結城友奈英雄伝説   作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将

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解説

伊予島杏

帝国元帥。帝国軍 初代 統帥本部総長。乃木王朝黎明期組の勇者の中でもハードは最弱だったがそれを補って余りあるソフト面で高嶋友奈 宇宙艦隊司令長官や土井球子 宇宙艦隊副司令長官ら前線組を支えた防御戦の達人であった。ハードは最弱と言っても特殊兵装のクロスボウは600万キロ先の御霊持ちバーテックスの御霊を正確に狙撃・破壊できる程度の力はあったらしい。乃木王朝黎明期組勇者の中でも最も長く生存していたが、休養の為領地に帰る途中乗船していた船が爆発事故を起こし行方不明(後に死亡認定された。享年39)となる。



旗艦級戦艦 バイエルン

ヴィルヘルミナ級の一隻。他のヴィルヘルミナ級との見分け方は船体中央部にピンクの塗装が施されている点である。結城友奈の母親であり結城家先代当主であった結城仁美 伯爵 上級大将(存命時の最終階級は大将)の専用艦。第二次ヴァンフリート星域会戦で主共々戦没した。




アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト

銀河帝国軍大将。貧乏な帝国騎士の出身。年の離れた妹弟を養い父の医療費を稼ぐ為に軍に入った。友奈から付けられたあだ名は『アーダル君』。攻勢が強い猛将。友奈のことは妹弟を世話して貰ったり夕食を奢って貰ったりしているのもあって良き恩人であり素直に仕え、また覇道を補するに値する上司だと思っている。


不思議な夢

「我々が思うに乃木王朝が決定的に衰退する機会になったのは他ならぬ第二次ティアマト会戦であっただろう。どういうことか。丁度この戦いにおいて旧帝国軍は60名もの将官級の戦死者を出し『軍務省が涙すべき40分』と言われたこの戦闘の結果、領地貴族の跳梁を許し結果的に乃木王朝は土台から腐敗する事になってしまったのである。この戦いがなければ私達の主君は乃木王朝から帝位を譲られることはなかっただろうし、社会の公正化もバーテックスとの戦いの終結も無かっただろう。歴史は、今までの業の積み重ねである。それを学ぶことは決してマイナスにはならない。」

 

メックリンガーとキルヒアイスの共著『乃木王朝末期と結城王朝黎明期の分析』挨拶より

 

 

 

 

ブリュンヒルト 結城友奈の執務室

 

ラグナロック作戦が発動され、フェザーン回廊に向かう道すがら、結城公 友奈は、秘書官たるヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ、新たに迎えた従兵エミール・フォン・ゼッレとココアを酌み交わしていた。

 

「私は呪われた生まれつきなのかもしれないねヒルダさん、エミール。」

 

「え?」

 

「平和よりも戦いを好んでいる・・・流血によってしか人生を彩り得なくなっている。或いは他にやりようがあるのかもしれないのに・・・。」

 

「でも、それは閣下が宇宙の統一と平和を願っていらっしゃるからではありませんか?統一と平和が成れば、自然に平和になります。それに弱気になったら、本当に別の銀河系にいらっしゃればよろしいではありませんか?」

 

「・・・。」

 

「・・・ありがとうエミール。出会って幾ばくも無いのに君は私のことを本当によく想ってくれる。私は、私を想ってくれる者達を幸せにしてあげたい。」エミールの頭を撫でる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは・・・バイエルンの執務室・・・お母様の艦だ・・・なんで・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友奈・・・

 

お母様・・・?

 

久しぶりね。12年ぶりになるかしら?

 

はい

 

私よりもずっと若いのにもう元帥にまでなったのね・・・でもあまり変わってないわね?

 

・・・変わりましたよお母様。変わらざるを得なかったのです。昔のように、自分の愛情と熱意がその対象となる人々の幸せを約束すると信じることは・・・できなくなりました。

 

・・・

 

私の覇道を阻むのはバーテックス、そして天の神だけとなりました。必ず奴らに今までの流血に相応しい代償を払わせます。ですが、その後どうするべきか、わからないのです。キルヒアイスはもうそちらに居るのです。私は一番失いたくないものを失いました。私はどうすれば・・・

 

・・・精一杯命を燃やし悔いの無いように〈自分の為に〉生きなさい。ジークフリード君から貰った命だからね。私は死んで尚娘に説教はしないと決めてるから、これ以上は何も言わないわ。

 

・・・わかりました。そちらに合流するまで、そうします。キルヒアイスに宜しくと伝えて下さい。

 

わかったわ。頑張りなさい、私の愛しき娘。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「閣下。」

 

「・・・うぅん・・・シュトライト君、ごめん。寝ちゃってたね。」

 

「お疲れのところ申し訳ありません。ミッターマイヤー提督から連絡が入りました。5000隻規模の敵艦隊2個を撃破し惑星ウルヴァシーを制圧、現在橋頭堡を建設中とのことです。」

 

「うん。ミッター君には無理をしないよう伝えて。」

 

「はっ。」退室する

 

 

「・・・。」外の宇宙を眺める

 

「お母様、お父様、ジーク。私は、ついてきてくれる者達を幸せにできるかな・・・?」首のロケットを触る

 

帝国暦157年12月3日、ラグナロック作戦は順調に進行していた。だが現在の戦況は謂わばバーテックスの家の玄関に押し入っただけである。これからが本番であった。

ジークフリード・キルヒアイスを失って凡そ2年。結城友奈は、歴史を作る為に前に進み続けていた。




次回 結城友奈英雄伝説 『沈黙提督』
銀河の歴史がまた1ページ
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