ロボ娘とヒーローアカデミア   作:ロボ娘

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爆豪は、はじめから「デクの"個性"が最近になって目覚めた」と知っているため、少しだけマイルドになっています。


第6話

雄英高校ヒーロー科もあくまでも学校である。当然、学習指導要領に沿った通常授業も行われる。

この学校の教師はヒーローであるため、生徒たちは初めのうちは楽しそうであった。

 

しかし、どの授業も普通であった。

 

世の中にはアクティブラーニングなどを取り入れて、先進的な授業をする学校もある。学力をつける上では、(人により合う合わないがあるが)教科書通りな授業よりも効果はあるらしい。

しかし、悲しいことにヒーロー科にはそんな時間はない。

()()()()()()()()()()()()()()()のならば教科書通りが1番いいのだろう。

そんな、(学校の授業なんて受けたことがないが)普通すぎる授業を終えると、昼休みとなった。

緑谷様は飯田様、麗日様の3人で学食で昼食を取るようだ。

既に学食のメニューは全て頭の中に入っており、栄養素、カロリーの計算も完了されている。驚くことにここの学食の栄養のバランスは良く、よく生徒のことを考えられている。

流石はランチラッシュ様だ。

しかし、毎日同じものを食べるのも良くないので、何を食べるのかを日毎に予定表として決めておいた。

一方、私は食事は必要無い。

というよりも充電さえあれば休息も必要無いため昼休み自体が必要無ため、自分の席でスリープモードで待機だ。

 

「アンさん、午後からの授業の内容は聞いていますか?」

 

八百万様はふと、私に聞いた。

既に私が"オールマイトのサポートアイテム"であることは公表されているため、何か知っていると思ったのだろう。

 

「敬称は不要です。 マスターは授業内容は話してくれないため、分かりません。雄英高校に関しては生徒以上には知り得ないのです。しかし、先日から教育関係のハウツー本を買い漁っているようです。」

 

「は、ハウツー本ですか……? なんだか、イメージと違いますね……。」

 

イメージ。

確かにマスターは一般的には何でもできる超人、みたいに思われている。

しかし、彼はただの人だ。強力な"個性"は持っているが、それだけだ。

はじめてのことは緊張するし、出来ないことは多い。

 

「そうですか? マスターはあくまでもヒーロー。教師としては素人です。」

 

「た、確かに、そうですわね。私たちも、オールマイトがやりやすいようにしなければいけませんね………。」

 

八百万様は少し間を開けた後に、言いづらそうに口を開けた。

 

「も、もしよろしければ、オールマイトの私生活? のようなものを聞かせてもらえませんか?」

 

なるほど、

マスターはトップヒーロー。

全日本人の憧れの的、と、いっても過言では無い。

もはや、アイドルだ。

例え、緑谷様のような熱狂的なファンでなくても、公私の私の部分が気になるのは当然だとは思う。

 

「あ、それ、私も気になる。」

 

八百万様の発言に耳郎様が反応した。

それにつられて教室に残っていた複数名の生徒たちも集まってきた。

マスターの威光ならば当然だ。

その威光に惹かれた彼らの想いに応えるのも、サポートアイテムの仕事だ。

 

しかし、言っていいことと言ってはいけないこと、は当然存在する。

 

例えば女性関係だ。

"個性"云々の前にトップヒーローが熱愛なんて起きたら大変だ。

ただでさえ捲くのが難しい文冬(ぶんとう)が、さらにめんどくさい事になってしまう。

また、住居や行動が特定されてしまうこともNGだ。

流石のマスターも息抜きもできない生活では精神的に参ってしまう。

さて、どうしたものか……。

 

 

……。

 

 

「マスターは、片付けがあまり上手ではありませんね。掃除中にアルバムとか見つけると見入ってしまいます。」

 

と、当たり障りのない回答しか出来なかった。

しかし、一つ答えると次々と質問は飛んでくる。

 

マスターの好きなもの、苦手なもの、恋人、戦い方、

 

それら全てに応えられる訳ではないが、出来るだけ答えていく。

そんな中、

 

「はいはい! スリーサイズ!」

 

峰田様は手を挙げて質問を投げてきた。

マスターのスリーサイズか、これならば公式で発表されているし、緑谷様なら年代別で即答してくるだろう。

 

「マスターのスリーサイズなら公式サイトでも……」

 

私が応えようとした瞬間、峰田様は鬼の形相となった。

 

「ちげーよ! アンのスリーサイズだよ!」

 

わ、私のスリーサイズ?

私のスリーサイズなんて聞いて何か特になるのだろうか?

しかし、聞かれてしまっては答えるしかない。

答えない理由がない。

 

「トップバストが……。」

 

「答える必要はありませんわ!」

 

八百万様に口を塞がれてしまった。

これでは、答える事はできない。

 

「そうだよ、アン。峰田、最低だね。」

 

「ケロ、最低よ峰田くん」

 

「最低だよ。」

 

「ええ、最低ですわ。」

 

上から耳郎様、蛙吹様、葉隠様、八百万様だ。

峰田様を見下ろす4人。

それに対して彼は地団駄を踏みながら叫ぶ。

 

「ああ、最低なのは分かってるさ!だが、それを超えてこそPlus Ultraだろ! お前ら男どもなら分かるだろ! スリーサイズもふめ、穴があるか………ぶへッ」

 

蛙吹様の舌が峰田様を吹き飛ばした。彼は掃除用具箱にぶつかり崩れ落ちた。

 

「…………反省は、しない………。」

 

…………………。

 

ちなみに私には穴は無い。

性行為は不可能だ。

私はセクサロイドでは無い。

 

「色欲の……獣」

 

「くっ、男として最低だぞ」

 

「馬鹿だ。」

 

「……うるせぇ」

 

常闇様、切島様、上鳴様、爆豪様(スマホを弄っている。)がそれぞれ声を上げた。

と、そんな感じに昼休みは終わり、ついにヒーロー基礎学の授業となった。

 

マスターの指示でA組の全員はコスチュームを着てグラウンドβに移動した。

私のコスチュームは、マスターの言う通りメイド服だった。

一見、半袖でミニスカートの普通のメイド服だが、通常のものとは異なる。

まず、スカートではなくパンツスカートだ。一見は股下10センチほどのミニスカートだが、下着が見えないように身体にフィットしたパンツが組み込まれている。

腰の部分は目立たないがメッシュとなっており、排熱の邪魔にならない。背中は大きく穴が開いており飛行ユニットを問題無く稼働できるようになっている。

あたりを見渡すとインゲニウムのようなコスチューム(飯田様だろうか?)や、露出の激しいコスチューム(八百万様だ)など、各々、()()豊かだ。

しかし、緑谷様のコスチュームは、他の生徒と比べて作りが粗い。おそらく、誰かの手作りだろう。

 

「ぬぉおお! おっぱい! パッツンスーツ!こっちはメイドロボだ! 最高かよ、ヒーロー科!」

 

叫び声が響いた。

その方向を見ると峰田様がぐっと拳を握りしめていた。

 

そんな茶番はさておき、マスターから今回の授業の説明が始まった。

今回は屋内対人戦闘訓練だ。

ヒーローチーム、(ヴィラン)チームに分かれてビルの中で戦闘を行う。

設定は(ヴィラン)チームがビル内に核爆弾を隠している。ヒーローチームは制限時間内に確保しなくてはならない。と言うものだ。

ヒーローチームの勝利条件は捕獲テープで(ヴィラン)チーム全員を捕まえる。もしくは、核爆弾に触れることだ。

(ヴィラン)チームの勝利条件は制限時間まで、守り抜く、もしくは、ヒーローチームを全員捕まえることだ。

明らかにヒーローチームが不利だ。

それどころか、(ヴィラン)チームがあることに気がつけばヒーローチームの勝ち目はない。

また、チームはくじ引きで決める。

しかし、私がチームに入てしまったらバランスが壊れてしまうため、最後にマスターと一対一で行うとのことだ。

初戦は

ヒーローチーム、緑谷様、麗日様

(ヴィラン)チーム、爆豪様、飯田様だ。

 

初戦の4人を残して私たちはモニタールームで、観戦となった。

 

そして、戦闘訓練が始まる。

 

はじめに動いたのはヒーローチームだ。

2人は躊躇いなく正面から屋内に入っていった。

これは悪くないが、よろしくもない。

この訓練には制限時間がある。(ヴィラン)との戦いは時間ロスだし、核爆弾へ危害が加わる。

仕方がない状況は除き、戦闘は出来るだけ不意打ち一撃必殺が良い。少なくとも戦闘に入るまでに核爆弾の位置を把握しておきたい。

索敵能力に欠けるこの2人の場合、どれも難しいことだが、工夫次第で会敵の確率は下げることは出来る。

この辺りの能力は雄英がこれから仕込んでくれるだろう。

対して(ヴィラン)チームは爆豪様が飛び出した。

1人が遊撃、1人が守備。

悪くはない作戦だが、爆豪様にヒーローチームを見つけることができれば、の話だ。

しかし、緑谷様は隠れもせずに堂々と進んでいるため、容易に発見し、奇襲をかけた。

 

『死ねぇぇええ!』

 

とてもヒーローとは思えない声。

しかし、タイミングも角度も(年齢の割には)上出来だ。

アレをかわせる生徒は少ないだろう。

しかし、緑谷様は寸前の所でかわした。

違う、完全に見切った。ギリギリでかわして爆豪様の頬を殴り飛ばした。

目算にして2%に行くか行かないかだが、もろに受ければ大ダメージは間違いない。

しかし、緑谷様に今の奇襲を見てからカウンターを決める技量があるとは思えない。あの2人は幼馴染だ。爆豪様の考え方から奇襲をかけてくることを読んでいたのだろう。

 

『麗日さん! 先に行って!』

 

緑谷様はそう言いながら、"個性"を発動させた。

目算、3%でのフルカウルだ。

そのまま、爆豪様に向けて回し蹴りを放ち、爆豪様をさらに吹き飛ばした。

 

「容赦ねぇ……」

 

モニターを見ながら切島様は言った。

正義感溢れる子どもならば、そう見えるだろう。

だが、今のはヒーローとして正しい行為だ。

 

「いいえ、切島様。 一撃を与えた程度で攻撃を辞めてはいけません。相手が完全に再起不能になるまで手を止めない。ヒーローとして誰かを守るためには必要な行為です。それに、相手が体勢を崩してる隙に攻撃をするのは、戦いにおいては普通です。 見てください。」

 

モニターに映る爆豪様はかろうじて、緑谷様の蹴りを腕につけた籠手で受けていた。さらに、攻撃の威力よりも明らかに吹き飛んでいることから、彼の"個性"である爆破の反動で、自信を吹き飛ばす事でダメージを減らしたのだろう。

さきほどの、カウンターのダメージも少ないのも、同じように後ろに飛び、威力を殺したからだ。

 

『クソナードがぁああ!』

 

爆豪様は空中で身を翻し、爆破の"個性"で緑谷様に突撃した。

 

「なんだ、アレ、才能マンか!?」

 

上鳴様の声も頷ける。

凄いセンスだ。

咄嗟の判断。

反応速度。

その全てが、緑谷様を上回っている。

緑谷様は爆豪様に殴り掛かる。しかし、攻撃が当たる寸前に、爆豪様は緑谷様の眼前に爆破を発動させる。

目眩しも兼ねた一撃だ。

その反動で緑谷様の後ろに回り、爆破を放つ。

しかし、それくらいの攻撃、緑谷様も対応できる。

寸前の所で、緑谷様は一気に前方に飛び距離を開けた。

しかし、完全にかわせたわけではなく背中は少し焦げている。

 

『はっ、目覚めたばかりの割には動けてんじゃねぇか!! 』

 

爆豪様は(ヴィラン)のような形相で緑谷様へと襲い掛かった。

一方その頃、麗日様は5階の真ん中のフロアで核爆弾を見つけていた。

しかし、突撃はせずに隠れている。

いい判断だ。麗日様では、おそらく飯田様には勝てない。

彼はプロヒーローインゲニウムの弟。ヒーロー一家の末弟だ。

小さい頃から色々と仕込まれているはずだ。

 

この状況はヒーローチームには不利だ。

緑谷様と爆豪様の実力はほぼ互角で、おそらく、麗日様では飯田様には勝てない。

このままでは時間切れでヒーローチームは負けてしまう。

こればかりは(ヴィラン)の実力を見誤ったヒーローチームのミスだ。完全な()()()()の話になるが、2人がかりで確実に爆豪様を倒すべきだった。

この状況をひっくり返すには、何か奇策のような小細工が必要だ。

だが、この土壇場で集中力を欠いた麗日様は見つかってしまった。

咄嗟に核爆弾の捕獲に入るが、飯田様の高速移動で爆弾を移動されてしまう。

飯田様は爆弾を抱えたままでも、麗日様を上回る移動ができる。

これで、麗日様は完全に戦力外となった。

緑谷様が爆豪様に勝てるかどうかが、勝負だ。

 

『くそ! かわすんじゃ、ねぇ!』

 

爆豪様の攻撃を緑谷様は全ていなす。

比べる相手が悪いが、緑谷様は私と特訓してきた。アレくらいの攻撃速度なら対応できる。

 

「凄い、あいつ入試一位と互角だ!」

 

誰かがそう言った。

だが、それだけだ。

このままでは時間制限で負ける。

しかし、おそらくだが緑谷様に策があるだろう。

だが、私の考えが正しければ、その策は愚作だ。

緑谷様は着実に、麗日様のいるフロアの真下まで移動してきている。

戦いながらの誘導は、本来かなり難しいのだが、どういうわけか頭に血が上っている爆豪様は簡単に引っかかっている。

おそらく、全神経を緑谷様を倒すことに向けており、チーム戦であることが抜け落ちているのだろう。

 

そして、ちょうど真下まで移動した直後、

 

『スマッシュ!』

 

緑谷様は頭上に向けて蹴りを放った。

目算で30%。

自傷覚悟の脚での一撃。

その風圧で爆豪様も緑谷様も吹き飛ばされた。さらに、天井を抜けて屋上まで、全ての天井・床を破壊した。

そして、その瓦礫を麗日様は、軽くした柱で打ち抜いた。

 

『流星ホームラン!!』

 

こうしてヒーローチームは勝った。

しかし、この雑な攻撃で核爆弾は爆発したかもしれない。

緑谷様の足は、歩けるだろうが、戦いは暫くは無理だろう。

 

試合だから許された反則だ。

 

緑谷様は強くなった。

だが、これからの成長に期待だ。

 

 

 

 

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