この世の中は世知辛い 作:雷炎
世界はある日、唐突に変化した。
深海棲艦とやらが突然現れて、世界を滅茶苦茶にした。既存の武器で倒せない事実が明るみに出た瞬間、人々は絶望した。そこから艦娘とかいうのか出たらしいが見たことがないので分からない。
深海棲艦が出たことによって、人は海に出ることが出来なくなった。海に出ることが出来ないと、漁師たちは飢えて死んでしまう。自分が住んでいる村は漁村だった為、殆どの人が新しい地へと旅立った。残ったのは、自分みたいなごくごく少数の若者と老人だけになった。その残った人たちも、自分を除いて皆んな何処かに行ってしまったので今は自分だけが住んでいる。
今日も1人。明日も1人。明日を迎える為に今日を生きる。
朝目が覚めてする事は、日課の浜辺探索である。深海棲艦の出現によって、人類が海に出る事は難しくなった。それどころか海の近くは危ないという事で、日本の内地に多くの人が押しかけているのをニュースで聞いたことがある。しかしどういうわけか、ここら辺で深海棲艦を見かける事はなく海から様々なものが流れ着くようになった。漁師は海流の流れが変わった云々を言っていたが、二十歳を迎えたばかりの若者には難しい話だったのでよく覚えていない。
浜辺で使えるものがあれば拾っておく事にしているが、色々なものが流れ着いてくる。少量の燃料が入っているドラム缶やボロボロの小さな飛行機らしきもの。何かの鋼材の破片や弾薬の束も流れ着いてくる。
テレビで見た艦娘が、小さな飛行機らしきものや砲弾を撃っていたので艦娘の物かなと考えているがよく分からない。チリも積もればなんとやら、集めていく事でそれなりの量になったがどうしよう。(オール500程度) 使い道がないものの、日課として浜辺探索が根付いているので暫くは続けよう。
浜辺に来たが、今日は大量に物が落ちている。プラスチックゴミや生ゴミも流れ着いているが、特に鋼材の破片が流れ着いてきている。ボロボロの破片や残骸があちらこちらに落ちているので、拾っては持って来た
箱に入れていく。所々に衣類の切れ端や燃え滓があるので、沖合で撃ち合いでもあったのかなと思う。この様子だと、戦いは激しそうだ。
歩いていると、端が焦げた写真が一枚見つかった。集合写真のようで、小さな女の子たちの笑顔が写っている。
破片や衣類は彼女たちの物なのかなと思うと、悲しい気分になってきた。
日課の浜辺探索を切り上げて家に戻ってきたら、朝食を食べてまた外に出る。働き蟻のようにキビキビと働かないと生きていけない。
歩いて15分ほどのところにある畑へ向かう。元々は村の畑であったが、今となっては自分の畑だ。雑草を刈って、耕して苗を植えていく。野菜や山菜を収穫して水を撒いて終わり。
意外と重労働なので、終わる頃にはクタクタになってしまった。
探索と農業が1日の大半を占める日々。
加賀さんが出ません