転生先は大好きな世界でした   作:Monburan

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テスト期間の始まり

 新生徒会長に南雲会長が就任してから数日後、私たちBクラスは今日もダラダラと過ごしていました。

 どうやら体育祭での頑張り過ぎた反動が今になってやってきたようですね。

 Bクラスは燃費が悪いのです。

 しかしずっと遊んでばかりいる訳にも行きません。来週には中間テストも控えていますし、それが終わればすぐに期末試験が待っています……

 2学期はテスト期間が続くのです。

 

 それに期末試験では桔梗ちゃんがどう動くのか目を光らせておかなくては行けませんしね……

 私が先日の出来事を思い出して桔梗ちゃんの方をチラッと見ると、まるで何もなかったかのようにいつも通りの笑顔で手を振ってきます。

 そして私も手を振り返してそれに答えます。

 

 

「ねぇ栞、中間テストの事で相談があるのだけどいいかしら」

 

「ん? なにかな?」

 

 桔梗ちゃんに手を振っていると、鈴音が斜め後ろの席に座っている私へと声をかけてきました。

 

「前回の中間テストと同じように今回も勉強会を開こうと思っているの、栞にもまた教える側で参加して貰うからよろしくね」

 

 それって相談じゃなく決定事項では……

 それにしても平田くんからではなく、鈴音から勉強会の話がくるなんて積極的になりましたね。Aクラスとのポイント差も迫ってきていますし、鈴音の本気度が伺えます。

 私が了承の声を上げようとすると、珍しく私の前の席の住人から声が聞こえました。

 

「堀北と月野って最近仲良いよな」

 

「綾小路くんも友達は作った方がいいわよ? まぁ、あなたがシングルライフを満喫したいと言うのならば強要はしないけれど」

 

「この前までシングルライフの筆頭だったやつがよく言うな……」

 

 綾小路くんが呆れた顔で言い返します。

 この二人って原作でもそうですけど、なんだかんだ仲良いと思うんですよねぇ。そういえば、佐藤さんが綾小路くんと仲良くなる確率を少しでも上げなくてはいけません、軽くジャブを打っておきましょう。

 

「そうだよ綾小路くん、もう2学期なんだし女の子の友達とか作った方がいいと思うよっ」

 

「そうかもしれないが、すぐにどうこうなるものでもないしなぁ……」

 

 綾小路くんが上を向きながらため息を吐くように言います。そんな綾小路くんに釘を刺すように冷たい視線で鈴音が睨んでいます。

 

「栞はダメよ、私専用だから」

 

「……だそうだ、月野」

 

 私じゃなくて佐藤さんを推したいんですけど……

 あと専用になった記憶はありません、きっと誤解です。佐藤さんの為にも、もっと情報を入手したいですね……

 

「綾小路くんはどんな人が好きなの?」

 

 私の質問に鈴音は興味なさそうな顔をしながらも聞き耳を立てています。

 

「……なんか答えにくいな」

 

「答えにくいような特殊な性癖ってこと?」

 

「だからシングルライフなのよ」

 

「いや、そうじゃなくて……って、なんで性癖の話になってるんだ」

 

 私たちの早く答えろと言わんばかりの視線に綾小路くんは悩みに悩んで、ついに好きなタイプを教えてくれました。

 

「……元気系とか?」

 

『ふ~ん』

 

「なぁ、せっかく答えたのにもう少し反応ないのか」

 

 どうやら私たちの塩対応に納得できないらしく、綾小路くんは不満な表情で感想を催促してきます。

 

「だって元気系とか全然当てにならないよぉ、もっと具体的に教えて欲しかったのに」

 

「元気が取り柄だけの女なんてろくな女じゃないわ、大方テストで赤点をとって退学するのが落ちよ」

 

「オレが比較的、静かなタイプってこともあるから逆に牽引してくれるような子がいいと思ったんだけど……」

 

 元気系かぁ、けどそれなら佐藤さんもアリじゃないかな? 結構積極的だし、元気系かって言われると微妙ですがどちらかというと元気ですし。

 そんな会話をしていると教室のドアが開き、茶柱先生が入ってきました。

 

「よし、席に着け。朝のホームルームを始める」

 

 先生の声に私たちは私語を止めて姿勢を正し前を向きます、聞く体勢が整ったことを確認した茶柱先生が頷き、話を始めました。

 

「お前らも知っての通り、来週には中間テストが控えている。前回同様、赤点は退学だ。体育祭での疲れもあるかもしれんがそれはどこのクラスも同じ、しっかりと勉強しテストに臨むように」

 

「佐枝ちゃん先生、任せてくださいって、俺らはもうBクラスなんですから!」

 

 池くんの言葉に私たちは頷き、茶柱先生はどこか安心したように笑いました。

 

「ふっ、そうか。ならば余計なお世話だったかもしれんな。それでも油断は大敵だ、各自しっかり準備しておくことだ」

 

 突きつけられたテストが近いという現実に、Bクラスは愚痴をこぼしながらも立ち向かう姿勢を見せます。中間テストを越えて期末試験へ。

 私たちの勉強会がまた始まろうとしていました。

 

 

 

 

「じゃぁみんな、今日からさっそく勉強会を始めて行こうと思うんだ。今回の勉強会も前回と同じで数人単位で活動しようと思う、僕と櫛田さんと月野さん、それに堀北さんと幸村くんが教えるからみんなで頑張ろう」

 

 その日の放課後、さっそくBクラスは勉強会の組分けを行いました。今回は男子は男子、女子は女子で教え合うことに決まり放課後の教室で私は軽井沢さんと佐藤さん、そして心ちゃんとみーちゃんを教えています。

 みーちゃんは基本的に勉強が得意なので参加しなくてもいいのですが、心ちゃんを置いて一人で帰るのも寂しいらしく一緒に残るようです。

 

「みーちゃんテスト終わったぁ?」

 

「終わったよ、満点だよ!」

 

「みーちゃんすごい、ご褒美にかつおぶしあげるねぇ」

 

「わぁい! って、猫じゃないよ!?」

 

 私の勉強会では簡単な小テストを実施してみんなの実力を計っていました。

 

「栞ぃ、これ読めないよぉ」

 

「心ちゃんこれは英語だよ、日本語に訳すんだよ?」

 

「勉強は無理ぃ」

 

 心ちゃんが机にうなだれています。

 女子の中でも心ちゃんは一番を競うくらいに勉強が苦手ですからねぇ。なんとか赤点を回避できるくらいにまでは頑張ってほしいのですが……

 

「あのね月野さん、私も英語が苦手でさ」

 

 問題を解く手を止めた佐藤さんを見ると、まだ半分以上が空欄の状態でした。

 これは教えがいがありそうですね。

 

「軽井沢さんはどうかなっ?」

 

「私もちょっとこれ以上は無理そう」

 

 軽井沢さんの答案も、3人の中では一番出来てはいますが正解は4割ほど……

 英語はみーちゃんにも先生をお願いした方が良さそうですね。

 

「まだ一週間あるし大丈夫だよっ、中間テストは5教科だけだし明日から死ぬ気でやれば間に合うから!」

 

『えぇぇぇぇ~』

 

「えぇぇぇぇ~じゃありません、明日からは厳しく行くからね!」

 

「うぅ、死ぬぅ」

「……私まだ死にたくないよ」

「井の頭さん、佐藤さん、一緒にがんばろっか。私たちの命は月野さんに握られたみたいだし」

「……もぐもぐ」

 

 なんで私が悪者みたいになってるの!? 

 3人が慈悲を唱えるように私を見つめてきます。

 しかし負けるわけにはいきません、とりあえず先ほど決めた予定を話しておきましょう。

 

「とりあえず明日は今日と同じで放課後に学校で勉強会だよっ、それで次の日からは週末だから……」

 

 私の言葉に3人が口を揃えて聞き返します。

 

『週末だから……?』

 

「土曜か日曜のどっちか一つは私の部屋で1日中お勉強だよっ!」

 

『パタッ……』

 

「もぐもぐ……」

 

 机の上に崩れ落ちた3人を見ながら、私は中間テストに向けて週末の予定を考えるのでした。

 

 

「あっ、みーちゃんもだよ?」

 

「……みぃ!?」

 

 

 

 こうして私たちのテスト期間がまた訪れるのです

 

 

 

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