結城友奈英雄伝説   作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将

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解説

ジークフリード・キルヒアイス上級大将の勇者としての装備

歴代の勇者の中には特殊な武器を顕現させて使用する者もいたが皆攻撃一辺倒で防御を一切考慮していない者ばかりであったが、キルヒアイスだけは例外である。帝政ローマ軍の装備(スクトゥム)を彷彿とさせる大型の盾を右手に、左手に官給品のトマホーク或いは剣を装備し他の勇者より防御力が高い鎧を纏って戦う。ただし本気で戦う(=防御を考える必要が無い場合)際は三好夏凜と同じく双剣を顕現し戦う場合もある。




対勇者鎮圧剤

神樹の体液を抽出して100倍に薄めた薬。勇者と御霊付バーテックスに特効を持つ麻酔のようなもの。ただし濃度が濃いと勇者もバーテックスも耐えきれずに死亡してしまうので使用には慎重を要する。郡千景上級大将の叛乱を反省し勇者が乃木王朝に叛逆した際の保険として少数ながら製造された代物である。
解毒方法は存在しない。


終幕、さらば友よ

戦艦バルバロッサ キルヒアイスの執務室

 

結城侯友奈と喧嘩したキルヒアイスは、ルッツ・ワーレン以下ガルミッシュにいるレンネンカンプ(と彼直属の部下)以外の第三艦隊群幹部を集め現在会議(という名の相談会)を開いていた。

 

「なんですと!?つまり元帥閣下はヴェスターラントを見殺しにすることも選択肢に入れていたとおっしゃるのですか!」

 

「はい、どうやらオーベルシュタイン総参謀長がそそのかしたようで。」

 

「250億の帝国臣民に奴らの残虐さを示すためとはいえ250万の虐殺を許すというのか。」

 

「申し訳ありません!小官がもう少し早く動けていれば・・・。」

 

ロルフ・オットー・ブラウヒッチ少将がキルヒアイス達に頭を下げる。結城侯 友奈からの命令をキルヒアイスが受け、ヴェスターラントへの救援として向かわせたのが彼の艦隊だったのだ。

 

「ブラウヒッチ少将、卿が謝ることではない。そもそも総参謀長が、あやつが嘘の情報を流したのが悪いだろ。」

 

ルッツが擁護する。

 

「皆さんは結城元帥府の将官たる一員です。つまり元帥閣下の“家族”であるということです。ですから私はあなた方を信じてこの情報をお話ししましたが、外部には漏らさないようにお願いします。兵士達の士気に悪影響を及ぼしかねません。」

 

「「「はっ!」」」

 

「しかし司令官は如何されるおつもりで?」

 

「しばらく閣下には近付きません。私も閣下も頭に血が上り口論になってしまいました。今お話しに行っても同じ結果になるだけです。」

 

「確かに。一旦頭を冷やす。冷静な判断ですな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦艦 ベルリン 艦橋

 

「征け!総員死兵となって戦え!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦艦 ブリュンヒルト 艦橋

 

「やはり出てきましたな。」

 

「予定通りだね。メック君、ウルリッヒ君、ミュラー君に迎撃させて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦艦 ヴィルヘルミナ 艦橋

 

「閣下、付け入る隙がありません!」

 

「怯むな。いくら犠牲を出そうと構わぬ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「意外にしぶとい・・・。」

 

「追い詰められ窮鼠と化したのでしょう。」

 

「うん。敵の突撃はこれで5回目だったね。」

 

「御意。」

 

「そろそろだね・・・。」

 

「敵がまた攻勢に転じました!」

 

「よし。前衛の3艦隊に一気に敵を押し戻させよ!」

 

「・・・敵の攻勢が限界点に達したようです。」

 

「今だ!全艦突撃、最大戦速!全艦隊、我に続け!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我らも追撃態勢に入るとしようか。」

 

「「・・・。」」敬礼

 

「・・・。」答礼

 

「艦隊を密集させよ。最後尾を守る。」

 

「「「はっ!」」」

 

「(やはり結城侯は前線に立たれてこそ輝かれる。お淑やかにというのはあの方には些か無理な話だ。キルヒアイス提督あたりは嘆かれるだろうがな・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブリュンヒルト 艦橋

 

「始まったようです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイエスブルク要塞 主砲“禿鷹の鉤爪〈ガイエス・ハーケン〉” 制御室前の廊下において銃撃戦が繰り広げられていた。

 

 

「我々は結城侯に味方すると決めた者だ!主砲制御室を守る兵士たちよ、ヴェスターラントを見ただろう!武器を向けるべき相手が一体誰かよく考えるんだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「潜入させておいた者が、要塞主砲の制御室を占拠したとのことです。」

 

「揚陸艦を出して要塞を制圧させよう。」

 

「はっ。」

 

「ブラウンシュヴァイクを逃すなよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝国暦156年9月 ガイエスブルク要塞は落城し、リップシュタット貴族連合軍はここに壊滅。人類史上最大の内乱が終結した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイエスブルク要塞 大広間

 

諸提督達の事務が一段落すると、結城侯友奈は全員を集め戦勝式典を開催した。まずは逮捕者の引見が行われた。

 

「元帥閣下、入られます!」

 

「「「・・・。」」」一同敬礼

 

「・・・。」答礼

 

「ではまず逮捕者の引見から始めさせていただきます。」

 

 

逮捕者の引見は恙無く進み、最後にキルヒアイスが懸念していたアンスバッハ准将が連れてこられた。キルヒアイスは事前にケスラーにお願いし厳重にボディーチェックを逮捕者にさせていたので心配はしていないが油断もしていない。アンスバッハの有能さは内外に知れ渡っていたのだから。念のため勇者変身端末を構える。

 

「ふん。主君の遺体を手土産に降伏するとはな。」

 

ビッテンフェルトが嘲るが誰も止めない。友奈に一礼したアンスバッハはブラウンシュヴァイク公の入った棺を開ける。そこにはミサイルランチャーが入っていた。アンスバッハがランチャーを構える。キルヒアイス以外は呆気に取られて動けない。

 

「(ボディーチェックに気をとられて棺までは見なかったか!)友奈様!」変身

 

「結城侯、我が主君の仇を取らせていただく!」

 

変身したキルヒアイスは盾を構えたままアンスバッハにタックルした。

 

「アンスバッハ准将もう終わりです。こんなことをしても・・・。」

 

「問答無用!」拳銃型麻酔銃を出す

 

「(あれは対勇者鎮圧剤!なんでそんなものを彼が・・・まさか?!)・・・友奈様!」友奈を庇う

 

プスッ

 

「ぐっ・・・。」吐血

 

「何をするか!!」

 

「貴様ァーッ!」アンスバッハを取り押さえる

 

 

 

 

「友奈様・・・ご無事ですか・・・?」

 

「うん。ジークのお陰で大丈夫だよ。それより今医者が来る。もう少し持ちこたえて!」

 

「駄目です・・・対勇者鎮圧剤は恐らく原液でした。もう・・・私は・・・友奈様のお役に立てそうもありません・・・お許し下さい・・・。」

 

「馬鹿!何を言うの!もうすぐ医者が来る!こんな傷はすぐ治る!治ったらお母様の墓に一緒に勝利の報告に行こう!ねっ!そうしよう!」

 

「友奈様・・・。」

 

「医者が来るまで喋っちゃ駄目だよ!」

 

「宇宙を・・・手にお入れ下さい・・・!」

 

「うん・・・うん!勿論だ!ジークと一緒に!」

 

「それと・・・東郷大将にお伝え下さい・・・『キルヒアイスは昔の誓いを守った』と・・・!」

 

「やだ!私はそんなことは伝えない!ジークの口から伝えるんだ!ジーク自身で!私は伝えたりしないよ!一緒に母さんのところに行くんだ!ジーク!」

 

「・・・」息絶える

 

「ジーク!返事をして!ジーク!何故黙ってるの!!!」

 

「駄目です。亡くなりました。この上は、せめて安らかに。」

 

「嘘をつくなミッター君・・・いくらミッター君でもそんな嘘は聞けないよ・・・。」

 

「ですが・・・。」

 

「ジークが私を置いて先に死ぬ訳ないんだ・・・!ねっ・・・!ジーク!目を開けてよ!ジーク・・・」

 

ジーク!

 




次回、結城友奈英雄伝説 『我が友』
銀河の歴史がまた1ページ
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