動き始めるDクラス
とうとうこの日が来ました……
本日5月1日、各クラスのクラスポイントが発表される日です。
原作ではDクラスは0ポイント、圧倒的な強さを見せつけてぶっちぎりの最下位でした。
でもラノベ世界ならまだしも現実で直面するとポイント0はちょっときついです……
生活的にも、Aクラスに上がるためにも100くらいは残っていてほしいなぁ……
そんな淡い希望を抱きながら私は自分のプライベートポイントを確認します。
ちなみに昨日まで58万6200ポイントでした……お願いします、増えててください!せめて60万越えてくださいっ!!
私は目をつぶりながら祈りを込めてゆっくりと目をあけます……
プライベートポイント
【58万6200】
「ダメだこのクラス、はやくなんとかしないと」
0じゃん!!私の忠告の意味なんだったの!?
まぁ、なんとなくわかってましたよっ、だって明らかに欠席多いし、寝てたり携帯いじったりしてたもんね!?
もうこれは原作通りだと思ってこれから頑張るしかないですね……
ここから先、船上試験とかポイントたくさん貰えるのもありますし……
私は悲しい現実を受け止めた後、気を引き締めて学校へと向かうのでした。
私がクラスに入ると、すでにポイントが入っていないことに気づいたクラスメイトも多くいるようで教室内はざわざわとしていました。
「あっ、月野さんおはよう」
「おはよう、櫛田さん」
櫛田さんもポイントが入っていないことについてみんなから相談されていたようですね……
「ねぇ、月野さんポイントなんだけど入ってたぁ?」
「うぅん、私も入ってないよ」
「そっかぁ、だよねぇ……これってやっぱりそぉいうこと、だよねぇ?」
櫛田さんも私がお昼に平田くんたちに話した内容は可能性として伝わっていたようです。というかクラス全員に平田くんが可能性として伝えていたはずなのに、この結果なのです……
「うんっ、そぉだと思う。これから頑張らなきゃだねぇ」
私はそれだけ口にして自分の席へと向かいました。
綾小路くんと堀北さんはまったく動揺することなくいつものように過ごしています、さすがです。
始業のチャイムが鳴ると、ほどなくして茶柱先生が入ってきました。
「これより、朝のホームルームをはじめる。が、その前になにか質問はあるか?気になることがあるなら聞いておいた方がいいぞ?」
平田くんが手を上げます。
「いいぞ、平田。なんだ?」
「今朝ポイントを確認しましたが振り込まれていないようでした。説明をお願いできますか?」
「ふっ、平田。お前はすでに気づいていただろう。いや、このクラスの全員が想像はしていたんじゃないか?」
平田くんは黙ってうつむいています。
みんなのために聞いてくれたんだねっ。
「まぁ、いいだろう。ポイントは振り込まれた。これは間違いない。このクラスだけ忘れられた、などという幻想、可能性もない、わかったか?」
その言葉を聞いてみんな納得したようでした。
何度か平田くんがみんなに注意してたしねぇ。ポイントなくなるかもしれないって。
それでも今まで堕落した生活を送ってきたせいで今の現状があることをみんな理解してくれたようです。
「すでに理解したようだが、遅刻や欠席、授業中の私語や携帯をいじった回数など。この学校ではクラスの成績がポイントに反映される。その結果お前たちは振り込まれるはずだった10万ポイントを全て吐き出した。それだけのことだ。」
「だがひとつだけいいことを教えてやろう。遅刻や私語を改め、例え今月マイナスを0に押さえたとしてもポイントは減らないが増えることもない。つまり来月も振り込まれるポイントは0ということだ。裏を返せばどれだけ遅刻や欠席をしても関係ないということだ」
茶柱先生が各クラスの成績表を黒板に張り付けます。
「Aクラス 940」
「Bクラス 650」
「Cクラス 490」
「Dクラス 0」
黒板に張り出された結果を見て、堀北さんと綾小路くんが話し合っています。
「ねぇ、おかしいと思わない?」
「あぁ、ちょっと綺麗すぎるよな」
「何故……ここまでクラスポイントに差があるんですか?」
あまりに綺麗にポイント差が開いている結果を見て平田くんが質問します。
「段々理解できたか?お前達が何故Dクラスに選ばれたのか」
「俺たちがDクラスに選ばれた理由?」
「えっ、クラス分けって適当じゃないの?」
みんなが友人と顔を見合わせて戸惑っています。
「この学校では優秀な生徒達の順にクラス分がされている、優秀な生徒はAクラスへ。ダメな生徒はDクラスへとな、つまりお前たちは最悪の不良品ということだ」
「このポイントが0である限り僕たちはずっと0のままということですね」
「あぁ、その通りだ。ちなみに歴代Dクラスの中でも0ポイントだったのは初めてだ。さて、そんな中もうひとつ残念な知らせがある」
そう言って茶柱先生は黒板にもう一枚の紙を張り付けました。
「これは先日行った小テストの結果だ、良かったな。これが本番なら7人は入学早々退学になっていたところだ」
結果を見ると一部の上位を除きほとんどは60点前後。1位は私の100点。最低は須藤くんの14点でした。
「た、退学?どういうことですか!?」
「なんだ、説明してなかったか?
この学校では1科目でも赤点をとったら退学になることが決まっている。今回のテストでいえば32点未満が全員対象だ。それと希望の就職先、進学先が叶うためにはAクラスでの卒業が必要となる。そしてこの学校ではクラスポイントの高い順に毎月クラスが変動する。Aクラスになりたいのであれば、Aクラスのクラスポイントを越えることだ。あとは……そうだな、2000万ポイントで好きなクラスへ移動する権利が買えるが、今までこれを買えたやつはいない」
茶柱先生が話し終えるとちょうどチャイムが鳴り、ホームルームの時間が終わりました。
茶柱先生が教室を出ていくと、クラス内では「なんで俺がDクラスなんだよ」とか「これからポイントがずっと0なんて無理だよ」とか予想どおりの混乱状態となっております。
「みんな、ちょっといいかな?今話を聞いた通り、今月は0ポイントだ。だからこそ来月は必ずポイントを獲得しなければならない。そのためにはクラス全体で協力しなきゃならない。ポイントがマイナスになるようなことはしないよう、みんなで注意し合おう」
みんなが平田くんの言葉に賛同するなか須藤くんだけはどうやら納得いかなかったようで教室を出ていってしまいましたっ。
そんな中、平田くんが私の席の前まで来てくれました。
「月野さん本当に申し訳ない。月野さんがせっかくポイントのことについて教えてくれていたのに、それを生かせられなかった。こんな僕がお願いしてもダメかもしれないけど放課後、ポイントを増やすためにどうしていくべきか話し合いをしたいんだ。是非参加してもらえないかな?」
なんか私がポイントについて教えちゃったことによって、原作以上に平田くんが責任を感じてる気がします……
平田くんのためにここは参加しておこう。
「うん、いいよ。参加するねっ!」
その後、平田くんは綾小路くんと堀北さんにも参加をお願いして断られていました。
そして放課後……
クラス内では軽井沢さんがみんなにポイントを借りて周ったり、池くんや山内くんがゲームを売ったりしてました。
「1年D組の綾小路くん、月野さん。担任の茶柱先生がお呼びです。職員室まで来てください」
あっ、これ私も呼ばれるんですね……
確か堀北さんの自分がDクラスであることが納得いかないって話を聞かされるイベントです。
原作を思い出しながらぼぉっとしてると綾小路くんが目の前にいました。
「なぁ、月野?俺たち呼ばれたみたいだぞ」
「あっ、うん。聞いてたよ。一緒にいこっか、そういえば綾小路くんとはお話しするのはじめてだね」
「そうだなぁ、席は近いけどなかなか機会がなかったからなぁ」
「うんうん、改めてよろしくねぇ」
職員室につくと綾小路くんが茶柱先生を呼んでくれました、そして私はその後ろに隠れて待機中です。
「あぁ~ごめんねぇ~サエちゃんは今、席を外してっ、あぁ!月野ちゃんだぁ!!」
キャァァァ 見つかったぁ!?
後ろに隠れてたのにぃ!!
「月野ちゃん小テストで満点だったんだよね!?すごいよぉ、満点は月野ちゃんだけだったんだよぉ!!
この前はお話できなかったけど、彼氏とかはいるのかなぁ!?やっぱり高校といえば恋愛、恋愛といえば高校だよね!?」
星ノ宮先生に両肩を捕まれてぶんぶん揺らされます。
『あっ、え~っと、あぁぁぁ「おい、星乃宮」』
「あっ、じゃぁ~月野ちゃんまたねぇ~」
どうやら台風は去っていったようです
……恐ろしい人
「まったく、大丈夫か?月野?」
「あっ、はい。ありがとうございました」
「さて、生徒指導室に移動するか。二人ともついてこい」
私と綾小路くんは言われるがままついていきました。
そしてそのまま待機させられて、職員室に訪れた堀北さんが茶柱先生と話している内容を聞かされました。
やっぱり堀北さんは自分がDクラスであることに不満があるようでAクラスへ上がりたいようですね。
あ、お話は終わったようです。そろそろ呼ばれるでしょうか……
「綾小路、月野、こっちにこい」
堀北さんが私と綾小路くんを睨んでます、まぁ勝手に話を聞かれたら、そりゃ怒りますよねぇ。
「堀北、お前がAクラスを目指すのであれば綾小路と月野は欠かせない存在だ。そのことを忘れるな」
堀北さんは納得のいかない顔で睨んでます、私って堀北さんに睨まれた記憶しかないのですが……
「私はあなたたちより自分が劣ってるとは思わないわ、それじゃぁね」
それだけ言われて私も帰ることにしましたっ。あれっ、私、来なくてよかったんじゃ……
とりあえず私も教室に戻りましょう。
教室に戻ると平田くんや軽井沢さんなど半数以上の人が残っていて今後ポイントを増やすためにどうしたらいいかを話し合ってました。
ちなみに綾小路くんと堀北さんはそのまま帰宅してしまいました。
「あっ、月野さん。おかえり。茶柱先生との話は終わったのかな?」
「うん、終わったよぉ、おまたせぇ。話し合いはどんな感じなのかな?」
「うん、とりあえずこれからは
授業態度を改めるってことは決まったんだけど、ポイントを増やす方法がわからなくて困っていたんだ」
まぁ、そぉだよね……特に発表されてないですし。
「月野さんはなにか知ってるかな?今回のクラスポイントのことも月野さんが気づいてくれたことだし、なにか思い付くことがあれば教えて欲しいんだ」
残ったクラスメイトを見るとみんなうんうんと頷いています……あっ、クラスポイントのことを私が平田くんに話したってことはみんな認知してたんだね。
「う~ん、たぶんだけど、この学校は生徒の価値を判断するから例えば、次の中間テストとか期末テストとか、学生として正当に判断できる項目でクラスポイントの変動もあると思うな」
「なるほど、じゃぁ次に僕らがやらなくちゃいけないのは……中間テストに向けての勉強ということだね」
「うん、それにクラスポイントに関わらず赤点は退学だしね。まずは勉強かなぁって思うよ」
「ありがとう、月野さん。みんなもそれでいいかな?まずは今月0ポイントで辛いと思うけど、中間テストに向けて協力していこう」
みんな賛成してるしこれで大丈夫みたいですね。
あとは勉強会だよねぇ……きっと私が教えることになるだろうし、今のうちに何人か気の合いそうな人を教えたいなぁ。
こうして今後の方針が定まり、Dクラスは中間テストに向けて動き出したのです
氏名 山内春樹
クラス 1年D組
学籍番号 S01T004706
部活 無所属
誕生日 5月30日
評価
・学力E+
・知力D-
・判断力D+
・身体能力C-
・協調性C-
担当官からのコメント
面接時の質疑応答と調査報告に差異があり、調べた結果自身を大きく見せたがる傾向がわかった。また学力や運動能力にも突出した面は見られない。ただし、社会では時に誇張して話すことが一定の効果をもたらす場合もあるため、場を見極める力を
身につけるよう期待する。