ダン狂~くるみ(偽)とリリのダンジョン探検~ 作:ヴィヴィオ
リリさんが失敗してから数日。リリさんはベルさんと食事をしてヘスティアさんが拗ねたり、ベルさんが魔法を強制的に発現させられる魔導書を手に入れて読んで試し撃ちしたりしました。試し撃ちの結果、マインドダウンしてダンジョンで倒れました。助けようかとも思たのですが、ロキ・ファミリアと一緒にダンジョンから上がってきたセイバーが来ていたのでそちらに任せました。結果、アイズさんがベルさんを膝枕するという大変羨ましい光景が発生しました。全部、リヴェリアさんが悪いです。まあ、ベルさんは起き上がると急いで逃げたんですが。
ロキ・ファミリアに色々とバレたのですが、すでにヘファイストス・ファミリアである程度ハデに動いているので問題ありません。
リリさんは基本的にベルさんとダンジョンに行き、終わってから椿さんとの訓練です。ダンジョン探索の方が息抜きになっているという変な事になっております。ですが、そのおかげで支援があればインファントドラゴンに手傷を負わせてもう少しといったところまで強くなっています。
もちろん、わたくしはリリさん以上に厳しい訓練をします。リリさんだけに厳しい訓練をさせるわけにも行きませんしね。といっても、戦闘ではなくわたくしはわたくしの厳しい戦いをします。ええ、ちょっと数十人分のわたくし達の記憶をインストールするだけです。普通に血を吐いたり、頭から血が噴き出したりしますが、必要な事なので致し方ありません。
「おや、リリさんが仕掛けるつもりのようですね」
「待つ事数日。ようやく第二ラウンドかな?」
「ですわね。ちなみに十階層で
「よし、即刻中止させようか」
「駄目ですわ。それに危なくなればわたくし達が始末してお助けしますので安心です」
「いや、それって僕的には全然安心できない。君は充分に可愛いからね。そんな君がピンチなベル君を颯爽と助けたら……」
「でしたら援護だけにしておきましょうか……いえ、その前に増援が向かったようなのできっと大丈夫ですわ」
「増援?」
「アイズ・ヴァレンシュタインさんとグレイさんですわね」
「ヴァレンなにがしか……ヤバイ! 僕のベル君が取られちゃう!」
「それは仕方ありません」
話していると、店の扉が開きましたのでそちらにてくてくと移動してお客様を迎え入れます。
「いらっしゃいませ。ヘファイストス・ファミリアにようこそお越しくださいました。ご用件をお伺いいたします」
「えっと、何故ソーマ・ファミリアのクルミ様がこちらにいらっしゃるんですか?」
「こちらで働いているからです」
「どうしたのかな? って、ハーフエルフ君、いらっしゃい」
「ヘスティア様!」
どうやら、ヘスティアさんの方に用事があるようですわね。しきりにこちらを気にしているようですし、あちらも動いているようですから行きましょうか。
「ではヘスティアさん。こちらはよろしくお願いいたしますわ。わたくしは直接出向きますので」
「うん、行ってらっしゃい。ベル君をよろしくね!」
「お任せくださいまし」
影に潜んでから観戦のために買物をしてからダンジョンに向かいます。残念ながらヘファイストス様に頼んだ武器は間に合いませんでしたが、今のリリさんなら大丈夫でしょう。インファントドラゴンと普通に戦えるようになっていますからね。
◇◇◇
「あの、ヘスティア様は彼女を知っているのですか?」
「うん。彼女とは仲良くしているよ。彼女の魔法でベル君を手伝ってもらえるからね」
「そうですか……でも、ソーマ・ファミリアは……」
「ああ、聞いているよ。ソーマ・ファミリアは団長のザニスとやらが支配し、ソーマの酒を使って私利私欲を肥やしているらしい」
「それがソーマ・ファミリアの現状……そんな人達にベル君を預けて大丈夫なんですか?」
「ああ、彼女はソーマ・ファミリアを乗っ取るつもりだからね。その為の準備をしているようだ」
「乗っ取り、ですか?」
「ああ、乗っ取りと言っても主神は既に確保しているから問題ないらしい。今は相手側の爆発待ちとの事だよ」
「ですが、彼等はベル君のナイフを盗んだようです。ベル君は気付いていませんでしたが……」
「ああ、それは僕が依頼した。彼女達の報告を聞いたらベル君はかなり危なかしいようだったからね。これで少しはベル君は人を警戒する事を覚えるだろう。まあ、無理だったとしてもベル君の仲間を用意する事ができるし、彼女に任せておけば大丈夫だしね」
「ベル君の仲間のあてがあるんですね」
「うん。だから安心していいよ。どうせ結果はすぐにわかるしね。ところでそれだけかな?」
「いえ、心配してソーマ・ファミリアを調べにきたんです。それで神様に質問をしようと……」
「なるほどね。ありがとう。わざわざベル君のために色々としてくれて。でも、ベル君は僕のだからね!」
◇◇◇
ダンジョン十階層。深い霧が立ち込める中、リリさんは崖の上からクロスボウでベルさんの荷物を固定するベルトと荷物本体を撃ち、糸を通してナイフが入っているポーチを取りました。その状態でリリさんは崖下で大量の
「ごめんなさい。ベル様……もうここまでです」
「何を言っているの!」
「リリの狙いは最初からこのナイフです。ヘファイストス様がお造りになったナイフなんですから、その価値は計り知れません。こんな簡単に取られるようじゃ、このナイフを持つ資格はありませんよ。まあ、リリにもないんですけどね」
「リリっ!」
「リリが記念にもらったバゼラードはあげるので、適当な所で逃げてくださいね」
リリがあげると言ったバゼラードはヘファイストスさんが作ったわけではないですが、椿さんが作った物です。素材はリヴィラで購入した物を使っているので一級品とは言えませんが、使われている技術は一級の物なのでベルさんが持てる装備ではありません。まったく、優しいのか優しくないのかわかりませんわ。
「さようならです、ベル様」
「リリっ! リリィィィッ!?」
オークとかをスパスパ斬っているベルさんを置いて上層に上がっていきます。わたくしはじゃが丸君を取り出して食べながら確認しておきます。
必死に戦っているベル君を見ているのですが、あまりに楽勝すぎて見ていて面白くありません。インファントドラゴンでも叩き付けてやりましょうか?
「いえ、それも必要はありませんわね。無駄になりますもの……」
深い霧の中から
「エイナさんが送り込んだ増援が到着したのなら問題はありませんわね」
ベルさんは直ぐに
「じゃが丸君……」
「おや、アイズさんじゃないですか。グレイが教えましたの?」
「違う。じゃが丸君の匂いがした」
「……どこの腹ペコ王ですか。まあ、食べ……喰います?」
「たべる」
アイズさんにじゃが丸君を渡してグレイの戦いを見ると、彼女は持ち手を覆うように刃が設置された片刃の大剣を使ってオークを一刀両断しています。グレイはツインテールではなく、ポニーテールにしているのでわたくし達との区別化はばっちりです。
「そちらは終わりましたの?」
「終わりましたわ」
少しするとグレイもやってきたので、ドリンクとじゃが丸君をあげます。しかし、軍刀と短銃を使っていないのは訓練のためなのでしょう。
「そちらはこれからどうするのですか? ベルさんならわたくし達が護衛についているので問題ありませんわよ」
「どうしよう?」
「このまま潜りますか? 訓練にしてもオークでは話になりませんもの」
「うん。もうちょっともぐ……誰?」
アイズさんの言葉にそちらを向くと、ローブを着た怪しい人が居ました。
「こちらに敵意は無い。私はギルドからきた。依頼をしたいだけだ」
「依頼ですか?」
「そうだ。二十四階層の食料庫で異変が起きている。騒動の調査と鎮圧を依頼したい」
「二十四階層ですか……」
そういえば何か仕掛けているとアヴェンジャーから報告がありましたわね。彼女の記憶を確認すると、確かに彼等が仕掛けているようです。
「依頼を引き受けましょう。報酬は魔導書でお願いしますわ」
「待て、高すぎる。そもそもこれはロキ・ファミリアに……」
「ええ、ですが相手からしてアイズさんだけではきついです。何せ相手はレベル6クラスの敵が一人と闇派閥の幹部が居るんですもの」
「情報を得ているのか?」
「もしかして……あの人?」
「ええ、そうですわ。ですので魔導書を要求します。それを頂けるのでしたら、すぐに伝達してロキ・ファミリアの精鋭を動かしましょう」
「……いいだろう。やってくれ」
「畏まりました。わたくし達、すぐにフィンさん達に連絡を入れてくださいまし」
「わかりましたわ」
複数のわたくし達に伝達して、すぐにロキ・ファミリアの主力にこないだのレヴィスが居ると教えて呼び寄せます。明らかに過剰戦力でしょうが、問題ないでしょう。報酬の魔導書は相談になりますが、わたくし達が確保したいので、金銭的に渡す感じにしておきましょう。
ロキによる発現する天使
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レーヴァテインから灼爛殲鬼(カマエル)
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変身術の逸話から贋造魔女(ハニエル)
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空飛ぶ靴から颶風騎士(ラファエル)
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このまま|刻々帝《ザフキエル》のみ