転生先は大好きな世界でした   作:Monburan

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体育祭のリーダー

他クラスとの顔合わせも終わり教室に戻った私たちBクラスは、1ヶ月後に控える体育祭に向けて準備を始めようとしていました。

 

「みんないいかな?先生の説明やプリントを見てもらった通り、体育祭は特別試験と明記はされていないけど全力で取り組まなければいけない行事だと思っている。まずは誰がリーダーとしてみんなを引っ張っていくか決めたいと思うんだけどどうかな?」

 

「なぜだ?平田でいいんじゃないのか?」

 

「幸村くん、今回は体育祭だ。今までは希望者がいなかったこともあって僕が進行役をさせてもらっていたけど、体育祭についてはよりチームを引っ張ってくれるリーダーが必要だと考えているんだ」

 

幸村くんの至極当然な疑問に平田くんは自分の意見を返します。

 

「なるほどな、確かに体育祭ともなれば運動能力のより高い人物が適任だろう」

 

「うん、それに今回は男女別の種目もあるし男女一人ずつリーダーが欲しいところなんだけど、誰か立候補してくれる人はいないかな?」

 

静まり返った教室内をみんなが見回しています、やっぱり立候補する人はいな……「俺がやる!」

 

「須藤くんありがとう、みんなも須藤くんがリーダーでいいかな?」

 

「えっ?須藤くんがやるの?」

「けどうちら女子だし関係ないんじゃない?」

 

須藤くんの立候補に反対の人も多いようですね……

 

「なっ、おい、健!朝からお前おかしいぞ、悪いもんでも食ったのか!?」

 

「春樹、違うんだ。俺は夏休み中に学んだんだ。チームプレーの大切さ……ってやつをな」

 

それ、漫画じゃないですよね?漫画読んでただけじゃないですよね!?

 

「まぁ、いいんじゃねーの」

 

「うんうん。本人やる気みたいだしっ」

 

須藤くんの言葉を聞いて周りから少しずつ賛成の声が増えてきました。

 

「……彼、本当に大丈夫なのかしら」

 

堀北さんは心配しているようです。

 

「須藤くんもこう言ってくれてるし、僕は須藤くんに任せたいと思うんだ。みんなもいいかな?」

 

どうやら平田くんの一言で男子のリーダーは須藤くんに決まったようですね。

 

「じゃぁ次に女子のリーダーなんだけど立候補してくれる人はいないかな?」

 

数人が一番後ろの席にいる私に振り返ります。

 や、やめてっ!?

 今回はどんな展開になるかわからないので、遠くから客観的に観測したいんですっ。

 

「私がやるわ」

 

そんな私の心の声が聞こえたのか目の前の堀北さんが手を上げてくれます。

 

「じゃぁ女子のリーダーは堀北さんにお願いするね!みんなもいいかな?」

 

「いいんじゃない?」

「堀北さんがんばってー」

 

女子のリーダーはあっさり決まりましたね。

 堀北さんは順調にクラス内での支持を集めつつあるようです。

 平田くんが自分の席に座ると堀北さんと須藤くんが黒板の前まで歩いていきました。

 

 

「それでは改めて体育祭についての話し合いを進めていくわ、まず最初に全員参加の競技で誰がどの順番に走るかと言うのを決めるわ」

 

 

「なら、くじ引きとかでいいんじゃね?」

 

「待て、山内、そう安易なものじゃない。効率的に勝つためにも運動能力の高い選手を他クラスの弱い選手と当てるようにするべきだ」

 

堀北さんの言葉をきっかけにどんどん意見が上がっていきます。

 

「山内くんの話も一理あるとは思うわ。ただ今回は幸村くんの言うように勝利を重視した編成で望みたいと思うの」

 

「は~い、堀北さん、それだと運動苦手な人は不利じゃない?強い人に当てられるってことでしょ?」

 

「そうだよー軽井沢さんの言う通りだよー!」

 

「それに総合成績下位10名に入ったらペナルティもあるわけだし、平等じゃないと思うんだよね~」

 

「そうだ、そうだー!」

 

軽井沢さんの言葉に運動が苦手なクラスメイトがどんどん賛同して行きます。

 

「もちろんペナルティについては最低限回避できるように組み合わせを調整するつもりよ。ただ、クラスの勝利を何よりも最優先にするべきだわ」

 

話は平行線でお互いに引くことなく続いていきます。

 

 

「いい加減にしろ!」

 

 

急に須藤くんが声を出したのでみんなが注目します。

 

 

「俺は堀北の意見に賛成だ、勝たなきゃ意味がねぇ!だがそれが平等じゃないことはわかった、なら俺に強いやつを当てろ!俺が全員なぎ倒して勝ってやる!!」

 

……えっ、須藤くん。いつの間にこんなかっこよくなったんですか?

 みんなびっくりですよ。

 須藤くんの言葉によって争いは収まり、全員参加の競技は、勝つために編成しながらもペナルティにならないような組み合わせで行くことに決まりました。

 

「では次の話に移るわ、次は推薦参加の競技なんだけれど、これは私が出るわ。他にも運動能力の高い人には参加してもらうわ」

 

「もちろん俺は全部出場するぜ」

 

堀北さんと須藤くんは、始めから参加する気だったみたいですね。

 

「……後は、月野さんも全部お願いするわ」

 

「うんっ、わかったよ!」

 

他にもサッカー部の平田くんや水泳部の小野寺さんなど運動に自信のあるメンバーがどんどん決まっていきます。

 

 

「……ふぅ、一通りは決まったわね。あとは明日からの体育の授業で二人三脚のメンバー決めと四方綱引きのための握力測定、各競技の練習をしていくわ。参加表の作成については提出期限の体育祭一週間前にCクラスと組み合わせの調整をしてから、決まり次第みんなに配布して確認してもらうわ」

 

「オッケ~」

「栞ちゃんと二人三脚……」

「堀北さんお疲れー」

「あ~明日から運動かよぉ……」

 

 

各々がそれぞれの思いを抱きながらも、明日から1ヶ月間に渡る体育祭への取り組みが、本格的に始まろうとしていました。

 

 

 

こうして私たちは体育祭へ向かって走り出したのです

 

 

 

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