結城友奈英雄伝説   作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将

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解説

古波蔵棗
銀河帝国軍 大将。初代イゼルローン要塞 駐留艦隊司令官。『仕事中以外の時間に用があるならプールに来い』と部下に言う程の水泳バカ。文字通り執務中以外は乗艦の風呂かイゼルローン要塞のプールで泳いでいたらしい。乗艦は水色に全体を塗装した標準型戦艦“ペロ”。

白鳥歌野
銀河帝国軍 大将。初代イゼルローン要塞 防御指揮官。要塞司令官としての卓越した手腕だけでなく要塞の農作物生産工場を発展させ『イゼルローン・ブランド』なる高級野菜シリーズをプロデュースした。通称“農業王”。

藤森水都
銀河帝国軍 少将。初代イゼルローン要塞 事務監。巫女故に目立った戦果は無いが、事務処理・補給計画立案でイゼルローン要塞とバーテックス領進攻を支えた大黒柱。


カストロプ動乱

新無憂宮 庭園

 

「陛下、本日はお招きくださりありがとうございます。」

 

「キルヒアイス少将、今ここには私と君しかいないよ?」

 

「はっ。では園子様、本日は何用で私をお呼びに?」

 

「ゆ~ゆが前から言ってた計画の詳細を話す時が来たんだよ、キルヒアイス少将。」

 

「私にも教えて下さると?」

 

「うん。大体できたからね。私は初代様以下歴代の皆様と違って、皇帝の器じゃない。人類の歴史が始まってからずっと乃木王朝があった訳じゃないし、永続した国家は有史以来無かった。どうせ滅びるなら、民に害無く、より良き者に引き継がせるべきなんよ~。」

 

「園子様におかれる“より良き者”とは?」

 

「キルヒアイス少将の主人かな~。他にいないよ。」

 

「・・・。」

 

「初代様以降、乃木王朝は人心安定の為とはいえ嘘をつきすぎた。そろそろリセットして綺麗にしないと取り返しがつかない事態を招きかねない。まあゆ~ゆに禅譲するかどうかは掃除してからの情勢によるかな。でもひとまずブラウンシュヴァイク公やリッテンハイム侯の処分が終わんないと始まらないから、頑張ってきてほしいの~キルヒアイス少将。」

 

「わかりました。全ては友奈様と園子様の御為に。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カストロプ討伐艦隊 旗艦『タンホイザー』休憩室

 

「なんだここにいたのかベルゲングリューン。」

 

「・・・。」

 

「飲み過ぎだぞ。勤務時間だってのに何やってんだ?」酒瓶を片付ける

 

「結城伯は名将だ。勇者としての力は元より艦隊指揮もできる。戦争の天才と言って良い。だが、その副官も有能とは限らん。付録は所詮付録さ!」

 

「言い過ぎだぞベルゲングリューン。酔ってるな?」

 

「あぁ酔っているとも。素面でやっていられるか!前回失敗した時より兵力が少ないんだぞ。」

 

「だからこそ、酒など飲んでる場合ではなかろう。」

 

「ええいほっといてくれ!」

 

「ベルゲングリューン大佐、ビューロー大佐。」

 

「「!」」敬礼

 

「・・・。」答礼

 

「艦隊編成の確認をします。艦橋にいらしてください。」

 

「はっ。」

 

「ベルゲングリューン大佐、卿の懸念は尤もです。確かに私の今までのキャリアは、元帥閣下の付録でした。今回の叛乱鎮定は私が元帥閣下の付録から副将に上がる為の戦いです。信頼できないのはわかりますが、信じていただきたい・・・などとは言いません。見ていていただきたい。一兵たりとも戦死させずに鎮圧して見せましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カストロプ本星の防空システムは強力ですが、あくまで静止衛星です。我々が射程に入らない限り攻撃できません。カストロプは私兵の艦隊を持っていませんから、制宙権の憂い無く工作艦を展開できます。指向性ゼッフル粒子をシステムに纏わせ、本艦主砲で起爆、破壊します。」

 

「なるほど。誰でも思い付く手ではあるでしょうが、ここまで大規模にやった奴は歴史上いますまい。さぞや汚い花火が見れるでしょうな。」

 

「元帥閣下と違い花が無いのは認めます。ですが戦死者が出ないのですから、それで勘弁していただけますかベルゲングリューン大佐?」

 

「・・・小官は戦死せずに、退屈せん程度に戦えれば結構です。本当に閣下がそんな上官かどうかは、今後の戦いで見極めさせていただきますよ。」酒をゴミ箱に捨てる

 

「大佐、どちらへ?」

 

「酒を抜く為に、タンクベッドで一眠りしてきます。すまんがビューロー、しばらく頼む。」

 

「わかった。やっと勤労の天使が降りてきたなベルゲングリューン。」

 

「ふん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「閣下、指向性ゼッフル粒子の展開、完了しました。」

 

「ありがとうございます。主砲、準備はできてますか?」

 

「いつでも撃てます閣下!」

 

「主砲、発射!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「動乱を収めた!?たった10日で!?」

 

「いや。移動に6日、事後処理に2日かけたらしい。実質2日だな。戦死者0。見事だ。」

 

「どうやら元帥閣下のただの副官ではなかったようだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結城元帥府 元帥執務室

 

「中将昇進おめでとうジーク。」

 

「申し訳ありません。」

 

「何で謝ってるのよ?」

 

「三好中将、血は流れました。首謀者を死なせてしまいました。申し訳ありません友奈様。」

 

「・・・乃木王朝の闇がカストロプを死なせただけだよ。ジークは何も悪くない。」

 

「はっ。ありがとうございます。」

 

コンコンコン

 

「閣下、オーベルシュタインです。」

 

「入って良いよ。」

 

「失礼します。閣下、ご報告致します。ブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯以下およそ3600名の貴族がリップシュタットの森で“園遊会”を開催し、現在共同宣言に全員が署名をしているとのことです。」

 

「・・・直ぐに動いた方が良い?」

 

「いいえ。今後の人心掌握を考えた場合、奴らが各々の領地に逃げる直前に大部分を捕らえるか船ごと処分し、逃げた少数は恐らくガイエスブルク要塞に逃げる筈です。そこを堂々と決戦し、勝利すれば、閣下の地位と名誉は今よりも不動のものとなるでしょう。」

 

「連中が逃げるスケジュールを確認なさい。民間船を盾に逃げられてはたまったもんじゃないわ。航路局の仲間に通達する。」

 

「かしこまりました三好中将。では失礼します。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・始まりますね。友奈様。」

 

「粗大ゴミは纏めて処分する。門閥貴族は最早害でしかない。私達が宇宙を手に入れる障害は、誰であれ排除する。」

 

「お供します、友奈様。」

 




それぞれの『正義』が、命を飲み込む・・・



「我々は勝利する。銀河帝国、万歳!」

「「「銀河帝国万歳!!!」」」







「オーベルシュタインはヴェスターラントの住民を宣伝の為に見殺しにしろと私に言うつもり?」

「帝国250億の民の為にです閣下。」











「お考え直し下さい。」

「黙れ!下賎の者共を一人も生かしておくな!」













「友奈様、何故このようなことを?!」

「まさかオーベルシュタインが嘘の報告をするとは思わなかったの!私だってこんなことしたくなかった!」











銀河を揺るがし、星が乱れる・・・




「友奈様・・・。」





結城友奈英雄伝説 『星乱の章』 近日公開。
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