ダン狂~くるみ(偽)とリリのダンジョン探検~   作:ヴィヴィオ

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スキルなどは習得せず、刻々帝(ザフキエル)のみになります。なお、元から時崎狂三に備わっているものは別です。


ロキ・ファミリアのくるみちゃん3

 

 

 くるみちゃんをうちの部屋に連れ込み、リヴェリアママと一緒に彼女のストリップを見ようとしたら、ママに視界を塞がれた。

 

「ちょっと見えへんねんけど!」

「流石に見せるわけにはいかん」

「そんな~」

 

 少しして目から手が退けられると、リボンが解かれてドレスが下にずらされている。つまり、傷一つない綺麗な素肌が曝されておるんや。少し指を這わせてみるとスベスベのモチモチで羨ましいぐらいや。

 

「んっ……あの、何しているんです、か?」

「確かめとるんや。それよりやるで」

「ええ、お願いします」

 

 まずはロックを解除してステイタスを表示させる。そこから神の恩恵(ファルナ)を上書きしていく。彼女の魔法は刻々帝(ザフキエル)と神威霊装・三番(エロヒム)。それに時喰みの城。明らかに人が持つレベルの魔法やない。人としての枠を超えとる。なんやねん時間操作って、うちら神様でもそんな特殊な奴しか無理やで。こんなんクロノスとかそっちの領域や。それこそ神々の代理として降りた……そういえば、アイズたんはこの子に何か感じると言っとった。誘拐された時にアイズたんが聞いた言葉から予想できるのは……

 

「これは……ロキ、彼女は……」

「黙っとれ! これをやったんはソーマ……はありえへんな。アイツは酒しか興味がないんや。それやからありえへん。となると……闇派閥(イヴィルス)の可能性もあるか」

「何をしていますの? 人のステイタスをコッソリと見て考え込むなんて失礼でしてよ?」

 

 後ろから抱き着かれて振り向くと、そこにはうちの下で寝転がっている子とまったく同じ姿をした彼女が居た。彼女の手には短銃が握られており、うちの蟀谷に押し付けられとる。

 

「まあ、それは構いませんが、何を知っているのか教えていただきましょうか。わたくしも過去の記憶がございませんので、知っている事があるのなら、教えてくださいまし」

「ロキを離してもらおう」

「少し大人しくしておいてくださいませ」

「っ!?」

 

 リヴェリアの周りにも無数のくるみたんが現れてリヴェリアに抱き着いて動きを封じていきよる。というか、部屋の中に十人は居るんやけどっ!? 

 

「ほとんど知らんで。うちが知っとるんは……くるみたんがエインヘリヤルと同じようになっとるって事だけや」

「エインヘリヤルですか? 確か、死後に集められる戦士の魂でしたか?」

「詳しいやん。そうや。くるみたんは死んだ者の魂が使われとる」

「それがどうしましたか? そんな事、とっくに知っていますわよ?」

「マジで!? 自分、死んでるんやで!」

「ええ、わたくしがわたくしになる前、おそらく死んだのでしょうね。気付けばオラリオにおりましたし。他には?」

「あ~他は精霊と人の身体を融合させた存在って事ぐらいしかわからんで。くるみたんの左眼が特殊な精霊の物やっていうんはわかっとるぐらいやな」

「その程度ですか?」

「ああ、せや。嘘はない」

「そうですか。残念ですわ。やはり闇派閥(イヴィルス)達の方が知っていそうですわね」

「そらそうやろ。こんな馬鹿げた禁忌を行うんは連中だけや。いったい何人犠牲にしたんかもわからん。普通は成功すらせん。作られた身体にくるみたんの魂を降ろす事で奇跡的にエインヘリヤルになっとるだけや」

 

 両手じゃ数えきれんほど犠牲になっとるのは確実やろう。まあ、それ以外に外的要因がないと成功するはずはないんや。精霊が自ら望んだら別やろうけど、そんなん普通はありえへん。

 

「わかりましたわ」

 

 うちに抱き着いていたくるみたんが指を鳴らすと、うちやリヴェリアに抱き着いとった子達が彼女の影に入って消えおった。ほんま便利なスキルと魔法やで。その分、コストも高いんやけど、時喰みの城で他者から吸い取る事で賄っとるんやな。

 

「なあなあ、抱き着いたままでええで?」

「……」

「うわっ、その生ゴミを見るような目で見るんわやめてくれへん? 流石に傷つくんやで!」

 

 うちから離れたくるみたんがリヴェリアの隣に移動して、いや、後ろに隠れてこっちを滅茶苦茶冷たい目で見て来とる。なんや、新しい扉でも開きそうや。

 

「リヴェリアさん……」

「知らん。それよりもくるみ。お前はアリアという言葉を知っているか?」

「知りません……いえ、わたくしを誘拐した方達が良く口にしておられますわね」

「やはり連中は何かを知っているか……」

「まあ、難しい事は後でゆっくりと考えればええ。今はくるみたんの柔肌を蹂躙したるで!」

「はいはい、もうそれでいいですわ。早く終わらせてくださいまし」

「ほな行くで!」

 

 ステイタスを書き換え、改宗をさせてやる。実行すると、ベッドの方のくるみたんがビクンッと跳ねてから仰け反り、絶叫をあげだす。同時に彼女から物凄い力を感じ、やばい気配がプンプンしよる。

 

「ロキ! これはどうなっている!」

「うちは普通に改宗しただけや!」

「あらあらまあま……」

 

 ベッドのくるみたんの左目が金色に輝き、後ろに巨大な時計盤みたいなのが出現した。それから狂ったような叫び声が聞こえ、くるみたんの髪の毛が先端から真っ白へと変化していきおる。

 

「ああ、なるほど……分身体が神の恩恵を受けるとこうなるのですね。過剰反応……いえ、しぶとくもわたくしの中にまで生き残っていた……ああ、そう言えばパクっておくように指示を出しておいたんでした。宝珠と神の恩恵。そして本体よりも隙が出来る分身体の身体。ある意味では納得ですわね」

「何落ち着ちついとんねん! これヤバイやろ!」

「ええ、ヤバイ奴ですわ」

「ロキ! 避難しろ!」

 

 その言葉とほぼ同時にベッドに居たくるみたんが手を振るうと、うちの部屋が切断された。それはもう、綺麗にや。

 

「こうなれば仕方ありませんわね。殺しましょう。魔王が降臨されるよりましですもの」

「ふざけるな! 殺すだと! 彼女はお前なのだろう!」

「ええ、ですからわたくしがわたくしの手で殺します。わたくし達!」

 

 無数のくるみたんが飛び出し、斬り殺されながらも接近して身体を押さえ込んでいく。そして、オリジナルであろう彼女が素手を白いくるみたんの胸へと突き入れて心臓を引きずり出しおった。彼女の手には未だ動く心臓とそこに浮かび上がる胎児のような顔。

 

「コレも精霊なのですから、こねこねしたら使えそうですわね。意思は要りません。力だけになるまで巻き戻しましょう。刻々帝(ザフキエル)四の弾(ダレット)

 

 くるみたんが生み出した時計盤から何かを銃に込めて、それを撃つと心臓の形が宝玉になり、種子みたいな結晶体になりおった。そこからは確かに力を感じる。

 

「これを集めたら、わたくしと同じ存在を作れそうですわね」

「やめい!」

「わたくし、同族が欲しいんですが……」

「それは禁忌や! 絶対に駄目や! NO!」

「わかりましたわ。仕方ありません。わたくしを食べさせて養殖し、結晶の量産計画は止めておきましょう」

 

 どうやら、わかってくれたみたいでポケットに入れおった。渡してはくれへん……量産計画? 考えただけで恐怖やな。

 

「さて、もう一発四の弾(ダレット)。追加で四の弾(ダレット)。はい、修復完了ですわ。気分はどうですか、わたくし?」

「最悪ですわ、わたくし……」

 

 心臓を抜かれた毛先が白くなったままのくるみたんが、元の身体の綺麗なままでおった。おそらく、あの四の弾(ダレット)というのは対象の時間を巻き戻す効果があるんやろう。それで治療したということかもしれん。

 

「異物は取り除きましたが、問題があります。理解しておりますわね、わたくし?」

「わたくしが白の女王になっていないかという事ですわね」

「ええ、そうです。魔王化などされては困りますもの。いえ、能力は欲しいですが……」

「リンクは途切れているようですが、問題はありませんわ」

「問題おおありですわよ。殺処分を考える程度にはですが……」

「死にたくないので再考をお願いいたしますわ」

「では、リンクを再接続できるように巻き戻します。その後からは短い命、好きに生きなさい」

「ありがとうございますわ、わたくし」

 

 こっちを無視して互いに話しとるが、一応は穏便になったようや。何度か更に巻き戻してリンクが復活したみたいや。でも、髪の毛は変わってへん。

 

「貴女は黒と白が混ざった灰色。グレイと名乗りなさい」

「グレイですわね。畏まりました」

 

 二人が話している間にフィンたちもやってきて、かなり大事になっとる。それに気付いたようで、くるみたんは四の弾(ダレット)を周りの壁に撃ち込むと、綺麗にぶっ壊された部屋も元に戻った。時間を操るというのは本当にずるい反則的な力や。でも、代償に彼女は文字通り寿命を削っとる。

 

「ああ、肝心な事を忘れておりましたわ。ロキさん。グレイのステイタスはどうなってますか?」

「せやったな……えっと所属はロキ・ファミリアになっとるで。ただ魔法もステイタスも全部消えとる。あるんは神威霊装・三番(エロヒム)だけやな」

「魔王化する前に排除したので完全にはならなかったようですわね。惜しいような、惜しくないような……」

「いや、精霊が反転するとか笑えんって」

 

 精霊とは神の代行者として地上を管理運営し、人々を助けて導く存在や。民を愛し、慈しみ、助けるような存在。それが反転すると憎悪し、破壊をまき散らす正に破壊の神と呼べるような存在となる。うちらかて神としての力を使わなやばい。

 

「ですから、魔王と言うのでしょう?」

「闇派閥の狙いはそれっちゅーわけか。って、それやったら自分の分身体ってかなりまずいんちゃう?」

「まずいですわね。反転されると凄く楽しくて笑うしかない愉快な事になりますわ。何せ反転したわたくしは時間ではなく、空間を操りますもの。とっても素敵でしょう?」

「時間と空間の激突って、最悪やん! 即座に撤収させい!」

「……いえ、撤収はさせません。ギリギリまで情報収集して自害させます。それに彼女はレベル1、ランクアップしたわたくしが飛んで殺してくればいいだけですわ」

「……それもそうやな。裏目に出ん事を願うで」

 

 とりあえず、基本的に改宗させへん方がええやろ。下手に反転されたら困るしな。オラリオを滅ぼしかねへん。それだけ反転した精霊は危険や。なんせ神の力を際限なく使えるねんからホンマにヤバイ。空間と時間、勝つのはどちらかわからんけど……同レベルならともかくランクアップしていたら問題ないやろ。その場合、くるみたんは完全に人間じゃなくなるやろうけどな。

 

「とりあえず、グレイたんとくるみたん、二人はロキ・ファミリアに常駐させておってな」

「何故二人ですの?」

「決まっとるやん。うちが可愛がるためや!」

「……身の危険を感じたら斬って構いませんからね、グレイ」

「ええ、そうさせてもらいますわ、わたくし」

 

 二人は互いに抱き合いながらこっちを見ながらそんな事を言ってきた。本気の目やったのでセクハラはほどほどにせなあかんようや。セクハラを止めればええって? そんな事はできへん。うちの生き甲斐やしな! よし、まずは魔法少女の衣装を着せて二人はキュアキュアでもしてもらおうかな!

 

 

 

 

 




今回の話。
分身体とのリンクが切れて反転する可能制あり。宝玉を持っているとほぼ確実に反転しだす。その前に巻き戻すか殺処分を推奨。
霊結晶(セフィラ)の欠片を新たにゲット。前のと合わせて多少の大きさ、ビー玉くらいにはなるもよう。完成体を入れて適合した人から精霊へと変化できる。基本的にデート・ア・ライブの精霊はこのようにして作られている。くるみたんも精霊の力の結晶を体内に埋め込まれております。


グレイは軍刀と短銃を使えます。軍刀は基本的にスパスパ切れますが、斬撃を飛ばしたりはできません。時喰みの城もありません。空間操作もできません。ただ斬れる軍刀と短銃を持つだけです。
もちろん、時喰みの城も使えないので寿命の追加もなしです。一年と経たずに死亡します。
またオリジナルも彼女の軍刀と短銃は使えません。使うと浸食を受けて反転する可能性が高まります。
オリジナルに勝てる分身は居ないとはっきりとわかります。そもそもリンクが一度切れたので、ステイタスも最初からです。ランクアップのために死闘をしましょう。なお、過保護なお母様達がなかなか出してくれないもよう。






反転体

精霊及びその霊力を扱えるようになった人間の精神が急激に深い絶望に塗りつぶされた際、体に宿った“霊結晶の反転”という現象が起きることで変質した姿。
現世に関する事柄が全て「虚無」となり記憶の一切を失う、または人格そのものが入れ替わり、冷酷無比かつ周りの物を破壊しつくす、あるいはその場にいる敵対する者と認識したものを排除するのみの狂暴な存在へと化してしまう。
また、この姿になると普段纏っている霊装や“天使”も劇的に変化し、霊装は暗色の鎧へと、“天使”も“魔王”と呼ばれる闇色に染まったものへと変化し、能力も若干変質する。
時崎狂三の場合は時間操作から空間操作へと変更される。

ロキによる発現する天使

  • レーヴァテインから灼爛殲鬼(カマエル)
  • 変身術の逸話から贋造魔女(ハニエル)
  • 空飛ぶ靴から颶風騎士(ラファエル)
  • このまま|刻々帝《ザフキエル》のみ
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