特殊作戦軍
新帝国の編成に伴い非対称戦に対応する部隊の必要性を感じたカイザー友奈とキルヒアイスが三好夏凜大将に命じて作らせた部隊。平時は統帥本部の指揮に従うが、有事の際は皇帝より直接勅命を受けて行動する。必要に応じて独自行動も可能。司令部は軍務省14階(有事の際は夏凜の戦艦 イゾルデ)。
三好夏凜 伯爵
銀河帝国軍 大将。帝都防衛総隊と精鋭半個艦隊(+特殊部隊)を統括・指揮する特殊作戦軍司令官。隷下部隊の規模の大きさから上級大将への昇進も検討されている。やっとキルヒアイスから借りていた借金を完済できた。最近子供ができたらしい。
帝都防衛総隊(司令官:楠芽吹中将)
ケスラー上級大将の憲兵総監就任、楠中将への職務引継ぎに伴い帝都防衛隊が防人連隊に合流する形で発展的解消、帝都防衛総隊が結成された。
・新帝国首都星フェザーン地表の治安維持を担う
『近衛師団』(師団長:弥勒夕海子 少将)
『山伏警備艦隊』(司令官:山伏しずく少将)
・フェザーン衛星軌道の旧帝国側の警備を担う5000隻の分艦隊
『加賀城警備艦隊』(司令官:加賀城雀少将)
・フェザーン衛星軌道の新領土側の警備を担う5000隻の分艦隊
を主兵力とする。
国土亜耶
銀河帝国軍准将。巫女。帝都防衛総隊参事官(兼 マスコット)。幼年学校勇者科在籍中から1日も欠かさず毎朝一時間帝国の安寧と仲間の無事を神樹に祈祷するのが習慣となっている。巫女としてのみならず事務員としても楠芽吹中将以下仲間達を支えている。あまりに可愛い容姿に准将の軍服が全く似合っていないが、服務規定上別の服で勤務は許されていないことに頭を悩ませた楠中将は、同期であり上司 兼 ライバルの三好大将に相談、キルヒアイス元帥からの許可を得て医者の白衣を軍服の上に羽織らせることで“らしさ”を取り戻させた経緯がある。少将への昇任も再三キルヒアイス元帥や楠中将から薦められているが、
『過分にも将官の席を頂いてこれ以上何か陛下から与えられるのは罰当たりですから。』
と断り続けている。現在キルヒアイス邸に居候(一時的とは言ってない)している。
弥勒夕海子
銀河帝国軍少将。帝都防衛総隊副司令官 兼 近衛師団長。獅子の泉〈ルーヴェン・ブルン〉の外郭側の警備責任者。悲願であった没落していた弥勒子爵家を再興させ、昨今の活躍から伯爵に叙せられた(前王朝と違い領地は与えられなかったが)。再興させたは良いものの、今後何をすべきか戸惑ってしまい、それを見つけるまでという条件付でキルヒアイス邸に居候している。
楠芽吹 伯爵
銀河帝国軍中将。帝都防衛総隊司令官。メルカッツ同様融通が利かない一面もあるが高い実力・人望、陣頭の猛将としての一面をも備えたカイザー友奈の下位互換。何でも卒なくこなすが、特に特殊部隊の指揮において右に出る者無しと称えられる提督。影ながら重要な作戦を数多くこなしその全てを戦死者0で成功させておりカイザー友奈を失望させたことは一度たりとて無い。功に報いる形で伯爵に叙せられた。仕事への便宜という形でキルヒアイス邸の一室が与えられている。
シルヴァーベルヒ工部尚書から獅子の泉〈ルーヴェン・ブルン〉の木工建築部分の施工責任者に叙せられた父親が現在彼女の一室に居候中だが、以前夕食の席でうっかり『パパ』と呼んでしまい皆からいじられたらしい。
念押ししておきますが本作は
『結城友奈は勇者である』×『銀河英雄伝説(石黒版)』
です。原作小説でも漫画でもなく、藤竜版でもなく、最新のDie Neue These版でもありません。私はどれも好きですが、個人的に“深さ”がある石黒版の圧倒的なスケールが一番好きでした。声優陣が圧倒的だったのもあるでしょうが。ですので(一例挙げるとすれば)銀河帝国皇帝になった結城友奈ちゃんがカイザーラインハルトの純白のマントを付けた軍服を着用し堂々と玉座に座る姿を想像していただければ幸いです。(私自身妄想してみて)個人的に気に入っているのは夏凜ちゃんが(ローエングラム朝版)帝国軍大将の軍服を来てデスクワークをしている(←これから書く予定)シーンです。
ただし石黒版以外のバージョンの要素も少なからず入れていきますのでご理解下さい。
どうかその辺を承知の上で読み進めていただけると幸いです。
番外編 皇太子手記
新帝国暦11年 12月25日
新帝国暦6年12月25日 、5年前の今日、精霊降臨祭の日でした。その日の深夜、私は生を受けました。結城王朝銀河帝国初代皇帝 友奈1世の娘として。それからちょうど5年が経ち、私は母上から日記を与えられました。今日からつけていこうと思います。
新帝国暦11年12月26日
本日は母上の大親友であり“副帝”でもあるキルヒアイス元帥が来て下さいました。明日私とフェリックスと美子に統帥本部のお仕事を見せて下さるそうです。楽しみだな。
新帝国暦12年12月25日
私の6歳の誕生日です。フェリックスも9歳になりました。美子も後1週間で6歳になります。母上から誕生日に際し欲しいものを聞かれました。私は以前からミッターマイヤー元帥とフェリックスの仲の良さを間近に見てきましたから、『父が欲しいです』と正直に申し上げました。するといつも私には笑顔しか見せない母上が、らしくもなく険しい顔になりました。しばらくして『明日我が友の下に行って相談してみて。』と言われました。だいたい察しました。
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新帝国暦12年12月26日
新帝国首都星 フェザーン 皇宮 獅子の泉〈ルーヴェン・ブルン〉 外苑 キルヒアイス邸
「殿下、ようこそいらっしゃいました。」
「キルヒアイス元帥、ここには私と貴方しかいませんよ?」
「・・・失礼しました歩実〈ゆみ〉様。本日は何用でお越しになられたのですか?」
「母上に誕生日プレゼントは何が良いか聞かれました。私は父が欲しいと申し上げましたが・・・即答はせず、キルヒアイス元帥に相談と言われやって来た次第なのです。」
「歩実様は・・・未だ認知もせず顔も見せないお父君にどのような感情を抱いておいでですか?」
「フェリックスとミッターマイヤー元帥の仲を見てきた立場としては正直ちょっと複雑です。ですが・・・少なくとも母上を20年以上守り抜き、親友としても女性としても愛していた一途な貴方を私は悪く言うつもりはありませんよキルヒアイス元帥。」
「・・・。」
「私の右目は母上譲りの紅い目ですが、左目はアメジストのような紫です。母上の周りの男性で紫の瞳を持つのは貴方だけです。それに母上が誰かと契りを結び世継ぎを産むなら、貴方の種以外ありえません。事ここに及んで私が聞きたいのは一つだけです。キルヒアイス元帥、何故母上と結婚なさらなかったのですか?」
「・・・私は確かに友奈様を親友としても女性としても愛しておりました。ですが同時に結婚して私があの方が宇宙を羽ばたいていくに際し重しになることは避けたかったのです。」
「それは言い訳に過ぎないでしょう。母上は宇宙を手に入れました。羽ばたくも何も無い。今の母上は貴方が傍にいてくれればそれで十分だと感じています。私如きにわかるのです。盟友たる貴方にわからない筈が無い。」
「・・・あまりこのような物言いはしたくはありませんが、意見の相違があったこと、友奈様に対して責任を取らなかった私の不手際でした。そう納得していただけませんか?」
「それで私が納得できる筈も無いでしょう!」
「!?」
「フェリックスがミッターマイヤー元帥にして貰っていたように、私も大きくて、優しい手で撫でて欲しかった!厳しく躾て欲しかった!肩車して欲しかった!それなのに・・・。」
「・・・。」歩美を抱き締める
「本当に申し訳ありませんでした歩実様。事の真相はこうなのです。友奈様は友奈様で私をこれ以上自分に付き合わせるのを嫌い、私も私で友奈様に判断を丸投げしてしまいました。その結果歩実様に多大な御迷惑をお掛けしてしまったのです。男としての甲斐性が無かった私の罪であることは紛れもない事実なのです。友奈様は何も悪くありません。お許し下さい。」
「・・・母上と貴方の仲と、判断に私は口を挟めません。でも・・・許して欲しいなら、今週一杯位は“父”になって下さい。母上には『しばらく帰らない』と連絡しますから。」
「・・・わかりました。」
キルヒアイス元帥・・・今週だけは“父上”と呼ばせて貰いますが、父上は帝都防衛総隊の将官級幹部の皆さんや東郷上級大将以下母上の同級生の皆さんと同居しています。
「国土准将。お久しぶりです。」
「殿下、お久しぶりです!」跪く
「そんなに大袈裟にしないで下さい。母上に跪くならいざ知らず、私は未だ何ら実績の無い身なのですから。」
「失礼しました。」立ち上がる
「国土准将、今日はここに泊まらせていただきます。キルヒアイス元帥から許可は得ました。」
「わかりました。お部屋はどこになさいますか?」
「キルヒアイス元帥の部屋で大丈夫です。許可は得ています。」
「わかりました。何かありましたら私にお申し付け下さい。」
「ありがとうございます。」
よくよく考えてみると父上の家は副帝の家にしてはとても小さい。獅子の泉〈ルーヴェン・ブルン〉外苑とはいえ警備兵2個小隊が外側に駐留しているけど、それだけなのです。執事やメイドの一人もいません。以前弥勒少将から聞いた話によると父上か、同居している国土准将、犬吠埼上級大将、父上の御両親が持ち回りで家事をしているそうです・・・と噂をしていたら東郷上級大将と美子、父上の御両親が買い物から帰ってきました。
「あら歩実ちゃん、いらっしゃい。」
「歩実様。」
「キルヒアイス元帥から通達があったと思いますが、今週一杯お世話になります。」
「どうぞどうぞ。ゆっくりしていって下さい。何でしたら『お祖父ちゃん』と呼んでいただいても結構ですから!」
「あなた!露骨過ぎますよ!殿下にも立場というものがあるんですから!」
「ああすまんすまん。」苦笑い
「お祖母様、今日は何にしましょうか?」
「今日は寒いですからね~。じゃあとろ玉うどんにしましょう♪」
「そうですねお義母様。添え物のかしわ天とかき揚げは私が作りましょう。」
「お願いしますね美森さん♪」
「はい♪」
父上の母君と東郷上級大将のコンビネーションと料理の腕は健在のようですね。私も母上も料理は粗野な者でもできるもの以外壊滅的ですから、少し羨ましいです。その点美子も母親である東郷上級大将譲りですから、ちょっと嫉妬してしまいます。
「「「ただいま帰りました。」」」
「「「おかえりなさい!」」」
父上、犬吠埼上級大将、三好大将、楠中将、弥勒少将、加賀城少将、山伏少将が帰ってきました。20年近く共に戦ってきた戦友なだけあって和気藹々とした雰囲気での帰宅です。正直こんなに沢山友がいる父上が羨ましいです・・・単なる“戦友”にしては距離が親密なのは私が僻み過ぎだと思いたいです。
立場が立場とはいえ私には美子とフェリックスしか友がいないですから。士官学校に入って友ができたらなと思います。
「美子、相談があります。」
「何でしょうか歩実様?」
「料理を教えて下さい。このままではフェリックスやビッテンフェルト提督に笑われてしまいます。」
「わかりました。陛下からお許しを得次第レッスンをしましょう。お母様、バックアップお願いします。」
「任せて!」
2230 キルヒアイスの寝室
「父上、今日もお疲れ様でした。」
「ありがとうございます。」
「で、父上には以前からお聞きしたいことがあったのですが宜しいでしょうか?」
「何でしょうか?」
「父上には一体何人の“女”がおられるのですか?」
「・・・幼年学校勇者科15期全員と園子様、三ノ輪上級大将です。友奈様からは『真剣に愛されているなら無碍にはするな。ただし漏れなく申告すること』と仰せつかっております。私も真剣に愛されたら拒否するにできませんから・・・。」
父上はとても優秀な軍人であるし、母上を良く支えて下さっている副帝です。ですが優しすぎます。同期の皆さんもそれを知っていたからこそ母上という普段は優しいが怒らせたら本当にまずい存在がありながら父上に攻勢をかけたのでしょう。父上の同級生達は皆ことごとく戦場で父上に救われていますし、元々同期としての絆も深かった。“吊り橋効果”もあるでしょうが、結果的に父上の愛人の数は膨れ上がりいつも笑顔を絶やさない母上もその件に関してだけは決して良い顔をされませんでした。同期とはいえ他の女に父上との時間を奪われたようなものですから。
「三好大将もお腹が膨らんできましたからね。楽しみです。新しい妹か弟が生まれるんですから。」皮肉る
「・・・。」押し黙る
流石に父上をいじめ過ぎましたね。
「父上。」キルヒアイスを抱き枕にする
「歩実様、私が父で良かったですか?」頭を撫でる
「はい。」
「ありがとうございます。私も友奈様と歩実様にお仕えし皆さんと共にあれて幸せです。」
「後は前に出過ぎないようにしていただければ言うこと無しなのですけど・・・聞き入れてはいただけませんよね・・・。」
「私は友奈様の最後の盾です。残念ながらそればかりはお許しいただきたいのです。」
「ちょっとハラハラしますけど、それは母上が決めることです。それに私はいつか父上を守れる立場になって見せますから問題はありません!」胸をはる
「私としてはあまり前に出て欲しくは無いのですが・・・それが歩実様の御意なら私から申し上げることはありません。歩実様のご思慮のままに事をお進め下さい。」
「はい。」
思い立ったら吉日。明日からでも勇者になる為の訓練を父上につけて貰いましょう。元々ミュラー提督から教わっている座学はもとより体幹トレーニングも美子やフェリックス共々欠かした日はありません。後は応用です。
「お休みなさい父上。」
「はい。良い夢を御覧になって下さい歩実様。」
明日も皇太子として頑張ります!
本作は『結城友奈は勇者である』に『銀河英雄伝説』のような『深さ』を付けてみたいと考えて執筆しています。リクエストがありましたら感想欄に書き込みお願いします!