時は少し遡り本日は船上試験の2日目。
昨日、船上試験の全グループがメールを送り終わり、本日から4日目までは完全自由時間となりました。
そうと決まれば遊びに行くしかないです!
今日はどこに行きましょう……
出来れば豪華客船でしか体験できないところに行きたいです。
さっそく着替えてお出掛けしましょう。
「そういえば……」
私は歩きながら原作の出来事について思い出していました……
原作ではこんなに早くに試験は終わらなくて、まだ試験中の期間なんです。
その中で試験と同等くらいに大きく取り上げられていたのが軽井沢さんの事件でした。
原作によると、軽井沢さんは昔いじめられていた過去があり、そのトラウマを今でもずっと引きずっています。
入学当時にそのことを平田くんに告げて偽の彼女と彼氏の関係を続けることで、平田くんというクラスのリーダーに守られながら幅の利いた学校生活を送っているというのが今の現状です……
そんな軽井沢さんですが、この試験中に同じ兎グループであるCクラスの真鍋さんと口論になります。
綾小路くんはその火種を更に大きい物へと変えていき、ついに軽井沢さんは真鍋さんたちにリンチされてしまいます。
そこに綾小路くんが現れて、手を差しのべるという自演自作を講じて手駒にします。
確か……『股を開け』とか言っていじめたりしてましたね……
綾小路くんは軽井沢さんを『場を支配する力と主導権を握る術』を持っている人物だ、と絶賛好評中なのです
そして気がつけば平田くんと別れてヒロインの座を……
という軽井沢さんなのですが、ただ原作から少し離れてしまったので上手くいってるか心配ですね……
それに、こんな広い船内で見つけるのはむ『だよねぇ、早く終わってよかったぁー』あ、いました。
「あっ、月野さんじゃん!一人なの?一緒に遊ばない?」
……あっ、これ絶対上手く行ってないです。
元気すぎますもん……
綾小路くんなにしてるんだろう。
仕方ないので少し様子を見てみましょう。
「うんっ、あそぶ!ちょうど暇してたんだぁ」
「よかったぁ、なんか月野さんっていつ誘っても断られるし、私たち距離おかれてるのなぁって、ねぇ佐藤さん」
「あーけど私はたまに話したりするからさ、軽井沢さんほどじゃないかも」
「え、やっぱ距離おかれてたの、わたし」
……あっ、会話に入らないとどんどん話が進んでいく。
「ち、ちがう。好きだよ!!」
「そっ、それはちょっと……困るっていうか、ほら、わたし平田くんと付き合ってるわけだし」
軽井沢さんは髪をくるくるしながら照れてました。
どうやら言葉を間違えてしまったようです……
無駄に振られました。
そして私たちは他愛のないお話をしたりお昼を食べて解散しました。
解散後……
私は軽井沢さんが今後どうなるのか気になってあとをつけていました。
すると前から真鍋さんが歩いてきました。
やっとイベント発生ですね。
「あっ、軽井沢さんだ。ちょっといいかな?昨日の話の続きなんだけど」
「なに?私は話とかないんだけど」
「そっちになくてもこっちにはあるの。あんたがリカのこと突き飛ばしたのは知ってるんだから、ちゃんとリカに謝ってよ」
そういえば原作で軽井沢さんがリンチにあった原因も、元々はCクラスのリカちゃんて子を軽井沢さんが突き飛ばしたことが要因でしたね……
「だから私はリカなんて人知らないから、もういい?」
「じゃぁここで待っててよ、今リカ連れてくるから」
「だからそんな人知らないってなんども」
「あっ、リカ!」
えっ、ここで本人登場!?軽井沢さん終わったよ……
「ねぇ、リカ。リカのこと突き飛ばしたのってこの人でしょ?」
「う、うん。そう……」
「な、なによ、だったらなんなのよ!?」
「ちゃんとリカに謝って、そうしたら私たちも許すから」
「なんで私が謝んなきゃいけないのよ、そのリカって子がどんくさかっただけだし……」
もう恐ろしくて見てられなくなってきました……
まぁ、見るんですけどっ。
「もう許せない、ちょっとこっちきな!」
軽井沢さんは非常階段に連れていかれました。
原作ではこんな感じのところを綾小路くんと幸村くんに見られて、更に後日、船の最下層でリンチを受けて終わるはずなのですが……
綾小路くんと幸村くんはどこに?
「はぁ、はぁ……」
「今さら女の子ぶっても許さないんだから!」
真鍋さんが軽井沢さんの髪を掴みながら言います。
けどやっぱり原作と少し状況が違いますね……
原作だとここにはリカちゃんがいませんでしたし、それにリカちゃんもなんか乗り気ですし
「ふふっ、フフッ、アハッ!」
「リカどうする、いっそズタズタに切り刻んじゃう?」
「や、やめ……やめて」
綾小路くんと幸村くんも来なそうですしそろそろ助けに行きましょう……
そしてこの件だけで軽井沢さん事件は終わらせてしまいましょう。
私は非常階段の扉をあけて中に入りました。
「ねぇ、なにやってるの?」
3人がこっちを見ます。
「つ、月野さん、これは。軽井沢さんがリカをいじめたから……」
「そぉなんだ。けどそれにしてもやり過ぎなんじゃないかな?」
「も、もう終わったから。リカ、行こっ」
「う、うん……」
二人は走って去っていきました。
さて、どうしましょう……
ここまで来たら私が綾小路くん役をやるしかありませんね、仕方ありません。
私は座り込んで泣いている軽井沢さんに近づきます。
「月野さん、あいつらに仕返ししてよ。月野さんならできるよね?」
「軽井沢さん、そんなことだからずっとあなたは虐められっ子なんですよ?」
「……っな、どうしてそのことを知って」
「見ていたらわかりますっ、いつもあなたは平田くんに住み着くただの寄生虫。一人では怖くてなにもできない。だから今もこうやって泣いて、誰かに助けてもらうことしかできない」
「な、なによ、なんでそんな偉そうに言われなきゃいけないのよ!」
私は座りこんでいる軽井沢さんに歩いて近づいていきます。
「な、なによ、来ないでっ!」
「逃げないでください、逃げたら今すぐこの事を学校中に言いふらします。あなたが虐められっ子だという、今まで隠してきた軽井沢さんの秘密を」
「……うっ、ぐっ……ぅぅ」
うぅ、罪悪感がすごいです。
軽井沢さんの覚醒のためとはいえ、目の前で泣いてる子をいじめるのは精神的につらいですっ……
けどあと少しです、あと少しで終わります。
「な、なによっ。私になにを要求したいのよ……」
ここですね、綾小路くんのあの言葉……
ぐっ、がんばります……軽井沢さんのためです。
「ま、股をひりゃけ」
にゃぁぁぁぁ!? 噛みまひたっ
た、たしかここでズボンのベルトをカチャカチャしなくてはいけません……!!
あれっ、これ以上は物理的に無理なのでは……
軽井沢さんがゆっくりと膝を曲げて足を広げます……
「うっ……へ、へんたい」
ぐっ、なにも言い返せません……
「けど、別にいい。こうやって力でねじ伏せられるのは初めてじゃないから……」
まって、私なにもしてないよ!!
力使ってないよ!?
「は、はやく、してよ。恥ずかしいんだから……そ、そんなに私のが見たかったの……?」
あっ、これはもうまずい気がします。
はやく終わらせないと……
「えっと、これからは私も軽井沢さんのこと守ってあげるから……ね?」
「えっ?う、うん。ありがとう……」
こうして私たちは覚醒していくのです
氏名 軽井沢恵
クラス 1年D組
学籍番号 S01T004718
部活 無所属
誕生日 3月8日
評価
・学力D-
・知力D-
・判断力C-
・身体能力D
・協調性E+
担当官からのコメント
全ての面において一定以下の成績であるものの、基本の能力だけでは計れない求心力のようなものを持った生徒で、小学校中学校とクラスの中心人物として活動。やや強気な性格で嫌うものも多いが、それがグループの秩序をもたらしていたと推測される。