¡Viva España!   作:YJSN

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今回のロズワール邸での願い事を要求してる時を想像して描きました
だいぶ下手ですが良ければどうぞ 挿絵です


【挿絵表示】


だいぶ短く荒い文ですが...




2つの願い事

「ど〜ぉかな?当家の使用人 レムが作る手料理はーぁ?」

 

目の前の主席に座るこのお屋敷の領主 ロズワール辺境伯は

相変わらずおかしなイントナチオン

いや、イントネーションで私に聞いてくる。

 

「美味しいと思う。」

 

私は目の前の野菜が煮込まれたスープとサラダなどを素っ気なく平らげながら答える。

 

「それはよかったーぁよ。」

 

この仮装麗人と出会った時、少しだけ【私のものではない】左胸の懐に入れてある聖書に反応があった。

 

だが、私はこの男に渡す気にはなれなかった。

 

「(...あの聖書を渡すべき人では、ない。)」

 

時期尚早だと、このロズワールなどという輩に安易に渡すわけにはいかなかった。

 

何せ突如として現れた聖書なのだから。

 

 

 

 

 

 

そうこうしているうちに、隣のエミリア嬢やチビ子ことベティーも食べ終わり、私たちは食事を終わらせていく。

 

「...さぁて、お食事も済ませたよーぅだし、

改めて自己紹介と行かせてもらうとしよーぉじゃないかーぃ?」

 

ロズワール辺境伯は周りの全員が食事を終わったことを確認して、口元を拭きながら淡々と言い放つ。

 

「私はここ、ルグニカ王国内の北方の辺境地 メイザース領を任されている

ロズワール・L・メイザースだぁよ。」

 

「辺境地...。」

 

私が気になった言葉を復唱すると、彼はニヤリとした顔で

 

「そーぉだーよ。君もここにくるまでに見てきたと思うけど、周りは森に囲まれている。

 

その上、森には獰猛な魔獣が潜んでいーるんだぁよ?」

 

と、無知な私に説明をしてくれる。

 

「(...王都からも北に逸れている、人里も 道中見かけた村のみ。確かに辺境だな。)」

 

これまでここにくるまでに通ってきた道を思い出しながら納得する。

 

「...あなたについてはわかりました。で、話のご用件とはなんでしょうか?」

 

私が主題を急かすと、彼は手を組みながら真剣な顔になり

 

「...余興は必要なさそうだぁね。

よろしい、まずは君の行ったことからだぁよ?」

 

と、順番を経て事柄を彼は私に説明していく。

 

「まず、君は聞いたところによるとエミリア様を昨晩、大変お救いになられたんだぁーよ。

 

君は勇敢にも、腹わた狩りのエルザ・グランヒルテの襲撃からエミリア様を守ったぁんだよ?

 

君の助けがなければ今頃どーぉなっていたーぁかな、と 思うと今でもゾッとするねーぇ...エミリア様?」

 

彼は隣に座っているエミリア嬢に同意を促す。

 

その肩に乗っかっているはずの精霊 パックは今向かい側の席に座ってあるベティーと戯れている。

 

「ええ、イルパニアさんは私を救ってくれた。とっても感謝しているわ。」

 

と、私に向かって真面目に語ってくる。

 

「...と、いうわーぁけで 君にはそれ相応の恩があるわぁけだーよ。」

 

と、ロズワール辺境伯はここでようやく本題を出せたと言わんばかりに顔を更にニヤけさせながら続ける。

 

「...それは、私に何かしてあげたい、と言うことですか?」

 

更に率直に聞くと彼は快く首を縦に振った。

 

「そーぉだーよ。私にできる限りの事ならなーんでも、君の願いを一つだけ

叶えてあげようじゃーないかーい?

 

...ただ昨晩の事件に関しては口外を禁止してもらうという約束が条件だぁけどねーぇ?」

 

彼は大袈裟に組んでいた手を宙に挙げてそう宣言する。

 

「一つ...ですか。」

 

私が顔を下に向けて思案してそう言い放つが

 

「もーぉちろん、君が望むなら三つ、四つに増やせはできるよーぉ?

でも、その一つ・一つへの願い事へ尽くせる力は二等分、三等分と減っていくけーどねーぇ?」

 

彼は私にそのシステムを説明した。

 

つまり一個に集約させて巨大なお願いをするか、分散させて小さな願い事を複数願うか。

 

「...私はそこまで傲慢な訳ではありません。2つで我慢します。」

 

「ほぉ?言ってみてくださぁいな?」

 

深呼吸して、要点を掻い摘んで内容を考え話す。

 

「1に、国内でのカトリック布教の許しを請うため賢人会に出席させる事。

 

見たところロズワール辺境伯はそこそこの地位にはあるとお見受けしたので。

 

2に、カトリック教会の保護を約束してもらいたい。」

 

私が打診すると、彼は少々押し黙った後に

 

「...エミリア様からは、君のいうカトリック教会がある種の宗教であると伺っているーよ。

 

君は何よりもそれを重んじているだぁとか、ね。」

 

再びエミリア嬢にこの用件に同意を求める彼に反応して、彼女も首を縦に振る。

 

それを目視した彼は話を続けて

 

「でも私はそのカトリックが国にとって有害かどうかは判断しかねるよーぉ。

 

...何せ今、ルグニカには

 

 

王が不在 なのだから。」

 

「...っ...。」

 

その言葉を聞いて、私は少々驚愕の顔を表に出してしまう。

 

それを餌と見たのかは知らないが、ロズワールはグイッと迫った様子で

 

「おやぁ?その様子だとここ、ルグニカ王国の政情には詳しくなぁいようだーぁね?」

 

と、痛いところをつかれた。

 

確かに、私はこの土地の事を知らない。

 

ここにはふと気がついた時居ただけなのだから。

 

「...確かに、私はルグニカ王国の事は何も知りません。」

 

「ふぅむ...そんな君に、すこーしだけ情報を渡そーうじゃなーぃの。

そうした方が君も自分の願い事について理解しやすいだろうしねーぇ。」

 

と、彼は私に更に親身になって教えてくれる。

 

「第一に、約半年前、王城の中で疫病が蔓延して王族は死亡。

 

国の運営については、賢人会と呼ばれる、君が先ほど言った功績のある方々が執り行っているんだーよ。

 

今、ルグニカ王国には戒厳令が敷かれて情報統制もなされているんだぁね。」

 

「なるほど、王不在時でもここまで国が回るのなら、この先は安泰そうですね。」

 

例えればイスパニア帝国で皇帝がおらず、私や閣僚が政権を担っているのと同じだ。

 

だが彼は私のその一言になぜか反応したようで、

 

「いやいーや、そうでもなーぃんだぁよ?」

 

私をその左右の目の色が違うオッドアイで見つめながら

 

「...王が不在など、あってはならない。」

 

先ほどまでの口調ではなく、ハッキリとした声と威勢で言い放ったその言葉には 一種の強い意志を感じれた。

 

「...私もどこか似たようなものを感じますよ。

王への忠義、主君への誓い...。」

 

「互いに共感できるところがあって、嬉しい限りだぁね。」

 

ロズワール辺境伯は嬉しそうに先程とは顔色を変えて微笑む。

 

「...なるほど、私はそんな政情不安定な中、

見たことも聞いたこともない宗教を持ち込もうとする異邦人、ということかな。

 

正しく疑いの目が向けられる対象...。」

 

「そのとーぉり。だけれど私も紳士だぁからねーぇ。

エミリア様を救ってくれた人にそう無粋な事は出来なーいね。」

 

どこが紳士なんだと心の中で冗談を言ってしまう。

 

「だぁから、君が言ってくれた願い事の内の1つ

 

賢人会への出席は恐らく可能だぁよ。しかし君の布教が認められるかどうかは、君次第、といったところかぁーな。」

 

「うまく賢人会の方々に説明できなければ、これまでに私が聞いてきた

《魔女教》のように虐げられる、と?」

 

と、私が彼の言わんとする事を先読みする。

 

魔女教についてはこれまで関わってきた者達のその言葉に対する反応を見れば、この国では憂うべき存在だとすぐにわかった。

 

「そぉだーね、少なくとも快くは受け入れられないだろうねーぇ?

 

次に、二つ目の願いだがぁね、これに関しては私の力が及ぶ範囲で、という事なら可能だぁよ?」

 

「...それで構わない。今、私には出身の祖国からの支援もなければ、露頭に迷う小魚だ。」

 

私が観念したかのように告白すると彼も「よろしぃ。」と一声かけて了承し、

 

「あ、ただぁし。賢人会への出席は恐らく...まだ待ってもらわなきゃいけないと思うよーぉ?」

 

それを聞いて私は少し疑問に思った。

 

「...理由を聞かせてもらえますか?」

 

「ふぅむ...大きな理由は、彼女 エミリア様に関係しているのだぁけれど。」

 

と、隣に座り、黙って聞いている真面目な彼女の方を向くと今度は彼女が説明してくれるようで

 

「えっとね...イルパニアさん、驚かないで聞いてくれる?」

 

と前置きこと忠告をし、

 

「わかった。」

 

と、素直に了承すると彼女は深く呼吸をしてから

 

「数ヶ月前に王家の方々が亡くなって以来、国中を挙げて王位継承者を集めてるの。

実は私...その中の1人で...その...。」

 

私に話していなかった、いや話し辛かった事を絞り出しながら言う。

 

「...隠していた、のかな?」

 

私が特に何も思わない顔で聞くと彼女は血相変えて

 

「そ、そうじゃないのっ。ヘルパーニャさんが私が王位継承者だと知って、畏って接されるのが...その...嫌だったから...ごめんなさい。」

 

「いやいやいや、謝らないでください。仮にも王位継承戦に出るお方なのだから...。」

 

私もそれを知って仕舞えばもはや知人として話す事は出来ず、堅い言い方で伝える。

 

「そーぉれで?

彼女の他にあと3人 候補者がいるんだぁけどね

 

あと1人 まだ王位継承者が見つかっていないんだぁよ。」

 

ロズワール辺境伯はエミリア嬢の説明を代わりに続ける。

 

「もし、その1人が見つかれば継承戦の開始のために賢人会が玉座で開かれると思うんだぁけど

 

私も生憎それがいつかは知り得ないかぁらね。」

 

「なるほど、だから待ってほしい、と言う事か。」

 

私は納得したように頷く。

 

「...ところで願い事には入っていなかったけどぉ

君は賢人会が開かれるまでどうするつもりかぁな?」

 

「...野宿でもしようかと。」

 

うっかり今後の予定を考えるのを忘れていた。

 

それを見越していたかのようにこの男はまたも大袈裟に両手を私の方に向けて

 

「いやいーやぁ、エミリア様の恩人が野宿するなどとんでもない事...

 

賢人会が開かれるまでは、当家の屋敷で預かることもできーるよぉ?」

 

甘い甘〜〜い条件を出してくるこの男...

 

「と、いうよりは私の腕を見込んでエミリア様の護衛にでも就かせたいという目論みもあるのでは?」

 

と、ただの好意には見えなかったのでそういうと、彼は「あちゃ〜。」とわざとらしく反応しながら

 

「そぉれもあるけどねーぇ?

できれば君の昨晩の

腹わた狩りのエルザを退けた腕を生涯エミリア様の為にお役立てしてほしいなぁー、なんて。」

 

ロズワールが片目を薄く開いてこちらを期待してそうに見つめると

 

「別にいいんじゃない?イルパニア。君に悪意は見受けられないし。」

 

と、これまでずっとベティーと戯れていたパックが急に話し始める。

 

「パック...ご冗談を。私は一介の兵士・使徒に過ぎません。」

 

「フフ、君は時々面白い事を口走るね〜ぇ?」

 

ロズワールはニヤけ顔で私の目を真っ直ぐに見据える。

 

「...さっさと話を済ませるのかしら、ベティーは退屈ではないのよ。」

 

と、妙に仲の良いパックをこちら側の会話に引き取られた彼女 ベティーは少々イラついた様子で幕引きを急かす。

 

「それも、そーぉだーぁね。

では、改めてゾルド・イルパニア卿 貴殿を歓迎するよ。」

 

と、私の処遇はこうして決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャッ

 

広い屋敷内の中にある一部屋の扉が開けられる。

 

そしてこのピンク色の髪の方のメイド ラムが

 

「あなたの部屋はここ。

朝食は朝7:30分から、昼食は12:30 分、夕食は5:50 分からよ。」

 

と、案内される。

 

「ありがとう...それと。」

 

私は礼を言って目の前のふかふかの整理されたベッドに目を渡す。

 

「何かしら、まだラムに拙い用事を言いつける気?」

 

と、ラムは未だに態度が堅い。

 

「...文字が読めない。」

 

「...は?」

 

私が率直に生活上の問題を伝えると、彼女は口をハの字にして呆けた顔をする。

 

「...ラム嬢も可愛い顔、できるのだな。」

 

私がそう茶化すと彼女は少し頰を赤らめて

 

「...常識的な事が出来ないあなたに驚いただけよ。それなら今晩、この部屋で待っていなさい。文字の学習くらいなら私が面倒を見れるわ。」

 

「すまない...いや、ありがとうが正解か?」

 

と、親切にも私の言語育成に携わってくれるそうだった。

 

「...では私はこれからお屋敷の仕事が残っているから。」

 

「...わかった。」

 

ガチャリと、部屋のドアを閉めて彼女はこの部屋から出ていく。

 

「...扱いとしては食客状態、か。」

 

だが私は見抜いていた。

 

あのメイド達は、というよりエミリア嬢以外のこの屋敷の人間はほぼ全員が私を疑い、信用していないことに。

 

「それが当然、か。」

 

人の家に転がり込んでいきなり信用しろという方がおかしいのかもしれない。

 

 

 

「...立ち聞きも怖いものだな。」

 

 

 

私は最後にそうとだけいうと、部屋の整理にかかった。

 

その言葉を放った瞬間、扉の前に未だに居た気配はスッと消え去った。

 

当然、ラムの事...推測するに私のお目付役というところだな。

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