結城友奈英雄伝説   作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将

16 / 24
Ⅳ 花結いの章
会いたい・・・


新帝国暦4年1月1日 新無憂宮 黒真珠の間

 

「諸君のお陰でまた大過無く新年を迎えることができた。改めて礼を言う。ありがとう。では新年を祝って・・・乾杯。」

 

「「「Prosit!」」」

 

 

 

 

 

 

 

皇帝寝室 バルコニー

 

「はぁー。」

 

「陛下、こちらにおられましたか。」

 

「・・・ミッター君。」

 

「今年はキルヒアイス提督の5回忌ですな。」

 

「・・・うん。あの時出会った4人はもうミッター君と私だけになっちゃった。ジークが生きてたらオスカー君を叛乱してと言わんばかりに新領土総督なんかにはしなかった。ジークを失ってからの私はミスばっかりだった。そんな私を見捨てずに補佐してくれて本当にありがとうミッター君。」

 

「そんな・・・畏れ多いことです。」

 

「『大事なものは失ってからその価値に気付く』ってお父様は生前教えてくれたけど、本当に・・・ぐすっ・・・ごめんね・・・うっ・・・ジーク・・・。」

 

ミッターマイヤーはカイザーにかける言葉が見つからなかった。ジークフリード・キルヒアイスと彼女の絆は、当事者だけにわかるものであり、部外者とは言い難い仲のミッターマイヤーも流石に発言を憚らざるを得なかったのである。またロイエンタールの件も口には出さなかった。親友には強大な敵と戦い華々しく散りたいと、破滅願望があったなどとはとてもではないが言えなかった。

 

(神樹様、願わくば今まで頑張ってこられたマイン・カイザーに褒美を与えたもう!)

 

ミッターマイヤーはそう神樹に祈るしかなかった。

 

 

 

ピカッ

 

「なんだ?」

 

「えっ?何?」

 

突然カイザー友奈の身体が神々しく輝きだした。

 

「陛下!」

 

ビカッ

 

カイザー友奈が一瞬閃光弾並の輝きを放ち、ミッターマイヤーは目を瞑らざるを得なかった。

 

「うっ!陛下!御無事ですか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつくと結城友奈は寝室のバルコニーではなく、結城元帥府の大会議室に居た。しかも髪の長さも元帥時代に戻り、軍服も元帥の制服になっていた。

 

「うん?ここは?」

 

「陛下?」

 

「樹ちゃん?」

 

軍服を着た犬吠埼樹大将が居た。おかしいとカイザー友奈は思った。彼女は既に軍を退官、歌手 兼 学芸尚書として専ら地方で幅広く活躍していた筈だ。オーディンには絶対いないはずなのだ。

 

「「「友奈(ちゃん)?」」」

 

「部長と夏凜ちゃんに東郷さん!?」

 

おかしい。軍を既に退官している勇者の面々がなぜ現役時代のように軍服を着て円卓に座っている。そして一人だけ知らない人物が円卓に座っている。誰この人?とカイザー友奈は思い、質問した。

 

「あの~すいません、あなたはだ~れ?」

 

「申し遅れましたカイザー友奈陛下。私は上里ひなた。前王朝の初代軍務尚書 兼 初代巫女でございます。お見知りおきを。」

 

「!?」

 

「突拍子も無いことを言ってるなと思われるのも無理はありません。ですが皆さんいきなり身体が輝いてここに飛ばされたのではありませんか?」

 

「・・・皆もそうだった?私はミッター君と話してたらいきなり身体が輝いて気付いたらここにいたんだ。」

 

「私も。」

 

「「「右に同じく。」」」

 

「確認がとれたところで皆さん、右のポケットを確認してみて下さい。」

 

「?・・・え?なんで勇者変身用端末が!」

 

「ここからが本題です。ここは現実の世界ではなく、神樹様の中の世界です。皆さんの時代、新帝国暦1年の末に、バーテックスと天の神は倒され、人類に平和が訪れました。ですが・・・。」

 

「神樹様の中の一柱が他の土地神様と人類の経営方針で対立、話し合うも折り合えず、他の神々と抗争を始めてしまったのです。これを黙認してしまうと、せっかく安定した人類社会にも、著しい悪影響が及んでしまいます。それを止めるべく、皆さんがこの世界に特別召喚されたのです。」

 

「でも私勇者辞めて久しいからあまり役に立てませんよ?」

 

「大丈夫です樹さん。皆さんの頭の中の記憶は新帝国暦4年時点のものですが、身体は最盛期・・・旧帝国暦154年時点のものですから、戦えるはずです。それと・・・これをご覧下さい。」ホロディスプレイを起動させる

 

「銀河の全体見取図か。」

 

「はい。蒼く表示されているのが神樹様の支配がまだ行き届いている星系、赤が造反神が占領している星系です。」

 

「首都星オーディン以外ほぼ全部占領されてんじゃん!」

 

「はい。このままでは人類は滅びはしないでしょうが、酷いことになるのは明白です。お願いです。皆さんのお力をお借りしたいんです!」

 

「・・・しょうがない。勇者部、久々に出動するけど、皆大丈夫?」

 

「「「はい!」」」

 

「っていうわけで、陛下にもご足労いただきますが、よろしいでしょうか?」

 

「部長、ここには私達しかいないからいつも通りで良いよ?」

 

「わかったわ友奈。じゃあ、勇者部、久々に・・・ファイトーッ!」

 

「「「ファイトーッ!」」」

 

「この世界は神樹様の中の特別な世界です。現実の時間は皆さんが戦い終わるまで停止し続けますので安心して下さい。それとカイザー友奈陛下、神樹様直々にあなた宛の預言です。『戦いが終われば、我らは力を取り戻す。人一人を黄泉国から呼び戻す位なら頑張ればできる。会いたくは無いか?赤毛の友と?』だそうです。」

 

「「「!」」」

 

「では皆さん、頑張って下さい!私も微力ながら精一杯皆さんをサポートします。」




次回、結城友奈英雄伝説『キフォイザー星域会戦』

銀河の歴史がまた1ページ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。