結城友奈英雄伝説   作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将

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「みー・・・ちゃん。」

「うたのん喋っちゃ駄目!今医者が来るから!」

「もう遅い・・・みーちゃん、指揮を引き継いで。」

「駄目だよ!そんな・・・。」

「総員聞け・・・1645を以てイゼルローン要塞の指揮権を藤森少将に・・・委ねる・・・彼女を・・・よく支えてやるように。」

「「「・・・はっ!」」」敬礼

「うたのん!」

「あぁ・・・悪くない人生だった・・・かはッ・・・みーちゃん、ありがとう・・・乃木さん・・・また一緒に・・・皆で・・・蕎麦と・・・酒を・・・。」


帝国暦20年 8/24 1646
白鳥歌野大将
第2次イゼルローン要塞攻防戦において戦死 享年38歳


キフォイザー星域から愛を込めて

キフォイザー星域

 

 

「何事でしょうか司令官?」敬礼

 

「はい。リッテンハイム侯の様子が情報部から送られてきました。それに伴い結城侯より新たなご下命がありました。ジンツァー准将。」答礼

 

「敵の副盟主リッテンハイム侯がブラウンシュバイク公との確執のあげく、5万隻の艦隊を率いてこちらに向かっているとの情報が入りました。それに伴い元帥閣下よりこれと戦い撃破せよとのことです。」

 

「いよいよですか。」

 

「お三方には当初は最低限の反撃に留めていただき、まず敵の注意を引いてください。その隙に私が本隊として800隻を率い横から攻撃を加えます。」

 

「え?」

 

「たった800隻?」

 

「それとルッツ提督には一つお願いがあります。」

 

「何でしょう?」

 

「敵艦隊とガルミッシュ要塞の間の航路上にリッテンハイム侯は長期戦に備え補給艦隊を配置しているはずです。この補給艦隊とリッテンハイム侯の本体の間に200隻ほど配置しおそらく部下を置き去りにして単艦で敗走するであろうリッテンハイム侯を捕らえてください。最悪撃沈してしまっても構いませんが、生かして捕らえたほうが後々のガルミッシュ要塞攻略の役に立つと思います。要塞の最高指揮官でもあろうリッテンハイム侯をこちらが捕らえたということを示すことができれば、攻略も容易にできるでしょう。」

 

「「「了解しました。」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リッテンハイム侯専用艦 オストマルク

 

「敵影発見。数およそ4万。」

 

「やってきよったか。どうせ小童と戦うのであればピンク髪の方の子娘を相手にしたかった。赤毛の子分の方では不足だがこの際仕方あるまい。」

 

「敵艦隊斜線陣をとっております。いかが対処なされますか?」

 

「小賢しい真似を・・・数で圧倒する。小細工は不要だ。射て!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦艦 スキールニル

 

「ふん。遠いわ。間合いもわからんか。もう少しひきつけろ。600万キロまで迫ったら攻撃開始だ。」

 

「・・・600万キロです。」

 

「よし撃て!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦艦 バルバロッサ

 

「始まりました。」

 

「本隊を発進させる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「敵の左翼は高々2万。何故一気に打ち崩せんのか!?」

 

「恐れながら我が艦隊5万隻と申しましても、その編成も構成比率も通常のものと異なりまして『烏合の衆だと申すか!』いえ。しかし数程の働きをするには・・・。」

 

「左舷方向、新たなる敵を確認。数1000隻未満。」

 

 

「何を狼狽える!敵は少数ではないか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、敵が崩れたぞ!攻撃開始!」

 

「5分後にワルキューレを発進、制宙権を確保しろ。」

 

「(敵の艦隊編成の不備を看破してのことか・・・見事!)敵の混乱に乗じて一気に殲滅する。全艦、突撃!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戦艦ゴスラール撃沈、戦艦ドルトムント大破!」

 

「あ あれは!?」

 

「うっ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれがリッテンハイム侯の旗艦だ!逃がすな!戦乱の元凶を捕らえよ!ワルキューレ発進、推進部を攻撃し敵の足を止めよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦艦バルバロッサ キルヒアイスの執務室 テレビ電話

 

「友奈様。」敬礼

 

「ジークお疲れ。リッテンハイム侯は捕らえたの?」答礼

 

「はい。このままガルミッシュ要塞に降伏を勧告します。拘束したリッテンハイム侯を見せればあっさり降伏して貰える筈です。」

 

「うん。ガルミッシュはレンネンカンプ先輩に任せてジークとルッツ君とワーレン君は私達本隊に合流して。一緒にガイエスブルクを陥とすよ。」

 

「御意。友奈様、ご武運を。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイエスブルク要塞

 

初戦でいきなり総司令官であるシュターデン大将を失った貴族連合軍は、代わりにフォーゲル大将を充てて結城侯 友奈率いる討伐軍に対抗しようとしていた。そこに結城侯 友奈からメッセージが届く。

 

「蒙昧にして臆病なる貴族達。実力を伴わぬ自尊心など捨てて降伏した方が良いよ。命を助けてあげるばかりか、無能な君達が生きていくのに困らぬ程度の財産も残してあげる。先日リッテンハイム侯はその卑劣な人柄に相応しく惨めな最後を遂げたよ。同じ運命を辿りたくなければ、無い知恵を絞って考えなさい。」

 

 

 

「おのれ小娘、よくも言いたいことを・・・。」

 

「あの小娘を引っ捕らえた者には、恩賞は思いのままだぞ!」

 

「「「「「オォーッ!」」」」」

 

「閣下、敵が接近して参りました。」

 

「何!?」

 

「要塞主砲の有効射程ギリギリのところで、しきりに示威行動を取っております。」

 

「これ見よがしに!」

 

「あれはシュターデン大将が敗れた“疾風ウォルフ”の艦隊です。」

 

「平民共が・・・調子に乗りおって!」

 

「フォーゲル司令官、出撃命令を!」

 

「良かろう。今度こそ門閥貴族の力を帝国中に知らしめるのだ!盟主殿、一言宜しくお願いする。」

 

「わかった。我々は勝利する。銀河帝国、万歳!!」

 

「「「銀河帝国万歳!!!」」」

 

こうしてブラウンシュヴァイク公率いる貴族連合軍は結城侯 友奈に決戦を挑むためガイエスブルク要塞を後にした。艦艇数10万隻の堂々たる艦隊である。人類史上最大の宇宙艦隊戦である後にガイエスブルク会戦と呼ばれた10万対10万の戦い。人類の未来を賭けた戦いが、幕を開ける。




次回、結城友奈英雄伝説 『勝利、そして悲劇』

銀河の歴史がまた1ページ
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