転生先は大好きな世界でした   作:Monburan

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水は大切に

「……月野、お前はやりすぎた。軽井沢に干渉したのは間違いだったな」

 

「えっ、ちょっと待って、綾小路くん」

 

「もう手遅れだ、何もかも全てな。俺もお前もこれで退学だ、一緒にホワイトルームへ行こう」

 

 

 

 

 

「にゃっ!?」

 

「ゆ、夢ですか。ホワイトルーム、行きたくないよぉ……」

 

 

船上試験が終わってから数日、私は短い夏休みを思う存分満喫していました。そして今日も───

 

「あぁ~まさか朝からあんな夢で起こされるなんてっ……」

 

 

私は買い物のため、大型ショッピングモールへと出掛けておりました。

 

 

それにしても『ホワイトルーム』ですか……

 ホワイトルーム、綾小路くんが育った場所です。

 そもそも原作によると、ホワイトルームとは綾小路くんのお父さんが作った教育機関で、何も持たない凡人が天才を越えるための教育を行う施設だそうです。

 

ホワイトルームでの教育は学力面はもちろんのこと、武術や護身術などの運動面からチェスやピアノ・書道・茶道などの文化的で芸術的なものまで様々な教育が行われているらしいです。

 そしてこのホワイトルームで生き残った最高傑作。それが綾小路清隆くんである、と原作では説明されています。

 

綾小路くんがこの学校に入学したのもホワイトルームの干渉から逃げだすためで、退学などによりホワイトルームへ戻ることを避けようとしています。

 その影響もあり彼は事なかれ主義を主張し、目立った行動をとらないようにしているわけなのですが……

 

 

「やっぱり軽井沢さんのイベントを私がやっちゃったのはダメだったかなぁ……」 

 

 

軽井沢さんがいないと綾小路くんの戦略も大きく変わってくると思うんですよねぇ、あの夢が正夢にならないことを願いましょう。

 

 

それはさておき。

 

「とうちゃく!」

 

ふふっ、実は私、今お金持ちなんですっ。

 先日の試験で200万ポイントも手に入ったので使い放題です!

 えっ?Aクラスに上がるために必要だから程ほどにしとけって?

 ま、まぁ……そういう考え方もありますね。

 は、半分くらいは残しておきましょう……

 

 

私は服や家電や日用品、盗聴機や盗撮機など色々なものを物色していました。そして……

 

 

『あっ……』

 

 

偶然出くわした私と彼女の声は同時に上がりました。

 

「つ、月野さんこんにちは~」

 

「か、軽井沢さんもこんにちわ~」

 

 

 

こうして私たちの休日は始まるのです

 

 

 

気がつくとなぜか私は軽井沢さんと一緒に歩いていました。

 

「ねぇ、今回の試験って月野さんの作戦で勝てたんだよね?」

 

「んっ?うんっ、けど作戦を考えたのは私だけど平田くんとかみんなの行動があっての結果だよ」

 

軽井沢さんは「そぉなんだ~」と小声で言いながら髪を指でくるくるさせています。

 

「そ、それでさ。守ってくれるって話なんだけど、あれってホント?」

 

「うんっ、ホントだよ?」

 

「そ、そっか、ふぅん。じゃぁさ、平田くんとは別れた方がいいのかな?」

 

「えっ、なんで?今のままでいいと思うけど?」

 

「あっ、そ、そーだよね。じゃぁそろそろ私行くね~。またね、月野さん」

 

軽井沢さんは早足で帰っていきました。

 忙しい人ですね……

 私もそろそろ寮に戻ろうかなぁ、あっ、そうだ 今日は……

 

 

私はいつもより多めにお水を購入して部屋に戻りました。

 

 

原作によると本日の夜18時から翌日12時まで、水道局のトラブルで断水になるはずなんですよねぇ。

 

そしてなぜか堀北さんが水筒の中に腕を入れて抜けなくなってしまいます。

 石鹸を腕に流し込んで抜こうと考えるのですが断水で水がないのでそれも出来ず、自販機の水も売り切れ。

 コンビニに買いに行くのに腕に水筒をつけた水筒マンとして歩くのは無理と言うことになり、結局助けに呼んだ綾小路くんが佐倉さんに水をもらって堀北さんを助けるっていうイベントです。

 面白そうなので後で水をもって助けに行きましょう。

 

 

 

そして夜21時……

 

私は水のペットボトルを数本持ち、堀北さんの部屋をノックします、少し経つと堀北さんがドアを少しだけ開けてこちらを覗いて来ました。

 

「月野さん?ごめんなさい、ちょっと今立て込んでいるの。急ぎの用でないのならまた後日にしてくれないかしら?」

 

「急に断水になっちゃったから、水に困ってるんじゃないかなって思って持ってきたんだけどいらなかったかなっ?」

 

私はペットボトルをちらちらと見せます。

 

「待ってたわ、月野さん。あなたなら来てくれると信じてたわ。さぁ、上がって!」

 

「あっ、綾小路くんもいたんだね」

 

「あぁ、そこの水筒マンに呼ばれてな」

 

私はちらっと堀北さんを見ました。

 堀北さんの腕には水筒がぶら下がっています

 

 

「ププッ……」

 

 

私はいけないと思いながらも笑ってしまいました。

 私の背中には空気砲が突きつけられ「打つわよ?」と脅されたのですぐに手をあげて謝りました。

 

 

私と堀北さんは台所に移動して、ペットボトルの水を流しながら堀北さんの水筒を腕から取って、後ろにいる綾小路くんに渡しました。

 

「それにしても、どうやったら水筒が腕にはまったりするんだろうな、あっ……」

 

「それは言わないで、綾小路くん。月野さん、ありがとう。助かったわ」

 

「どういたしまして」

 

「あなたもありがとう、綾小路くん。役には立たなかったけれど」

 

 

私と堀北さんは水筒が取れたことに喜んで綾小路くんに振り返ると、綾小路くんの腕には水筒がぶら下がっていました。

 

 

 

こうして私たちは水を大切にするのです

 

 

 

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