結城友奈英雄伝説   作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将

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解説

結城友奈の睡眠BGM
結城友奈は最大の親友ジークフリード・キルヒアイスの弾くベートーベンの『悲愴』第2楽章を聞きながら眠りに入る。これを聞きながら眠りに入らなければ、友奈は深く眠れず、3時間に一度目が覚めてしまう。



勇者になる前、小さい頃現実世界でジークフリード・キルヒアイスに『髪は女性の魂』と教えられて以来ずっと最大の友キルヒアイス・東郷美森以外に自らの髪に触れることすら許さなかったカイザー友奈。現実世界でのキルヒアイスの死に伴い、美森の必死のメンテナンスのおかげで荒れはしなかったが、6年もの間伸び放題になってしまっていた。神樹の中たるこの特殊世界でキルヒアイスと再会し、6年ぶりに髪を切って貰い、さっぱりした。


番外編2 バレンタイン

今年もバレンタインがやって来た。しかし、勇者部のバレンタインは通常と大分異なる。

勇者部の面々はこの特殊な世界では男性との出会いがまずありえないので同性同士で送り合うのが暗黙の了解となっている。

だが唯一の男性勇者であるジークフリード・キルヒアイス元帥だけは例外である。

キルヒアイスは、やはりその優しい性根からなのか律儀に全員分作るのだが、手間がかかるだろうに全員分一人一人全く違う贈り物を作る。

キルヒアイス自身、バレンタインはただただ主君(結城友奈)や同僚達へ日頃の感謝を表す日と考えている節があったので、贈るのは何もチョコレートとは限らない。

だが、例年確実に最初にすることがある。それは乃木園子を拘禁或いは軟禁することである。

他ならぬ彼女の先祖である若葉大帝が直々に彼女からメモ帳と筆記具を接収の上牢屋の見張りに立って貰うことで、メモに一語たりとも記入させない体制を整えているのである。以前、放置して書かせたらとんでもないことになり火消しが大変だったらしい。

一例あげると、古波蔵棗 大将 × 犬吠埼風 上級大将の百合本がネットで拡散してしまい、統帥本部の情報処理課を総動員し幸いにも3日で鎮火できたが、若葉大帝から鉄拳制裁が下るのも無理からぬことであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「友奈様、今回のバレンタインは何なりと罰をお命じ下さい。私は、まだ無断で友奈様の下を去った罪を償っておりません。」 跪く

 

キルヒアイスは、確かにカイザー友奈を庇いアンスバッハの凶弾に倒れた。しかし友奈は、礼を言いこそすえ、罰する気にはなれなかった。だが、随分長い間寂しい思いをしたのも拭いがたい事実であった。そこで一つキルヒアイスに頼むことにした。

 

「じゃあジーク、これからはどうしても私と離れないといけない仕事がある場合を除いて私が許さない限り絶対に私の半径3mから出ないこと。罰だから拒否権は無いよ。」

 

「・・・御意(これではくっつき虫だ)。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ一緒にお風呂入ろうジーク♪」

 

「・・・。」

 

キルヒアイスは辟易していた。自分は前世と合わせれば90年以上生きている。今更バスタオル一枚で佇む主君に欲情などするはずも無い。だが心臓に悪いことに違いは無い。トイレにまで連れ込まれそうになった時は3m圏内で扉を閉めることができたので良かったが、まさか風呂まで連れ込まれるとは思わなかったのである。

 

「ジーク座って。背中流してあげる。」

 

「友奈様!?(流石にそれは断らねば!)」

 

「動いちゃ駄目。命令だよ。」

 

「・・・友奈様、本日は流石に命令を濫発し過ぎでは?」

 

「良いの!ジークのせいで6年も寂しい思いしたんだから、埋め合わせして貰うの!」

 

かつて以上に覇気に満ちたカリスマ的統治をするカイザー友奈。だがそれも自分が死んだ悲しみを糊塗せんが為の強がりであったことは、他ならぬキルヒアイス自身よくわかっていた。自身抜きでここまでやってこれたカイザー友奈である。キルヒアイスは目の前の親友へ向ける愛情を強くした。もう離れてはいけない、そう思っていた。

 

「友奈様・・・。」背中をゴシゴシされる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジークも大きくなったね。昔は私の方が大きかったのに・・・。」

 

ジークフリード・キルヒアイスは『赤毛ののっぽさん』と呼ばれる程に著しい成長を遂げていた。現在カイザー友奈は22歳、一度死に6年分のブランクがあるキルヒアイスは16歳。だがカイザーは身長156センチなのに対し、キルヒアイスは175センチ。歴然たる差ができてしまっていた。今更なことだがカイザーは拗ねてしまっている。

 

「機嫌をお直し下さい友奈様。上がりましたら、友奈様の大好きな手打ちうどんと、チキンのブルーチーズソース和えを作りますので。」

 

「ふん!」

 

「お気に 召しませんでしたか?」

 

「気に入らない。」

 

「・・・(苦笑)。」

 

「私を料理で釣れると思ってるジークの根性が気に入らない。」

 

「では私は先に上がらせていただきます。友奈様のお食事を作るのはどうしても離れないといけない仕事ですから。」浴槽から出る

 

「・・・。」引き続き拗ねてる

 

「私を許して下さるのでしたら、下の食堂にお越し下さい。お待ちしています。」微笑む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軍務省 (乃木園子拘禁用の)一室

 

「なんだかんだ言ってそんな関係じゃないように見せかけて結構イチャイチャしてるね~。」

 

「おいおい園子、大丈夫なのか?単純な大帝は騙せるだろうが、上里軍務尚書を騙せるとは思えん。どうカモフラージュしながら盗聴・盗撮するつもりだ?」

 

「ミノさん大丈夫だよ。動画見てるふりしていつでも画面を変えられるように工作はばっちりだから~。」

 

「もう最悪だ。こんなことに付き合わされるとは・・・。」

 

恋愛小説(笑)の制作とバラ園の運営だけが趣味である前王朝最後の皇帝乃木園子と、彼女の皇太子時代(現役勇者時代)からの悪友である三ノ輪銀 上級大将が、カイザー友奈とジークフリード・キルヒアイスの私生活を盗聴器・盗撮用小型カメラで逐一観察しているのだ。当然三ノ輪 上級大将とてこのような工作に手を貸したくは無かったが、若葉大帝×自分の百合本を流出させると脅され仕方なく手伝ってしまったのだ。

 

 

「ウオーーッ!」

 

「どうした園子?・・・ってマジかよ。そりゃ皆馬鹿夫婦って言うわな。」

 

バスタオルを巻いているとはいえ、カイザー友奈とキルヒアイスが当たり前のように混浴している。これは皆が馬鹿夫婦と言うのも無理からぬことであると三ノ輪 上級大将も呆れざるを得なかった。

 

「これはもう キルヒアイス×ゆ~ゆ で一冊書くしかないよー!!」

 

「いや逆に今まで書いてなかったのかよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新無憂宮 皇帝寝室

 

「友奈様、よろしいですか?」

 

「お願いジーク。」

 

 

推奨BGM ベートーベン ピアノ・ソナタ第8番『悲愴』 第2楽章

 

 

「・・・。」Zzz...

 

「友奈様、良い夢を。」掛け布団を掛け直す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、乃木園子がキルヒアイス×カイザー友奈の同人誌を500帝国マルクでネット小説サイトに売り出してしまい、それに気付いた郡 上級大将の通報で勇者部の面々の知るところとなり、東郷 上級大将にはしばき倒され、若葉大帝からはタイキックされるのだが、それは別の話である。

 

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