたぁ。
あっ、そういえば優待者の法則についてですが今回は干支の順番と生徒の五十音順で決まってるんです。
例えば竜グループですと
①鼠②牛③虎④兎⑤竜⑥蛇⑦馬⑧羊⑨猿⑩鳥⑪犬⑫猪
竜は⑤番目になりますので
竜グループ
葛城康平 坂柳有栖
西川亮子 的場信二
安藤紗代 神崎隆二 津辺仁美
小田拓海 鈴木英俊 園田正志
龍園翔
櫛田桔梗 月野栞 平田洋介
①安藤紗代②小田拓海③葛城康平
④神崎隆二⑤櫛田桔梗
で、⑤の桔梗ちゃんが優待者という具合になりますっ。龍園くんにはこの法則をお伝えしました。
あとは……結果発表を待つばかりですね。
そして時は経ち、最終日の午後11時。1年生全員にメールが送られて来ました。
子(鼠)──裏切り者の正解により結果3とする。
丑(牛)──裏切り者の正解により結果3とする。
寅(虎)──裏切り者の正解により結果3とする。
卯(兎)──裏切り者の回答ミスにより結果4とする。
辰(竜)──裏切り者の回答ミスにより結果4とする。
巳(蛇)──裏切り者の正解により結果3とする。
午(馬)──裏切り者の回答ミスにより結果4とする。
未(羊)──裏切り者の正解により結果3とする。
申(猿)──裏切り者の正解により結果3とする。
酉(鳥)──裏切り者の正解により結果3とする。
戌(犬)──裏切り者の正解により結果3とする。
亥(猪)──裏切り者の正解により結果3とする。
『以上の結果から本試験におけるクラス及びプライベートポイントの増減は以下とする』
Aクラス
マイナス250クラスポイント
変動なし
Bクラス
マイナス150クラスポイント
変動なし
Cクラス
マイナス50クラスポイント
プラス150万プライベートポイント
Dクラス
プラス450クラスポイント
プラス450万プライベートポイント
「えぇぇぇぇぇ!?」
「つ、月野さんっ!こ、これって」
「栞、これはすごすぎっ」
「ぬいぐるみ取り放題だよ!?」
「うんっ、Dクラスの勝利だね!」
こうして私たちの船上試験は幕を閉じたのです
その日の夜、私は豪華客船のデッキで再び有栖と会っていました。
「栞さん、特別試験お疲れ様でした」
「うん。有栖もお疲れ様」
心地よい風が二人の間を吹き抜けます。
「試験初日に交わした契約お忘れではないですよね?」
「うんっ、覚えてるよ」
_________________________________
特別試験における契約条項
第1条
坂柳有栖は月野栞にAクラスの優待者を教える。
第2条
坂柳有栖は本試験においてAクラスまたは他クラスに対し一切の助言または意見を発しない。
第3条
月野栞は本試験において自らが得たプライベートポイントの半分を坂柳有栖に譲渡する。
禁止事項
本契約は坂柳有栖・月野栞が卒業または退学になるその日まで、2人だけの秘密とする。
契約を違反した際は相手の言うことを何でも1回聞くこととする。
_____________________________
……なんか、有栖の契約だけ禁止事項の感覚が違うんだけど、まぁいっか……
今回の試験でDクラスが得たプライベートポイントは450万
そのうち優待者の3人には50万プライベートポイントを渡すこととなっています。
そして私が契約で個人的に龍園くんからもらえる100万プライベートポイント。合わせて400万プライベートポイントが私の得たポイントです。
その半分の200万プライベートポイントを有栖に渡すことになります。
長い一日だった船上試験。
全てはこの契約から始まり、そしてこの契約で終わります。
「栞さんはなぜAクラスに上がりたいのですか?」
ふと、思い出したかのように、風に揺れる髪を触りながら有栖が聞いてきました。
「……私は、私が私であり続けるためにAクラスに上がりたいんだ」
私はなんて答えたらいいのかわからずに、そう答えました。
「そうですか……」
有栖は寂しそうな顔でそう返します。
私も気になってしまい、有栖に聞きました。
「有栖は……どうして?」
「私は……」
急に強い風が私たちの間を吹きぬけました。
その小さな声は風にさらわれ、私には届かなかったけれど……
月明かりに照らされた銀髪の少女は
妖艶な笑みを浮かべて囁きました。
「今夜は月が綺麗ですね」
こうして私たちは本当の夏休みを迎えるのです
船上試験終了時のクラスポイント
Aクラス 957クラスポイント
Bクラス 580クラスポイント
Cクラス 550クラスポイント
Dクラス 657クラスポイント