ダン狂~くるみ(偽)とリリのダンジョン探検~ 作:ヴィヴィオ
次は五十階層から下の階層攻略です。
ロキ・ファミリアのくるみちゃん4
「やっと着いた~!」
「ここまで五日じゃからのう」
「クルミとグレイは大丈夫だった?」
「平気ですわ」
「問題ないよ」
ロキ・ファミリアに雇われて移動してきたわたくしは皆さんと無事に50階層にある安全地帯に到着しました。ここは
それらを超えて次の階層への入口がある場所にやってきました。そこは崖の上にある高台で、柱のような石柱がいくつかあり、平らな地面と木々が階段のすぐ近くにあります。
「クルミ。ここが拠点作成予定地だ。荷物を頼む」
「了解しましたわ。少々お待ちください。あちらのわたくしに連絡を取ります」
「頼む。それとロキにも無事に到着したと伝えてくれ」
「畏まりました。では、影を作っておいてくださいまし」
「了解した。ラウル!」
眼を瞑ってくるみねっとわーくを通し、ロキ・ファミリアのホームで待機しているわたくしに連絡を取り、ロキさんに到着を伝えるようにお願いし、こちらも準備を始めます。
伝えてもらっている間に現在、
「では、出しますので離れておいてくださいまし」
「ん、わかった」
アイズさん達が離れてから、作られた影に触れて
「まずはバリケードを設置するぞ! また連中が湧いてくるかもしれんからの!」
「了解です!」
「手前達ヘファイストス・ファミリアはバリケードの設置を手伝うぞ!」
「おう!」
バリケードは鉄製の品で、それぞれを杭で固定する感じです。螺子はありません。最初に設置する場所は出口で、そこからぐるりと囲むように作っていきます。
「私達の班は食事を作る。といっても、今回は温めるための竃ぐらいだろうがな」
「はい!」
リヴェリアさん達のところは基本的にエルフや女性陣などがおり、料理が作られていきます。食材は全て新鮮な物で、下拵えなどは全てホームの方で終わった奴が送られてきます。
「僕の班は天幕を張る。今回はベッドがあるから多く作るように」
「了解です」
流石に全ての物を送り込むことはできないので、木を伐り出して作っていきます。ただ、生半可な物は作らせません。頑丈でしばらく使える物にします。これからしばらく住むつもりですし、ロキ・ファミリアが退却した後もここはわたくしが使わせていただきますの。ですので、わたくしも人数を呼んでお手伝い致します。
資金はフレイヤ・ファミリアから頂いた五千万ヴァリスをこちらの拠点開発費にあてております。こんなところに来られるのはロキ・ファミリアかフレイヤ・ファミリアのどちらかですが、彼等が居ない時は灰色の大樹林や川から薬草や水などの物資を回収して地上に送ればかなりの資金源になります。
薬草はポーションの材料にもなります。何より水はお酒の材料になりますので、ここで定期的に手に入れられるのは非常に利益がでます。安全地帯ゆえに量と質はあまりいいのはありませんが、それでも対抗馬が居ないので普通にいいです。対抗馬が来た時は宿と物資を提供すれば儲けはでますからね。
皆で忙しく拠点を作る中。わたくしは野営場から少し離れた位置で閃光玉を空に投げて無理やり影を作りだします。そこに
「クルミ、こんな感じでいい?」
「ええ、ありがとうございます」
「これはここがいいかな?」
「岩の柱に取り付けてください」
「わかったー!」
アイズさんとティオナさんなど、女性陣が精力的に協力してくれます。まあ、作っている物がお風呂なので、皆さんも生き生きしています。
「シャワーの設置終わったよ~!」
「こっちもタンクの取り付けは終わった」
「わたくしもボイラーの設置が終わりました」
「じゃあ、後は……」
「一番大変な水の確保ですわね」
「やるぞ~!」
「「「お~っ!」」」
タンクから伸びるホースを近くの川に設置するのですが、普通に届かないので水路を作るしかありません。そこで地上で作っておいた水路を取り出して、連結させていきます。川が崖の下なので途中までは水路で運んで、組み上げる仕掛けを使います。
「ナニコレ面白い~!」
「くるくるまわる」
というわけで、川に移動してよさそうな場所に設置します。設置するのは水車です。水車が水を汲んで水路に流し込んで運んでいきます。崖の部分には魔道具のポンプを配置して崖の上まで水を汲み取るようにしました。これで水は川から常に供給されます。壊されたとしても、最終手段はあるので問題はありません。
川の水をタンクに溜めたら別のタンクへと移してからボイラーの魔道具で水を温めてまた別のタンクに入れて浴槽とシャワー用に使います。
「実験開始ですわ!」
「いけ~!」
「楽しみ」
スイッチを押して全て作動させると、地上で試した時と同じ効果を発揮してくださいました。水がお湯となり、浴槽に流れこんできます。すぐに湯気が立ち上って周りを熱していきますの。
「これで終わり?」
「後は棚とか?」
「そうですわね」
脱衣所も設置し、椅子や桶、灯りもしっかりと用意しました。これで何時でも入れます。ですが、入るのは後です。流石にお湯が溜まるまで時間がかかりますからね。男性用と女性用で分けてあるので、かなりの広さですから仕方がありません。
お風呂が出来れば各天幕にベッドとタンスを出していきます。だいたいこれで生活環境は出来たので、続いて防衛面の強化をはかります。まず、バリスタを全方位に設置して固定してもらいます。続いて見張り台も作っていきます。まあ、ここに来られる人達にとってバリスタなんてほぼ使えない武器でしかないんですけどね。
仕事が終わったので、女性陣はお風呂に入ります。
「あの。そういえば何があったのか聞けなかったんですけど、来る時にアイズさんがあの人を抱えて地上に行ってましたよね?」
「うん」
「どうしたんですか?」
「冒険してたの」
エルフのレフィーヤさんの疑問を湯につかりながらアイズさんが説明していきます。ここには二人の他にもティオナやアキさん、椿さんもいます。
「本当に凄かったんだから! 特にあの子達! あの白髪の子と椿のお弟子ちゃん! 名前はなんだったけ?」
「手前の弟子ならリリルカ・アーデだな」
「白髪の子はベル・クラネル」
「その子達!」
「そういえばリリはレベルアップしたのであろう?」
「ええ、しましたわよ。ベルさんもして神会で二つ名をいただきました」
「ほほう」
「地上の情報がこんなにすぐ伝わるなんて……」
まだステイタスは見ていません。だって、見たら敗北を知らしめられますもの。ですので、わたくしがレベルアップするまでは見ません!
「二つ名か~。どんなのもらったの?」
「私も気になる」
「うむ。確かに気になるな」
「わ、わたしも教えて欲しいです……」
「リリさんはリトル・ウィッチ。ベルさんはリトル・ルーキー、わたくしはリトル・ナイトメアですわね」
「みんなリトルなんですね」
「色々と手を回しましたので、おおむね予定通りですわ」
「手を回したんですか!?」
「さもありなん。クルミならやるであろうよ」
「まあ、同じファミリアの人達には恨みを買いましたが、宣伝はしっかりとできましたし、販売でしっかりと稼いだので問題ありません」
「そこまでしたんですか……」
「だって、ナイトメア以外の二つ名なんて認められませんもの」
「並々ならぬ拘りであるな」
「うん。でも、クルミならもっとかわいい名前がいいのに……」
「お断りですわ」
皆さんを視界に入れないようにしながら、そう伝えます。
「とりあえず、地上はそんな感じです」
「レベル3……一ヶ月も経たずに……」
「レフィーヤ、追いつかれちゃったね」
「はい……でも、私だって負けていられません!」
「うむ。その意気だ。頑張るといい」
「はい!」
「私も負けないぞ~!」
「私も」
しっかりと温まったら、わたくし達は次の人達と交代します。お風呂が終われば少しして、天幕で囲うように作った広場に集まり食事を取ります。それが終わればミーティングですわね。
ミーティングの内容は簡単で、レベル5以上の方々とサポーターとしてわたくし、ラウルさん、レフィーヤさんが選ばれました。レフィーヤさんは心ここにあらずの感じでしたが、その後の椿さんによる不壊属性武器の配布会でちょっとは変わったようです。
どちらにせよ、わたくしにはどうでもよいことです。今回、わたくしはサポートですが、
ロキによる発現する天使
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レーヴァテインから灼爛殲鬼(カマエル)
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変身術の逸話から贋造魔女(ハニエル)
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空飛ぶ靴から颶風騎士(ラファエル)
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このまま|刻々帝《ザフキエル》のみ