『1年生女子騎馬戦』
騎馬戦のルールは男女共に同じで、時間制限方式。3分間の間に落とした敵の騎馬と、残っていた仲間騎馬の数に応じて点数が入る仕組みです。
それぞれのクラスから4つの騎馬が選出され8対8での戦いとなります。1騎馬につき50点。そしてクラス毎に1騎馬だけ大将騎馬が存在し、100点を保持しています。
この点数は生き残ることによっても相手のハチマキをとったことによっても、どちらでも同等の点数が入ります。
私たちのチームは大将が私。
そして鈴音と桔梗ちゃんと軽井沢さんです。
味方のCクラスには大将に一之瀬さん。そして千尋ちゃん、網倉麻子ちゃん、安藤 紗代ちゃんです。それに対して敵のAクラスは大将に神室さん。Dクラスは大将に伊吹さんがいます。
……そして、なぜかひよりちゃんがいますね。
ひよりちゃん運動苦手なはずじゃ……
とりあえずひよりちゃんのことは後で考えましょう。まずは……
「よしっ、みんな準備はいいかなっ?」
「えぇ、栞。いつでもいけるわ」
「堀北さん、栞ちゃんを気安く呼ぶのはどうかと思うんだけどっ……」
「月野さんこっちはオッケー……ってなんで睨み合ってるの、この二人」
「栞ちゃんは私が守ります!」
「ねぇ、全然準備良くないじゃん!? あと千尋ちゃんはどうしてここにいるの? 一之瀬さんを守るんだよ!」
「あはは~なんか千尋ちゃんはそっちが良いみたいだから月野さん、千尋ちゃんはまかせたねぇ」
「えっ、一之瀬さんいいのっ? 騎馬減っちゃうし、誰か交換する?」
「そうね、串田さんと交換がいいと思うわ」
鈴音っ!! 漢字に悪意ありすぎるよ!?
「は? なんで私が栞ちゃんから離れなきゃなんないのよ、あんたが行きなさいよ」
桔梗ちゃん顔っ! 顔っっ!?
「と、とりあえず、そろそろ騎馬戦始まるから。作戦通り行こうっ! 一之瀬さんごめんねっ、千尋ちゃんは借りてくね」
「うん、お互いに頑張ろうね!」
『それでは1年女子騎馬戦開始』
学校からのアナウンスが流れて私たちは動き始めます。作戦ではとりあえずAクラスを強襲して主導権を得るという話だったので全員でAクラスに突撃します!
「Aクラスに突撃!!」
私たちは全軍一斉にAクラスへ向かいます。
「なにあいつら、全員でこっちにくるよ!?」
「落ちついて、とりあえずここで待機。Dクラスが助けに来たら挟み撃ちにするから」
「神室さんわかったよ!」
Aクラスは神室さんの指示ですぐに落ち着きを取り戻したようですね……
DクラスもAクラスを助けに動いてますし、いきなり乱戦になりそうです。
「みんな、たぶんすぐ乱戦になるから挟み込まれないように気をつけてね。後そこの二人! ハチマキの取り合いするのやめてくれる!? 味方だから!!」
「月野さん、Dクラスの方が先にAクラスにつきそう。どうするの?」
「このまま突っ込むよ軽井沢さん。私がどんどんハチマキを取っていくから左右を千尋ちゃんと軽井沢さんで守ってくれるかなっ?」
「わかった!」
「はい、栞ちゃん!」
「月野さんが大将でしょ? 100点いただきっ!」
Aクラスの子が手を伸ばしてきます。
「そう簡単にはいかないよ!」
私は交わしてから身体能力強化様の高速の右手でハチマキを奪います。
「とったぁ!!」
「嘘ぉ、とられたぁ……」
「さすが栞ちゃん!」
「千尋ちゃん、左っ、左から来てるよ!?」
Aクラスの騎馬が千尋ちゃんに迫ってきます。
「え、えぇ!?」
「甘いわね」
鈴音がすかさずAクラスと千尋ちゃんの間に入り込みAクラスと対当します。
「ナイス鈴音っ!」
「栞ちゃん私も誉めてっ!」
そのAクラスの騎馬に桔梗ちゃんが回り込み後ろからハチマキをとりましたっ。
「桔梗ちゃんすごい! えらいっ!」
わ、我が軍は圧倒的ではないか!?
そんなことをしているといつの間にかCクラスの伊吹さんの大将騎馬と神室さんの大将騎馬が接触して落馬していました。神室さんは足を引きずって退場していきます。
可哀想ですがこれは勝機ですね!
「みんな今がチャンスだよ! 2人で囲んで1つの騎馬を相手にして!!」
一之瀬さんたちもみんな無事だし、これで8対4。
かなり有利だよっ!
「栞ちゃん私も取りました! 誉めてください!」
「千尋ちゃんえらいっ!」
「ね、ねぇ、月野さん。私も取ったんだけど……なんかないわけ?」
「軽井沢さんえらいっ!」
「月野さん、こっちもとれたよぉ。あと敵は一人だよ!」
「一之瀬さんえらいっ!」
って、間違えたあああ!!
勢いで一之瀬さんも誉めちゃったよ!?
「あはは~ありがとう」
「し、栞ちゃん!? み、見てください。最後の一人って……」
「んっ、どうしたの? 千尋ちゃ……」
「ふふっ、栞ちゃん。奪いに来ましたよぉ?」
ラスボス残ってたあああああ!?
「……まさか、ひよりちゃんが最後の一人なんて」
「栞、彼女は何者? 何かとてつもないオーラを感じるわ」
そんなことを言い合っていると桔梗ちゃんが動き始めていました。
「椎名さん、悪く思わないでねっ。ハチマキは貰うよっ!」
ひよりちゃんはそれをヒラリと交わして桔梗ちゃんのハチマキを取りますっ。
「うそっ!?」
「櫛田さん、残念です。どうやら私のほうが強かったみたいですね」
これはまずいです、みんなで囲まないと!?
「みんな気をつけてっ! 4人で囲んで!!」
「椎名さん覚悟してください!」
「椎名さんと言うのね……悪いけど負ける気はないわ」
「一之瀬さんと月野さんは大将なのでここに残っていてください、私が行きます」
「うん、麻子ちゃんまかせたね」
「じゃぁ私も囲んでくるね~月野さん」
「軽井沢さん気をつけてね」
鈴音、千尋ちゃん、網倉さん、軽井沢さんの4人でひよりちゃんを囲い込みました……
これで大丈夫でしょう。ひよりちゃんの背後から千尋ちゃんがハチマキを取りに行きました。
「えぃっ!」
「ヒラッ」
「えっ?」
「白波さん、援護するわ」
「ヒラッ」
「とれない!?」
「ちょっと!? 二人がかりでなにしてんのよ! それっ!」
「ヒラッ」
ヒラヒラしてるうううう!?
その様はまるで蝶のよう……
って、全然とれてないよ!?
こ、これは……
「み、みんな退却! 全軍退却だよぉ!! あと30秒くらいで時間切れだから逃げるよっ!」
そして……
『1年女子騎馬戦終了』
『か、勝った……』
そして男子の騎馬戦もつつがなく終了し、私たち1年生が残す全員参加競技は全員参加種目最後の200メートル走だけとなりました。
2.3年生の騎馬戦が終わるまで時間がありますね、その後に休憩もありますし……
「桔梗ちゃん、ちょっとお散歩してくるね」
私は近くにいた桔梗ちゃんに席を外すことを伝えて歩き始めます。その後、自分の200メートル走の順番になる頃ぎりぎりに戻ってきていつも通り1位でゴールしました。
そして午前中の競技を終えた私たちは、お昼休みを経て推薦競技へと進んでいくのです。
こうして私たちは騎馬戦を生き延びたのです